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ダークフォースDFと続きに仮セカンド。Twitterは @14ayakosan 新規とDF追加再編です

少し時間をかけて、想いにふけったり。2017.2.25

2017年02月25日 18時23分22秒 | 日記

 こんばんは、井上です。


 ちょっとした油断で、軽く風邪を引いてしまいましたw

 もうすでに、ほぼ完治していますが、


 その間に執筆がおろそかになる分、

 いろんなアイデアが沸いては、

 どうかなー? ありかなー?


 うん、びみょーw っと、

 あらためてそうゆう、ゆったりとした時間を、

 感じたのを、懐かしく思いましての書き込みになります。


 ちょっと古臭い話になってしまいますが、

 そもそも私自身が、こういう創作作業に関心を持つようになったのは、

 振り返れば、中学時代にさかのぼります。


 この話は以前、日記で何度か書いた記憶がありますが、

 年も改まった事ですし、

 今年も個人的には『初心』のつもりではあります。^^:


 やはり最初は授業中の落書き辺りがスタートラインといいますか、

 落ち着きのない性格もありまして、

 適当な物を机に描いては、消してまた書くというのが、

 はじまりではなかったかと、思い出します。


 やがて気の合うクラスメートたちと、

 共に落書きのような絵を見せ合ったり、

 ノートに雑なマンガなどを描いては、

 それはそれで、十分に楽しい時間でした。


 今は、20数年前と比べても、

 とても綺麗な絵が多く、

 様々なメディアに満ち溢れていますね。


 若い、そう小・中学生さんの絵でも、

 こんなに凄いものが描けるんだと、

 近年の画力の高さに驚かされる事もしばしばで、


 今のクールジャパンの勢いに、

 とても、興味と関心を持たされる日々の連続です。


 個人的には、

 人より劣る所は、素直に勝る方にお任せして、

 一つの作品を仕上げる為の、一つの何処かのパーツに、

 納まれればそれが一番という考えがありまして、


 賞賛される物は出来るだけ称え、

 自分のモチベーションに変えて仲良くやれればという、

 スタンスが、

 その中学時代に養われたような気がする次第です。


 私の頃にも友人に、私より遥かに才能に溢れ、

 プロに迫るような画力の持ち主もいましたし、

 そういう方と、競っているのに、

 何故か一番仲が良かったりと、


 何かを自分と比較しない時代は、

 本当に思い出としては、美しく想う次第です。



 高校時代は、その中学の友人たちと、

 楽しくマンガやトークなど、

 (当時ラジカセで録音し、編集した画像とミックスして、

  自分たちで満足するくらいの身内動画の作ったりしてました。)

 色んな事を試していく過程で、


 ゲームを作るツールがある事を知り、

 それでDFシリーズへと至る事になりました。


 その後、DF6を作っている最中でしょうか、


 運がいいのか悪いのか、交通事故も巻き込まれてしまい、

 車が大破するほどの、高速道の高さ数十メートルの位置で、

 それに見舞われたのですが、


 運よく車体が3度フェンスに激突し、

 速度が低下し、落下せずに無事に脱出できまして、

 事なきを得ました。


 事故はやっぱり怖いですね^^:

 その後、私には後遺症が残りまして、

 しばらくの間、手が自由に動かせないといいますか、

 テキストはおろか、落書きさえ出来ない日々が、

 数年と続き、


 リハビリの甲斐あって、10年ほど経った頃、

 以前の3~5割程度の作業が出来るようになりました。

 その間、風見さんのページにお世話になり、

 創作活動が続けられていたのが、

 リハビリへのモチベーションと繋がったわけで、


 その事にはとても感謝している次第です。


 現在、日常生活に何ら支障がない程度まで回復しており、

 サイクリングという趣味は、

 自律神経のリハビリを兼ねて、楽しくやっております。


 以前から、流れる景色を見ながら、

 風に当たるのは、ドライブにも似た、

 そしてまた違う楽しみも味わえるので、

 好きでやっていますです。^^


 これは、微妙なことになりますが、

 更新が遅れる理由が、集中力の時間に問題がありまして、

 事故以前は、5~8時間維持できていましたが、

 現在は2~3時間が限界です。


 アイデアは8時間分あるのに、その作業にあたる時間の少なさに、

 当初は葛藤もありましたが、

 今は、まったく気にならないくらい平気です。


 案外、慣れるものですね~。


 本当はイラストを描きたいと思っているところもありますが、

 線画に数日、着色に1~2週と大きく時間がかかってしまい、

 なかなか着手できてないというのが、言い訳になりますね。^^:


 マンガ読むの大好きなのですが、

 視線を上下左右にする事が、いまだに自由が利かなくて、

 新聞すら、ろくに読めないでいます。


 これが一番困った後遺症で、活字が読めないので、

 小説がまったく読めません。


 ゲームや映画の字幕のテキストのように、

 同じ位置に文字が表示されれば、

 目を動かすのを最小にすることが出来ますので、

 そういう物は、大丈夫なのですが、


 読み物を書くために必要な、

 その書籍が読めない事で、状況描写が直接学べず、

 教育番組やドキュメンタリーの朗読など、

 音で聞くことで、学びたいと常々心がけてはいます。^^:


 私がアニメが好きなのは、原作をなかなか本で読む事が出来なかったりするのもあって、

 特に最近は、アニメのTVも数が増えたので、

 楽しみが増えて嬉しいですね♪


 何も出来ないと、自分で思い込んでた20代の時、

 してはいけないと知りつつも、

 同じ20代の方たちが、ただただ羨ましかったと、

 つい比較をしてしまった事があります。


 私の幸運は、まさにその前が見えない時期にありました。


 そこで、今もなお師事している、

 先生との出会いがあったのです。


 その方はお医者さんですが、私は別に、

 病院に通って知り合ったというわけではなく、

 あるボランティア的集まりに参加している時に、

 その先生とただ、話が合ったという事になります。


 やっている事は全く違いますが、

 話はとても合っていて、

 その先生に師事させていただく事により、

 違う視点で、ものを見る事を教えて頂きました。


 私の書くテキストなどに、その先生の影響は、

 きっと知らない内にたくさん出てるのだなぁって、今でも思います。


 未熟な私にとても大事な事があって、

 初めて、比較する事すらおこがましいとすら思える、

 人生の先生に出会えたわけです。


 目指すものは違っても、向き合うその芯は同じであると教えられました。



 例え話になりますが、

 ある時、こう言われたのでした。


 曰く、目指すその先に何があるのか?

