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ダークフォース 第三章 中編 Ⅹ 下書き(途中です^^:)

2010年10月12日 20時49分02秒 | ダークフォース 第三章 中編(仮)
   Ⅹ

 確かにバルマードの言うとおり、
 ウィルローゼはヤマモトという大きな目隠しが消えたおかげで、
 二人の存在をすでに知り得ていた。
 ウィルローゼは、そんな二人に聞こえるくらいの大きさの言葉で、
 彼らに向かってこう囁いた。

「ねずみさんが二匹、迷い込んでいますわね。
 それも、なかなか強そうな感じがいたしますワ。
 私がこの、麗しく気高いウィルローゼの姿で在れる時間は、
 この太刀の力で多少ばかり延長されているみたいですので、
 魔法のようなこの奇跡の力を操る練習の相手には、
 ちょうど良い感じが致しますの。
 「逃がしませんわよ、」っと、一言そう言えば、
 私は本当に、悪い魔女さんのように映るのかしらね。
 あいにく、魔法の杖は持ち合わせてはおりませんけど、
 雰囲気をかもす為に、今度、金やプラチナを無駄に使った、
 重たいだけの杖を用意しておいても良いかも知れませんわね。
 ウフフフフ・・・。」

 この時、獲物を狙う猛禽のような目をした
 ウィルローゼのそのゴールドの眼差しに、
 バルマードとマイオストの二人は、背筋がゾクッとさせられた。
 今の、悦に入ったウィルローゼなら、
 愛する父であるハズのバルマードさえ練習代に選ぶであろうことを、
 バルマードは否定出来なかった。
 ウィルローゼは、好奇心に満ち溢れたアクティブな性格の持ち主で、
 遊び心には、満ち満ちている。
 ウィルローゼの隠し持つ『秘密の魔法』の力さえ使えば、
 バルマードと興じてみるのも、彼女にとっては可能だからだ。
 ただ、手加減は下手くそなのを、自分では気が付いてもいないウィルローゼの事を思えば、バルマードは決死の覚悟を決める必要があった。
 バルマードは、名乗り出るには少々、タイミングを逸した感が拭えない。
 覗かれることすら、悦楽に感じるウィルローゼを、
 今、名乗り出たりすれば、より一層、興奮させてやるだけの話だ。
 何より、バルマードは、勝負事に負けるのが嫌いだったし、
 まして、我が娘相手に負けるなど、お父様のそのプライドは許さなかった。
 バルマードは、蛇に睨まれたカエルのように、
 ヒソヒソとした声で、マイオストに耳打ちした。

「いいかね、マイオスト君。
 これから先見るであろうことは、一切内密に願うよ。
 我が師にさえ秘密にしていたことだからね。」

「・・・承知しました。
 この危機が乗り切れるのであれば、正直、耳栓つけて安眠マスクで、
 見ざる、聞かざるで、行ってもいいくらいですので。」

「そこまでしなくてもいいんだけど、
 まあ、ウチの、剣王家の四天王を紹介するよ。
 『凛花(リンカ)』、出番だよ!!」

 するとバルマードの声に応ずるかのように、
 一人の少女が姿を現した。
 ショートカットのその黒髪の美少女は、年の頃は14~5歳といった感じで、
 東方に住まうという、オリエンタルな雰囲気漂う、倭人の少女ようだ。
 マイオストは、旅がてら、東方の大国である『天帝国』を訪れたことがある為、
 すぐに彼女がかの国の出身であることが分かった。
 天帝国の女性は、嫁にしたい国の女性の中でも、
 北のレムローズ王国(北欧系で美女が多い)と並んでトップに入るので、
 そういうことに関しては、マイオストはやけに詳しかったりする。
 凛花と呼ばれたその少女は、武者鎧に長い太刀という出立ちだ。
 その武者姿の凛々しい凛花に向かって、バルマードは言う。

