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ダークフォース続き(仮)新規です

ダークフォースDFと続きに仮セカンド。
新規とDF追加再編です

『ローゼさん☆☆☆』

2017年01月19日 18時24分02秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編

   『ローゼさん☆☆☆』

        - 海の漢の帰りを待つ、港の女。-


ローゼさん「何ですかッ!

      このヘンテコなサブタイトルはーッ!!


      早くリンカさんを回収して、

      家に帰りますよ、もうっ。」



 ・ あらゆる全てのものを持って生まれた、

   絶世の美少女、ローゼさん。


   そんなローゼさんですが、

   その地位に驕(おご)る事もなく、

   勝手にローゼさんのマンションに住み着いている、

   家出娘のリンカちゃんを、

   その身を投げ打ってまで、

   危険が待ち受ける異世界へと旅立つのですっ。


   心優しいお姫様なのでーす。

   その生意気小悪魔バディを、ぶるんぶるんと揺らしながら♪


ローゼさんは、ワープした。


ローゼさん「急展開!?」


 あれからどれくらい経ったのでしょう。

 突然、暗闇に飲み込まれたローゼさんは、

 鈍行のワープによって、

 まるで、難破した船から放り出されたように、

 何処かの海岸へを流れ着いたのでした。


 そこは美しい砂浜と、エメラルドグリーンの海が広がる、

 理想のビーチのようにも見えましたが、

 その先に続く、木漏れ日のレースが描かれた木々たちの方にも、

 小高い丘に見える、灯台らしき場所にも、

 人影一つ見えません。


 丁寧にアウトドア用のグリーンのシートが敷かれたその場所に、

 流れ着いたローゼさんは、横たわっています。


ローゼさん「・・・ここは、ハワイかグアム辺りですか?

      この時期にこの温度、

      とても暑くて、冬服なんて着てられませんね。

      常夏の楽園か、南半球の何処かなのでしょうが。


      72時間くらいは我慢して、

      ワープ中の変な列車の後ろの座席で、睡魔に耐えていましたけど、

      普通に降ろしてくれずに、漂流的な感じになっているのですね。


      砂が衣服に付かない配慮は感謝しますが、

      とり合えず、上着をある程度脱がないと、

      貴重なミネラルが失われてしまいますわ・・・。」


 見知らぬ土地で目覚めても、まったく動じない姿勢のローゼさんは、

 冬物の可愛いワンピースと、あったかドテラをキチンとたたむと、

 シートの上に置かれたバックの中から取り出した、

 白いTシャツとホットパンツに着替えます。


 なかなかセクシーなお姿ですネ。


ローゼさん「バックに『エリス』と名前が書いてありましたので、

      エリスさんには、感謝です。

      きちんと洗濯してお返しいたします。


      でもさすが、モデルもやっているエリスさんですね。

      布の部分が極端に少ないといいますか、

      かなり大人っぽいです・・・。


      流石に、他に入っていたブルマに着替えては、

      誤解を招きそうですので、こちらを選ばせていただきましたが、


      シートの横に使えといわんばかりに置かれている、

      葉っぱで出来たビキニのワナよりは、

      いいんじゃないかと思います・・・。」


 水が跳ねれば、一瞬のうちにスケスケになってしまいそうな、

 真夏の太陽に照らされた、眩しい白いTシャツに、

 オーシャンブルーのホットパンツが、

 ローゼさんのその魅惑の脚線美を、色っぽく演出しています。


 北欧系の美しい顔立ちの、プラチナの髪の美少女と、

 ツーショットでも決められれば、

 まさにそれは、羨望の眼差しできらめくビーチに混沌を呼び込むことでしょう。


 その心は純真でも、抜群のプロポーションと端正な顔立ちが、

 浜辺に舞い降りた、魅惑の天使を思わせるのです。


 どちらかといえば、

 サキュバス的みたいな強烈な、

 誘惑色がとても濃いみたいですが。


ローゼさん「さっさと先に進んで、

      リンカさんを回収しますっ。


      幸いチョコレートバーが一本と、

      富士の天然水500mmlボトルがありましたので、

      エリスさんの恵みには、感謝しなくてはいけませんが。


      ・・・!?


      もしかして、エリスさんも、

      何処かをさまよっているのですかっ!?


      だとしたら、大事なバックを失ってお困りでしょうに。

      私が、責任を持ってお届けしなければ。


      衣服を借りて、葉っぱしか残って・・・いえ!

      もっとポジティブに、アクティブに行かなくては、

      エリスさんの物語が続かないのです。」


 ローゼさんの心意気は関心ですが、

 リンカさんをしばらく好きにさせておくだけで、

 エリス様の物語は、即再開されるわけですが。



  ◇ そこで、選択肢ですYOォ!!



    ・ → リンカさんにバカンスを。

        (安全だけは鉄壁にお守りますので、

         ご安心ください。)



    ・   大いなる大冒険を達成し、

        本来の目的を素早く果たす。

        (ローゼさん、自分もピンチだと、

         そのお姿なら、きちんと覚悟しておいて下さいねー。)




 ローゼさんは、勇敢にバックを手に掴み、

 何が待ち受けるかも知らない、

 危険に満ち溢れていそうな、森の奥へと進んでいきます。


ローゼさん「リンカさんは、私のせいで、

      暴走してしまったのです。


      私の大切な家族ですので、

      しっかりと探させていただきますっ。」


 今の言葉を、リンカさんに聞かせてあげたいですねー。

 ピンチともなると、ちゃんと結束は固いんですよ。


 ちなみにエリス様は、

 ちゃんと町にいますし、しっかりエンジョイしてますので、

 どうかご心配なく。


 こちらへ来たのは、

 エリス様の名を語った、その謎のバックだけです。


 中身の衣装は本物ですが、

 他は、クエストの支給品だとでも思ってもらって結構ですよっ。


ローゼさん「ほっ・・・、

      それなら衣装はきちんと洗ってお返ししますので、

      あとは、リンカさん探せば終わりですわね。」


 そう言ってローゼさんは、

 森の奥へと続く、小道をズンズン進んで行くのです。


 周りの景色は次々と変わって行き、

 妖霧に満ちた森の奥では、たくさんのカメラ小僧の群れと遭遇しましたが、

 目にも留まらぬ速さで、シャッターすら切らせる事無く、

 妖気にあてられたカメラ小僧たちを、

 次々とデコピンで昇天させ、

 ついでに満ちた妖気を浄化して、

 彼らをただのカメラ小僧へと戻し立ち去ったのです。


ローゼさん「痛くしてませんからねっ!


      失神のツボを弾いての浄化作業は、

      あれだけの数だと、気もスタミナも結構使うものなのです。」


 通常100年以上かかりそうな、森を元の美しい姿に再生する作業を、

 わずか3分程度で終えたローゼさん。


 この調子で、人で賑わっていた頃のリゾート地を、

 どんどん取り戻していって欲しいですね。


ローゼさん「・・・清掃でしたら、

      可能な限りいたしますので、

      早くリンカさんと合わせていただきたいものです。」


 まだ、食料のチョコレートバーも、

 富士の天然水も、ローゼさんは温存しています。


 道中に、いろんな種類の木の枝を組み合わせて作った、

 十徳ツールのおかげで、

 森の恵みの恩恵に与っています。


 竹の水筒に水分入れ、果実をバックに補充して、

 ぜんぜん余裕で、何日でも冒険出来そうです。


 なかなかのサバイバル技術をお持ちのようです。


ローゼさん「ためぞうさんから、

      教わっただけですって。」



 ・ ローゼさんは、無人島に流れ着いても、

   たくましく生存出来るだけの技術まで備える、

   頼れるお姫様なのです。



ローゼさん「・・・人物紹介に、まだこじつけているのですね。


      陽がある内に、出来れば見つけたいと思いますので、

      先を急がせてもらいますね。」


 福岡めんたいドームの約30個分の面積がある森を抜けたその先には、

 とても透明度の高い、美しい泉がありました。


 人工的な円形の石造りの泉には、高い山から何十年と経て、

 湧き出た雪解け天然水で、満たされています。

 正面の方向に見える、雲を突き抜ける山の頂は、

 透明のシロップをかけ、キラキラとした、

 かき氷のような光沢を放っています。


ローゼさん「あの山に登れと言われたら、

      準備が足りませんが、

      それにしてもこの泉、どうしてこんなに、

      きちんと管理されているんでしょうね。


      飲んでくださいと言わんばかりに、

      ひしゃくが置いてありますし、掃除も丁寧です。」


 普通の冒険野郎なら、あの淀んだ森を必死に抜け、

 喉もからから、その濁り一つない水に、

 迷わずに、口を付けていたでしょう。


 ローゼさんが、泉のそばを立ち去ろうとしたその瞬間、

 突如として、泉は激しい飛沫を散らし始め、

 2~30mの巨大な水柱を、勢い良く吹き上げますっ!!



   ジュバーーーーァァァンッ!!!



ローゼさん「!?」


 上空を舞う大量の水が、一気にローゼさんのTシャツめがけて、

 降り注ぐのですッ!!



   バシャーーーーンッ!!!



 ずぶ濡れのローゼさんですが、

 何故か白のTシャツの部分だけは、完璧に守られています。


ローゼさん「・・・。


      ドッキリとかいらないので、

      リンカさんの情報をいただけませんか。」


 なんとローゼさん、

 Tシャツに森の樹液を調合して作った、

 撥水(はっすい)剤を塗っていたのですっ。


 いくらビジュアルが表示されていなくても、

 サービスシーンを安易にポップさせるような、

 軽い女ではないと、まるで誇張しているかのようです。


 Tシャツだけ濡れてなくても、

 そこそこ魅力は伝わりますので、

 いい水、滴らせていますねッ!!


ローゼさん「量が足りないから、

      シャツを優先させただけですって。


      飲んでもワナ、通り過ぎてもワナですか、

      まったく・・・もうっ。」


 その場を立ち去ろうとしたローゼさんの背後の泉が、

 再度盛り上がって来ますっ。


ローゼさん「防水してますよ。」


 泉の方へと振り返るローゼさんに、

 水柱の中から謎の影があらわれるのです。


 そこに沸き出てきたのは、なんと、

 洗練された肉体美を持ち、蒼いブーメランパンツで決めた、

 びしょ濡れのセバリオスさんですっ!


ローゼさん「えぇーーーっ!?


      (お水、飲まなくて良かったです・・・。

       違う意味の凄い成分とか、含まれてそうなので。)」


セバリオスさん「こ、心の声、聞こえてるし!


        ・・・私は君の知ってる、

        その「セバリオス」さんでは、ないからね。」


 セバリオスさんは、何だか言い訳っぽい事を言っていますが、

 さっきの滝行の犯人は、どうやらセバリオスさんで間違いないようです。


 なんとなく空気を読んだローゼさんは、

 うんうんと何度も頷いて、あえて知らないフリに徹します。


 その優しさが、セバリオスさんに沁みたのか、

 セバリオスさんは、そっとローゼさんに、

 新品のバスタオルを差し出すのです。


ローゼさん「あ、どうもすいません。」


 吸水性抜群の、100%天然の高級レトレア織の

 (布一枚で、星が一つ買えます。)、

 超セレブなまばゆいバスタオルは、

 ローゼさんを、天使のはねのような肌心地で包み込むと、

 生地の奥にまで染み込んだ水分も、ほとんど完璧に吸い上げます。


 とても高価な品なので、

 ローゼさんはすぐに使い終わったタオルを、

 セバリオスさん風の男に、お辞儀して返します。


セバリオスさん「こほん、では本題に入ろうかな。


        プラチナの髪の美しき女性(ひと)よ、

        貴女が落としたのは、この『金髪のリンカちゃん』かな?


        それとも、この『銀髪のリンカちゃん』かな?」


 神ががった光の中から、

 セバリオスさん風の男の両脇に、


 金髪のセクシーガールと、銀髪のセクシーガールが、

 まるで浜辺の麗しきディーバのように、

 キラキラとプリズムを撒き散らしながら、

 ゴージャスに出現しますっ。


 リンカさんの面影など1ミリもない、

 まったくの別人さんぽいですが、

 端から見たら、セバリオスさん風の男は、

 華麗なるディーバ二人に囲まれ、まさにビーチの王の風格です。


ローゼさん「・・・。」


セバリオスさん「プラチナの髪の麗人殿、


        どちらか選んでくれなくては、

        私はここを動けないのだよ。」


 セバリオスさん風の男は、

 どちらを選んでも、きちんと責任を持って、

 100万年保障で、リンカちゃんをその姿にするので、

 どちらかだけでも言って欲しいと、

 蚊の鳴くような声で、ローゼさんに囁きます。


セバリオスさん(・・・この私とて、

        弱みを握られては、従わざるを得ないのだよ。


        世界を創世する勢いで、根性でリンカちゃんを、

        ゴージャスバディに成長させるので、

        何も落としたり、落ちたりしてなくても、

        この拘束から私を解き放って欲しいのだが・・・。


        あの爆乳美幼女のままは、やっぱり倫理的にどうかと思うよね?

        私はとくに気にしないのだが、

        ローゼさん、もとい、

        絶世の美少女であり、謎のプラチナの髪のご令嬢さんは、

        納得できないよね?


        利害が一致してるといいのだが、ネ・・・。)


 ローゼさん、

 天下のイケメンのセバリオスさんに絶賛されて、

 その乙女心は、重力無視のその美しい曲線を描くデカパイのように、

 揺れに揺れまくっています。


 将来の伴侶に選ぶとして、

 セバリオスさんほどの、究極の好条件など、

 なかなか無いと言っていいでしょう。


 何しろ、彼のその神々にも似た強さを超える、

 独身のイケメンなんて、

 広大な砂漠の中から、一粒のダイヤを探すほどの、

 ラッキーが必要なのですから。


   <セバリオスさん風の男のステータスの一部。>


    ・ 武力100 知力95以上の文武両道さんで、

      そのLVは机上の空論の、

      理論上のカンスト値とされている、

      スーパーギャラクシー級の『LV600』です。


    ・ 『雷帝』と称えられるほどの、

      雷属性最強の闘神さんで、

      電撃等の一切のダメージは、全て自分のパワーに吸収出来ます。


      たった一人で、

      複数のワールドを、一気に平らげるだけのパワーは、

      まさに並ぶ者なしという強さです。(一部、例外もあります。)


      ただ、野心がとても少なめの方なので、

      現在の彼の治めるその領地は、

      今の実力に、まったく見合ってはいません。



    ・ 容姿端麗は言うまでもなく、

      今でこそ、長身の凛々しい青年の姿をしていますが、


      外見程度、簡単に変化させるだけの、

      究極に等しい、奇跡のミラクルパワーに溢れまくる方ですので、


      妄想出来得る、あらゆるイケメン、美少年、

      さらに、性別を超えて美少女、

      男の娘にまで、その身を変化させる事が可能です。


      (本人はその能力の存在を知りませんが、

       根は純粋な方なので、

       そそのかせば、コロッとだませます。)


      あと本人の妄想力など、寝てる隙に知恵を吹き込めば、

      ちょろく上乗せ出来ますので。


      さらにLVが常時MAXなので、

      好みの名前も性格変更も、自由に選べます。


      激しく、魅力等のステータスボーナスが、

      どっさりあまった状態で放置されていますので。


      (変身後の副作用として、

       数日から数百年、その容姿を、

       一定期間、変化させる事が出来なくなりますが、


       時の流れが違う時空にも行ける方なので、

       すぐに戻っては来れます。)


       ※ 移動先で、より強い相手に遭遇し、

         相手に気に入られたりして、

         束縛されない場合に限ります。


         ミラクルな変身後は、そのフィードバックとして、

         ステータスの振り直しが終わっていない場合が多く、

         LV分の強さを、すぐには発揮出来ませんので、

         主導権を握るチャンスでもありますね。



    ・ 財力も鬼神の如き凄まじさで、

      地球クラスの星を、いくつも買えるほどの、

      大金持ちのセレブさんです。


      銀河長者番付の上位に、毎年ランクインしているので、

      もちろん玉の輿です。


      あらゆるリゾート地に、一瞬で移動出来る、

      未知の技術で建造された、

      レアすぎて、この宇宙に数機しか存在しないと云われる、

      機動要塞を所有されています。


      銀河を駆ける大英傑さんですねっ!