 という、その答えを問われました。


 目標は、達成した時点ですでに過去の物となるのですから、

 大きな目標という物がいかに、危うく、

 また、曖昧であるかということを説かれます。


 そこで先生は、

 目標はまず、小さな物から目指して、

 簡単に達成するのがいいと教えられます。


 単純な事で、何かが欲しいから、

 その為にがんばって、ご褒美みたいな。


 それが例えば、ゲームの発売日を待つようなものでも、

 手に入れたときには、達成感が得られますよね。

 クリアした時も、同様かそれ以上だと思います。


 そうして得た先には、

 アイデアやインスピレーションのようなものが得られる事もあり、

 その先に次の目標が出てくるわけです。


 ゲームやアニメを見ているうちに、

 絵を描きたくなったり、お話を思い浮かべたり、

 形は様々だと思うのです。


 言われていれば、ゲームが楽しかったから、

 DFを作ろうと思ったわけでして、

 それが理に叶った言葉だったという事を、

 過去の経験から、教えられます。


 先生とは、普段はただ雑談といいますか、

 オチがなくても笑えればいいような、冗談ばかり話す事が多いです。


 そういう意味のあることは、日常に埋もれている事を身体で、

 学ばせていただき、尋ねればよりわかりやすく指摘してくれます。


 問いに対する答えの速さは、先生という職業もあるのでしょうが、

 まず見習ってしまうのが、


 齢70を前にしてもなお、

 医学の学習会に自己負担で、意欲的に行かれて、

 最新の症例や知識を、

 そういう場所や、PCを使って情報を集めたりと、


 やっている事が若いお医者さんと、何ら変わらない所に、

 凄みを感じてしまいます。


 先生は私の年の時には、すでに院長でありながら、

 未だに自分は、知らない事の方が多いとハッキリと言い切る、

 その姿勢が、何とも格好良いのです。


 目標と達成の連鎖には、

 終点というものが無いそうで、

 次が見つかるからこそ、そこに喜びがあると、

 終わらない旅のように語られるのです。


 先生は、初心を大切にしています。

 私はそれを真似ている事になります。


 ですが、先生が仰るには、

 人は真似ることによって、磨かれていくのであって、

 それは言葉や文化も同じ事で、


 もう真似る所がないと感じる時がもしあったら、

 そこに、その人なりのオリジナル、

 個性が誕生していると説かれます。


 そこからまた先に行く為には、

 何かの手本が必要になり、

 それは繰り返す事で、次に繋がるものの手本となり、

 また、互いが学ぶものだからこそ、


 共有出来る思いがあると、

 そんな事を教えていただいています。


 そうしているうちに、

 比べる事よりも、より優れたものから学ぶ事にこそ、

 有意義さを感じるようになり、


 人に対しての感謝と賛辞が自然と送れるようになるのではないかと、

 個人的にですが、思ってしまいます。



 本来、このブログに書いて良い内容かを迷う所ではありながらも、

 その事自体に、次の何かを自分のなかで、

 気が付かされているような思いがします。


 いつのまにやら、長文になり失礼いたしました。^^:



 最近は、ドラマもよく見ていまして、

 寒い時期なので、テレビの前にいることも多いですねw


 DFに関しては、今後も出来れば、

 なるだけハッピーエンドになるような転結を付けたく思っています。


 前に、DF12が完結編と申し上げた事がありますが、

 そこに到ってもいないのに、

 その先のサード的エピソードの始まりなんかも、

 思ったりしちゃってます。


 あとは、DF以外の読みきりの短編にも、

 出来れば挑戦してみたくあります。


 ベタな学園物から、王道・逆王道(ボス側の視点?)ファンタジーや、

 戦略的な戦記ものなど、いくつか浮かんではいますが、


 まずは、更新自体をちゃんと、

 出来るようにしなくてはですね。^^:



 あと、友人と一緒にオンラインゲームも少々やっておりますが、

 やはり離れていても、いつでもチャットが出来る、

 何ともいえない結束っぽいものがあって、

 そちらの時間は、優先されてしまいます・・・。


 一緒にがんばって、クリアするのって、

 やっぱり楽しいものでして。^^


 近くに住んでいれば、スポーツなんかもしたいんですが、

 それでも、一緒にやってる子供みたいな気分は、

 何とも言いがたく、こそばゆいですね。


 ちなみに、FF14は、イフリートサーバーでプレイ中です。

 一緒になったときは、よろしくお願いしますね。^^



              では、またですー。 (^-^)

『セバリオスさんとルフィアさん。』

2017年02月19日 19時58分15秒 | -ためぞう の ぼうけん。『番外編。』-

    『セバリオスさんとルフィアさん。』


 いつでも会いに行くという約束を、

 本来、リンカさんの中に封印されている、

 黒髪の美しい乙女さんのルフィアさんに、

 約束しちゃった、セバリオスさん。


 そんな二人は、たいして時間も経たないうちに、

 長崎ドラゴンタウンにて、再会を果たしたのです。


ルフィアさん
「えぇーーーーっ!!!」


 いつの間にか、トレンドの冬コーデに着替えさせられ、

 ルフィアさんは、セバリオスさんの会社のある、

 街のランドマーク、ネクサスビルの22階へと、

 連れて来られたのです。


 そこは、勤勉な社員さんたちが、

 国際的な商取引に励んでいる職場で、

 何カ国もの言葉が交わされ、

 海外のビジネスマンさんたち相手に働く、

 国際的なオフィスでした。


 無理矢理この場所へと召喚され、

 秘書のセリスさんに着替えさせられた、

 ルフィアさんは、そのノリに面を喰らったような感じで、

 何も言えずにただ、立ち尽くしています。


セバリオスさん
「ルフィアさん、お久しぶりですっ。」


 大企業のトップであるセバリオスさんが、

 直々にゲストをもてなす姿なんて、

 社員さんたちも、海外のビジネスマンさんも、

 ほとんどの方が、初めて見る光景です。


 セバリオスさん、普段たいして働いていませんので・・・。


ルフィアさん
「・・・これは、

 どういうおつもりですか?」

 すると大きな鏡を持ってきたセリスさんが、

 その鏡にルフィアさんの姿を映し、

 こう言ったのです。


セリスさん
「お気に召しませんでしたかー?


 ほら、周囲の殿方の視線を、

 一手に集めているですよー♪」


 確かに、セバリオスさんの手前、

 社員さんはチラ見が限界ですが、

 海外の方たちは、ルフィアさんのその可憐な美しさを、

 大絶賛しているのです。


ブラザーA
「OH-! ビューティフォーガール!!」


ブラザーB
「コノ レディーハ、

 ホォワーーイッ!?

 何処ノ素敵ナ、ゴ令嬢サマデショウカ?」


 女性として、これほど好意の視線を集めた事など、

 ルフィアさんは初めての経験です。


 また、映し出された自分の姿に、

 驚いてもいる様子です。


 そんなルフィアさんは、セバリオスさんの耳元で、

 どうして封じられている自分が、

 ここに平然といられるのかを、


 少しもじもじした感じで、

 こそばゆいように小声で尋ねたのです。


セバリオスさん
「ハッハッハッ!!

 それはこの私の『最大限界』のスキルの成せるワザだねっ!!」


 セバリオスさん、声大きいです・・・。

 周囲の方たちは、あえてその言葉を、

 聞かないような素振りを見せています。


 知ってしまうと、いざ実家へ戻る時に、

 その情報源として、恐るべき方々たちに、

 拘束される可能性があるのですっ!!


ルフィアさん
「なるほど、

 あの強固な結界が、私の力の暴走を、

 こんなにも容易く押さえ込むのですか・・・。


 それで、確かに再会は楽しみにしていましたが、

 まさかこんなに早く叶うとは思いませんでしたが、

 何か急ぎの用でもあったのですか?」


 セバリオスさんが近くにいると、

 何だかちょっと落ち着きを感じるルフィアさんです。


 彼の能力の範囲内にいれば、

 この世界を傷付ける事無く、安心して留まる事が出来るからです。


セバリオスさん
「ちなみに今、効果の有効範囲は、

 この星全体にしてますので、そこはお気になさらず~。」


ルフィアさん
「ひろッ!!!」


 思わず口に出て、少し照れた感じを誤魔化している、

 そんなルフィアさんが、

 どうやら、殿方にはたまらないようです。


ブラザーA,B、C
「グッジョブ、ミスターセバリオスッ!!」


 そんな中、ルフィアさんに外の世界を見せたいと思う、

 セバリオスさんが、秘書のセリスさんを呼んで、

 何やら相談し始めました。


セリスさん
「ルフィアさんが本名を名乗るのは、

 古蔵さんにとって、健全ではないのですー。


 もう可愛い愛称とか、付けてしまうしかありませんねっ!!」


セバリオスさん
「なるほど、確かに婚約者に逃げられた古蔵君に、

 その婚約者の名を語るのは、

 ルフィアさんに迷惑がかかってしまうかも知れないね。


 ということで、ルフィアさん。

 何か呼ばれたい愛称とかあったりしますか?」


 話が見えないまま、いきなり振られたルフィアさんは、

 そんな事を言われても、返事に困ってしまいます。


 それをさも待ち受けていたかのように、

 セリスさんが、愛称の書かれたボードを、

 後ろから、ひょいっと取り出してみせます。


セリスさん
「ささ、遠慮なさらず選んでみて下さいねっ。」


 この時!

