古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

丹生都比売神社

2017年08月19日 | 神社・仏閣
 2017年8月17~18日、紀伊半島の西側を半周するドライブ旅行に行ってきました。17日の11時頃に富田林の自宅を出発、丹生都比売神社と高野山を参拝し、そのまま高野龍神スカイラインを走って龍神温泉で一泊。2日目は紀伊半島をさらに南下して奇絶峡を観て田辺市へ。田辺からは国道42号線を北上して白崎海岸に立ち寄り、再び42号線へ戻ってそのまま和歌山市内に入って竈山神社と国前神社・國懸神社を参拝、少し時間が遅くなったので阪和道を走って自宅へ戻りました。今回のお宿「旅館さかい」はペットと宿泊できる旅館だったので、初めてワンコを連れての旅行となりました。

 ここでは和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野にある丹生都比売神社を紹介します。紀伊国一之宮、旧官幣大社ということもあってか、秋篠宮ご夫妻も参拝され、記念の植樹がされていました。

駐車場に車を停めてまず目に入ったのが、立派な朱塗りの輪橋。


一の鳥居の奥に輪橋。


ワンコも一緒に橋を渡りました。


橋を渡ると奥に社殿が見えます。


予想以上に立派な拝殿にびっくり。


拝殿の裏手に4棟の本殿が並ぶ。右から第一殿、第二殿、第三殿、第四殿。


それぞれのご祭神。


第一殿の丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)は通称「丹生明神」と呼ばれ、古くより祀られていた神様。
第二殿の高野御子大神(たかのみこのおおかみ)は通称「狩場明神」と呼ばれ、高野山開創と関係する神様。
第三殿の大食津比売大神 (おおげつひめのおおかみ)は通称「気比明神」と呼ばれ、承元2年(1208年)に福井県敦賀市の気比神宮から勧請されたと伝えられている。
第四殿の市杵島比売大神 (いちきしまひめのおおかみ)は通称「厳島明神」と呼ばれ、第三殿と同年に厳島神社から勧請されたと伝えられている。

以下に神社公式サイトによる由緒を転載します。(一部変更しています)
 
紀ノ川より紀伊山地に入り標高四五〇メートルの盆地天野に当社が創建されたのは古く、今から千七百年前のことと伝えられます。天平時代に書かれた祝詞である『丹生大明神祝詞(にうだいみょうじんのりと)』によれば、丹生都比売大神は天照大御神の御妹神さまで稚日女命(わかひるめのみこと)とも申し上げ、神代に紀ノ川流域の三谷に降臨、紀州・大和を巡られ農耕を広め、この天野の地に鎮座されました。
 
また、『播磨国風土記』によれば、神功皇后(じんぐうこうごう)の出兵の折、丹生都比売大神の託宣により、衣服・武具・船を朱色に塗ったところ戦勝することが出来たため、これに感謝し応神天皇が社殿と広大な土地を神領として寄進されたとあります。
 
ご祭神のお名前の「丹」は朱砂の鉱石から採取される朱を意味し、『魏志倭人伝 ぎしわじんでん』には既に古代邪馬台国の時代に丹の山があったことが記載され、その鉱脈のあるところに「丹生」の地名と神社があります。丹生都比売大神は、この地に本拠を置く日本全国の朱砂を支配する一族の祀る女神とされています。全国にある丹生神社は八十八社、丹生都比売大神を祀る神社は百八社、摂末社を入れると百八十社余を数え、当社は、その総本社であります。
 
丹生都比売大神の御子、高野御子大神は、密教の根本道場の地を求めていた弘法大師の前に、黒と白の犬を連れた狩人に化身して現れ、高野山へと導きました。弘法大師は、丹生都比売大神よりご神領である高野山を借受け、山上大伽藍に大神の御社を建て守護神として祀り、真言密教の総本山高野山を開きました。これ以降、古くからの日本人の心にある祖先を大切にし、自然の恵みに感謝する神道の精神が仏教に取り入れられ、神と仏が共存する日本人の宗教観が形成されてゆきました。中世、当社の周囲には、数多くの堂塔が建てられ、明治の神仏分離まで当社は五十六人の神主と僧侶で守られてきました。
 
また、高野山参詣の表参道である町石道の中間にある二つ鳥居は、神社境内の入口で、まず当社に参拝した後に高野山に登ることが慣習でした。鎌倉時代には、行勝上人により気比神宮から大食都比売大神、厳島神社から市杵島比売大神が勧請され、社殿が北条政子により寄進され、本殿が四殿となり、このころから舞楽法会が明治のはじめまで盛んに行われます。現存する本殿は、室町時代に復興され、朱塗りに彫刻と彩色を施した壮麗なもので、一間社春日造では日本一の規模を誇り、楼門とともに重要文化財に指定されています。
 
尚、平成十六年七月「紀伊山地の霊場と参詣道」の丹生都比売神社境内として世界遺産へ登録されました。



 高野山へ登る途中の山深い山村にひっそり佇む神社で、しかも主祭神と考えられる第一殿の丹生都比売大神は記紀に登場しない神様。紀伊国一之宮とされることに違和感を持ったのですが、この由緒を読むと少し納得かな。




コメント
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