      (豪華クルーズ船仕様の要塞の大きさは、

       月の半分程度の大きさがあり、

       ちゃんと重力も、施設内は1Gで安定しています。


       船内には、42球団用のドーム球場と、

       クラブチーム、70チーム分ほどの多目的コートがあり、

       大きなプール、湖、内海、リゾートホテル完備で、


       全てのエリアに、スーパーリニアラインの、

       環状線が繋がっています。

       他にも、鈍行、急行、旅客車両と、

       じぇJR九州並みのラインナップが揃っています。

       バスにレンタカー、マイカーも充実です。


       あと使ったりはしませんが、

       埋蔵金が要塞のコア付近に、

       日本列島の面積に匹敵するほど、巨大な塊であるそうです。)



遠くのエリスねーさんの声「そ、そんなにあんのっ!?」


同、佐藤さん+鈴木さん「やっぱり、凄すぎですーっ!!」


同、レオクスさん「あはは・・・、

         そ、そこまでですか。

         (大きく差を付けられてますかっ!?)」


 その他、多数のうらやましい声が聞こえています。


ローゼさん「プ、プライベートも、何も無しですかっ!!!」


 そう叫んだローゼさんに、

 一点の曇りもない、澄んだ瞳のセバリオスさん風の男の、

 願いににも似た、お願いの視線が送られています。


 帰れないみたいで、

 かなりお困りのようですね。


セバリオスさん「セバリオス、スーパーバリアーーッ!!!」


ローゼさん「(な、名前叫んじゃってるしっ!!)」


 セバリオスさん(仮)の周囲から、

 ハンパない電磁防壁が発生し、

 無理矢理、入ってこようものなら、

 10億ボルトの雷撃の連打の餌食になりますっ!!


 ローゼさんとセバリオスさん(仮)のやりとりを、

 邪魔する者は、もういないと言っても過言ではないでしょう。


セバリオスさん「えー、セバリオスです。


        外部との情報を一切シャットアウトしました。

        なので、本音で話しますね、ローゼさん。」


ローゼさん「あ、はいっ。」


 ローゼさんの潜在能力を全て発揮しても、

 まず敵わないセバリオスさんと、初めて二人になった瞬間でした。


 ちなみに、金髪、銀髪の美女二人組は、

 今のバリアの瞬間に、セバリオスさんによって、

 別のリゾート空間に、一時的に転移されてるみたいです。


 バリアの外はまだ昼間ですが、

 それほど広くないバリア内部は、素敵なイルミネーションで、

 とても幻想的な光景が広がっています。


 セバリオスさんが、きわどいパンツ姿でなければ、

 危うく魅了されていたかも知れないローゼさんです。


 良心的なラスボスとの邂逅のような、神々しいシーンですが、

 やけに目立つ、蒼いブーメランパンツへの視線を、

 かわすので一苦労のローゼさんです。


 ちょっぴり薄目で、視野の上下を絞って、

 直視を避けていますね・・・。


セバリオスさん「では、私が何故こんな事になっているのかを説明しますね。」


ローゼさん「は、はいっ。」


 美術館の石膏像のように、

 芸術的肉体美を持つセバリオスさんですが、

 きわどい布切れ一枚のその姿などお構いなしに、

 至って紳士的な態度で、真面目にローゼさんにこう語りかけます。


セバリオスさん「ローゼさんを困らせている、黒幕の正体なんですが、

        実はその黒幕って、リンカさんなんだよね・・・。」


ローゼさん「えぇぇーーーっ!?」


 セバリオスさんは言うのです。

 リンカちゃんに封印されていた、真のリンカちゃんが、

 マジカル効果の影響で、

 一時的に、この世界に現れてしまったのだと。


ローゼさん「・・・。」


セバリオスさん「ローゼさんの、みかんの本にこっそり書いてあるはずなんだけど、

        それに気付く前に、ローゼさんが無限回廊に送られるのを、

        実は私とためぞう君が感知してね。


        エリナ先生に協力してもらって、

        こんな姿だが、なんとか私だけがここへ辿り着けたというわけなんだ。」


 セバリオスさんは、泉から出てきた、

 ためぞうのクーラーボックスの中から、

 心も安らぐフルーツ牛乳を取り出し、

 フタをあけると、ローゼさんへと差し出します。


ローゼさん「な、なるほど・・・。」


 セバリオスさんは、言いました。


 リンカちゃんの夢を叶える為に現れた、

 ルフィアさんという方が、完全体で現れていないらしく、

 そのピンと立ったアホ毛を見た時、

 ああ・・・変な事になってるなぁー、っと、

 確信したそうです。


セバリオスさん「それで、リンカちゃんには申し訳ないんだけど、

        未来でためぞう君と結ばれるかも知れないローゼさんが、」


ローゼさん「ブゥーーーーーッ!!!」


 ローゼさん、鼻からフルーツ牛乳を噴出すのは、

 何とか気合で堪えます。


ローゼさん「ぜぇぜぇ・・・。」


セバリオスさん「それで、自己紹介が終わる前に、

        ローゼさんがキラキラ☆ライフから、

        脱落するのを避ける為、

        テレポーテーションで急いで来たら、


        気付いたら、泉の精にさせられてちゃったんだよね。


        ちなみにそのルフィアさんのパワーで、

        私の身体は、この泉に拘束されてるので、

        彼女の指示通りに選択肢を出すしかなかったんだけど、


        選んでくれるなら、黒髪の美女も選択出来るようにするので、

        まず、どれか選んでくれると、とても助かります。


 取りあえずセバリオスさんは、

 自分のワナを解除して、事態を収拾したいようです。


 あの神っぽいセバリオスでさんすら、

 不意を突かれれば、こうなると知っては、

 ローゼさんにはもう、

 選ぶ以外の返事は出来ません。


ローゼさん(セバリオスさんを超えるって、

      会長さん以外にはいないと思っていましたが、


      世の中って、ホント、

      とっても広いですわね・・・。


      ためぞうさんと、セバリオスさんと、

      エリナ先生には、心から感謝致します。


      みなさん、ありがとォォォオオッ!!!)


セバリオスさん「ではっ、

        選択肢、サモーーーンヌッ!!!(サモンヌ=召喚らしいです。)」



   ◇ さあレディ、好きなのを選んで頂きたいッ。


     → ・ 金髪グラビア、リンカちゃん。


       ・ 銀髪グラビア、リンカちゃん。


       ・ 黒髪グラビア、リンカちゃん。


       ・ 清純グラドル、リンカちゃん。


       ・ スーパーモデル、リンカちゃん。


       ・ ポップなモデル、リンカちゃん。


       ・ キュートな顔立ち、胸がうっすらリンカちゃん。



 セバリオスさん、そのウルトラパワーで、

 原型のリンカさんの選択まで出現させていますッ!!!


ローゼさん「その・・・、

      うっすらで。」


 その瞬間、ブーメランパンツのセバリオスさんが、

 夏の陽射しのように眩い、光輝に眩く包まれますっ。



  - 夏のビーチで、君がこう言ったんだ。

    「こんな私ですが、ビキニ似合っていますか?」、と。


    貧乳最高!

    それは素晴らしき、新たな属性ぃ~~~♪

    「さあコークを手に、浜辺を二人で駆け出そうよっ!」 -



ローゼさん(・・・聞こえない、聞こえないの策です。)


 そして瞬くうちに、その光の中から、

 いつもの白のスーツに袖を通した、

 セレブな青年実業家、

 イケメンのセバリオスさんが出現したのです。


 そして、泉の前にはセバリオスさんともう一人、

 ローゼさんの見慣れた、

 小学生高学年ほどの背丈に、見事に胸だけが発育していない、

 ノーマルリンカちゃんが現れたのですっ!!


リンカちゃん「あれ、

       姫様に、セバリオスさん?


       ここって、何処ですか。」


ローゼさん「リンカさぁーーーんっ!!」


 元に戻ったリンカさんを、ローゼさんがその豊かな胸で、

 ギュッと抱きしめますっ。


 リンカさんの顔は、ほとんどローゼさんの胸に埋まっていますが、

 瞳を潤ませながら、安心したように優しく抱きしめるローゼさんに、

 ちょっと胸で息苦しいという言葉は言えず、


 素直にローゼさんの興奮が治まるのを、

 温かなその腕の中で、

 恥ずかしそうな表情をしながら、待つことにしました。


   ◇ リンカさんが、元に戻った!

     (※ 胸のサイズがこっそり1.5cmほどダウンしています。

        が、今のリンカさんにそれを気付く余裕はありません。


ローゼさん「ありがとうございますっ!!

      セバリオスさん。」


リンカさん「何だかよくわからないですが、

      ありがとうですっ。」


セバリオスさん「ハッハッハッ、

        二人の距離が元に戻ったのなら、

        私は、それで嬉しいよ。


        『セバリオス・スパーキング・テレポーートッォオ!!!』」


 二人に笑顔が戻った事を確認したセバリオスさんは、

 有無を言わさず二人をローゼさんのマンションに、

 強制送還しましたッ!!


ローゼさん「えぇーーーっ!?」



   - 『ローゼさん☆☆☆』 完 -



    お話しは、セバリオスさん対黒幕の

    戦いへと続くのでした・・・。



 マンションのリビングに、何事も無かったかのように、

 白のTシャツにホッパン姿で帰還したローゼさんとリンカさん。


ローゼさん「セ、セバリオスさん、凄すぎですっ!!」

リンカさん「ふっふっふっ、

      私はセバリオスさんの凄さは、知ってましたですよー。」


ローゼさん「!? (あれ、リンカさんの希望の丘、

          ちょっと低くなっていませんかっ!!)」

リンカさん「んっ?

      どうかしたんですか、姫さま。」


 リンカさん、いつもの学生服姿ですが、

 間違いなく、さらに薄っぺらくなっています。


ローゼさん「あ、いえ、

      お外も暗くなってきましたし、

      夕飯の支度を・・・、

      って今日は下ごしらえが出来ていませんね。」


リンカさん「姫さま、外食ですか!?

      私、カレーかハンバーグがいいです~。」


ローゼさん「そ、そうですね。

      では、ハインさんのスマホにメール入れて、

      その方向で行きましょう、ねっ!」


リンカさん「やったー!」


 こうして、ローゼさんは、

 リンカさんのその視線を、出来るだけ希望の丘から避けさせて、

 ハインおねーさんと一緒に三人で、カレーハンバーグ屋さんで、

 楽しい夕食の時間を迎えるのでした。


ローゼさん「・・・長くなりましたが、

      では、またです。 ^-^


      セバリオスさん、応援していますっ!!」


リンカさん「またです~。」



 ・ ローゼさんの、セバリオスさんへの好感度がいっぱいあがった!



ローゼさん「ひ、否定いたしませんが、

      誰でもピンチを救われると、そうなるんじゃないですかっ!!」


リンカさん「そーですか?

      私は、セバリオスさんは普通ですー。


      やっぱり、バルマード様押しですっ!!」


金髪でボインのハインさん「あのヒゲのおっさんの、

             どこがいいのかねぇ・・・。」



         番外編 『戦うセバリオスさん!』へと、

              つづきます・・・。

『ローゼさん☆☆』

2017年01月09日 18時02分09秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編
   『ローゼさん☆☆』


 バブル期を超えるような、

 発展と人口増加を見せている、長崎ドラゴンタウン。


 一等地の地価は、坪単価1000万円まで上昇し、

 美しいビーチに隣接した、

 路線が新設されたばかりの高級住宅街の駅舎の、

 その正面の一等地に、


 ドンッ! と構えるようにそびえ建つ、

 ローゼ姫さま所有の高層デザイナーズマンション。


 マンションの駐車場に隣接した、1Fの広いエントランス脇の、

 海が見えない、日当たりも微妙な、

 割と手狭な最安物件に、


 マンションの管理人も兼ねる姫さまは、

 お住まいになっておりました。


 ・ ローゼ姫さま、凄いセレブさんですが、

   とても庶民的な感覚をお持ちで、


   父王を心配させないよう、マンションは受け取りましたが、

   とても質素倹約な生活を送っているのです。


   その謙虚さも姫さまの美徳と、

   姫さまの正体を知らない方々からも、

   微笑ましく好感を持たれているのでした。


   姫さまは、ご近所の方々や、

   マンションの住人の方とも仲良くしておりまして、


   作り過ぎましたと言っては、さりげなく、

   素晴らしい出来栄えのおかず類を、差し入れたりしています。


   ミッションラン五つ星を獲得してもおかしくないほどに、

   繊細かつ美味な姫さまの手料理に、

   姫さまが尋ねてくるかもしれない夕時には、

   マンションの住人も、ご近所さんも、

   そのラッキーを心待ちにしていたりするのです。


ローゼさん「リンカさんが大変な時に、

      姫さまとか持ち上げたり、そういうのは結構ですっ。


      あと、勝手に高級住宅街にして、

      駅まで出来たなんて作り話はいりませんから。」


 姫さまは、そう仰いますが、

 部屋の窓に広がる晴れやかな空の下には、

 立派な邸宅や、豪華な造りの高級リゾート駅舎が、

 バッチリと確認できます。


ローゼさん「!?

      一夜の内に、城を完成させるような勢いで、

      町を発展させたんですかっ!!


      (・・・とんでもない大物が、

       私の影にいるのですわね。


       これは素直に、従う所は従って、

       リンカさん探しを開始するしかありません。)


      姫さまって言うのだけ、おやめくださいませんか?

      何だか緊張で固くなって、動きにくくなりそうです。」


 はーいっ。


ローゼさん「さて、

      リンカさんを探すとなると、

      エサ・・・もとい、


      敬愛してやまないお父様を訪ねるのが、

      一番かも知れません。


      緊急事態なので、


      (私の招いた不祥事ですし、

       爆乳小学生になったなんて、言えないです・・・。)


      お父様に手伝ってもらうのが、

      最速の解決方法でしょう。


      (ワナを仕掛けるような気がして、

       胸が痛みますが、あの状態で放置なんて絶対いけませんっ!!


       ・・・何でも受け入れるお父様ですから、

       見た目にこだわらないなんて言われたら、

       ゆ、夢落ちで記憶をなんとかしなければなりませんネ・・・。)


 後ろ髪を惹かれるような気持ちで、

 父王の暮らす、聖クラウス学園内へと、

 お出かけの準備をしているローゼさんでしたが、

 そんな忙しい時に限って、突然の来客を知らせる、

 ドアフォンが鳴ります。



   ピンポーーーンッ!



 するとドアフォンに映っているのは、

 そのローゼさんの父親の、スーツ姿のバルマード王ですっ。


 ローゼさん、父王に一言も喋らせない勢いで、

 すぐさまドアを開けて、室内に招き入れるのです。


 凛々しいおヒゲに、精悍な顔付きの、

 長身のカッコいいオジ様のバルマード王です。


 ローゼさん自慢のお父様ですが、

 このオジ様に、ちっちゃいリンカさんは、

 なぜか淡い恋心を抱いています。


 本人は、そのリンカさんをローゼさん同様、

 娘のように愛してはいましたが、

 そういう対象として見られたことなど、一度もありませんでした。


 ローゼさん自身、相当気合の入ったファザコンさんですが、

 この町に来て、周りが見え始めたのか、

 情熱的だったその父王への想いも、

 今は、あやふやとしたものになって、

 恋に妄想して、暴走するといった、


 ためぞう君のお父さんを、極限バトルで、

 無き者にしたような、その激しさも、

 すっかりおとなしくなったものです。


ローゼさん(・・・。


      ためぞうさんには、とんでもない事をしたと、

      その罪悪感から、彼を謎の閣下として助けるような事も、

      以前はありましたネ。


      今となっては、その私の方が、

      ためぞうさんを頼ってしまうほど、立場は変わりましたが、

      私のやった事を、忘れてなどいないのです。


      あの時は、本当にゴメンナサイッ!!


      無理矢理、私を手ごめにしようとした、

      山本のおじ様・・・。)


 ためぞう君のお父さん、自業自得ですよねッ!


 バルマード王「まったくです・・・。


        あと、私の事は王などと呼んで頂くとも、

        「ヒゲ」で構いませんぞ。」


ローゼさん「(お、無敵のお父様が、気を使ってらっしゃるのっ!?)


      こほん・・・、

      私の自己紹介はもう十分ですので、

      一旦、この辺りしまして、


      『リンカさん、大捜索!!』など銘打って、

      次のお話で、真剣に探したいのですが・・・。」


 それは無理ですー。

 現在、『エリス様の華麗なる日々。』の、

 急展開編が控えているのに、


 そこを引き伸ばしてしまうくらいなら、

 さっさとリンカさんの事を諦めてしまいましょうネッ!!


 ちなみに、相当続きが遅れていますが、

 解説の人の仕事の遅さと、


 「実は、本物の戦場に投下されていて、

  上空の壮絶な艦隊戦に巻き込まれてしまう。」


 という、ありがちで変化球な展開のせいで、

 エリス様が、リアルな方で年を越されてしまったなんて、

 言わせないでくださいよ、もうっ。


ヒゲ「全くですっ!

   エリス君の大切な物語を、

   保留にしてまで、紹介してもらっているのですから、


   父として、新人の娘をわざわざご紹介いただき、

   感謝100万倍でありますっ!!