 何かの強制力のようなものが、

 その申し出をルフィアさんに、頷かせますっ。


ルフィア
(!? この得体の知れないプレッシャーは何ッ!!


 ・・・か、勝手に目線がボードへと、

 吸い込まれるッ!!!)


 この時、ルフィアさんは、

 力以外の、もっと恐るべき何かが、

 それを選べと、まるで自身の身を守るように、

 従わなくてはならないと感じます。


 それは、ルフィアさんにとって、

 新たな脅威を、第六感のようなもので感じたような、

 世界の奥行きを知った瞬間でした・・・。



◇ 通り名を、選んでみてねっ♪


 → ・ 港の『キャシー』嬢

   ・ 花園の『百合重(ゆりえ)』様

   ・ 渚の『ジェシカ』さん

   ・ 熱血の闘将『リンダ』中将

   ・ 青春の帰国子女『ギャラクシー』マークIIIさん

   ・ 第三のラスボス『ルフィ子』さん

   ・ 選ばれし女勇者『ルフィアン』殿



ルフィアさん
「!? ・・・。

 (どれも選ぶ気にはなれないですョ!!!

  こ、困りましたね、


  でも、このプレッシャーには、
  
  あのセバリオスさんでさえ、一目置いている事だし。)」


セバリオスさん
「ほら、ボードの端っこの、

 ちっちゃいのも、ちゃんとみてねっ。」


 なんと、セバリオスさんは、

 7つもの選択を出現させたセリスさんに、

 さらに+1の選択を加えていたのですっ!!


 そんなこと、常人でも超人でも、

 例え覇王でも、

 セリスさんの脅威の知力、

 『98(+10回の計略上書き。)』という、

 圧倒的な策謀を、超えなくては無理な話です。


 セバリオスさんは、いい仕事しますネ。


 ☆ その+1の選択。


   ・ 『ルフィア』さん

     (古蔵君の知人とは違う、同名の乙女さん。

      有効期間は、古蔵さんがセバリオスさんを超えるまで。)



