彦中三八ブログ 

彦島中学校を昭和38年3月に卒業した同期生のためのブログ。 掲示板「彦中昭和38年卒同期会」にもお立ち寄りください。

夢 四、再会

2014年04月24日 14時30分25秒 | イベント・出来事・生活
僕はパーティーに出ていた。
少しも緊張を感じなかったので、知り合いの多いパーティー
だったのだと思う。
それでも見知らぬ人も少しはいて、偶然近くになれば、
その都度お互いに自己紹介をした。

三人目のぐらいの挨拶の時、僕はその人を発見した。
初めは誰かとは全く分かっていなかった。
「おや、この人は白人なのに、表情や所作が日本人に
似ているところがあるな」と思い、その人の目を見た。

相手も同時にそのようなことを思ったようで、僕の目を見つめた。
「ということは僕も白人の容姿になっているのだ」と思った。
と同時に僕は全てを了解した。
相手も同様な確信を持ったようだった。

イメージも輪郭も以前とは全く違っていた。にもかかわらず
リアリティはすごくって、僕はこの人は昔の彼女なんだってことを、
すぐに了解したのだった。

遠い、果てしなく遠い追憶だった。たぶん日本の「スタジオ&
高校」のステージから、せいぜい実時間は十年ぐらいしか経過
していなかったと思う。でも遠いんだ。頭の中ではすごく遠い
過去の人。でもうずくような懐かしさに僕は動揺していた。

その人はテラスに僕を誘った。外はすっかり暗くなっていた。
僕は屋内のパーティー会場から死角になる椅子に座った。
そしてその人は僕の傍らに立って、僕をじっと見つめていた。

その人は僕に言った。
「今日、会えるなんて思わなかった。あなたの目を見た瞬間に、
 私はずっとあなたに会いたがっていたんだってこと、分かりました。
 でも、あなたのことを毎日想っていたわけではないのです。
 あなたのことは全く忘れていました。だけど、あなたに再会した
 途端に、私はあなたに会いたがっていたんだということが分かった
 のです」

「この人は僕と同じことを感じ、同じことを考えている」と思った。
言葉は必要ない。僕の気持ちもこの人に伝わっている、というより
僕たちの心は完全にシンクロしているんだと思い、僕は返事を返さずに
その人を見上げた。

その人は涙ぐみながら、「もう戻れないね」と言い、背をかがめて
見上げている僕のくちびるに軽くキスをした。
「そう、僕たちはあまりにも遠い行程をそれぞれに歩みすぎたんだ。
 戻れないのは確かだ。でも、それって切ない、切なすぎる!」
と思いながら、その人の軽いキスを僕は受け入れた。

このシーンで夢は終った。
夢の終りは、ある違和感で唐突に訪れたのだと思う。

切なさ、悲しさに覆われている「その人」の顔を、
「この人の顔、ジョン・ヴォイドに似ているな」と思ったのだ。
 この人ね。↓

(ジョン・ヴォイドって俳優を知らない方には、アンジェリーナ・ジョリーの
 お父さんって言った方がいいかも。年寄りのおいらには、こっちの方が
 初耳の情報だったんだけど)

また、涙ぐんでいる目の表情は、アレック・ギネスに似ていると思った。
特に映画「ドクトル・ジバゴ」で、ジバゴの義兄役の時の1シーン、生活に
困窮したジバゴが深夜、街頭で暖房のための木材を盗んでいる場に、
遭遇し、驚き、戸惑い、悲しみ、哀れむ時の目に似ていると思った。
この写真の右の人です。↓


彼女は男性になっていた。ということは、僕は女性に変身しているのか!?
と、夢の中の我が身を俯瞰したが、僕は男性のままだった。

「これって同性愛?」と、一瞬おぞましさに包まれかけたが、
「いやいや、 僕はすごくナチュラルにあのキスを受け入れていたよな」
と思い返した。

「この夢、すげーヤバ!」と半覚醒状態の僕はあせっていた。
僕は覚醒の世界では、全くのノンケなんです。
そりゃー、数年に一度ぐらい、オカマバーを訪れてね、話術の達者な
おかまさんと話す時は、楽しいと思うけどね。だけど、一度たりとも
「彼女」たちに性的な幻想を持ったことはないのです。

おー、嫌だな。勘の悪い心理学者に、「あなたは無意識の世界では
ホモセクシャルに対する願望がある」なんて、分析されたらウゼーよ。
なんとか結着をつけなくてはと焦ったのです。

で、僕はうつらうつらしながら、直前まで見ていた夢を反芻したのです。
だから、この夢を記憶できたのだと思います。

[終わり]
by K

※しばらくネットが不通だったので、アップできませんでした。
 最終回のアップをお待ちになっていた、ごくごく少数の方々へお詫び申し上げます。
 どうもすみませんでした。

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