   (ごめんね、リンカちゃん。

    オジさん、逆らえないの・・・。


    ムチとか、痛いの無理なのね。)」


ローゼさん(うおーーーっ!!!


      ・・・謎の代打さんの正体は、

      我が父をさえも、ひれ伏す御方ですか。


      エリスさんのリスペクト具合からいたしまして、

      セリスさんのような気もいたしますが、


      考えてもわからない事は、

      そっとしておく方が、無難な気がいたしますし、


      言葉の語尾だけで決め付けるのは、

      ワナへの第一歩な気配が、

      背筋がゾクゾクッ、っとしてなりませんわ。)


 ◇ はい、ローゼさん選んでくださいねっ。

   お待ちかねの選択肢ですぅー。


ローゼさん(ま、待ってませんって!!)



   ☆ 好きなの選んでねっ♪


    → ・ ヒゲのパワーを完全燃焼させ、

        さっさと解決っ!


        (自慢のおヒゲをむしられちゃって、

         もう、ただのおっちゃんになっちゃいます。


         『ヒゲの残りパワー。』= 「95億」 → 「たぶん、1~10」。)


      ・ ローゼさんのナイスバディを、

        リンカさんのと入れ替えちゃいますっ。


        気合でやり遂げますが、

        ローゼさんの成長ボーナスと、

        便利でおいしい、みかんのつくり方の絵本は、

        回収させてもらいますねっ!


        (便利な本の維持、まず無理です。

         なので、誰も到達出来ない、

         極的な、バランスダメダメなダンジョン最深部の、

         箱の景品にでもしときます。


         - 到達条件

            ローゼさん入りPTで、

            一人は「LV 999」を達成している。 -


           ((そんな方、何処にもいないとは思いますが、

             箱飛ばすくらいの芸当は、やってみせますよっ!))


       あと、そのナイスバディの入れ替えには、

       自信ありますので、どうかご安心をッ!!


       逆に気持ちいいくらいに、痛くしませんのでーっ♪)



     ・ 「リンカさんは、新たな冒険へと旅立った!」


        ・・・今までのおうえん、ありがとうございましたっ♪



ローゼさん(か、完全なワナですね・・・。

      選ぶとしたら、私のしかないですよーっ。


      リンカさんが、変な事になっちゃったのは、

      確かに私のミスです。


      ここは、真ん中のを選ぶ以外に、

      あ、ありませんわっ!!)


 ローゼさん、とっても動揺してます。

 でも、決意は固いみたいです。


 本当に、お優しい姫さまになられましたねっ!


ヒゲ「私のヒゲをむしるのだっ、ローゼッ!!

   美少女は、私のヒゲなど遥かに上回る、全て民の宝ッ。


   愛娘とリンカちゃんの未来が約束されるのなら、

   とっとと隠居して、茶でも飲んで暮らすだけの事よォ!!!


   後の国事は、二人に託したぞッ。」


 ヒゲは、いい事言いました。

 さあ、さっさとむしり取って、奇跡を起こしましょうーっ!


 国名も『むさむさ・ヒゲ王国』から、

 『きらめき☆プリンセス王国』とでも、改めちゃいましょうねっ。

 出会いの少ない家臣さんたちも、きっと喜んでくれますって。


 だってほら、姫さま目当てでイケメン冒険者が街に溢れて、

 それに釣られて、ジュース・ミルク完備の出会いの酒場は、

 女子たちで、連日盛況に違いありませんっ♪

 家臣さんも、新たな出会いにココロ、

 ウキウキでしょう!


ローゼさん「天下のお父様が、突然いなくなっちゃったりしたら、

      あんなバカでかい領土を守りきれるわけ、

      ないじゃないですかっ!!

      (ヒゲ王国以外の、銀河を駆ける秘密の領地を含む。

       地球型惑星を持つ太陽系を、ヒゲはこっそり数十と持っています。)


      お父様の高名無くして、

      あのだらしない家臣たちの、ゆっるい国が、

      まとまる訳がありませんっ。


      すぐに、ためぞうさんの友人のホーネル王子に、

      全部いいとこ持っていかれますって。


      彼の意思など関係なく、

      彼の家臣たちが黙っているワケないでしょッ!!」


 ピンポーンッ!

 お見事、大正解ですぅ~。


ヒゲ「何だってーーぇ!!!」


 その未来を見通す力も、(100くらいありそうな)知略も、

 ローゼさん、スペックとーっても高いです。


 さらに今は、その知力を悪戯に使わなくなって、

 優しさ、きゅんきゅん☆ピュアピュア100%になった、

 今のこのローゼさんを、


 何処の覇王が、ほおっておくなんて、

 ありえるでしょーっ。


 そりゃ速攻、国ごと落とされちゃいますねっ。


 ローゼさん☆☆はきっと、

 男性の本気の、心のこもった気持ちを、

 踏みにじったり、あやふやに誤魔化したり、


 そんな事やってのけるテクだけは、

 皆無といって問題なさそうですから☆


ローゼさん「わ、悪かったですねっ!!

      あと、星多すぎですよ。

      ☆ 増やして、リンカさんを引っ張る気ですか?


      選べないんでしたら、

      わ、私が責任取りますので、

      それにして、リンカさんを助けてあげて下さいって。」


 では、ローゼさんをチンクシャで、

 永遠の小学生(見た目。)にして、


 あらゆるマジカル☆ステータスを、

 没収いたしまして、この私のパワーで、

 ステッキ効果を無かった事にしてよろしいでしょーか?



 ◇ 美少女小学生(成長率0%)になりますか?


   → はい。

     いいえ。



ローゼさん「『はい』でッ!!!」


ヒゲ「いかんぞ、絶対いかぁーーーーんッ!!!」



   パリィーーーーーンッ!!



 突如、ローゼさんのマンションのリビングに、

 時空を切り裂くような裂け目が現れ、

 その奥から、何者かが現れますーっ!


謎の男「この世界の将来の為、

    こほん、いや私の為に、

    ローゼさんの未来を失わせるわけには、

    いかぬのだよッ!!」


 謎のヒーローのような格好をした、

 イケメンっぽい、戦隊もののコスプレイヤーは、

 三択の選択肢を、必殺のギャラクシーパンチで、

 無効化しますっ!!


コス男「ふっ・・・、

    これで、私の未来は安泰だ。


    『せりかさん』の依頼を受け、速攻駆け付けたが、

    無事のようで何よりです。


    お騒がせして、申し訳ありませんでしたーっ!


    では、この辺で失礼しま・・・。」


 えっと、カイザーさんですよね?


 コス男「・・・ハハハ、何をご冗談を。


     すみません、勘弁してください。

     大人しく帰って、もう邪魔とかしませんので。」


 はーい、ではまた、

 別の世界でお会いましょうねーっ!!


 ローゼさん「(カ、カイザーさんって、

       もしかして、未来の可能性の一つの、

       将来のためぞうさん!?


       ・・・凄まじいというか、大覇王級の、

       お父様すら上回る、とんでもパワーでしたネ。


       カイザーさん(?)の未来の安泰・・・。

       わ、私が関係しているのですか!


       き、気になって寝不足になるような謎を、

       何気なく残していかないで下さいよっ!!!)」


 きっと、ローゼさんはその疑問のおかげで、

 しばらくは、寝不足の日々が続くでしょうー。


 選択肢と等価のバツゲームとはいきませんが、

 若者の未来とか、青春や募る想いというのは、

 横から見ていて、楽しいものですねっ♪


 しっかりと、邪魔させていただきますーぅ。


ローゼさん「だから、丸聞こえでそういう事を言うのは、

      おやめ下さいってっ!!」


ヒゲ「ハッハッハッ、

   娘の変なファザコンが治って、

   気概ある若者との未来があるのなら、


   ヒゲパパとしては、これ以上に嬉しい事はありませんな。」


ローゼさん(・・・いえ、

      お父様その凛々しいお姿に、胸の奥がドキドキと、

      熱くなるのは、未だ変化はないのですョ。


      異性と接する機会が皆無だったとは言いましても、

      お父様は、天下に覇を唱える事の出来る稀代の大英雄なのです。


      ・・・私、お父様の真のお姿(とても若く、

      優しそうな笑みをお持ちの、

      イケメンランク上位で、美少女にも見えるその優美なお姿。)を、

      知っているから、余計に想いが加速してしまったのです。


      他の殿方との狭間で、確かに揺れているのは否定いたしませんが、

      あちらのお姿だと、私の方が年上に誤解されてしまうのですよっ。


      ・・・はぁ、自分でも、

      自分がややこしいことは、十分理解しております。


      でも、たやすくリンカさんに、

      油揚げをさらわれた後ろ姿など、

      果たして見せられるほど、

      私のハートの方は強くなっているのでしょうか。)


 ローゼさんがお望みでしたら、

 鋼鉄、チタン合金、スーパーセラミック、ウルトラカーボン、

 伝説の盾用の板材などの、強力ハートにアップグレードいたしましょうかー?


 あらゆるダメージにくじけない、

 ノーダメージハートで、問答無用に無双できますよっ!


ローゼさん「そんな、ヒーロー改造はいりませんわっ!!」


ヒゲ「・・・わ、私はしてもらおうかな~。

   ひゅーるるるぅー♪」


 残念! ヒゲの毛のはえたハートは、

 キャンペーン対象外というか、めんどいですっ。


 変に強くなられて、ハーレムモードとか夢持たれちゃうと、

 世界の男女比、もとい、


 もう、あの心優しく、

 ローゼさんと変わらぬ美貌のお妃さまの事、

 すっかりお忘れですかーっ?


ヒゲ「うっ!


   泣いちゃうぞ、ヒゲパパ泣いちゃうからっ!!」


 今回は、ヒゲのターンではないのです。

 いつヒゲのターンが来るかは不明ですが、

 ローゼさんをなんとなく困らせているような感じを、

 ヒゲご自身は、ご理解してらっしゃいますかーっ?


ローゼさん「ぜんぜん、困ってませんよっ!!!」


ヒゲ「・・・ホントに、優しい娘に変わりましたネ。


   ピンチには、いつでも駆けつけるから、

   なんとなく家に戻って、テレビでも見てるね。


   至らぬ娘ですが、どうかよろしくお願い致します。」


 そう言うとヒゲは、

 あさっての方向に丁寧にお辞儀をしてから、

 聖クラウス学園敷地内の、大型船を改装した家へと戻って行きました。


 やっと二人になれましたねっ!


ローゼさん「私は、一人ですよっ!!」


 こうして、ローゼさんの自己紹介から始まった、

 悠久の旅は幕を開けるのでした・・・。


  カチッ・・・。


  タララララ~ラララン♪ タララララ~~~~ン♪

  ラララララァ~ランラン・・・。


ローゼさん「そんな音楽、ラジカセで鳴らしても、

      悠久とか、そんな冒険には行きませんから!!


      なんとか、日帰りでお願いしますーーッ!!!」



 こうして、ローゼさんのお話は、

       『ローゼさん☆☆☆』へと続くのです。


ローゼさん「・・・自己紹介、完結編であることを願います。

      リンカさん、どうかご無事でっ。」


 よろしくやってるらしいですよ♪


ローゼさん「コラーーーーッ!!!」

『ローゼさん☆』

2016年12月24日 17時38分23秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編

   『ローゼさん☆』


 ・ 本名は、『ウィルローゼ=マクスミルザー』さんで、

   とある格式高き、由緒ある立派な大国のお姫様です。


   「ローゼ」さんと呼ばれています。



   (謎の超銀河帝国を形成する、三大王家の一つが実家の、

    スーパーお姫様さんです。


    その御三家の中から、次世代の覇王たちを統べる、

    大皇帝さんが選ばれたりしますので、

    数多の覇王たちが、恐れ敬う一族さんです。



    ためぞうたちの先生である、

    19才 女教師のエリナ先生が、

    何故か町内で、恐れ敬われているかという理由は、


    その事実を知る方々が、

    エッ!? もしや現皇帝陛下の妻であったはずの、

    『オーユ様』では、ありませんかッ!?


    っと、誤解されているからでもあります。

    まるで、双子のようにそっくりさんです。


    そのウワサのおかげで、

    親戚筋にあたる、ローゼさんも、

    いろいろと影で、恩恵を受けていたりします。)



ローゼさん「えっ、そーだったんですか!?」


 ・ と、ウブがっている、ローゼさんはさておき、

   紹介はつづきます。


   当初は、『ウィルローザ』さんで、

   「ローザ」さんでしたが、


   薔薇姫さんという事で、

   「バラ色=ロゼ」にちなみまして、


   ちょっと延ばした感じの発音の、

   「ウィル・ローゼ」さんという事になりましたネ。


ローゼさん「な、なるほど・・・。」


 物知りなローゼさん、

 ご自身が知らなかったようなので、

 かなり、いい加減な設定なのかも知れません。


 いい加減な設定は、さらに続きますっ!


ローゼさん「まじめに、やって下さいっ。」


 ・ DFセカンド(DF5以降)からの登場で、

   NEWな新人さんになります。


   新人ですので、失敗したり、

   うっかりしてしまう所は、どうかご容赦下さい。


   現在、開幕の初期設定から、

   大幅に横道にそれまして、

   初登場時とは、まるで別人さんのようになりましたネ。


   経験が浅いからなのか、

   キャラ作りが、ローゼさんの中で結構、

   コロコロと変わっています。


   今後も、きっと色んなモノに目移りして、

   変わってしまう事もあるかと思いますので、


   その辺りは、後日、番外編辺りでも、

   ご紹介したい次第です。


   ・・・スペック、かなり落ちてますネ。


ローゼさん「!?

      これは、紹介という口実を用い、

      さらに私をおとしめて、

      ひま潰しの回にしている気がいたしますわっ。」


 さすがは、ローゼさん!

 性能が落ちたとはいえ、まだまだ頑張れそうな感じです。


 これはもっと、ガツンと堕落させないと、

 エストさんのように、

 いい様にそそのかすのは、難しいかも知れません。


 今頃、エストさんは、

 新鮮なマグロを求めて、

 何処の海を旅しているのでしょう・・・。


 そういった、見えない努力こそが、

 家庭の食卓を支え、世界へと広がる、

 寿司文化に大いに貢献しているのでした。


 ローゼさんも、その艶やかで強靭な、

 ダイヤモンドの100倍以上の耐久性を誇る、

 ご立派なプラチナの髪を、


 宇宙開発とこの先の未来の為に、

 一本だけで構いませんので、

 ゆとりを持って、10万mくらい伸ばして、

 提供してはいかがなものでしょう。


ローゼさん「・・・。

      一体、何百年かかると思って、

      言ってらっしゃいますっ!?


      (時の流れが、私以外は止まった場所へと送られて、

       その長さに伸びるまで、

       戻れなくなるのではと、


       私の持つ、ちょっと便利な本が告げているのです。)」


 エストさんと同じようには、

 過酷な試練へと、もって行けなさそうなので、


 とりあえず、取説に書かれているように、

 知力が『100』ないと、

 発動出来ないハズの、

 あらゆる全てが記され、書き換えまで出来るという、

 スペシャルアイテム『全知の書』は、


 ローゼさんから、取り上げておいた方が、

 皆さんとのバランスを配慮しても、いいかもですねッ!


ローゼさん「これを良くご覧になって、

      そういう事は、仰って下さいっ。」


 と言ったローゼさんが、

 脇においてある、ちっちゃいポシェットの中から、

 ドォーン! と取り出したのは、


 5kgぐらいはありそうな、

 重量感のある、分厚い本です。


 でも、その百科事典のような厚みとは反し、

 表紙はまるで、絵本みたいな感じです。


 幼い子に呼んで聞かせるような、

 可愛らしいその表紙には、

 大きいみかんの絵が、いっこ描かれていて、


 「み・か・ん」と大きなひらがなで、

 タイトルが書いてあります。


 そして、本のタイトルが隅っこに、

 隠れるように、ちーっちゃな文字で、


 『全知の書・みかん(未完)』と、


 本物のタイトルが、

 コッソリと足したように、書かれてあったりします。



  ププッ・・・。



 これは、失礼。

 ローゼさん(乙女16才さん)、

 少し恥ずかしくは、ありませんか?


 以前のローゼさんでしたら、

 迷わず、こう仰っていたでしょうに。


  「この、無駄に重たいだけの本など無くとも、
  
   ワタクシには、何ら関係はございません。


   ウフフッ・・・。


   一体、この世の誰が、
  
   ワタクシを放って置くと言うのです。


   ただワタクシは、
  
   王者の中で、より強きの者に、

   ほんの少しだけ、微笑んでおけば、

   それで、全て済む事ではありませんか。


   その書が捨てられたくないと、ごねるのであれば、

   エストさんにでもお渡しして、

   しばらく待てば、良いお漬物でも出来る事でしょう。


   どうせ、その書のページに記されている内容など、

   ワタクシ以外では、理解する事すら、

   出来ないでしょうから。


   フフッ、ウフフフフ・・・。」、と。


 こんな感じだったはずですよッ!!