ルフィアさん
「では、+1の選択の『ルフィア』で、

 お願いしますッ!!」


 こうしてルフィアさんは、

 そのままルフィアさんとして、

 この長崎ドラゴンタウンに舞い降りたのです。


 ・・・当然、『ルフィア』さんといえば、

 ある一部の人たちには、有名人ですので、

 きっと、騒ぎの一つや二つ、

 起こると思われますが、


 セバリオスさんにセリスさんという、

 最強の戦士と至高の軍師さんのおかげで、

 そんなに荒波立てずに、過ごせるような雰囲気です。


  ◇ 『ルフィアさん(初代)のこれまでの実績。』


   ・ その名は天下に轟く女傑さんで、

     世紀末覇王伝説の最高の英傑のお一人です。


   ・ 武力100という脅威の強さで、

     セバリオスさんにも匹敵する文武両道の姫将軍さんです。


     彼女を相手に矛を交える事が出来る英雄さんなんて、

     天下広しとはいえ、数える程もいないくらいでした。


   ・ あの古蔵さんがフィーバーなバブル時代、

     彼の実家を覇王最大級にまで育て上げた、

     凄まじい武勇伝があり、


     どこの覇王さんも登用したいと願う、

     とても出来たお嬢さんで、

     さらに容姿端麗という、非の打ち所のない女性で、

     姫将軍ランキングで、堂々の殿堂入りを果たした実績もお持ちです。


   ・ その後も、何処かの「グランドクロス」という、

     銀河最強軍団に、エースとして在籍したり、

     新たなフロンティアで、六極神の第一位にランクインしたりと、

     その英雄譚は、おとぎ話で語られるレベルにまで達しています。


   ・ どういう訳か、現在は『リンカ』さんとして、

     とあるジャパンという国に転生し、

     その強力過ぎたステータスで、双子として誕生しています。



ルフィアさん
「・・・。


 知りませんでした、

 プ、プレッシャーになりますね。」


 そんなルフィアさんの隙に付け込むように、

 セリスさんが、何やら色々吹き込まれているようです。


ルフィアさん
「!? ・・・。

 色々と教えていただき、ありがとうございますっ!!!」


セリスさん
「いえいえ~、

 いつでも気軽に、声をかけて下さいネッ♪」


 どうやら、キラメキ青春ライフの事を、

 セリスさんから吹き込まれたらしく、

 ルフィアさんの異性を見つめるその瞳に、

 なんだか恥じらいのようなものが見て取れます。


 その白肌の端正な顔立ちの頬が、

 少し桜色に染まっている感じで、

 かなり可愛らしく見えますが、


 リンカさんと双子設定ということは、

 年齢は15才という事になりますので、

 年のわりには、凄く大人びて、

 お美しいという感じですねっ♪

 はっきりいって、とてもナイスバディさんです。


 その辺が、どうやらセリスさんに、

 気に入られた理由の一つみたいです。


 いいように、策を巡らされている感じではありますが・・・。


セバリオスさん
「ということで、一度外に出てみてはと思うのですが、

 ルフィアさんは、それでいいのかな?」


ルフィアさん
「あ、はい。

 ・・・よろしくお願いします。」


 後の事は任せて下さいと、セリスさんは、

 セバリオスさんに意気込んで見せています。


 ・・・きっと残された社員さんや、

 海外のビジネスマンさんは、


 豹変するセリスさんの、

 凍り付くような、その強烈な本性に振り回され、

 春の訪れも、もう僅かだというのに、

 今年一番のブリザードに、見舞われる事でしょう。


 こうして、外の世界へと初めて出たルフィアさんは、

 広がる澄みきった空と、緑豊かな街並みに、

 思わず見入ってしまいました。


 まだ、風は少し冷たいですが、

 その艶やかな黒髪を揺らす感じは、何とも心地よく、

 ほんの少しですが、潮の香りも感じられます。


 この時ルフィアさんは、

 世界の美しさと言うものを、

 言葉では言い表せないような想いで、

 その胸の奥に感じました。


セバリオスさん
「さて、ルフィアさん。

 何処か行ってみたい希望とかあります?」


 そう言われても、

 ずっと鳥かごの中ような狭い場所で、

 眠っていたルフィアさんには、


 何処に何があるかなんて事はわかりませんし、

 そういう目線で、何かを見る事も初めての事なのです。


 そのあまりの強さ故に、忌み嫌われるように封じられ、

 自由というものを手にした事のなかった彼女にとって、

 今、この瞬間も驚きの連続で出来ていたりします。


 改めて思えば、彼女はとても不幸な女性でした。

 ですが、彼女はそんな事は一切気にしてはいませんし、

 どちらかといえば、前向きな一人の女の子です。


 セバリオスさんという、

 彼女の暴走する力を、完全にコントロール出来る、

 そんな彼との出会いは、

 彼女に訪れた幸運と言ってもいいのでしょう。


 そこを意識してか、今のルフィアさんは、

 セバリオスさんにたいして、とても恩義のようなものを感じて、

 出来るだけ迷惑をかけたくないという想いが先走りしてか、

 言葉使いが、以前よりも丸くなったように感じられます。


 二人は並木道を少し歩きながら、

 特に会話するような事もなく、


 ルフィアさんは興味深げに、

 その黒く美しい瞳に風景を映しながら、

 何処までも遠く開かれた世界に、

 感じる生命の力強さをその肌で感じながら、


 少し嬉しそうな笑みを浮かべて、

 渇いていたその心が、水を吸うように満たされ、

 様々な事を学んでいるようです。


 この美しい世界を傷付けないようにしてくれた、

 頭一つ背の高い、セバリオスさんを、

 横目で少し眺めると、


 いつの間にか、常に張り詰めていた緊張感が、

 緩やかにとかされていくのを、

 胸の鼓動の高鳴りと共に感じ、


 それを悟られまいと、紅がさした頬を見えないようにして、

 散策を楽しんでいるのでした。


セバリオスさん
「ところで、ルフィアさん。

 何処か行ってみたいとか、あったりします?」


 そのセバリオスさんの問いに、

 言葉を詰まらせるルフィアさん。


 今でもたくさんの物を理解しようと、

 やや戸惑い気味な上、

 行きたい場所どころか、何処に何があるのかさえ、

 わからないルフィアさんに、

 その時、セリスさんがコソコソッと囁いた、

 幾つかの言葉が、スッと頭を過ぎったのです。


 どう答えていいかわからないルフィアさんは、

 セリスさんの言った事を、

 そのまま、セバリオスさんに伝えたのです。


ルフィアさん
「(確か、デートでしたね・・・。)


 えっと、

 お食事が出来る高級ホテルに行って、

 楽しい時間を過ごして、


 ・・・その後、

 セバリオスさんが予約したお部屋に行って、


 セ、セバリオスさんと私との、

 愛の結晶を授かるというか、

 そういった感じなのでしょうか?」


セバリオスさん
「ぶっ!?


 それ、思いっきりエンディングとか、

 すっ飛ばして、

 その後のエピローグになってるよね・・・。


 お、落ち着くのだ私。

 ルフィアさんの口から、そんな直球ど真ん中の、

 言葉がどうして出てくる。」


 めずらしく、セバリオスさんが動揺しています。


 もしや、とんでもない事を発してしまったのではと、

 ルフィアさんも顔をいっそう赤らめて、

 下を向いてしまいます。


 ですが、セリスさんの願う、

 面白い展開に巻き込まれてしまっては、

 上司のセバリオスさんは、

 彼女に頭も上がらなくなってしまう事でしょう・・・。


セバリオスさん
「(こんな試練の数々を、

 ためぞう君は、乗り越え続けているのかぁ・・・。


 ああ、マジでリスペクトしてしまうよ。)」


 セバリオスさんの予想通り、

 周囲には助け船を出してくれそうな人物どころか、

 人影一つ確認する事は出来ません。


 セリスさんの策略に抜かりが無いのは、

 セバリオスさん自身が、一番良く知っているからです。


 声の届く距離に見えるのは、

 セレブの中で有名な、高級ホテルの送迎車が一台のみです。


 ルフィアさんは、身体さえ火照らせるような、

 恥ずかしい思いで、セバリオスさんの言葉を待っています。


 実はセバリオスさん、

 女性にいくら憧れられても、そのパーフェクトさが災いして、

 女性から声がかかった事など、

 過去の一度もなかったのです。


 ・・・当然、そこだけは免疫なんてありません。


 さらに言うなら、その眼前で答えを待つ乙女は、

 この地上に舞い降りた、絶世の女神のように、

 可憐で清らかな、美しい女性なのでぇす!!!


 セバリオスさん包囲網は、どんどんと狭められ、

 送迎者の運転手さんの微笑ましい笑顔さえ、

 セバリオスさんの脅威となっていますっ。



ルフィアさん
「・・・。

 あ、あの・・・。」


 その先の言葉をルフィアさんに言わせた時点で、

 セバリオスさんの敗北が決まります。


 仮に彼女がその身を引いてしまっても、

 忘れえぬトラウマとなって、

 セバリオスさんのそのパーフェクトさを、

 見事に粉砕する事でしょう・・・。


 その額に、焦りの汗が流れたセバリオスさんに、

 突然、何処からともなく言葉が溢れ、

 素晴らしい『とんち』を授けるのですっ!!!


セバリオスさん
「(!?

 ためぞう君のトランシーバーなのかッ!!)」


 そして、奇跡を得たセバリオスさんは、

 ルフィアさんに顔を上げるように告げて、

 堂々とこう言って聞かせるのです。


セバリオスさん
「ルフィアさんは、確か15才だったよね。


 そういう先の話は、16才になってからでも、

 いいと私は思うんだ。

 でないと、私が無責任という事になってしまいますよね。」


ルフィアさん
「あっ、そうでしたねっ!!


 順番を間違えてしまって、すいません。」


 そういうルフィアさんは、

 急に極度の緊張から開放されたのか、

 とても優しい顔になりました。


 でも、高鳴る気持ちの心地良さだけは、

 しっかりと今も感じられるのです。


 そんな天上の微笑みを見せられては、

 セバリオスさんでも、

 思わず道を踏み外してしまいそうな気持ちにさせられますが、


 遠くから親指を立てて、グッジョブ! と送る、

 送迎車の運転手さんに、何処かフフッと笑わされてしまう、

 セバリオスさんでした。


セバリオスさん
「でも、お食事だけでもご一緒したいのですが、

 あちらに車も見えている事ですし、

 良かったら、貴女を招待させていただけませんか?」


ルフィアさん
「はは、はいっ!!」


 こうして二人を乗せた車は、楽しいドライブの後に、

 二人を素敵なディナーへと誘ったのです。



セバリオスさん
「この感謝は、忘れないからねっ!

 ためぞう君っ!!」



 こうして、この長崎ドラゴンタウンの地に、

 ルフィアさんという新たなヒロインが加わったのでした。



遠くの海のエストさん
「・・・。


 私、戦力外にはならないからねっ!!

 もっと、レベルアップして、

 返り咲いてみせるんですからーーーっ!!!」



               つづく・・・。

今日の書き込み。 2017/2/16

2017年02月16日 16時01分52秒 | 日記

 こんにちはー、井上です。


 今は『戦うセバリオスさん』の続きを、

 書いていまして、

 そろそろUP出来るかと思います。



 近況欄などを新たに追加しましたが、

 最近は、寒暖さがもの凄いですね^^:


 雪の多い地域の友人から、

 雪かきの話や、どか雪の写真などが、

 メールで送られてきて、


 福岡でも寒いっ、と感じてる自分が、

 北陸地方に住んでる友人に比べれば、

 根性足りないかなぁ、とか思いつつ、


 近頃買った電気毛布や、ストーブで、

 風邪に注意しながら、2月を過ごしております。



 仕事上がりの夕方以降は、

 書き物3割、ゲーム3割、ドラマ+アニメ2割、

 家事や運動にお風呂2割の割合くらいで、

 まったり暮らしております。


 暖かくなってきたら、外でサイクリングとか、

 思っていますが、


 更新ペースは週に1回の現状を、

 なんとか2回くらいにはしたいとは、思っています。


 たぶん、しばらく週1ですいません。^^:



 日記とかは、その日の食事みたいな、

 薄い内容ですが、


 朝は最近、ほとんどパン食で、

 お昼から+ごはんとか変わってる感じですが、

 前より、お野菜多めに取るようには心がけています。


 ・・・健康を話題にしては、いけないっ!

 って、思ってても、


 やっぱりある程度の年齢になって来ると、

 そういう話題が、多くなってきますネw


 ちなみに、甘いものが好きで、

 おやつはわりと食べてる方だと思います。


 この時期は、体力勝負な感じもありますので・・・。



 皆様も、風邪には十分気を付けて、

 暖かくしてくださいね。


 最近、全国的に風邪で学級閉鎖とか、

 警報とかのニュースで流れてますので。



        ではでは、またですー。 ^-^

今日の雑談。 2/8

2017年02月08日 17時39分25秒 | 冒険に出ない冒険者の雑談
ためぞう
「・・・。

 オレが出れたのは、
 その名の通り、冒険しない、
 雑談だから・・・だろうな。」


  お見事、正解です!


