壁屋の十勝情報

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コロポクウンクル伝説

2006-06-18 18:27:51 |  帯広市
 今回は、趣向を変えまして、十勝・帯広。いや、北海道に伝わる、アイヌ伝説を紹介します。
 伝説の紹介なので、写真は出てきませんので、最初にお断りしておきます。


 『コロポクウンクル伝説』と書いていますが、一般的な呼び名は、『コロポックル』だと思います。

 

 コロポクウンクルは、当然、アイヌ語でして、『蕗(フキ)の下にいる人』とか、「地下に住む人」と訳します。

 現在では、絵本にもなっている「コロポックル」ですが、アイヌの人達は、「カムイ」(神)の名称をつけたりして、尊い存在でした。

 古くからアイヌ伝説には、必ずと言ってもいいほど出てきて、北海道中に「コロポクウンクル伝説」はあります。当然、十勝にもあります。


 一般的な伝説は、アイヌがこの土地に住み始める前からこの土地にはコロポックルという種族が住んでいました。
 彼らは背丈が低く、動きがすばやく、漁に巧みであり、又屋根をフキの葉で葺いた竪穴にすんでいました。
 彼らは情け深くアイヌに友好的で、鹿や魚などの獲物をアイヌの人々に贈ったりアイヌの人々と物品の交換をしたりしていましたが、姿を見せることを極端に嫌っておりそれらのやりとりは夜に窓などからこっそり差し入れるという方法でした。

 そんな状態を、一人の青年が破って、コロポックルの婦人を家に入れてしまい、それに対して怒ったコロポックル達は、二度とアイヌの人々には姿を見せなくなった。



 安政3年(1856)の『竹四郎廻浦日記』には、次のように記載されています。
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「此川本名トカチ也。其地名の訳は昔し此辺に小人が住し由なるが、蝦夷人始て此処へ来りしかば、小人窓より魚を出して与へしが、未だ夷人は魚を喰する事をしらざりし也。其魚を取捨て、小人の腕を持て引しかば、其腕抜て小人は逃去りし由。其逃る時にトカチくと言って去りしと。トカチは魚が無と言事なりしとかや。よって此トカチの方至て魚少し。」
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 存在したのか、していないのか。それは、それぞれ考えるところがあると思いますが、私個人としては、あくまで伝説として、暖かく受け入れたいと思います。
 この様な伝説があることが、メルヘンなのかもしれません。


 巨大な蕗(フキ)の下を覗いて見ると、そこに、小さなコロポックルがいたら・・・
 そんな気持を持っていたいものです