 あの頃の、

 気高く妖艶なほどに美しく、

 ただ、そのこの世界に一輪しか咲かないその華には、

 無数の棘がある、


 皇都レトレアに咲く、至高の薔薇姫と謳われる、

 ハズだった、ローゼ姫様は・・・。


 それは、確かに気安くなられて、

 乙女さんに目覚めた分、


 内心、恐れを抱いて仕えていた、

 群を抜く強さを誇る、列強の剣王国の家臣団さんたちも、


無双の剣士「あの姫様が、乙女さんになられたなんて!

      (姫様、頑張れそうですッ!!)」


剛勇の闘士「いや、ウィルハルト王子様と正式に融合されて、

      性格がウィルハルト様で、

      容姿が姫様になったという、萌えた話も・・・。
  
      (日々、美少女ゲームに明け暮れ、
  
       この時を、どれだけ待った事かァッ!!)」


国主の大元帥「・・・この事実は、他の列強に知られてはならぬ!


       「姫様は、オレの嫁」と想い願う者は、我に続けッ!!


       大陸を一気に平らげ、銀河統一へと名乗りを挙げ、

       天上天下に、「我らが剣王国ここにあり」と示し、

       共に、勝利の美酒に酔いしれようぞッ。

            (抜け駆けは、その後だ・・・。)」



 と、こんな具合に、

 のんびりとドラゴンタウンの、

 マンション暮らしの日々の間に、

 ローゼさん争奪戦とかが、にわかに起こっていたりするのですー。


 (・・・か弱くなりましたからねぇ。)


ローゼさん「き、聞こえてますよっ!!

      ・・・ですが、返す言葉も無く、


      私よりも恐ろしそうな、

      S(セリス)さん、E(エリナ)先生に、

      怯える事実は、確かに認めます・・・。


      私のあの頃のド根性は、

      一体、何処へ旅立ってしまったのかしら。」


 ローゼさん、根性無くして体力なさそうなので、

 とっとと、箇条書きで紹介すませちゃいますねっ♪


ローゼさん「えっ、ちょっ!?」



 ・ 基本のルックスは、プラチナの長く艶やかな髪に、

   ゴージャスなゴールドの瞳ですが、

   気合一つで、色彩を変える事が出来る、

   スペシャルなお姫様です。


   肌の色も同様に、細かく変えられるそうで、

   健康的な、小麦色の日焼け後など、

   (スク水焼け等、様々な日焼け後に対応可能です。)


   殿方のニーズに応える、気合の持ち主さんです。



 ・ 今現在、デフォルトのスリーサイズは、

   前のままのゴージャスバディ仕様ですが、

   (身長 約169cm B100 W50 H87 50kg弱です。)


   その体型や重さまでも、

   ロリや洗濯板、女子16才の平均値、

   力士級、クルーザー級、ヘビー級と、


   いつでも思った体型になる事が出来ます。


   (上記2つについては、

    ローゼさんがお持ちの『マジカルステッキ☆』で、

    マジカルに変身します。


    うっかり無くしても、スペアが1万本以上あるので、

    ちゃんちゃら平気です。


    世界のバランスをローゼさんなりに考えて、

    持ち出し数に制限をかけています。)



同じマンションの同居人で、

薄っぺらなリンカさん(15才)「姫様、それを一本下さいッ!!

                これから一杯尽くしますので、

                夢を現実で! 見させてくださいよーっ。」


ローゼさん「えっ!?

      リンカさん、どーやって現れたのッ!


      えっと、ごめんなさいね、リンカさん。

      前例を作ってしまうと、際限がないのです・・・。

      私だって、好きで持っているわけではないんですよ。


      これがないと、実家で可愛い弟の存在が、

      危うくなるんですっ!!」


怯まないリンカさん「って、ウィルハルト様は、

          姫様の都合で、パラレルワールドへと、

          飛ばしちゃったじゃないですかっ!!


          今なら、こちらでも実家でも、

          そのミラクルアイテムを、私に貸してくれても、

          まったく問題ないですよねッ!?」


 鼻息を荒くする、ちっちゃいリンカさんですが、

 言ってる事は、どうやら正論のようです。


 リンカさんの体型は、

 小学6年生の平均くらいですが、

 極端に無い部分が、一箇所だけあります。


 以前は、秘密の通販で、

 白いスクール水着などを着用して、


 ある王様のオッサンを誘惑しようとか、企てていましたが、

 そのあと一押しに、そこが足りないと、

 勝手に勘違いしています。


リンカさん「ひゅるるるる~~♪


      とにかく姫様っ!!

      ステッキ一度でいいから、貸してくれるのでしたら、

      私、毎日その水着付けてもいいですよッ!!!


      その姫様のありえないくらい理想形を保ったまま、

      重力に逆らい続けている、希望の丘が手に入るなら、

      強引にでも詰め込んで、水着、着てみせますよ。」


ローゼさん「・・・強くなりましたね、リンカさん。


      相対的に私が弱体したことで、

      そんな風に見えちゃうのかしら。


      目で見る事は出来ませんが、

      リンカさんは、確実にご成長なされていますよ。」


リンカさん「あやふやにして、誤魔化す気ですね?

      そこだけでも並ばれると、

      姫様は、ピンチになっちゃうんですか?


      愛するお父様のバルマード陛下を、

      この私に取られそうで、ビビッてるんですね。」


 リンカさんは、その事に関しては、

 譲れないくらい、強気になります。


 確かに、リンカさんの未来予想図通りにいけば、

 スーパーリンカさんになったあかつきには、

 素晴らしく美しい、

 スレンダーな、ボディラインを得る予定になっています。


 選択を誤るとその未来は消えちゃいますが、

 それなりに立派過ぎる、希望の丘も手に入る予定なのに、

 上がいるとなると、

 その欲求は、より沸き上がるようです。


ローゼさん「ちゃんと、成長するんですから、

      それでいいんじゃないですか、リンカさん。


      少女から、乙女へ、

      そして、素敵な大人の女性へと、

      そんな未来が、たぶん約束されているんですから。


      ねっ?」


リンカさん「重いとか、肩がこるとか、

      そんな言い訳はいらないのでぇす!!


      だいたい姫様のは、

      見た目通りのふわふわで、

      弾力も心地も素晴らしく、

      何と言っても、天使のはねのように軽いじゃありませんか。

      どーなってるんですか、それ!?

      この世界の七不思議の一つですよっ!!」


 リンカさんとの水かけ論が、終わらないと思ったローゼさんは、

 めんどくさくなって、

 リンカさんを、異世界の何処かへと吹っ飛ばして、

 その望みを、ちゃちゃっと叶えてやろうかとも思うのです。


ローゼさん(お、思ってませんよっ!!)


 そこにヒゲオヤジのコピーでも作って、

 リンカさんの望んだ世界を適度に与えて、

 閉じ込めてしまえば、問題解決です。


 飛ばした後に、都合のいい、

 成長の伸びしろを完全に排除した、

 リンカさんぽい、ちっちゃい女の子をコピーしておけば、

 今後、ローゼさんは、

 この小娘さんに煩わされる事も無いでしょう。


 と、以前のローゼさんなら思いましたよね?


ローゼさん(・・・。

      本当に、そうなのかしら。


      私って、なんていけない子だったんでしょう!!

      (>ω<)< クウーーーッ!!! )


 過去をちょっぴり反省したローゼさんは、

 勝手に自己紹介の途中に乗り込んで来た、

 リンカさんに、優しい微笑でその肩に手をかけ、

 こういうのです。


ローゼさん「リンカさん、

      私は間違っていましたわ。


      リンカさんの望みとあれば、

      それは私の喜びでもあるはずです。


      その願い、しかと受け取りましたよっ。」


リンカさん「ひっ、ひめさま!?」


 リンカさんは、この時確かに、

 恐怖に似た感情を抱いてしまったのです。


 それは懐かしくも恐ろしい、

 追憶の中のローゼ姫・・・。


   ピキィーーーーーン!!


 ローゼさんのちっこいポシェットの中から、

 チャキーン! と、確実に入らないであろう、

 オモチャっぽい、マジカルなステッキを取り出しました。


ローゼさん「マジカル、マジカル、

      お願いかなえて~~~っ♪」


 ローゼさんは、静止するリンカさんに気付く事無く、

 (視線に入っていません、・・・主に身長のせいで。)

 キラキラと、星のきらめきを撒くように、

 ステッキを一振りします。


リンカさん「うわわわわーーーっ。」


 レインボーに輝く、

 ゴールドとプラチナのわたあめの様な霧に包まれた、

 リンカさん・・・。


 何だか、蝶になる前のきらめく白金の繭のようにも見えます。


 早く殻を破らないと、自力で破れないリンカさんが、

 酸欠になりそうなので、

 ローゼさんは、少し手荒くその糸を解いていくのです・・・。


 しつこいくらい、中は輝きに満ちていますが、

 糸は後で紡ぎ直せば、立派な絹地になりますので、

 ローゼさんは、その糸を運命の糸車のようなもので、

 慣れた手つきで巻き取っていきました。


 けっこう荒業にも見えましたが、その仕事は丁寧で、

 この紡いだ糸でも、一財産になりそうな感じです。


 まばゆい輝きの中から現れる、リンカさんらしき人影。

 ですが、シルエットが何故か以前のものより、

 一段と小さく見えたのです。


リンカさん(仮)「おおお、

        デカイ! デカイけどめちゃ軽いですっ!!

        なんという、理想形ッ!


        こんな、重力も体脂肪も、

        何もかもを無視した、素晴らしい希望の丘を、

        ありがとうございますーーーっ!!!」


 歓喜を上げて興奮するリンカさんは、

 洗濯板から、見事なる転身を遂げた自分に、

 モーレツに感動し、酔いしれていますっ。


 まさか、ローゼさんが、

 ガチで願いを叶えてくれるなんて、

 実はリンカさん、思ってもなかったのです。


 感謝の想いでキラキラとした眼差しで、

 リンカさんは、ローゼさんを見上げます。


リンカさん「ありがとうございます、姫様っ!!

      リンカ、感激してます。」


ローゼさん「・・・そ、そうですか。」


リンカさん「あれ!?

      姫様、また身長伸びました?


      そんなに時間が経っちゃってたんだぁ・・・。」


 リンカさん、かなりちっちゃくなってますっ!!

 これではまるで、爆乳小学1年生ですッ!!!


ローゼさん(プーーーーーッ!!!


      これが対価だというのでしょうか。


      私は今、とてもいけない事をした気が、

      沸々と源泉のように沸き上がって参りました・・・。)


 ローゼさんは、自身が招いた事に反省してか、

 ひょいと取り出した大きな鏡を、

 リンカさんに見せます・・・。


リンカさん「!?」


ローゼさん「どうやら、人によるようですが、

      『奇跡』には、対価というものが、

      必要なようで、


      かなり色々失って、

      より、ちっちゃくなってしまいましたね・・・。」


 ローゼさん、少し青い顔をしている様子からも、

 猛省している事が伺えます。


 ですがローゼさんなら、今のパワーでも、

 十分に『奇跡』という名のふざけたトラップを、

 無かった事に出来るでしょう・・・。


 すると、リンカさんから帰ってきた言葉は、

 こんな意外な言葉です。


リンカさん「いぃーーーんですッ!!

      これで、いーんですッ。


      いいぞ、ニッポン!

      クゥーーーーーーーーーーッ!!!」


ローゼさん「えっ!?」


 ローゼさん、リンカさんの言ってる意味がわかりません。

 すると、威風堂々と胸を張って、

 小学校デビューを果たしたリンカさんは、

 こう強く言うのです。


リンカさん「ふっふっふっ・・・。


      あとは、時と共に背が伸びるのを、

      待つだけなのですっ!!


      ありがとうございます、姫様っ!

      それでは、自己紹介の方、

      がんばって下さーーいっ。」


 と、リンカさんはそう残して、

 闇に紛れるように、

 一瞬で姿を消してしまったのです。


ローゼさん「はっ!? 見失ってしまった。


      リンカさん! リンカさぁーーーん!!!」


 ローゼさんは慌てた様子で、

 便利なみかんの本を覗いています。


 すると、みるみる内に、

 ローゼさんのシルクのようなきめ細かさに、

 白磁に桜色の紅を点したのような、

 その美しい端正な表情が、


 連日の徹夜明けの仕事を終え、

 疲労感がもっさりと漂うような、

 血色の悪いものへと変化していきます・・・。


ローゼさん(リンカさんの未来のページのその姿が、

      あの姿のまま、固定されています・・・。


      養分全部、使いきっちゃったのッ!?


      こ、これは有り得ないと言いますか、

      あってはならない事態ですわ。


      『永遠の爆乳美幼女』だなんて、

      き、危険すぎますーーっ!!


      世の中には、

      様々な趣向を持つ御方が、数多とおられるのですよッ。


      今の、よりチビッコなリンカさんには、

      その試練を乗り越えるだけの力は、

      きっともう残っていないでしょう。


      『奇跡』への対価としての、

      『想いの力』が、とんでもなく強すぎですよっ!


      あのチビッコ状態維持だけに、

      秘めたる鬼神の強さ(戦闘力 約97億。)も、

      成長の余白の部分も、全部使ってしまって、


      ただ、胸だけに、

      全てのステータスボーナスを、

      振ってしまったようなものです。


      ・・・。


      も、もちろん、責任を痛感しています。


      やはり完全体の私が、

      内職で作り上げたステッキを、

      今の不完全な私が使っても、

      その効果が(自分以外に)得られるはずなんて、

      ないんですよ・・・。


      って、まずは、

      今のリンカさんを何とか保護しなければっ!!!)


      ・・・リンカさん、何処の世界に消えてしまったのかも、

      もうわからないくらい、気配がありません。


      ローゼさんが寝起きなどに良く見せる、

      アホ毛のセンサーがあったとしても、


      その探知範囲は、せいぜい太陽系内が限界です。


      それでも十分以上に、現在の科学水準を超えていますが、

      つまりそれは、

      もうこの世界には、リンカさんがいないという証拠になります。


     ローゼさん「ああ、どうしましょうっ!

           これは、自己紹介をやっている場合ではありません。」



 ・ ローゼさんは、とても素直でいい娘さんです。

   その心はピュアピュアで、


   自慢の知力がなければ、

   無垢なほどに純粋なその乙女魂は、

   きっと、穢れされていた事でしょう・・・。



ローゼさん「だから、紹介なんて後回しですッ!!」


 見えないロープで、ギンギンに食い込んだ、

 パーフェクトな亀甲縛りで、

 ナレーションを締め上げるローゼさん!!


 流石は、薔薇の女王様です。

 ウッ! ・・・コテッ。


ローゼさん「そんな縛り方なんて、知りませんよッ!!!」


 では、拘束された解説に代わりまして、

 ナレーションを続けますねっ♪


ローゼさん「どんだけ、代打を用意してるんですッ!

      (って、ウオゥ!?

       ・・・先程とは桁違いの、強大なパワーを感じます。


       き、気にしてはいけません、私。)」




 自己紹介から、リンカさんの探索という、

 突発クエストが発生したローゼさんの、

 苦労は、まだまだ続くのでした・・・。


ローゼさん「つづくの!?


      あ、いえ、

      リンカさんを放ってなど、おけませんわよね。


      さてと、探求の旅支度です。


           では、またですー。 (^-^) 」


 ・・・今日は、クリスマスイブですが。


ローゼさん「ん、もうっ、

      それどころではありませんよッ!!


      あ、でも26日辺りに、

      ケーキは買おうと思いますッ♪」

『佐藤さんと鈴木さん』

2016年10月12日 17時40分28秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編

 最近、長崎ドラゴンタウンにやって来た、

 「佐藤 みかさん」と「鈴木 はるかさん」です。



佐藤さん「!? まとめられちゃってるっ・・・。


     まあ、私たちの出現率では、

     その他A、B、C・・・あたりの、

     エキストラさんたちと、

     さほど大差ないので、

     特にかまいませんけどねっ。」


鈴木さん「ええ・・・。


     本来の任務をほぼ放棄して、

     学生気分でバイトして、

     エンジョイしているくらいですから、


     名前があっただけでも、大したものだと思います。」


ネコのマスクの古蔵さん「そんな事はなぁーーーいッ!!!」


 特に呼んでもいないのに、

 迅速丁寧をモットーとする、

 ネコのマークの宅急便の古蔵さんが、


 二人が勤める長崎ドラゴン港の、

 市場の事務室の前で、魂のシャウトをすると、

 次の瞬間には、古蔵さんはいなくなっていました。


 5Gクラスのハイスピードの古蔵さんです。


 (◇ 古蔵さん=新世紀覇者伝説に、新たなる「ためぞう」が現れた為、

    エリスねーさんに、「(旧)ため蔵」から「古蔵」へと、

    改名させられた過去の持ち主で、

    ネコのレスラーマスクも、その時に授かったもの。


    今では、ネコラブの証として、

    誇らしく被り、日々宅配のバイトに精進しつつ、

    唯一、自分に優しくしてくれた少女、鈴木さんに、

    心揺さぶられてる、シャイなイケメン。)



佐藤さん「・・・古蔵さんの方が、

     何気に『自己紹介』されていますが、


     良かったですね、鈴木さんっ!!