ためぞう
「特に何も無いのなら、
 ゲームしたいんだが、

 ・・・。

 話がもたんよ、
 ひとり言だろ、これ?」


  まぁ、お気になさらず。

  レイアウトなどを、参考にしますので、
  無意味ではないのですよっ。


ためぞう
「でも、オレ一人だよ?
 場所もわからなければ、時間もわからんのだが。」


  ためぞうは、肌寒いオレンジ空の下、
  いつも通っている繁華街の、
  その入り口付近で、足止めを食らっています。

  ぶつぶつと呟くこの男に、
  帰りを急ぐサラリーマンさんや、
  OLさん、女学生さんの視線は、
  若干、冷たくもありますネ。


ためぞう
「放置プレイは、やめれぃ!!

 ただでさえ、放置されているのに、
 番外編でもない、オチすらなさそうな、
 この変な状況で、

 何を期待されても、
 応えようがないのだが・・・。」


  ・ ためぞうは、少しすねて見せた。

    → お菓子を与えてみた。


  ためぞうが、元気になった!


ためぞう
「なってねーよッ!

 大事なカードが抜かれたウエハースを、
 山盛りくれたって、
 一気には食べきれねえし、

 まず、夕飯入らねーYO!!」


  たくさんのお菓子を抱えたためぞうは、
  まるで子供のようにはしゃいでいます。


ためぞう
「・・・。

 喋らない、語らないの術。」


  せりかさんが、あらわれた!


ためぞう
「頼む、どこか遊びに行ってくれ、
 せりかさんっ!!」


  せりかさんは、隠れた裏のためぞうの上司で、
  謎の闇の組織で、いつもくだらない事をしては、
  責任をなすりつける、お茶目な女の子さんです。

  きっと、ためぞうも、
  何らかの災難に会う事でしょう。


せりかさん
「よっ、バイトマスターのためさんっ!

 遊びに行きたいのはやまやまですが、
 それがしの財布には、
 大きな穴が開いてござるよ・・・。」


  せりかさんの開いたがま口には、
  たくさんのポイントの無いポイントカードと、

  『人生を楽に生きる方法』と題された、
  メモ帳以外には、なにも入ってはいません。

  実際、穴などは空いてはいませんが、
  ためぞうの方に、穴が開きそうな感じです。

  100%、ねだられる事でしょう・・・。


ためぞう
「・・・何処に行っても、
 ワナからは、逃げられんのか。

 雑談をしたくても、
 せりかさんに何を言っても、
 右から左に抜けていくのはわかっている。

 という事でせりかさん、

 3000円あげるから、
 今日はこれで勘弁してくれぃ。」


せりかさん
「さすが、ためさん。

 困った時は、またお願いするでござるよっ!!」


  音も無く、せりかさんは消え去りました。


ためぞう
「ゲーセン、行っていい?」


  頑張ってくださいネ!


  ためぞうの拘束は解除された。


ためぞう「・・・。」




◇ 今日のためぞう。



  ・ 所持金を3000円失った!


  ・ いいことあるといいですね。

番外編 『戦うセバリオスさん!』

2017年02月03日 18時27分48秒 | -ためぞう の ぼうけん。『番外編。』-

   - あらすじ -


 謎のワナにはまったローゼさんと、

 その場に居合わせたリンカさんを、

 安全に、お家まで送り届けたセバリオスさん。


 そして、その場に残った、

 セバリオスさんのお話です。



   番外編 『戦うセバリオスさん!』



 まやかしの大地に留まったセバリオスさんは、

 その手を天高く突き上げ、

 巨大な雷雲を呼び寄せると、


 雷光を帯びた巨大な雲によって、

 この禍々しい、仮想世界全体を覆い尽くします。


 その轟雷は、天地を引き裂く激しさで、

 幻惑を打ち砕き、

本来の荒れきった大地が、その姿を露わにして行きます。


 するとそこには、

 この世界には存在してはならない、

 次元の裂け目が姿を現わし、


 開かれた扉からは、邪気に満ちた黒い闇の力が、

 荒廃した世界へと、溢れ始め出すのです・・・。


セバリオスさん「さて、

        そろそろ出て来てはもらえないでしょうか?」


 幾千を超える無数の雷撃が

 セバリオスさんの周囲を取り巻くように、

 莫大な高電圧の塊に変化していきます・・・。


 目も眩む光となったその雷光の球体は、

 闇を現わし始めた大地を、小太陽のように眩く照らすのです。


 セバリオスさんが、その青白い閃光の中へと、

 全身を飲み込まれると、


 次の瞬間、神々しいほどに美しい、

 蒼白に煌く重厚な甲冑をまとった、

 恐るべき『雷帝・セバリオス』として、

 この地へと顕現したのです。


 瞳に蒼い雷光を宿すセバリオスさんは、

 その右手に幾重にも厳重に鎖で拘束された、

 一本の長いつるぎを、強く握っています。


 そして、青白い電光に照らされた大地で、

 鞘に納まったままのつるぎを振り上げ、こう叫んぶのですッ!!


セバリオスさん「では、こちらから、

        行かせて頂きましょうっ!!!」


 天井方向に向かって突き上げた、鎖で繋がれたつるぎを、

 セバリオスさんが、勢い良く振り下ろすと、

 なんと、闇が溢れ出した次元の狭間を、

 真っ二つに引き裂いたのですッ!!


 ・・・大きく十の字に開かれた、次元の狭間。

 そこへと吸い込まれてしまえば、ローゼさんやリンカさんでは、

 一巻の終わりだった事でしょう。


 二つの切裂かれた次元は、星さえ押し潰す強力な重力場で、

 元に戻ろうと互いを引き合おうとしますが、

 それを、セバリオスさんのつるぎから放たれる、

 その驚異的なまでの高電圧の壁が、

 より激しい閃光を上げながら、狭間を拡大させて行くのです。


 何億ボルトあるかもわからない雷帝の鉄槌が、

 溢れ出た闇さえもかき消しながら、その範囲を支配下に置きました。


 さらに強力な雷撃で、次元の裂け目の奥までも、

 セバリオスさんは、一掃しようとするのですっ!!


謎の女性の声「フフフッ、

       この私をどうにか出来ると思っている、

       その慢心をひねり潰すのも一興か。」


 刹那、その次元の裂け目は消失し、

 放たれる雷撃を打ち消しながら、

 一人の女性剣士が、涼しい顔をして姿を現すのです。


セバリオスさん「予想通りに、貴女であったか。


        美しい清流のような錬気を感じる、

        流石は、伝説で語られるだけの存在と言った所だ。」


 スレンダーな体付きに、

 肌に吸い付くような、黒のレザースーツを身に着けた、

 端正な顔立ちの若い女性。


 雷光を纏うつるぎを手にしたセバリオスさんを前にして、

 その彼女は、丸腰で静かに微笑んでいます。


 二人の距離は、わずか10m。

 一太刀で、間合いを詰められる距離にあって、

 その長い髪の女性は、セバリオスさんにこう放つのです。


謎の女性「我が名は、『ルフィア』。


     貴様も名を告げよ。

     さすがに、片付けるとしても、

     その名くらいは、記憶の隅にでも慈悲で残しておいてやろう。」


 ルフィアを名乗る女性がそう言った瞬間、

 彼女のその長い髪は、紅蓮の炎よりも赤い色へと、

 変化していきます。


セバリオスさん「では、その光栄に甘えて、

        名乗らせてもらうとしよう、美しき孤高の戦姫よ。


        我が名は『セバリオス』。

        争いなど望んではいないのです。


        ですが、話にもならぬなら、

        神の如き強さの貴女を、満足させられるかは知れませぬが、

        全力を以って、お相手するといたしましょう。」


 赤い髪のルフィアは、その名を聞いたとたん、

 きょとんとして、噴出すようにこう問い返すのです。


ルフィア「セヴァリオスだと?


