諦めるなんて言わないでください
僕は今雨上がりの街を歩いて
君が住む都会の森に向かっています
途切れた返信を頼りに
埋葬したはずの過去の瞬間が少しだけ蘇る
うつろな時代を共有する君とのことだから
彷徨った道のりはあまりに深く
2人の隔たりは測りきれない
でも僕たちは,これからも後悔の河を逆流して
どこまでも如才なく生きていくしかないのだろう
超高層のビルの向こうに続くペイブメント
立ちすくんだ君の瞳が七月の雨に洗われ
人との繋がりを求めて孤独に行き交う人たちが
ダーリンと言って叫びながら愛に締め付けられている
片時の幻は過ぎ去り
舞い落ちる幾千の記憶の破片が
僕たちの罪を隠してしまう
あのターミナルでもう一度待ち合わせよう
でも誰もいなくなった季節外れの避暑地
にまた迷い込んでしまえば
やっぱり涙に咽んでしまうのだろうね
それでも静寂のソファーに深く深く埋もれ
未来からの風を受ける
君が蒼い海岸線を辿って
微かに光る懐かしの邂逅を想うと
僕たちに聞こえた最後の唄が
漂う夏雲の切れ間にゆっくり消えていった