     とっても好条件なお相手ですよっ。」



鈴木さん「ん?

     何を言ってるのですか、佐藤さん。


     さっさと書類片付けて、仕事終わらせますよ。」


 鈴木さんは、聞こえないフリをしながら、

 勤勉に勤めをはたしています。


 その実務の腕は超一流で、

 雇い主の網元のノルンさんも、

 早く正社員になってもらいたいと願っています。


 一方の佐藤さんは、

 事務所に鈴木さんと二人きりになると、

 雑誌を読んだり、メイクをしたりと、

 自由にマイペースでやっています。


 それでも能力だけは高いのか、

 バイトに見合う仕事量は、短時間でしっかりとこなしています。



佐藤さん「きゃー、あまりディスらないでーーっ!


     鈴木さんみたく、

     いい人現れる前に、変なウワサでも立っちゃったら、

     職場の出会いには期待出来そうにないんだからっ。」


 鈴木さんは、佐藤さんに乗せられる事無く、

 ぶれずに仕事を片付けています。


 しっかり者で、優等生で、

 異性のウワサもちらほら聞かれる、出来た女の子さんです。


ネコ船長「そうなのかニャー!?


     ・・・鈴木さんがいなくなっちゃうと、

     ネコ船長、寂しいのニャ。」


 鈴木さんになついてる、

 本来の上司のネコ船長さんです。


 ネコですが二足歩行で、人の言葉を喋れます。

 今はドラゴン港でも、一、二を争う漁獲量を誇る、

 大変立派な、海の男です。


鈴木さん「私がネコ船長さんを置いて、

     いなくなっちゃうわけ、ないじゃないですかー。


     船長さんの好きなマタタビ茶入れますので。」


 笑顔の可愛い鈴木さんの膝の上に乗って、

 ネコ船長さんは、すぐに上機嫌のご様子です。


佐藤さん「私にも、あれだけのたらしのテクがあれば・・・。」


 横から鈴木さんをからかう、佐藤さんですが、

 最近は、鈴木さんが簡単に引っかかってくれません。


鈴木さん「佐藤さんも何か飲みますかー?」


佐藤さん「そうですねー、

     それじゃ、柿の葉茶貰おうかなっ。」


 若いのに、健康に気を使ってるような佐藤さんです。


 一方の鈴木さんは、ネコ船長用の、

 足の長い可愛い椅子に、ネコ船長さんを移して、

 奥の給湯室に行って、佐藤さんの渋い趣味のオーダーに応えています。


 鈴木さん、若いのに気が利いて、

 清涼感があって、まるでクラスの委員長さんのようです。


 とすれば、佐藤さんは帰宅部ですかね?


佐藤さん「そーですよー。

     私、面倒はごめんなので、


     適当に青春して、進路決まればいいとか思う方でーす。」


 佐藤さんは、自分に潔いほど正直ですが、

 根は素直で、いいお嬢さんだったりします。


 少々、ツンデレ入ってますか?


佐藤さん「いえ、むしろSな方です。」


 そうやって、いつも心にもない事を言って、

 上手く合わせて、鈴木さんと仲良くやっています。


 佐藤さんの方が、鈴木さんより世渡り上手な感じですネ。


佐藤さん「心を読まれていては、

     いいように転がされてるだけのようです。


     私も、さっさと仕事終わらせよっと。」


 佐藤さんは、これから鈴木には内緒で、

 イケメン揃いの大学生たちと、合コンにでも行くようです。


鈴木さん「・・・いい出会いがあるといいですね、

     佐藤さんっ。」


佐藤さん「有りもしない事、勝手にでっち上げて、

     鈴木さんを巻き込まないでねッ!!


     この子純情だから、

     すぐに信じちゃうんだから。」


 その言葉に鈴木さん、佐藤さんをマジでリスペクトですっ!!

 ラッパー的な握手をしてもいい気分ですが、


 入れたてのお茶の乗ったトレイを持っているので、

 気持ちだけは、その笑顔から十分に伝わりました。


佐藤さん「お、お茶ありがとう・・・。


     だいたい、いつも一緒に遊んでるんだから、

     言わなくても、鈴木さんにはわかったと思うから。」


 佐藤さん、照れてます。

 その姿に、気持ちを穏やかにされる鈴木さん+ネコ船長です。


ネコ船長「お茶がほっこりと染みる季節ですニャー。」


ワンダ艦長「まったくですな、ネコ船長殿。」


 ワンダ艦長は、佐藤さんの上司で、

 ネコ船長とは、1,2を争う漁獲高を誇る、巨漢の海の男です。


 とてもイヌ好きで、それでワンダさんと呼ばれているのか

 本当に名前なのかは不明です。


 この長崎ドラゴン港に、最大級の漁船を停泊させ、

 その全長は300mを超えるタンカー級の漁船です。

 いろいろとヒミツがあるようですが、


 この町の権力者に絶大なコネのある、

 アリス会長さんが、「OKですよねっ。」っと、

 可愛く言った事から、みなさん笑顔で納得なさっていらっしゃいます。


 この超弩級漁船の中に、佐藤さんのお部屋があります。


 実に内装が充実した船で、

 製造されて結構な年月が立っているのか、バブルの遺産なのか、


 船内は、艶のある高級木材を惜しみなくふんだんに使った、

 高級感あるアンティーク調の船内で、

 洋風の豪華客船並みに美しく、クリスタルのシャンデリアまであります。


 大ホールが一つと、中ホールが二つもあり、

 会議から演劇、体育祭や文化祭まで、

 出来てしまいそうな空間が広がっています。


 おさかなさん用の大型冷蔵施設や、普段、積んでいそうな漁の器具が、

 あまり見かけられません。


 さらに、デッキに上がるとドーム型の開閉式のプールに、

 テラスがあって、肝心の一本釣りの竿や、

 網を巻き上げる機械も見当たらず、


 フタの閉まった何かの発射台のようなものが、

 両方に数十門あって、


 布で覆ってありますが、クレーンのような煙突状の長い筒が三本並んで、

 旋回式の台座に取り付けてあったりしますが、

 「気にしないでくださいネ。」と張り紙がしてあるので、

 気にしてはいけません。


 では早速、佐藤さんのお部屋を拝見させていただきましょう。


佐藤さん「ちょ、ちょっとーっ!!


     ぜぇぜぇぜぇ・・・。」


 すると佐藤さんが、市場の事務所から、

 猛ダッシュで駆けてきましたっ。


 鈴木さんも、何処かへ駆け出しましたが、

 佐藤さん、一体どうしたのでしょう。


 お疲れのご様子なので、

 エナジードリンクでも飲みますか?


佐藤さん「と、年頃の女子の部屋なんて、

     勝手に突入しないでくださいね!!」


 佐藤さんは、自分のネームプレートのかかった扉の前に、

 大の字に立って、扉を守りに入っています。


 脇の辺りに隙があるので、このくすぐり棒でくすぐったら、

 簡単に通れそうな感じです。


 すると佐藤さんは、合気道の構えをとって、

 抵抗する気に満ちているようです。


佐藤さん「当たり前ですよっ、

     女の子には、誰だって秘密の2、3ダースあるものです。」


 お・・・、多いですねー。


 さすが、経験値の高そうな佐藤さんです。

 さりげなーく殿方に近寄って、いつの間にか、

 ふらーっと、他の子が狙ってる方をお持ち帰りしてそうです。


佐藤さん「してませんからっ!!


     ほら、もう鈴木さんが部屋の片付け終わって、

     ウェルカム状態なんじゃないですか?」



 ・・・プルルルル~。



鈴木さん < 「鈴木でーす。


        もうちょっとかかりますので、

        佐藤さん、頑張ってくださいねっ。」



 いくら仲が良くても、譲れないものってあるんですね。

 さあ、ささっと開けちゃいましょう。


佐藤さん「ホォォォォォオ!!!」


 佐藤さんから、何やら青い光のオーラが出始めます。

 それって、もしかして『闘気』とか言うヤツですかー?


佐藤さん「私の本気を見せる時が来たようです・・・。」


 その次の瞬間、事務員の服の上着のボタンがパチンッと飛び、

 上半身の筋肉が盛り上がって来ますッ!!


佐藤さん「そんなウソ言っちゃだめでしょッ、

     そういう気迫だと、正しく伝えてください。


     ああもう、奥義撃っちゃおうかなーっ。」


 そう言うと、佐藤さんの両手が周囲の光を集め、

 何だかエネルギーみたいに、その指先まで輝きはじめますッ!!


 やられちゃいそうな雰囲気ですっ。


佐藤さん「だからー、

     お部屋訪問は、きちんと予定を取ってから、

     来て下さいね。


     これ以上、パワー高めると、

     逸る闘争心に歯止めかからなくなっちゃって、

     ギャラクシー的な技をお見せする事になりますが。」


 すると、その佐藤さんの部屋から、

 清掃員の格好をした、アリス会長さんが出てきました。


 何を身に付けても、キラキラ美少女している会長さんですが、

 佐藤さんと鈴木さんは、

 この町に来る以前からの仲良しさんだそうで、


 これはもうっ、ってくらいに隠蔽されまくった、

 女子の見本のような部屋へと改装された室内を見ても、

 仕方なくなってしまったのです。


アリス会長さん「ごにょごにょ・・・。


        (エリスおねーさんのグラビア写真で作られた、

         オリジナルの抱き枕は、

         きちんと、高難度のダンジョンの最下層の宝箱の中身と、

         入れ替えておきましたのでっ。)」


佐藤さん「ごにょにょ(アハッ、お気遣いどうもです。


     アレで、そっち派なの!?

     って決め付けられるのは困りますので。)」


 佐藤さんは想います。

 そんな所に置かれたら、もう回収出来ないじゃないですか・・・と。


 さらに、必至の思いで最下層に辿り着いた冒険者たちは、

 いったいその中身に、どんな顔をすればいいのだろう・・・とも。


佐藤さん(少々、今月厳しくなりますが、

     工房に再オーダーかけるしかなさそうですね。)


 ここで、お部屋見学の意味は無くなってしまいました。

 当然ながら、鈴木さんも万全状態で改装を終えているでしょう。


鈴木さん <「いつでもOKですよ~。」


 ちなみに鈴木さんの暮らす、ネコ船長の船は、

 こちらほど豪華な造りではありませんが、

 代わりに、近代的なデザインの空間が広がる、

 スマートで、ちょっとカッコイイ船内になっています。


 もちろん、部屋も立派な12畳間が一つに、

 キッチン、トイレ、お風呂まで完備されています。


 夢見がちなベットも、飾り付きの可愛い棚とかも、

 余裕で置ける、乙女空間を作り出せます。


佐藤さん「間取りは、鈴木さんの方が立派じゃない!?」


鈴木さん <「乙女部屋じゃないですよー。


       学習机と本棚と、

       こたつに、簡素なベットがあるだけの、

       ふつーのお部屋ですよっ。」


 ということで、偽装された部屋にいってもしょうがないので、

 ここで調査は終了です。


 後は、箇条書きでご紹介しますねー。




 ◇ 佐藤 みかさん。



   ・ 少し遊んでる感じを気取ってますが、

     根は純な、おぼこ娘さん。


     少々、ツンデレ寄り。



   ・ 元は、銀河防衛隊・東方方面派遣艦隊、

     高性能宇宙防衛艦『カリバーンV(ファイブ)』の、

     オペレーターさん。


     艦長はワンダ艦長さんで、大艦隊の旗艦クラスの艦長。

     その階級は船乗りで最高位の「大佐」。


     佐藤さんが、市場の事務所に働くことになって、

     代わりのきかない、レアで優秀なオペレーターさんを、

     失わない為に、


     船体を漁船に改修して、日々、

     海の平和と、みなさんの食卓の為に、

     漁の任務に就いている。


     ことになってます。




 ◇ 鈴木 はるかさん。



   ・ カリバーンV同様、東方方面に配属された、

     銀河防衛隊自慢の最新鋭艦、

     『エクスカリバーVII(セブン)』のオペレーターさん。


     ネコ缶を買う予定で、ふらりと立ち寄った長崎の港で、

     市場を仕切ってるノルンさんに気に入られ、

     現在に至ります。


     見た目通りに、おとなしく真面目で、

     とてもいい人です。


     なついているネコ船長さんは、

     鈴木さんと離れるのが無理なので、

     同様に、漁船に改修して漁をしています。


     ネコ船長さんは、エリスねーさんに、

     一目で心を持っていかれていますので、


     いつか人間になれたら、ねーさんに見合う、

     立派な男になりたいと、自分を磨く日々が続いています。



鈴木さん「そーだったんですか?」


ネコ船長さん「ここだけのヒミツにゃんッ。」


ワンダ艦長さん「奇跡が起こるといいですなぁー。」


佐藤さん「ですねっ! (私にも起これっ!!)」




鈴木さん+佐藤さん「では、またですーーー。 ^-^ 」

『ミルザ王』

2016年09月25日 17時33分40秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編

 『ミルザ王』




 ・ ミストレウス皇家の繋がる、

   三大王家の一つ『マクスミルザー家』の当主。


   普段は「ミルザ=クラウス(隠れ設定で、別姓の「クラウス姓」もっています。)」

   を名乗っているのですが、


   現在は、ためぞう達がいる世界で、

   「バルマード=マクスミルザー」王として、

   強大なティヴァーテ剣王国を治めています。


   ようは、ウィルハルトII世王子や、

   ウィルローゼ王女(ローゼさん)のパパリンの、

   あのヒゲパパ。


   いつでもこの姿に戻れるのですが、

   今は亡き、「レイラ=レイア=ノウエル」王妃の事を想い、

   その時から月日を重ねた姿として、

   現在のバルマード王に至ります。



 ・ リンカちゃんやローゼさん、その他、数名の縁者は、

   ミルザと呼ばれていた頃の彼を知る為、


   さっさと立ち直って、若さを取り戻してもらい、

   そこに隙を見せた瞬間に、滑り込みで玉の輿を狙っているらしい。




リンカちゃん「さっさと、ヒゲ剃って、

       元に戻ってくださいネッ♪」



 学園の3年J組に、スーパー飛び級で、

 編入を果たした、小学生にもみえる中学生のリンカさんです。


 学園の3年J組は、その学業の過程で、

 大学の博士過程や、世界のノベール賞まで取れる、

 脅威の聖クラウス学園・特別教室です。


 リンカちゃんは、この三年J組に、

 ヒゲパパが編入する事を知ってて、

 猛勉強と、猛冒険の末に、

 先にクラスへと入っていました。






( ↑ 画像は、実家でのリンカちゃんになります。)



ヒゲパパ「エライね~。」


リンカさん「小学生にも、中学生にも見えないっ、

      最近、成長が加速している「本田 凜花」です!!」



 リンカちゃんは、若い姿のヒゲの写真の入った定期入れを、

 ここぞとばかりに、アピールしています。



エリナ先生「あらまあ、この写真の殿方はどなたなのですか、

      リンカさん?」



 3年J組の教室で、うかつにも、

 見せてはいけない強敵(ライバル)に、その定期入れの見られてしまいます。



ヒゲパパ「ああ、それね、

     若かりし頃の僕だよ。」


エリナ先生「いくら、息子さんが奇跡であんなに美しく生まれたからって、

      嘘はいけませんよ、バルマード君。」



 エリナ先生は、リンカちゃんの定期入れを奪う(借りる)と、

 ほぼ、自分仕様にリフォームされた、

 くつろぎ空間の、クィーンチェアへと座り、


 天然水素水を片手に、デトックスでもしながら、

 じっくりとまだ見ぬ王子を見つめています。



エリナ先生「これでも、

      生徒が教室にいるので、シャンパン(ノンアルコールです。)は控えているのですよ。


      貴女専用の通学バスを一台、出してあげますから、

      明日からは、それで学園においでなさいな、リンカさん。


      帰りに使っても良いですよ。

      先生は、このなぞなぞに忙しくなりましたので。


      あら、他にも露出高めな写真が、数枚入っていますね。


      これは、学園の物ではない、白のスクール・・・。」


リンカさん「貸してあげますので、そっと先生の胸の奥にでも、

      しまっておいて下さいッ!!!」



 あたふたと慌て出すリンカさんを尻目に、

 エリナ先生は気分的に、シャンパンを空けて、

 シュワシュワっとしたい、

 そんな謎解き気分です。


 貧乳小娘も、ヒゲも、

 もうお呼びではないのでした。



ヒゲのバルマード君「信じてもらえそうにないから、

          帰ろうか、リンカちゃん。」


リンカちゃん「あの~、

       「ちゃん」はいらないですよ、

       王国にいる時のように、リンカと呼んでくださいませっ。」


ヒゲ「でも、今は同級生だからねぇ~。


   あの頃の若い私でない、

   今のもっさりヒゲパパでは、

   エリナ先生さんには、まず負けちゃうからね。


   娘のローゼのマンションまで、送っていくよ。」



 リンカさんはこの時、フッと思うのです。


 あの極度のファザコンのローゼ姫の前に、

 ヒゲパパ同伴で帰ることが、

 いかに恐ろしい嫉妬を買うかということに!