     さて、私の知るその男とは、

     まるで別人のようであるが、

     何故に古の神の名を語るのか、フフフフフッ。


     まあ良い、

     ならばその名に相応しいだけの実力を、

     見せてもらうとしようかッ!!」


 一閃が大地を駆け抜けると、

 ルフィアは鋭い片刃のつるぎを出現させ、

 セバリオスさんの背後へと回り込んでいます!


ルフィア「ほう、我がつるぎを避けたのか?


     口だけかと思えば、それなりの力は備えていたか。」


セバリオスさん「そう認められたのならば、

        身に余る賛辞と心得ましょう、美しき姫君。」


 その瞳の色を、より強く光を引く蒼へと変えるセバリオスさん。

 と、同時にその重厚な甲冑を解除して、

 内に着ていた軽装の白のアクトン(布製の防具)のみにして、

 ルフィアの速度にその動きを合わせるのです。

ルフィア「なるほど、

     光速を超える我が一閃に対する為に、

     関節の稼働域を縛る、無駄に重いだけのガラクタを脱ぎ捨てたか。


     フフッ、

     その深淵を見る瞳まで操れるとはな。」


 ルフィアの鮮血のような赤いその眼差しは、

 光という、酷く鈍いものを捉えてなどいません。


 より高速に加速された、粒子とフォースを視覚情報として、

 認識することで、彼女は高速を超えるその速度を実現しています。


 セバリオスさんが捉えたルフィアのスピードは、

 光速の約10倍、秒速300万kmです。


 常識や限界を完全に無視した、

 恐るべき敵、『最強のルフィア』と対峙する為に、

 セバリオスさんは、彼女の域までその身体能力を高めるのです。


 そんなセバリオスさんに、

 直接声が身体に届くようなテレパスが、

 ルフィアから送られて来ます。


ルフィア「やはり、限定的にダークフォースを発生させ、

     時と重力を操る能力に長けているようだな。


     この程度の速度、蚊が止まっているようなものだが、

     僅かなダークフォースの痕跡させ、この世界に残さぬとは、

     それが貴様の獲得した『戦士能力』というワケか。


     だが、本物のヤツ(セヴァリオス)の実力は、

     こんなものではない。

     あいつは、たかだか一つの世界の崩壊などに、

     気を使うほど、お人好しではないぞ。


     フフッ・・・。」


 セバリオスさんも、ルフィアも、

 超光速状態時は、通常世界の中で異次元をその身に纏わせ、

 物理的な不可能を可能にしています。


 わずかな時間に重ねられるその攻撃回数は、

 数十万撃を数え、

 二人はつるぎを交える感覚すら感じる事もなく、

 次の攻撃に移る予測のみで、その先を異次元化しています。


 禁忌とされる力「ダークフォース」は、

 完全に制御出来るものにとって、

 ただの強化の一つの手段に過ぎません。


 セバリオスさんも、ルフィアも、

 この状態にあるだけで、すでに太陽すら超える巨大なパワーを、

 その身に宿し、ぶつけ合っていますっ!


ルフィア「もっと早く動いてやろうか?


     秒速10兆kmほど速度で動けば、

     いくら貴様がこんな朽ちた星一つを守ろうとしても、


     展開させた異次元が、その制御に耐え切れず、

     星と共に塵と化すしかあるまい。」


セバリオスさん「さて、思い通りに行くでしょうか?

        どうやら貴女は、完全体にはほど遠い。

        『最強』と称えられたあのルフィアでは、

        ないようだ。」


ルフィア「何だとッ!?」


 セバリオスさんの挑発に乗せられたルフィアに、

 わずかな隙が生じます。


 投槍のように、その鎖で縛られたつるぎを、

 ルフィアの次の移動地点に、

 勢い良く投げ飛ばしたその瞬間、


 ルフィアが、グッ!っと、

 苦虫を噛み潰したような表情になると、


 投げられたつるぎは、ルフィアの真横を瞬く間にすり抜け、

 まるで何かの壁にでも突き刺さったように、

 ガラスを割ったようなヒビ割れを、

 何もないハズの中空に刻んだのですッ!!


ルフィア「おのれッ!!」


 そう叫んだルフィアを、

 まるで拘束するかのように、


 空気の壁に突き刺さったつるぎに向かって、

 無数の鉄鎖がクモの網のように伸びて行きます。


 鋼鉄のように、鈍い光を放つ鎖の群れは、

 ルフィアの斬撃すら弾き返す強度ですッ!!


 しかも、さらにその数を幾重にも増加させ、

 三角錐状の巨大な鉄塊へと変化して行くのです・・・。


ルフィア「これで私を捉えたつもりかッ!?」


 ルフィアは怒りを窮屈な檻にぶつけるかのように、

 その内に秘めるパワーを増大させて行きますッ!!


