君を愛してると言い残した邂逅
思ってもいないのに、今日は雨の代官山デート
ピンク色の傘に弾かれて
幾千粒の雨粒で霞み前が見えない
でも未来はそうやって僕たちをいざない
犯した罪を償う
今なら旧友の婚礼に間に合うはず
誘惑に取り憑かれ
ひらりと踊る純情派の君には
ジェラシーは無用だね
バブリーな夜と分かっているなら
もう一度僕と付き合ってみないか
だって年の瀬のロマンスは
埋葬の夜のようにこんなにも
不思議色なんだから
二人きりなると僕たちはいつのまにか感じる
雪混じりになった道を滑って
そのまま誘惑し合う
君の揺れる視線に迷うと思ったとおりの気持ちになれ
胸の波間で溜息してる
清楚系のお姉さんなら、もう行くしかない
巡礼のための挨拶を交わした
スペシャルコースは今夜限り
僕たちの明日は異業種セミナーや政治塾では買えない
形だけの本音と秘密はごみ箱に移動させ
群青色の瞳に魅せられる
君が望むなら誘ってもいい
次は雨に打たれて
白金三丁目のジョージの店に立ち寄り
eat you upを聴いた
行き交う人たちの瞳の奥に
輝く夢見た頃の面影が巡る
青い海に点在する緑の島々から
吹いてくる風を受けて
費やした時が景色に溶けて見えないけれど
透明な真実に気付かず
君にまた逢えるという想いを寄せ
穏やかに月日を重ねる
そんな風に僕たちは
廃屋の谷間に埋もれて愛し合う
悲しみの調べが遠い季節の終わりを
告げるるから
君と戯れた夏はあの岬の海に棄てた
朝露の雫が蘇り
流れるこの空に
コバルト色の薄暮が煙ると
重ねた唇の輪郭がはっきりと伝わる
人生って、枯葉が舞い落ちるようですね
と坂の途中を旅する芸人が言った
流れ星の夜、心の窓を開け
君に届けた過去形のビートを
時の狭間で聞いているよ
2018・1・2
穏やかな新春の午後