 その点、

 ドラゴンタウンにある、本田家の別邸なら、

 家臣も揃って、ヒゲパパを歓迎してくれます。


 ヒゲに大事な姫様を差し出す気など、さらさらありませんが、

 国へ帰れば強大な王であるヒゲに、


 リンカちゃんの剣王家内での格を、

 他の四天王家より付けられるのならと、

 ポイント稼ぎには、カネも労力も惜しまない忠義者たちです。



ヒゲ「これ、私の自己紹介のコーナーじゃないよね?

   ここに今、『ヒゲ』は必要ないよね・・・。


   ああ、リンカちゃんをマンションに送ったら、

   おでん屋にでも行って、


   昼から、一杯引っ掛けますかね・・・。」



リンカちゃん「そんな事、言わないで下さいっ。


       私だけに、「バルマード様」の紹介に聞こえれば、

       それでいいんですっ!!」


ヒゲ「リンカちゃんは、

   可愛い事を言ってくれるんだねぇ・・・。」



 スクールバスに乗り込もうとした、

 リンカちゃんは、赤面して、

 立ち止まってしまいました。


 試験的に運用されている、新式のスクールバスは、

 40人乗りながら、自動運転システムで管理されているので、

 乗っちゃったら、そのまま二人きりの時間です。


 ヒゲのおっさんのままでも、

 十分どきどき出来る、姫育ちのリンカちゃんは、

 急に、ヒゲを意識してしまうのです。


 リンカさんの本国では、姫は12歳くらいでも、

 お嫁に行けちゃう、不思議があったりするのです。

 戦国の世の慣わしは、


 新世紀を迎えた昨今でも、しっかりと受け継がれています。


 もちろん、この長崎の地では、NGです。

 16才まで、待ってもらわなければなりません。


 リンカさん、あと1才足りませんよね?



リンカさん(愛に年の差は、関係ないでしょ!!

      っと、言いたいですが、


      こほん、未熟だったこの私にも、

      ためぞうさんが運んでくれる、


      ジェネシス=カイザーハルト牛乳さえ飲めば、

      成長限界を超える事を知ったのですっ。


      実りの時を待つことは、

      決してわるい気分ではないのですが、


      ローゼ姫様の手前、

      バルマード様と目の前でイチャ付く事は、不可能ですので、


      静かな、まるで偶然の出会いからはじまるような、

      秘めたる想いのプライベートラヴで、

      いいんですから。)



 リンカさんが妄想してる内に、

 ヒゲは、バスに興味を持ったように乗り込んでいます。


リンカさん「あっ、待ってください。」



 パシューンっと、静かな音でドアが閉まると、

 一番前の席に座った二人には、

 高い目線から広がった、素晴らしい180度のパノラマが上にも下にも広がっています。



ヒゲ「おお、グラスレスVRに対応してるんだ。

   すごいなー、

   私の国にも、あっていいバスだなぁー。


   さすが、エリナ先生は時代の先端を行ってるねぇー。」



 ヒゲの国は、中世の欧風の雰囲気ですが、

 スマホなどの最新アイテムは、しっかり普及している、

 リゾート観光地のような国です。


 ハワイだって行けますし、

 フルオートエアコンに8Kテレビ、

 ジャグジーなんかも完備です。



ヒゲ「ちょっと、町内観光に行ってもらおうよ。


   経済特区の繁華街とか、高台から見える海も、

   この高さなら、きっとキレイに見えるだろうね。」



リンカちゃん「はいっ!


       (・・・私、観光しながら、聞いてますので、


        紹介の方、行っていいですよ。)」




 はい、ではミルザさんの紹介に戻ります。




 ・ 若返って、ミルザとなっている時は、

   アリス生徒会長さんと、とても付き合いの長い、

   ご友人になります。


   その記憶は、ミルザの時でないとありません。

   ヒゲでは、ダメです。


   永久の若さと、英雄王の力を持つミルザの、

   その彼のオリジナルの力は、


   今、動き回ってる身体とは別に、

   強制分離され、ある機関で眠りについています。


   これは貴重な人材であるミルザを、

   指導者のアリスアリサが失わない為に、

   保険のような形で、行っている処置です。

   
   身体として動けるのは、

   若いバージョンのミルザか、ヒゲのおっさんかのどちらかで、


   仮に、どちらの状態であれ、

   倒れたとしても、

   保管された力の結晶を元に、肉体と魂は再生可能です。


   故に、ヒゲであれ、ミルザであれ、

   本来の力を100%は持っていません。


   元の、その鬼神の如き真の力を取り戻すには、

   条件となる、分かたれし力を取り戻し、

   その再生のサイクルを、無効化しなければなりません。


   100%となった彼の力は、

   最強と呼ばれる、グランドクロス第十二号戦士、

   『絶対者 アリス』に迫るものがあります。



 ・ ミルザは、ある研究グループのリーダーで、

   その中には、ヒゲ仲間のライエン=グライトさん(せりかさんの元軍師)や、

   未来から来たと言っている、ミラクル美少女、

   リカディ=マクスミルザーという、三人で、

   謎の研究が行われています。


   (分離されたミルザ(ヒゲ)の力が、AIのように活用され、

    人型インターフェイスを用いて、延々と研究を繰り返すといった感じです。)



リンカちゃん(私には、むずかしいです・・・。

       もっと、簡単に言ってください。)



ヒゲ「どうかしたのー?

   リンカちゃんの好きな、駿河せんべいあるよー。」


リンカちゃん「あ、はい!

       頂きますですっ。」



 そう言って、バックから温かいお茶のボトルと、

 おせんべいを取り出したヒゲですが、

 ヒゲの耳には、解説は届いていません。



・ ヒゲは、中年のチョイ悪オヤジっぽいですが、

  その家系は相当立派で、

  何処かの帝国に繋がる、三大王家の当主です。


  ミストレウス家、トレイメアス家、マクスミルザー家の、

  その一角にいます。


  ミストレウス家が、現皇帝家の地位に在ることから、

  三大王家の一つは空席となり、

  同じミストレウス姓のホーネルの公爵家が、

  その地位に就いています。


  ですが、ミルザはミルザで、

  ミルザ=クラウスという、

  アリス会長さんたちの一門に養子入りしているので、


  とっとと、マクスミルザー王を、

  息子のウィルハルトII世王子に継がせ、

  自身が抱える、この微妙な問題を片付けたいと思っています。


  ですが、肝心のウィルハルトII世君を、

  とても甘やかして育てた為、

  いい子には育ちましたが、愛らしい容姿も相まって、


  見た目美少女の、男の娘みたくなってしまい、

  王を継げる資質がすっぽり抜け落ちています。


  ヒゲは、それでも満足はしているようで、

  甘やかす事をやめません。



リンカちゃん(なるほど・・・、

       バルマード様と一緒に、ゴールを決めるには、

       ウィルハルト王子様に頑張ってもらって、


       バルマード様に、フリーになってもらう必要があるのですか。


       ・・・でも、別に、

       籍を入れなくても、愛し合っていれば、

       駆け落ちとかでも、いいですねぇ・・・。)



 夢見過ぎなリンカちゃんは、

 後先考えるような、そんな知識も経験も持ち合わせてはいません。


 実際問題、その莫大な経済力を失ったヒゲは、

 ただのヒゲのおっさんなのです。


 お姫様感が抜けてないのか、現実の生活問題が、

 まったくわかってはいません。


 ビンボーの苦労を知るためぞうの声が、

 遠くから、リンカちゃんのマナーモードのスマホの留守電に、

 入ったような気配です。



ためぞう「リンカちゃんは、

     まずは16才になってバイトでもしないと、

     今でも就活前線、波高しだよ。


     社会の荒波は、バイト経験って生きると思うから。


     とはいっても、

     いつリンカちゃんの設定15才が解けるかどうかは、

     オレにも分からんが、


     名門・本田の姫なら、今のうちに、

     きちんと貯めときなよ~~~っ・・・。」




 リンカちゃん、スマホがプルプルいっているのに、

 気付いていません。


 まるで、愛の逃避行のような感じで、

 繁華街の街並みを眺めて、浸っています。


 乗ってるバスが、ハイテクすぎて、

 雰囲気は、まったくありませんが。


リンカちゃん(いつか来る、夫婦共働きの為に、

       ローゼ姫様から、色々と金策学んでおかないと・・・。


       姫様、株も不動産も天才的なのに、

       内職のお花造りに、なんでハマってるのかな。


       金塊の山に囲まれて、

       札風呂に入ったあと、

       リッチに空きなのかなぁ・・・。)



 リンカちゃんは、健気に美しい造花を、

 安価で、お手軽にお届けしたいと精進する、

 そのヒゲの娘さんの想いを、まったく分かっていません。



マンションのローゼさん「へくちゅっ、


            ・・・リンカさんが、妄想で、

            お父様を振り回しているような気がいたしました。


            リンカさん、ハートがかなりのチキンさんなので、

            何の心配もないのですが。


            ふぅー、肩こりますね。


            あと1000本くらいで、休憩するとしましょう。」



 塵も積もれば、山の如く。

 動かざること、コタツの如く。

 製作すること、疾風の如く。

 販売すること、いつもスマイルで♪ 


 コツコツと愛情のこもったお金を貯めている、

 ヒゲの自慢のお嬢さんです。


 神速作業で、工場生産のように、

 一日10万本は作るので、


 一本100円のお花でも、

 純利10%で、日当100万にも達しています・・・。



ローゼさん「そんなに、もーかってませんから!!

      制作費がほぼほぼ、100円近いので、


      一日頑張っても、おこづかいくらいですっ。」



 ローゼお嬢様、お姫様がいいっすか?



ローゼさん「いつものように、呼んで下さい。


      私はごにょごにょ、(過去の黒歴史を無かった事にするのに。)

      精一杯、想いを込めてやってるんですからっ!」



 そーいえば、昔のウィルローゼ姫様は、

 姉御のハインさんさえ、ビビッて凍り付くような、

 愛憎ドロドロの昼ドラに、フィクサーとして出て来そうな、


 悪のお姫様、そのまんまでしたねっ。


 ためぞうのお父さんのトレイメアス王を、

 奈落の底に突き落とし、


 エストさんには、悶絶罰ゲームを仕掛けまくり、


 国家の富を、こっそり財テクで数十倍に膨らませ、

 バブル絶頂期を支えた、悪のカリスマお姫様でしたもんねっ。




ローゼさん「ためぞうさんには、

      大変、申し訳ない事を致しましたが、


      ちゃんと、ためぞうさんのお父さん、

      別の夢世界で、ヒャッホウさせてますからね!


      (そのまま、夢の世界で煩悩のままに溺れさせ、

       戻って来る気力は、削ぎに削いでやってはしまったのですが・・・。)


      それも、ためぞうさんに、

      天下人を目指してもらう為の、交通整備のようなものですっ。


      あと、お花屋さんになりたい夢もあるのですが、


      (お花屋さんの看板娘さんが、殿方の需要が高いのは、

       すでにリサーチ済みとか、言えませんが。


       今はそんな下心さえ、恥ずかしく思っているのです。)


      あのジェネシスおじさんの軍門に下るのは、

      誰に嫁ぐかとしても、未来の妃としての、

      勢力争いのパワーバランスにおいて、

      とても不利に働くのです。


      私だけが、持つとか言われてる、

      いろいろ先の分かる便利な本(『全知の書・桃栗味』)のおかげで、


      余計に、選択肢が狭くなって、

      逆に今は、ちょっとの間、封印したいくらいなのです。」



 だれか、貰ってくれるといいですねっ!

 性格はともかく、

 見た目だけは、素晴らしくお生まれですので。



ローゼさん「ああ、もうっ!


      早く、お父様の紹介(若い頃の方ね、)に、戻って下さいなっ。

      こんな問答が続いては、


      休憩するヒマも、スーパーの夕方の特売にも、

      遅れてしまいますからっ。」



 マンションが経営が順調で、

 結構、リッチなウィルローゼさんですが、


 実に堅実な生活を送っており、

 何処に嫁に出しても、きっと立派に家計をやり繰りしてくれそうです。


 家事全般はもちろん、共働きも喜んでやってくれるお姫様なので、

 慎ましくても、暖かな家庭が持てそうですねっ。



ローゼさん「チヤホヤと持ち上げて、

      ボロが出尽くすまで、延長しようとしないでね・・・。


      波乱尽くめの群雄割拠のこの新世紀、


      アリス会長さんの縄張の中で、

      自分の旗を掲げようなんて勇気、

      これっぽっちも、ありませんから。


      弄ぶなら、今日の所は、

      野心満々の妄想リンカさんの方で、

      お願いしますわ・・・ぜぇぜぇ。


      (ごめんね、リンカさん。


       牙を折られてへろへろの私には、

       リンカさんでも、十分とライバルになれるのですよ。


       私の持たないその清らかさと、無垢な心を、

       その薄っぺらい胸の内にお持ちの貴女に、


       今なら、お父様の傍にいる事を、

       許せそうな気がいたしますの。


       だから、試練は自分で乗り越えるのですよ・・・。


       よほどピンチに陥ったら、

       助け船でも、出してあげますので。)」



 ここは、リンカさんでも弄んで、

 あられもない姿まで、披露していただく事にいたしましょう。



ローゼさん「そこまで言ってませんっ!


      さっさと人物紹介に戻って、横道にそれないっ!

      いいですか?」



 はい! 元閣下のローゼさんっ。



ローゼさん「・・・ためぞうさんがいないと、

      どんどん、ツッ込みが来てしまうのですね・・・。


      ためぞうさんは、ご立派になられました。

      輝いて見えますよ。」



 そのゴールドの瞳を煌かせ、ためぞうを想うローゼさんは、

 ジャージ姿でも、なかなか乙女さんに見えてますよっ。



ローゼさん「あ、もしもし、

      アリス会長さんですか?


      今度、マロンたっぷりの新作お菓子をお持ちいたしますので・・・。」



 ◇ ローゼさんの空電話に引っかかって、

   解説は、逃げたしました・・・。



アリス会長さん < 「はーい、楽しみにしてますねっ♪」


ローゼさん(ハッ!?

      聞こえておられましたか・・・。)



 シーンは、ハイテクスクールバスが、

 高台で、海が見渡せる所に移動した場面から、再開です。



ヒゲ「この時期の、旬のお魚をこう、

   一本釣りであげてみたいねぇ~~。」



 秋空の下の海の中道は、釣りに向いた岸壁側と、

 夏の香りがまだ残ってる、美しいビーチの両方が見えます。


 今日は、季節外れの夏日です。


 クラゲさえ恐れなければ、ビーチを散歩したり、

 ちょっぴり水遊びが楽しめそうです。


 折角、下に着込んでいる、

 白のスクール水・・・。



リンカちゃん(どぅえぇ~~~いッ!!

       何処にも、油断も隙も無いんですかっ!!!


       勝手に、こっちは楽しんでますので、

       解説に戻って下さいね。)



 ここで、引き下がっては、

 何の為に、『リンカ15才・秋空の下のヒミツ』 情報を、

 苦労して、ハインさんから手に入れた意味がなくなるので。



リンカさん(・・・酒でも奢って、ベロベロの時にでも聞いたんですか。

      ハインさん、いい人なのに・・・。


      解説の人、悪いなあー。)



 負けませんよっ、


 選択肢とか出して、強引にでも、

 イッてもらいましょーか。



 ◇ アリス会長さんが、遠くから様子を見つめている・・・。


   マロンの誘惑は、

   まるで秋の宝石箱でもあるかのように。



 はい、では続き行きますかっ。




 ・ アリス会長さんにロックオンされていては、

   ミルザさんのシークレットな部分は、語れません。



   ヒゲ → 立ち直る = 若く凛々しい英雄に戻る、でw



   これで、いっすか?