 まるで理性を無くした獣のように、

 ギラついた瞳で、鉄鎖の向こう側のセバリオスさんを睨み付け、

 もはや、その力は禁忌を越えて、

 破滅すら感じさせる狂気で、全身を包み込んだのです・・・。


セバリオスさん「だから、私は貴女が完全体ではないと、

        言っているのだ。


        その限界を超えた力を安易に使う危うさと、

        愚かさといい・・・。


        つまりは、『最強のルフィア』の気高さが、

        僅かでも感じられれば、

        私はその剣を抜かざるを得なかっただろう。」


ルフィア「言っていろ、

     すぐに、貴様ごと全てを消し去ってくれるわっ!!!」


 ルフィアの握るそのつるぎが、闇と光に呑まれながら、

 溶けるように湾曲していき、

 彼女を中心に、おぞましい漆黒の飛沫が、

 空間を引き裂くように、撒き散らされて行きます。


 ですが、超高熱の蒸気を周囲に噴出しながら、

 原型すら失い始めた、その醜いつるぎを、

 いくら憎き鉄鎖に叩き付けようとも、

 ビクともしない鉄鎖の群れは、


 さらにルフィアを追い詰めるかのように、

 つるぎに向かって周囲を埋め尽くすように、

 鈍い光を放つ重たい鎖が、その数を増して行くのです。


セバリオスさん「私なりに、貴女を理解しているつもりですが、

        貴女はまだ『ルフィア』の名を名乗るには、

        不完全だと、お分かりいただけませぬか?」


ルフィア「・・・何を言っている。」


 そのつるぎすら、鞘から抜くことなく、

 ルフィアを追い詰めたセバリオスさん。


 少し寂しげな表情をしたセバリオスさんは、

 ルフィアの拘束を緩やかに解くと、

 空間に突き刺さったつるぎを抜き、

 そのつるぎを腰のソードベルトへと納めたのです。


 二人が元の通常世界へと戻った瞬間でした。


 もう、ルフィアからは抵抗する姿勢が感じられません。

 そんな彼女に、彼はこう語りだしたのです。


セバリオスさん「このつるぎを拘束しているのは、

        私自身の意思です。


        普段はレプリカを用いてはいますが、

        貴女と対峙したと同時に、つるぎも本物と、

        入れ替わってしまったのです。


        このつるぎの名は『ラグナロク』。

        預言者セラは、私に告げました。


        - ラグナロクは、世界の終わりを告げるつるぎ。

          一度抜けば、世界を巻き込む最終戦争が始まるでしょう。 -

        、と。


        故に、奇跡とも言える戦士の力の資格を、

        私の知る創世主から授かりし時に、

        つるぎを封じる為に願った力が、

        この戦士能力『最大限界』なのです。


        私の能力の発動下においては、

        破滅的な力を秘める貴女の憤怒をも、

        封じる事が出来るのです。」


ルフィア「フフッ、

     そういうカラクリか。」


 荒れ果てた赤銅色の大地に、

 膝を折って、息を荒くするルフィア。


 その髪の色は、燃えさかる灼熱の紅蓮から、

 次第に美しい黒髪へと変わり、

 碧眼輝く、端正なその表情は、

 何処か少しだけ、満足そうに笑んでいるようにも見えました。


 ルフィアが長身のセバリオスさんを、

 ゆっくりと見上げると、

 彼は一瞬、どうしていいのか分からず、

 その胸の奥に、決して哀れみの表情のようなものは見せてはいけないと、


 彼女を気遣うような顔をして、

 こう語りだすのです。


セバリオスさん「貴女がこうやって、

        もう一人の自分を否定しようとしたのは、

        これが二度目になりますね。


        前回のバルマード王や、今回の私の事を、

        憎く思われても仕方ないかもしれません。


        これは以前、貴女たちが一つの『ルフィア』だった頃の、

        その彼女の願いと聞き及ぶのですが、


        偶然とはいえ、知り得た以上、

        貴女には、伝えておく必要があると、

        私は、思い至った次第です。


        ・・・こうなる事を、

        何者かが意図した事かも知れないと、

        そう感じるのは、否定しません。


        ただ、貴女が望まれないのならば、

        これ以上の口を慎む事にします。」


 そう話すセバリオスさんは、

 ただ、黒髪の乙女の事を純粋な思いで、

 大切にしたいと、

 そんな真摯な彼の姿勢が、

 ルフィアの瞳には映ったのでした。


 彼女は、もう一人の自分、『凜花』とは違い、

 何者からも恐れ慄かれ、

 こうして、誰かと向き合って話す機会など、

 過去の一度もありませんでした。


 破滅的過ぎるその『力』は、禁忌のように扱われ、

 封じられ、自由を奪われ、

 いつ覚めるかもわからない、永遠に等しい眠りを、

 強いられて来たからです。


 時の流れを奪われた彼女には、

 もう一人の自分である凜花が、

 どれほど苦しい思いをして、硬く閉ざされた人々の心を、

 開いたのかというその事実すら、

 知ることは出来ないのです。


 違う道に分かたれた二人、

 そんな彼女が、自由を求め、

 受け入れてくれない世界に抗ったとして、


 はたして、そんな彼女の事情を知ったとしたら、

 その彼女を咎める事は、

 本当に正しい事だと言えるのでしょうか・・・。


 やり場のない思いで、彼女が葛藤していたとしても、

 誰もそんな彼女に手を差し伸べる者は、

 これまで、誰としていませんでした。


 ですが、その彼女を恐れる事もなく、

 理解しようと悩み、言葉を交わそうとする、

 一人の青年のその姿が、


 彼女の見上げるその先に、

 今まさにあるのです。


 黒髪のルフィアは、そんな彼に向かって、

 こう言うのです。


ルフィア「フフッ・・・、

     そんな事、知りたくもないといったら、

     強引にでも、この身を封じるつもりか?」


セバリオスさん「そう望まれるのなら、

        私はこの場を立ち去ることにします。」


ルフィア「同じ事を繰り返せと、

     言っているようにも聞こえるが。



     フフッ、

     一度、つるぎを交えた相手に、

     後れを取るとは、思わぬ事だ。」


 口では強がるルフィアですが、

 この場ですぐに、彼と争おうという気配は微塵も感じられません。

 二人の間に、暫しの時が流れます・・・。


 荒廃した大地の水平に、陽が落ちて行くその時も、

 背後から赤く照らされた、セバリオスさんは、

 ただじっと見守るように、ルフィアの言葉を待っています。


ルフィア「立ち去れと言わなければ、

     ここでじっと、そうしているつもりなのか。」


 その問いに、セバリオスさんは、

 彼女と視線を同じにするように、

 ゆっくりとその膝を突き合わせます。


 夕陽があめ色のように流れる、
 セバリオスさんの長く美しい銀髪が、

 ルフィアの頬を撫でるような距離にあります。


 彼の端正に整った顔を目の前にして、

 ルフィアは、その胸の奥に何か温かいものが溢れるのを感じ、

 どうしていいかも分からず、思わず視線を逸らしてしまいます。


 その感覚が、ルフィアには何なのかを知りませんが、

 決してそれは、嫌なものではなかったのです。


 沈黙してしまったルフィアに、

 吐息がかかるようなそんな距離で、

 こう、セバリオスさんは言うのです。


セバリオスさん「・・・出来れば、この私に、

        また貴女と語り合う機会を頂けないでしょうか?」


 その時、ルフィアは彼のその言葉を、

 すぐに否定する事は出来ませんでした。


 これまで、邪神のように恐れられてきたその身を、

 遥かに上回る実力を持ちながら、

 その行動は、とても自分を気遣うような態度で、


 そんな彼からは、

 言葉だけのうわべだけの人々とは違う何かを、

 ルフィアはその身に生まれて、

 初めて感じさせられたのです。


 彼女がそれが何なのかを知るのは、

 もっと先の事になるでしょう・・・。


ルフィア「・・・。


     好きにすればいい。

     私の行動や考えが、誤っていた事は、

     素直に認めよう。


     フフッ、

     私の知らぬ事が、この世界には、

     きっと溢れているのだろうな。


     自分が無意識に作り出した殻の中で、

     わかったような気になっていた自身が、

     今は愚かだと気付かされた。」


 ルフィアはセバリオスさんと視線を交わすと、

 すっと立ち上がり、

 その美しい黒髪を風に流しながら、

 彼にこう言うのでした。


ルフィア「では、私は元の場所へと帰るとしよう。

     いつまた会えるかは分からないが、


     その時は、あの空の向こうに広がる世界の事など、

     語り合ってみたいものだな。」


 そう残して、彼女がこの場から、

 いつ醒めるともわからない、

 停滞した時へと戻ろうとしたその時、


 彼女よりも遥かに頭一つ以上高い、

 セバリオスさんが、それを制止するように立ち上がって、

 こう言うのです。


セバリオスさん「私からでよろしければ、

        いつでも貴女の元へ駆けつけます。


        そうしても、よろしいですか?」


ルフィア「フフフッ・・・、

     では、こちらも待たせてもらうとしよう。


     気遣いなどいらぬので、

     暇な時ににでも訪れるといい。」


 そう言って振り返るルフィアは、

 何処か微笑んでいるようにも見えました。


 彼女はすぐに理解したのです。

 彼ならば、封じられたその内なる世界にさえ、

 訪れることが出来るという事を。


 かげろうのような光の中に、

 立ち去って行くルフィアの姿を、

 セバリオスさんは、ただじっと見送ります・・・。


 逢おうと願えば、

 何時でも再会出来る事を知って立ち去った、

 ルフィアのその心の中に、


 一輪の綺麗な花が咲いたような想いを、

 セバリオスさんは感じ取ったのでした。


 陽が落ちて、夜の帳に包まれ始めた荒廃した大地に、

 一人残ったセバリオスさんを、

 この星を回る月とは違う、


 突如として現れた、もう一つの輝ける月が、

 その大地ごと、まるで日中のように、

 セバリオスさんを照らし出すのです。


セバリオスさん「来たか、フォーリナ。」


 天空を覆い尽くすほどに、巨大に迫ったそれは、

 セバリオスさんが所有する、

 この大銀河に幾つと存在しない、


   『星々を駆ける者』


 の、その証となる「機動要塞 フォーリナ」でした。


 セバリオスさんは、フォーリナに、

 この星の再生の命を下します。


 すると、荒れ果てていたその大地から緑が溢れ出し、

 人の手によって荒らさせていない、

 美しい蒼い星として、蘇って行くのですっ!