「内容はわかるね。よろしく頼むよ。」

 すると凛花と呼ばれた少女は、頼られるのが嬉しそうな様子で、
「頑張りますっ!!」っと、元気よく答えた。

 ウィルローゼと、バルマードたちの間には、
 見えない壁が存在しているが、
 凛花と呼ばれたその少女は、手にした太刀でいとも容易くその壁に風穴を開け、
 ウィルローゼの元へと近付いていった。
 マイオストは、その光景に衝撃を受け、思わず声を上げる。

「物理防御力5000オーバーの守りの壁を、
 こうも簡単に貫くとは!!
 何者なんですか、あの黒髪の美少女女子中学生はっ!?」

 バルマードは、その問いにこう答えた。

「こう呼べば、君なら、彼女のことが判るだろう。
 『黒髪のルフィア』だ、よ。」

「ル、ルフィア!!
 マジですか・・・、あの最強のルフィアがこの世界に実在していたとは。
 確かに、ある程度の情報は、ファールスにいればこの耳に入ってはきますが、
 よもや、ルフィアの姿を目の当たりに出来るなんて、
 感動で手がプルプル震えていますよ。
 一体、あなたは、どれ程のものを隠し持っているんですか。
 バルマード殿。」

「まあ、内密に願うよ、マイオスト君。」

「か、軽々しく言える訳ないでしょっ!?
 世界が混乱しますよ、大陸最強の剣王が、
 あのルフィアを従えているだなんて。
 かつて、異界の神々全てを敵に回しても、
 その髪の一本すら散らすことは出来ないだろうと云われた、
 六極神中最高位の、第一位の神格を持つ、
 『美髪王 ルフィア』・・・。
 姿かたちは、私の知る情報とはかなり食い違ってはいますが。
 現物を見るのは今回が初ですので、そういうものかも知れないのですね。」

「まあ、私は、『黒髪の』と付けて言ったからね。
 後の想像は、君に任せるとするよ、マイオスト君。」

 バルマードとマイオストの二人が見つめる中、
 ウィルローゼは、立ちはだかる武者姿の凛花に向かってこう言った。

「あら、こんばんは。『貧乳』の凛花さん。」

「!?」

 その一言は、凛花に大きな衝撃を走らせた。
 主君バルマードの前で、コンプレックスとしているデリケートな部分を、
 バッサリと斬られたからだ。
 鎧のせいで判り難くはあるが、確かにお世辞にも膨らんでいるとは言えない。
 対するウィルローゼは、爆乳と言って良いほど立派なものが付いており、
 まるで重力に逆らうかのように、微塵も垂れたりなどしていないし、
 形もバツグンだ。
 ドレスの上から計れば、メートルという単位を口にしなければならない程、
 立派に育っており、凛花の事を引き合いに出すには、
 あまりにお気の毒な相手だった。
 凛花は、一度、呼吸を整えて、ウィルローゼに言う。

「相手が姫様とて、その事に関しては、譲れないものがありますよ。
 たかが一部位の大小で、女性としての優劣が決まるわけではありませんから!!」

 凛花の言葉には、熱がこもっている。
 とてもとても、それを意識しているのが見ていてバレバレだ。
 そんな必死な彼女に向かって、ウィルローゼは言った。

「別に、ワタクシ、
 凛花さんの事をけなして言っているわけではありませんのよ。
 正直なこの悪い口が、これまた正直に、私の思いを正直に述べているだけの事です。
 凛花さんの事は、清純で、とても愛らしい女性(ひと)だと思っていますのよ。
 胸の方は、どうしようもなく、ぺったんこですけれど。」

「ぺ、ぺったんこ言わないで!!
 少しはあるのです! ほんの少しですが、ちゃんとあるのです!!」

 話がいきなり変な方向へと流れていってしまったことに、
 世紀の大決戦を期待していたマイオストは、
 気の抜けたような微妙な顔をして、バルマードの方を見る。

「あ、いやいや、
 娘(ローゼ)と凛花のやり取りは、いつもこんな感じだから。
 個人的には、どっちもアリだと思うんだけど、
 乙女心ってのは、オジサンには理解し難いところがあるねぇ。
 あははははっ。」