アリス会長さん「話が横道にそれまくって、

        おじさまたちの説教のようなループに入るかと思うと、


        私の喜びが遠のいて行くような気がいたしまして。


        『青春』って、素敵ですねっ。


        ・・・私は、いつそれが出来るのでしょうか?」




 会長さんがわからない問題など、

 答えを持ち合わせては、おりませんので、

 そこは、寛大なご容赦を・・・。



アリス会長さん「秋は、甘い季節なのです。


        しいたけも、マツタケも、

        サンマも好物ですよ。


        ひとり言、ひとり言・・・。」



 後に、生徒会長室には、

 たくさんの秋の味覚の詰め合わせが、たっぷりと送られたそうな・・・。



リンカさん「バス通学も、楽しいものですねっ!

      バルマードさまと今後もご一緒だと、

      嬉しいですっ。」


ヒゲ「・・・私は、学園の敷地内に、

   立派な自宅貰っちゃってるから。


   あ、でも、

   呼んでくれば、早起きして走っていくよ。」


リンカさん(それでは、ローゼ姫様に持って行かれるので、

      今、この時を楽しむ事にします。)




リンカさん「では、またですー。 ^-^」

『ラウエルさん』

2016年09月18日 16時57分26秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編

   『ラウエルさん』



 ・ ファルさんの働くお花屋さんに、やって来た元気な女の子。

   ファルさんとは大の親友で、

   心を許して女子トークが出来る、貴重な存在さんであります。


   でも、ラウエルさんはノリが軽いので、

   思って無くても、口に出てしまうことがあるのです。


ラウエルさん「ボス、ミスしたアル。」


ファルさん「ちょ、ちょっと、

      今度は何をしちゃったのっ!?」


 ・ 実は、そのノリの軽さと相反して、

   社交界では名の知れた、礼儀正しいご令嬢さんで、

   とても優秀で使える、得がたい心の友さんです。


   この情報化社会に、幅広い人脈をお持ちな、

   貴重な女子さんです。


   世は、新世紀21の群雄割拠の真っ只中、

   激動の九州三国志時代へと突入した、

   長崎ドラゴンタウンに、


   心の準備も全然無いままに、

   ふらりとやって来てしまった、

   そんな世間知らずのファルさん(20)を、

   幅広く、陰ながらサポートしていたりします。


ラウエルさん「これって、『ボスの愉快な仲間たち』の紹介アルか?

       まあ、それでも中華まん売れるならいいアルよ。」


 おっと・・・失礼。

 では、エルさんの紹介に戻りますね。


ラウエルさん「ありがとアル、

       手短で、いいアルよ。」


 解説は、人肌の温もりのある『中華まん』を2個受け取った!


 ちなみにセバリオスさんは、

 この中華まんの愛好家でもあります。


セバリオスさん「いやー、まだ寒い季節じゃないけど、

        これを両手持ちして頂くのが好きなんだよね。


        ほっこり、心まで温まるよねっ!」


 セクハラすれすれの低空飛行を、

 現役JKの目の前で、地面すれすれでやってのける、

 セバリオスさんですが、


 稀代の美食家として知られる彼に、賞賛されるのは、

 大いなる売り上げアップに繋がるのです。


 その特製あんの特許等、様々なグルメ特許で、

 ラウエルさんは、ファルさんを軽く踏み越えていく、

 とんでもないほどの利益を、街の内外問わず上げています。


 ですので、

 生活も街の新たなランドマークの、

 ネクサスビルの高層階に、

 キャッシュで、個人のマンションを所有するなど、

 リッチなセレブ生活を送っていたりするのです。


ファルさん「なんですってーッ!?」


ラウエルさん「いつも助かってるアル。

       でも、本題じゃないアルよっ。」


 はい! では、こちらになります。


 ・ ラウエルさんは、世紀末覇者伝説の英雄で、

   東方方面を制覇し、

   今もなお、当時に劣らぬ絶大な権力を持つお父さん、

   『アレキサンダー=ラウ』会長さんと、


   この新世紀においても、今だなお、

   余裕で現役JKを名乗れそうなほど、

   同世代にしか見えない、とても若々しいお母さんお持ちで、


   過去の世紀末覇者伝説で、

   至宝の戦天使として大活躍をした、

   特攻野郎憧れの、爆裂閃光のギャラクティカ・ライジングエンジェル、

   『エリーゼ=(エルシィ)=シグルーン』さんの、


    ◇ エルシィ=『戦天使の加護と翼を与えられし者』の称号。


   二人の英傑さんたちの娘さんで、

   両親からは、そのまま名前で『エル』と呼ばれています。


   そんな仲の良い家族ですが、

   お父さんのラウ会長は、

   そのエルお嬢様が、いつ生まれたのかという記憶を、

   何故か失っていて、


   お母さんのエリーゼさんから、

   「コウノトリさんが、運んでくれました。」という説明を受けています。


   ラウ家では、

   エリーゼ奥様の言葉にフタを出来る方が、

   給仕から庭師、社員、

   秘密結社構成員一同の末端に至るまでいないので、


   ラウ会長は、エリーゼさんに捨てられないように、

   口裏を合わせて、いつもにこやかにしています。


ラウエルさん「そういう事アル、

       母上様のいう事は絶対アル。


       昔、逆らったら、

       獅子の子のように、奈落の谷に突き落とされたアルよ。


       あっさり反抗期は終わったアル。」


ファルさん「エ、エリーゼ姉様の言う事は、

      絶対ですものねっ!


      (・・・出会った時に、誰が『最強』なのかを、

       身をもって思い知らされた記憶が、

       今も、昨日のようの事に鮮明に思い出されます。)」


 ・ そのエリーゼさんは、

   礼法や品位にとても厳しく、

   多くの王侯貴族の娘さんたちを指導し、

   娘のエルさんも、例外に漏れず、

   むしろ徹底的に淑女として磨き上げられ、


   あらゆる王家に嫁げるよう、礼法と作法や、

   花嫁修業の一環として、数多の宮廷料理の数々の技術に至るまで、

   完璧に学ばされ、


   完全無欠の教育を受けると、

   遊ぶ事も許されないまま、

   ガッチリとスケジュール管理を強いられ、


   おともだちの一人も出来ない内に、

   華々しい社交界へとピュアなまま、

   まるで操り人形のようにデビューさせられるという、

   苦労の持ち主でもあります。


   今のラウエルさんとは、雰囲気の全く違う、

   西洋と東洋の美しさを兼ねた、社交界の新たな華、

   麗しの姫、エルお嬢様に、

   多くの男たちが振り向かされるのですが、


   それをさも満足そうに見つめる、社交界の絶対女王、

   エリーゼ奥様を前に、

   高嶺の花として、ただ呆然と眺める事しか出来ませんでした。


   そんな中、彼女のその細い手を取って、

   ダンスに誘ったのが、

   名門マクスミルザー家の当主で、

   美しき黒髪の貴公子、ミルザ王(現、ヒゲの中年バルマード親父。)でした。


ラウエルさん「あれは、感動のメモリー・・・アルよ。」


   フッと現れた、まぼろしとも言える王子様にリードされ、

   最高のデビューを果たしたエルお嬢さんでしたが、


   どうやらそれも、エリーゼさんの仕込みだったようで、

   良い様に、手のひらの上で踊らされる日々は続いたのです。


ラウエルさん「プルプル・・・、

       懐かしい、いい想い出アルよ。」


ファルさん「(は、ハンパねーーーッ!!!)


      おろおろおろ・・・、

      今があるって幸せなことよね、ラウ。」


ラウエルさん「今となっては、

       母上様は気ままに遊んでるアルから、

       パパリンが、ただ浮気を心配して、

       キョロキョロ、こっちに来たりしてるだけアル。


       こっちには、母上様のお師匠さんの、

       亀吉さんいるアルから、

       母上様も、暴れたりはしないと思うアルよ。


       あっ、そーいえば、

       母上様が、ためぞうさんに会った事がアルね。


       狙われたら、終わりアル・・・。」


ファルさん「ええぇーーーーッ!?」


ラウエルさん「母上様の話はいいから、

       もっと私の事、知って欲しいあるよ。」


 ・ では、続きの方を。


   なんとなくチャイナ娘さんをしている、ラウエルさんですが、

   家に帰ると、急に人が変わったように品位が上がって、


   三つ編みをほどいたロングのソバージュが、これまた美しい、

   清純で引っ込み思案の、元のエルお嬢様へと戻ってしまいます。


   この時のキャラのエルさんと、ためぞうが出会えば、

   彼に、素敵な目標が芽生えて、

   エンディング(ウエディング?)に向かって、

   爽やかに駆け抜けていくことでしょう・・・。


   そして、ためぞうはエリーゼさんに、婿として気に入られ、

   永遠に隷属させられ、タダ働きをさせる事になります。


   つまりラウエルさんは、

   その仮初めのチャイナな仮面を、本物へと変えて、

   実力で、母上様に認めさせなければ、

   誰と結ばれようが、結局、新郎を奪われてしまうのです。


   ですが時折、神の如き威厳を見せる、

   今では、すっかり丸くなったセバリオスさんのように、

   エリーゼさんをも上回る実力をお持ちな方なら、

   例外もあるでしょう。


   でも、それではラウエルさんは、

   エリーゼさんに負けっぱなしで、納得しません。


   その覚悟で、ラウ性を前に付けて、

   『エル=エルシィ=ラウ』さんとなる所を、

   ミドルネームを封印し、

   『ラウエル』さんを名乗っているのです。


   一人娘を溺愛する、パパリンのラウ会長さんも、

   支配率100%のエリーゼさんから、

   1%でも娘を取り戻す為に、全力で応援しています。



ファルさん「そーだったのっ!?」


ラウエル「? 言ってなかったアルか。


     まあ、ボスは普通に「ラウ」って呼んでくれるので、

     気にもしてなかったアルよ。」


 ラウエルさんの、チャイナ娘愛はハンパではないのです。


 なので、帰って落ち着いたら、

 アニメのチャイナ娘さんを手本にしながら、

 しっかりとハマって、


 グッズを買いに、アニメストアに通ったり、

 コスプレ衣装を仕入れたりしているのです。


ファルさん「それって、コスプレなのね・・・。


      だから、どこかで見た事あるようなドレスを、

      いつも着てたんだ。」


ラウエルさん「今は、レイヤーさんじゃなくて、

       本物のチャイナ娘さんを、本気で目指してるアル。


       私、パパリンの国籍が中国だから、

       問題ないはずアル。


       今まで出来てなかった分、チャイナっ子パワーを、

       高めているアルよ。


       ボスは、応援してくれるアルか?」


ファルさん「もちろんよっ!

      だって私たち、親友じゃない。」


 その言葉に、心打たれたラウエルさんは、

 普段、フェス以外では人に見せる事もない、

 予備のチャイナドレスのコスプレの衣装を、

 ファルさんに力強く手渡すのです。


ファルさん「こ、これを私にどうしろと・・・。」


ラウエルさん「ボスも、これに着替えるアルよ。


       感動したアル、その想いを共有したいだけアル。

       後でDVDも渡すあるから、

       見るといいアルよ。


       日本のアニメ、最高に面白いアルっ!!」


 ファルさんは、どうやらコスを期待されているようです。

 ここで断わっては、その友情は見せかけだけだと、

 彼女をガッカリさせる事でしょうネ・・・。


ファルさん(ええぇーーーっ!?)


 ちなみに二人は、

 人通りも活気に満ちた、ドラゴンタウン商店街の、

 ファルさんのお花屋さんの軒先にいます。


 アーケードのアーチも、晴れ渡る秋空に照らされ、

 通りには、休み時間の会社員さんや、

 魚屋さんのおじさん、野菜屋さんの奥さん、

 そして、夕食の材料を買出しに来ている主婦のおばさま方々。


 ギャラリーも大勢いる中、

 この商店街の憩いの花であるファルさんに、

 コスプレ衣装が手渡されたのです。


 その成り行きは、しっかり皆さんに見守られています。

 これはもう、その姿を披露する以外に、

 道はないでしょう。


 裏でコソコソと試着して、はいOKでは、

 ラウエルさんは許しても、

 皆さんの期待を裏切るのは間違いありません。

 選択肢なんて、いらないのです。


 そういう場面も、たまにはあるという事を、

 学ぶ為に、貴女はここに立っているのでしょう?

 ねえ、オトナなファルさんっ。


ファルさん(せ、選択肢無しですか!?


      ・・・仮にあったとしても、

      これまで痛い目に遭って来たので、

      どうせロクな物は期待できそうにもありませんが。)


 社会に馴染んできてますねっ!


ファルさん(・・・ワナとは、

      導かれる前に、気付けなければ、

      避けられない定めなのです。


      一度として、かわした記憶はありませんが、

      相手がラウだからって、

      油断していた私がいけないのネ・・・。)



 ためぞうや、エリスねーさんとは違って、

 素直なファルさんは、

 無駄な抵抗をする事もなく、

 奥で、色違いでお揃いのチャイナドレスに着替えると、

 お店の軒先へと戻って来ました。


 きわどいスリットが脚線美を演出する、

 素敵な藍色のチャイナドレスです。


 ちなみに、ラウエルさんはオレンジ色です。

 サイズが同じなので、ボディラインのメリハリは、

 ファルさんに分があるようです。


 ボリューム満点のこぼれそうな胸元と、

 そこからアーチを描くようにくびれたウエストで繋がれた、

 流線型に沿って、キリッと上がったヒップラインも、

 それはもう見事なほどにスタイル抜群ですっ!


遠くのエリスねーさん「腰抜けっぽい感じで、言われてる気がする・・・。」


ためぞう「言われてるな、

     こういう時のオレの勘の的中率は、97%超えだから。」


 確かに、ギャラリーさんたちの期待に、

 120%のサービスで、応えたファルさんです。


若い男性の会社員「・・・。(素朴な感じも良かったけど、

         これはこれで、色っぽくて素敵ですっ!)」


魚屋さんのおじさん「ファルちゃん、やっぱり美人さんだねっ!!

          オレが若けりゃ、真っ先に突撃してたところだぜ。」


野菜屋さんの奥さん「奥さん出かけてるからって、

          鼻の下、のばし過ぎだねぇ。


          でも、キレイだわっ・・・。」


奥さんA「私も若い頃だったら、あのくらいっ。」


奥さんB「アンタと撮った修学旅行の写真とか、

     何でか、スマホに入ってたんだけど・・・。」


奥さんJ「ハッハッハッ、

     そいつぁ、ぜひ見せて貰いたいもんだわっ!」


 そんな商店街の和やかな日常で、

 ラウエルさんは、ファルさんの耳元でこう囁くのです。


ラウエルさん「アナタがワタクシよりも、

       同じ姿で輝くのなら、


       この場は、素直にお譲りして、

       ワタクシの紹介など、終わりにしてしまいましょう。」


 突然、口調が慇懃無礼なほど、丁寧になって、

 光のない眼差しで、ファルさんを眺めるラウエルさん。


 この時、周囲の人たちにも、

 その空気はピンと張り詰めて伝わり、


 ラウエルさんの姿が一瞬、

 とても気品に溢れて、凍り付くほどに美しい、

 一人のお姫様のように移ったのです。


ファルさん(うおぅ!?

      ・・・エリーゼ姉様が、憑依でもしてるのッ!!)


 ファルさんは、急に腰が引けたように、

 お花屋さんの奥へフェードアウトしていくと、

 いつもの緑のエプロンに着替えて、すぐさま戻って来ました。


ファルさん「まだまだ、これを着こなすには、

      勉強不足だったようだわ。


      後で、DVD貸してくれるよねっ?

      ラウーっ。」


 あれは一体何だったのだろうと、

 誰もが思ってしまうかのように、

 一瞬で、いつもの元気なラウエルさんに戻っています。


 遠くでその光景を見ていた、アリス会長さんには、

 ラウエルさんの背中から細く延びる、

 一本の見えない操り糸が見えたのです。


アリス会長さん「エリーゼさんも、

        まだ子離れが出来ないようですねっ。」


 その一言で、路地裏に居た、

 ラウエルさんにそっくりな、お姉さん? とも見えてしまう、

 17,8才くらいのロングのブロンド美少女さんが現れます。


エリーゼさん「ご無沙汰しております、アリス会長様。

       ウフフッ、ワタクシもまだまだですね。


       時代は変わっても、まだワタクシは、

       貴女様の後ろを歩いているのを、実感致しましたわ。」


 とてもお母さんには見えない、

 若すぎるエリーゼさんです。


 エリーゼさんは、すぐに糸を切って、

 会長さんに一礼すると、

 お手製のガトーショコラが入ったかわいい箱を、

 そっと差し出すのです。


 それを、おめめキラキラで見つめて、

 固まってしまった、アリス会長さん。


 しっかり予防線は張られていたようです。


 会長さんが、その箱を手にした頃には、

 すでにエリーゼさんの気配は完全に消え去っていました。


アリス会長さん「ファルさんと、ラウエルさんに感謝です~っ。」


 眩しいほどの喜びの笑みを見せると、

 アリス会長さんも、誰もいない生徒会長室まで、

 駆け足で帰っていきました。


  ◇ ラウエルさんに付いていた、『操り糸の効果』が消え去った!