 その光景はまさに、『奇跡』でした。


 世界は失われる以前のその姿を取り戻し、

 芽吹く緑や、川のせせらぎ、

 生命の息吹が豊かな自然が、

 わずか一夜にして、星を覆って行くのです。


セバリオスさん「かつて闇に呑まれし者達を、

        ただ、この大地へと戻してやることしか出来はしないが、


        再度、災厄に見舞われるとしたならば、

        次は私がそれに立ち向かうことを、

        この大地に誓おう。」


 こうしてセバリオスさんは、

 その陽光のように煌く月と共に、

 その世界から、立ち去って行ったのです・・・。



 次にセバリオスさんが、

 リムジンを降りて、白のスーツ姿で現れたのは、


 久しぶりの外食を楽しく終えて、

 豪華なデザイナーズマンションに戻ってきた、

 笑顔に溢れるローゼさんたちの前でした。


ローゼさん「あらセバリオスさん、

      もうお戻りになられたのですか。」


 街灯に照らされながら、三人の帰りを待つセバリオスさんに、

 驚いた様子でそう言った、

 薄桃色のワンピース姿のローゼさんです。



  ◇ セバリオスさんは、ローゼさんの抱えた、

    リンカさんを巻き込んだ大事件を、

    快く解決してくれたという、

    そんないきさつがありました。


    その件は、ローゼさんとセバリオスさんだけが知っています。



 メリハリの効いたナイスバディに、

 冬なのに、やけに露出の多めの服装の、

 金髪美女のハインさんが、

 ローゼさんにこう問いかけます。


ハインさん「誰? このすんげぇー、イケメンッ!!


      ローゼさんの王室の関係者とか、

      何処かの国のプリンス様なのっ!?」


 出かけている事が多いハインさんは、

 以前、会っているはずのセバリオスさんの事を、

 深酒で記憶が飛んでしまったのか、

 まるで覚えていませんでした。


 そんなハインさんに、ローゼさんはセバリオスさんの事を、

 少し盛った感じで、ひそひそ伝えるのです。


ローゼさん(セバリオスさんは、恩人さんなのでぇす!!

      これくらい、盛ったとは言えないのでーす。)


ハインさん「へー、

      エリスさんの上司の方なのかー。


      エリスさんって、何だかんだで、

      顔広いよなー。


      (今度、ぜひ紹介してもらおう・・・。)」


リンカちゃん「こんばんはー、セバリオスさんっ。」


 ちょうど用のあったリンカさんが、

 真っ先に駆け寄ってきてくれたので、

 セバリオスさんは、その手に持った可愛い小箱を、

 リンカさんに手渡すのです。


セバリオスさん「忘れ物を届けにきたよ、

        リンカさん。」


リンカちゃん「忘れ物?

       誕生日プレゼントとか何かですかー。」


 セバリオスさんは、そのリボンの可愛い、

 ピンクの小箱を開けるよう、リンカさんに進めます。


 すると中に入っていたのは、

 リンカさんが欲しくて、すーっとジュエリー店で眺めていた、

 ちょっと大人っぽい、三日月を模った金色のイヤリングです。


 ムーンライトのように輝くきれいな宝石が施された、

 結構なお値段のそのイヤリングは、

 どうやら、子供騙しのイミテーションではなく本物のようです。


リンカちゃん「こ、こんなお高い物を、

       頂いちゃっていいんですか!?」


ハインさん「おお・・・、

      (めっちゃ高いデザイナーのヤツじゃん!!

       さすが、スーパーセレブは違うなぁ・・・。


       羨ましいなー。)」


 その二対のイヤリングに、

 興奮がおさまりそうにないリンカさんですが、

 ローゼさんだけは、その「忘れ物」の意味が、

 キチンと理解出来ていたようですっ。


ローゼさん(リ、リンカさんの失われた希望の丘が、

      しっかりと元に戻っていますっ!!)


 そう絶叫したい思いを、必至に押さえ込み、

 リンカさんに、温かいまなざしを送るローゼさんです。


セバリオスさん「二個で一つの物だから、

        よかったら大事にしてあげてねっ。」

リンカさん「あ、ありがとうございますーっ!!」


 外食で暴食したリンカさんよりも、

 太っ腹なセバリオスさんでした。


 ・ プレゼントの効果! →

   リンカちゃんの好感度が、100になった!


セバリオスさん「・・・。


        リンカさん、もう少しちゃんと、

        好感度とか管理しないと、

        変な人に騙されちゃうよ。(古蔵さんとか・・・。)」


リンカちゃん「あ、はいっ!

       では元に戻しておきますが、

       セバリオスさんの事は大好きですよっ!!」


 子供のように微笑ましい、快活なその返事に、

 セバリオスさんは、にこりと笑んで頷いたのでした。


セバリオスさん「やっぱり、みんな平和で、

        笑顔が素敵なのが、一番だね。


        ローゼさんは、素晴らしくよくやっていると、

        いつも関心しています。


        私の大切な友人のためぞう君のこと、

        これからもよろしくお願いしますね。」


ローゼさん「あ、ありがとうございますっ!


      もしよかったら、上がってお茶でも飲んでいかれませんか?」


ハインさん(ナイス、ローゼさんっ!!)


 ローゼさんのおもてなしは、

 それはもう天下一品なものでした。


 暖かなリビングで、どんな男の心も鷲掴みに出来る、

 最強の手料理を振舞ってくれることでしょう。

 ローゼさん、自分ではそれに気が付いてはいませんが、

 セバリオスさんは、そんな誘惑に負けるわけにはいかないのですっ。


セバリオスさん「ローゼさんのお言葉に甘えたいところだが、

        先約がありまして、


        よかったら、また次の機会にでも、

        是非お願いしたいものです。(耐性つけておきますので。)」


ローゼさん「あ、はいっ。

      リンカさんにプレゼント、ありがとうございましたっ!」


リンカちゃん「ありがとうございますー!!」


ハインさん「・・・わ、私にも、

      機会があったら、お願いしますっ!!!」


 セバリオスさんはにこやかに、三人の乙女たちに手を振って、

 リムジンへと乗り込んで、去って行ったのです。


 遠ざかる車を、何処か寂しそうに見つめるリンカさん。

 そんな彼女にローゼさんはこう言って、

 マンションの部屋へと入って行ったのです。


 「よかったですね、リンカさん。」、と。


 少しだけ、夜風に当てられながら、

 手にした小箱の中の対なすイヤリングを見つめるリンカさん。


 そのイヤリングの煌きを見つめていると、

 リンカさんの胸の中に、何か温かいものが湧き上がるのを、

 何処か恥ずかしそうに感じて、


 車が見えなくなっても、大きく手を振って、

 室内へと戻っていくのでした。



 リムジンの中で、美人秘書のセリスさんと、

 向かい合わせるように座ったセバリオスさんは、

 普段見せないような、油断した表情で、

 フフッ、と笑って見せたのでした。


セリスさん「何かいい事、あったんですかーっ?」

セバリオスさん「そうだね、

        セリスなら、わかっているような気もするが、

        良い感じで、二人の乙女がこの地に、

        舞い降りたのを感じてね。


        ルフィアさんの事だから、

        古蔵君には、黙っておかないといけないね。」


セリスさん「ああー、

      ルフィアさんって、古蔵さんの元フィアンセさんですよね!


      私的には、鈴木さんとルフィアさんで揺れ苦しむ、

      古蔵さんの面白い姿を見てみたいですが、

      今回は、内緒にしておきますねーっ!」


セバリオスさん「フフッ、

        感謝するよ、セリス。」



 こうして、セバリオスさんは、

 いつもの日常へと戻っていくのでした。