「どっちもアリなのには、激しく同意しますが、
 正直、聞いていて、こっちまで恥ずかしくなって来るような会話ですな。
 もちろん、バルマード殿同様に、オジサン的カテゴリーに入るであろう、
 この私にも、その繊細な乙女心は理解出来てはおりませんが。」

 覗き魔の二匹のねずみの事など、どうでもよくなったウィルローゼは、
 凛花に対し、口撃を繰り出す。

「ウフフッ、
 悪い魔女さん的立場の私と致しましては、
 そのピュアが、ピュアを重ねたくらい純粋な凛花さんの事が、
 時々、羨ましくなってしまう事もありましてよ。
 どうせ、私など、ただのゴージャスバディの持ち主ですので、
 身体の方ばかりに目が行ってしまい、肝心のココロの方は、
 見てはもらえませんことよ。
 その点、薄っぺらいベニヤ板のような可憐な姿の凛花さんは、
 しっかりと、その澄んだ天使のような心を見てもらえるのでしょうね。
 ウフフフフ・・・、そのように誰かさんに強く想われてみたいものですワ。」

「べ、ベニヤ板って何ですか!!
 ちゃんと有りますからね!
 私にとっての希望の丘の存在を、全否定するような発言はしないで下さい!!」

「まあ、これは失言でしたわ。
 では、その凛花さんの言われる希望の丘とやらを、
 直接、この手で計って差し上げますわ。
 ねずみさんは、後でこの私がちゃんと処分しておいてあげますので、
 ご遠慮なさらず、そのゴツゴツとした鎧をお脱ぎになって。
 優しく計ってあげましてよ、ウフッ・・・。」

「ちょ、ちょっと待って下さい、姫様!!」

 バルマードに見られている前で、
 乙女な上半身をさらす訳にはいかない凛花だが、
 それこそ、いやらしい腰付きと手付きで、ウィルローゼはじわじわと迫って来る!!
 ウィルローゼは、覗き間の一人が愛する父、
 バルマードであることに気付いていない様子だが、
 乙女の純情を抱える凛花にとって、
 その想い人であるバルマードの前で、そんな醜態を演じるなど許せるはずもない。
 凛花の気持ちなど露知らず、
 オジサン二人は、目の前で起ころうとしている、ドキドキな展開に、
 頬を僅かばかり赤く染めて、その成り行きを見守っていた。
 もう、どうしようもない、ただの覗き魔だ。
 余談だが、エストのことは皆がすっかり忘れている。
 ウィルローゼは、凛花に言う。

「人目が気になるようでしたら、部屋の奥にある私の、
 バラ色のベットルームで確かめてもよろしくってよ。
 天蓋付きのフワフワのベットの上、世代を同じくする者同士、
 まるでパジャマ会議のように、和やかに、お互いのホクロの位置など、
 確かめ合ってみるのも一興だと思いますの。
 幸い、どこかのオジサマのおかげで、
 私、この姿であることが、多少、延長されておりますので。
 二人して、夜明けのコーヒーを飲むのもまた、
 格別な思い出になったりするかも、知れなくてよ?
 ウフフフフ・・・。」

「そ、そんな思い出は悪夢です!!
 確かに、私も姫様も平成生まれ(天帝国の暦)の同年代ですけれども、
 姫様の言い回しは、いかがわしさに溢れまくっているのです!!
 ・・・思ってみれば、これだけ歳が近いのに、
 どうして、これ程の差が生まれたのでしょう。
 外国人さんである姫様は、発育が特別なのでしょうか。」

「まあ、凛花さん。
 むしろ、外国人さんは、異境からこちらへと渡られて来た、
 あなたの方ではなくって?
 さらに、言わせて頂くならば、私の所有する便利な魔法の本によれば、
 凛花さんは、天帝国の同世代の女性の平均値を大きく下回っていますわよ。」

「お、『大きく』は、余計ですッ!!」


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