 素に戻ったラウエルさんに、

 ファルさんはまだ、緊張から解放されてはいないようです。


 ちなみにギャラリー全員、

 ファルさんのチャイナドレス姿の記憶を、

 一切、覚えてはいないようです。

 どうやら、ラウエルさんのお母さんの仕業のようです。


ラウエルさん「どうしたアルか、ボス?」


ファルさん「あははっ、

      今日はお手伝いはいいから、

      しっかり、自己紹介の方、頑張ってねっ!


      (触らぬ髪に、抜け毛無しって、

       ジェネシスおじさん、言ってたわ・・・。


       プルプル・・・、

       一瞬、ラウの背中で光ったアレって、

       何かの糸みたいな感じだったけど、


       き、気にしてはいけないんだわ。)」


 こうして、商店街の憩いのお花のお姉さん、

 ファルさんに、一時の平和が訪れたのでした。


 すると、そこに荷車を引いて移動販売から戻って来る、

 オーナーのジェネシスおじさんの姿が見えました。


 ファルさんは、もう一波乱来るのを恐れて、

 天に祈りを捧げています。


ジェネシスおじさん「やぁー、ファル君にラウエル君。


          おじさん、今日は特別に、

          ラウエル君の入店記念日の結わいの品を、

          持って来たところだよっ。」


ラウエルさん「おー、まじアルかっ!

       嬉しいアルよっ!!」


ファルさん(わ、忘れてたぁぁあァ!!

      なんて、ミステイクなのっ!


      ・・・私のばかーーーっ。)


 その贈り物の大きな箱には、

 ちゃんと、ファルさんとジェネシスおじさんと、

 軍師のグランザスさんと大大名のゆきはなさんの、

 名前があります。


ジェネシスおじさん「言い出しっぺは、ファル君だからねッ!

          さあ、手渡してやりなさいなっ。」


 そう言って、ファルさんの背中をポンと押す、

 ジェネシスおじさんです。


 完全におじさんの仕込みですが、

 この流れに乗らなくては、もうチャンスは訪れないでしょう・・・。


 しらを切り通すのは、かなり抵抗がありましたが、

 ファルさんは満面の笑みで、そのリボンで飾られた、

 大きな箱をラウエルさんに手渡します。


 ファルさんは、これからより一層、お花屋さんを頑張って、

 おじさんへの借りは、倍にして返す意気込みですっ。


ラウエルさん「サプライズ、ありがとアル!

       感激アルよッ!!!」


 リボンをほどいて、箱の中身を見ると、

 ラウエルさんの顔が、火照るように赤くなっていきます。


 それは、現在絶賛放映中のテレビアニメ、

 『マジカル☆チャイナバトルドレス少女・シャーロットちゃん♪』

 の、オートクチュールのチャイナドレスです。


 作画の資料として使われていた、赤のカスタムチャイナドレスを、

 おじさんは、コネで制作会社から頂いて来たのでした。


 色んなパイプを持ってるおじさんだと、

 後にファルさんは、社会の仕組みというモノを偉大さを、

 思い知らされるのでした・・・。


ファルさん「ラ、ラウが喜んでくれるのならw」


ジェネシスおじさん(いやー、あのアニメって、

          娘ラブのラウ会長から頼まれて、


          私が知り合いのアニメ製作会社に、

          企画を持ち込んで、作ってもらったものだから、

          そういう事なんだよ。)


ファルさん(さすが、おじさんッ!

      こんなに気の付くおじさんだったなんて、

      こちらへ参らなければ、気付かないまま、

      ムサいからって、野に放ってたかも知れないわっ。


      ホントにありがとうっ!

      正直、こっちでは尊敬してますっ。)


 ラウエルさんは感動に我を忘れて、

 素に戻ってしまっています。


 家を出る前にいつもかけている、

 チャイナ娘愛への暗示も解けてしまって、

 すっかり無防備状態です。


ラウエルさん「まあ、どうしましょう・・・。

       こんな素敵な物を頂いてしまって、

       本当によろしいんでしょうか?


       ああ、何もお返し出来ないのがお恥ずかしいです。」


ファルさん(素に戻ってるっ!?)


 急に、気品と品格が増したラウエルお嬢様に、

 ギャラリーも吸い込まれるように、見惚れてしまいます。


 メイク直しをして、強めにフラッシュバックを当てて、

 まるでプリクラで別人に加工し直したように、

 輝いて見えますっ!!


 これが、本当のラウエルさんの姿なのですが、

 これでは、あまりに眩しすぎて、

 声をかけるのも、躊躇われるほどに美しいです。


 これまた、計った様に固く結ばれた三つ編みが、

 緩やかにほどけながら、ロングのソバージュとなって、

 陽光を、その繊維に一本一本に流し始めると、

 おじさん、ショックを与えすぎたと猛省しています・・・。


ファルさん「と、とりあえず、

      今日は家に帰って、ゆっくりするといいんじゃないかな?


      夕方にお食事会でもして、お結わいしましょうネッ。」


おじさん「今日は私が店番するから、

     ファル君、タクシーで送ってあげなさいな。」


 そう言うジェネシスおじさんは、

 ポケットからスッと取り出したマネークリップの札束から、

 一万円を手渡します。


 レジ以外では、あまり触れたことのないお札に、

 「多すぎるわよっ!」っとツッ込む余裕もないまま、

 店裏の公園前へと追いやられると、

 もうタクシーが着いていました。


 ラウエルさんを、ネクサスビルで偶然あった、

 親代わりの亀吉さんに託して、

 駆け足で戻ってくる、ファルさんです。


 近かったので、結構、お金あまりましたねっ!


ファルさん「残りは、レストランの予約の足しにしますからッ!


      エストさんみたいに、ネコババなんて、

      出来ませんからっ。」


通りすがりのせりかさん「ほうほう、いい事聞けましたね。

            エストさんにでも、教えておいてあげますか。」


 油断ならない相手に、

 うっかり言葉を滑らせた、ファルさんです。


ファルさん「うっ!」


 今は公園なので、

 お店のジェネシスおじさんは、すぐそばです。


 せりかさんは、露店のクレープ屋さんを見ながら、

 ファルさんに、おねだりです。


せりかさん「私は、口は堅いですよ。

      でも、おこずかいが足りないのです・・・。


      よかったら、そのタクシー代の残りを幾らかを、

      貰えちゃったりすると、嬉しく思います。」


 せりかさん、ダメ人間です・・・。


 ファルさんは、こういう時の対応なんて知らないので、

 おつりの八千円の全部を渡してしまいます。


ファルさん(・・・はぁ、私って、

      誰かいないとダメなのね、とほほ。)


 ダメなのは、せりかさんです。

 せりかさんは、浮かれてその日に使ってしまいますが、

 後で、ホーネルからキツイお灸を据えられて、

 (身体は借り物なので、主にドリルの計などの罰ゲームです。

  夏休みの小学高学年の宿題程度の量のドリルを解くまで、

  部屋を出るのは許されません。


  せりかさんの学力では、至難の業です。)


 マンションへと戻ったラウエルさんは、

 亀吉さんに再度、喝を注入されると、

 いつものラウエルさんへと戻ったのでした。


ラウエルさん「亀吉さん、助かったアル。

       まだまだ道は遠いアルよ。」


亀吉さん「ワシも応援しちょるよっ!

     チャイナドレスのラウエルさんも、

     もっと自信ば、付けないかんねっ!


     エリーゼさんの暴走は、まかせちょきーっ。」

 頼もしい言葉を残して、仕事へと戻っていった、

 ビルのオーナーの亀吉さんです。


 ラウエルさんは、オーシャンビューの高層エリアの窓辺で、

 晴れわたる秋空を見つめ、輝くチャイナ娘さんの星を見つめます。


ラウエルさん「ディナーの時間まで、

       がんばって、DVDを見直すアルッ!!」


 ラウエルさんは、夢に向かって走り出します。

 そして、立派なチャイナ娘さんになった日には、


 勇気をもって、ためぞうを物にするでしょう。


ラウエルさん「しっかりしたプランを持ってる、ためぞうさんは、

       きっと、立派な王になれると思ってるアルよ。」


ファルさん「えっ!

      ホントにためぞうさん、狙ってたのーーーっ!?」


 楽しげに、夕食会の準備を進めるファルさんに、

 離れていても届く、心の友の決意です。


ラウエルさん「スマホの電波が5ギガになって、

       便利なったアル。


       よく届くアルよ。」


ファルさん「そこは、語っちゃだめですってっ!」

『ホーネル』

2016年09月04日 14時09分31秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『ホーネル』



 ・ ためぞうの友人で同僚で、王子様。


   かつて『三バカ』として、楽しくやっていた、

   友人の一人、マスオストさんが行方不明(お星様。)になってしまった為、

   代行リーダーとして、『せりかさんと愉快な仲間たち』を取りまとめている、いいヤツ。



 ・ 実は、ある偉大な皇国に繋がる王族だったりするのが、

   最近わかったのだが、


   特に興味もないので、

   月の王子様(魔王軍四天王筆頭代行)として、

   仕事を、きっちりこなして、


   せりかさんの庭に、許可無く乗り込んでくる無法者(冒険者)たちを、

   適度にあしらって、ひと夏の経験を積んでもらって、

   お帰りいただいたり、


   悪の組織からやって来る怪人たちを、

   コテンパンに打ちのめして、

   二次元文化(最近はVRも始めたらしい。)の素晴らしさを布教して、

   『萌え』というカルチャーショックを与えるのに、使命すら覚え始めた。



ためぞう「へぇー、そんな事やってんの?」


ホーネル「うん、


     マンガ、アニメ、ゲーム、

     コスプレとかって、新しい自分に出会える、

     クールジャパンだと思うんだよ。


     この素晴らしさを、冒険者さんや、怪人さんたちや、

     モンスターさんたちにわかってもらえば、


     世界はもっと分かり合えるって思うんだよ。


     だってほら、

     国や言葉や文化が違っても、


     同じ一つの偉大な作品を通して、サッカー交流とか、

     いろいろできるでしょ。


     『いいーんですっ、それで、いーんですっ!!

      くーーーーーっ、


      何故、そこで隅を取らないッ!?』


     とか、実況したくなるよね。」


ためぞう「何となく、理解出来なくはない。


     なあ、ホーネル、

     冒険者とかって例えば、


     『女勇者さん』とか、『女戦士さん』とか、

     『女僧侶さん』とか、その辺の方たちとは、


     正直、どーなってんの?」


ホーネル「ああ、美少女戦士さんたちね。


     今ではすっかり仲良くなって、一緒にイベントとか、

     フェスとか行ったりして、コスプレとか楽しんでます。」


ためぞう「それ、コスってねーYO!!!」


 おかげで、ホーネルさんには、

 各イベント会場の責任者さんたちから、

 招待券が送られてくるようになって来ました。


 彼の得意なコスプレは、『王子様』と『お姫様』です。


ためぞう「王子だけにしとけよ・・・。」


ホーネル「ためさんがそう言うなら、

     ためさんの前だけにするね、姫コス。」


ためぞう「やめれーっ!!


     オレの試練をこれ以上増やすんじゃねー。

     トモダチだろ? 友情だろ?」


ホーネル「うん、これからは二人で、

     あのせりかさんを、しっかり支えていこうねっ。」


ためぞう「・・・オレはただ、

     穏やかなタヌキのように、山で暮らしたいだけなんだ。


     無闇に、色々開発して、

     オレの憩いの森や、山々を荒らさないでくれよ。」


ホーネル「あっ、

     山ガールと森ガールに知り合いいるけど、


     言ってくれればきらめきイベント、セッティングするから、

     いつでも言ってねっ!!」


ためぞう「何故、そこまで出会ってて、

     お前は、ゲームの女の子にしか興味が無いんだよッ!!」


ホーネル「ほら、

     それは、そこに山(ラスボス)があるから。」


ためぞう「・・・。


     なるだけ味方でいてくれよな。」



 ・ ホーネルは、聖クラウス学園に、

   特待生扱いで招かれているのですが、


   ためぞうの青春ライフを本気で応援しているので、

   ためぞうの友人君に徹しています。


   学園に通ってもいないくせに、

   ほぼ全女子のプロフィールと、異性に対する好感度を知り尽くしている、

   影のフィクサーのようなヤツですか、


   とても善良なので、ためぞうに頼まれた時だけに電話で答えて、

   それらのデータを厳重に管理しています。


   チラ見せの美学のわかるヤツなので、

   全てを知っているからといって、語りたがる愚か者ではありません。


   チャラい感じのホーネルですが、

   かなり芯のしっかりとした漢なので、それを知った女子たちからの、

   信頼はとても厚いものがあります。


   どんなに近くにためぞうがいても、

   電話でしか、情報を教えてはくれません。


   そういう伝統のしきたりを守ったりする、

   古風な一面も持ち合わせています。


   何の伝統かは、知る事はできませんが・・・。



セバリオスさん「おお、そーなんだ。


        ホーネル君、そういう貴重な情報を持ってたりするんだね。」


 ホーネルは、セバリオスさんと業務提携をしているので、

 今は、とても良好な関係にあります。


 セバリオスさんが正直者なのは知っているので、

 素直に、うんと頷きました。


 セバリオスさんも、割と最近は軽くなっていますが、

 信頼性に疑いはないので、良いパートナーシップ関係を築いています。


セバリオスさん「電話すれば、

        たとえば、エリスとかサフィリアさんの想いとか、

        聞けちゃうの?


        あとエリナ先生の事もー。」


ホーネル「えっと、『友人契約』がないと、

     いくら親友でも、先輩でも恩人でも、言えないですねー。


     エリナ先生の事は、データが何種類もあるので、

     どれを伝えればいいのか困っちゃいますが、


     ためさんはきっと聞いてこないので、ノー問題です。


     ちなみに、付き合い的な友人と、

     電話の先の友人は、別扱いになるので、

     これは自分でも、どうしようもないですネ。


     格式のある伝統に則ったものなので、

     ルールを破ってしまったら、たぶんボクの持ってる情報の全ては、

     無かった事に上書きされてしまうでしょうね。


     今のボクの実力じゃ、契約数が『1』が限界なので、

     枠が増えたら、お知らせしますね♪


     ・・・ああ、でもそうなると、

     妹のネリアは、もっと幼くなっちゃうのかな。


     ボクら兄妹は、二人で一つのレベルを共有してて、

     ボクに今、96%来ちゃってるので。」


セバリオスさん「いやいや、気を使わせてしまったね。


        そういえば、あの可愛らしい妹さんが、

        逆に96%くらいになっちゃったら、

        どうなっちゃうのー?」


ホーネル「たぶん、ためさん即陥落でしょうね。


     『妹のように思ってたら、

      いつの間にか、一人の女性として見てしまっていたなんて・・・。』みたいな感じで。


     写真見ますー?

     ためしに、一度やって見た事あるので。」


セバリオス「おお、いいの?


      それじゃ、お願いしようかな。」



 ・・・そこからしばらく沈黙が続きます。


 あの何事にも動じないセバリオスさんが、

 感動の映画を見たような姿で、心を震わせているのです。


セバリオスさん「フゥ・・・、


        いやはや、さすがミストレウス皇国に繋がる、

        姫君だね。


        自分が兄で、彼女が妹だったような記憶が、

        甦るように入ってきて、


        気が付いたら、成長した彼女の、

        至高の麗しきその姿に、

        心を奪われていたような、素晴らしい感覚を体験出来たよ。」


ホーネル「妄想力、さすがですねー。」


セバリオスさん「それって、プリントして貰えるかな?

        貴重な宝物だとわかって言ってしまっているのだが。」


ホーネル「OKですよー、

     ちょっとまって下さいね。


     極め粒子顔料印刷で、劣化防止加工しときますのでー。」


セバリオスさん「ありがとう、ホーネル君ッ!!」


 ホーネルは、割とあっさり帰ってきましたが、

 仕上がりは完璧なようです。


 セバリオスさんは、ネリアさんにもよろしくねと言って、

 プライベートジェットで、お仕事に戻って行きました。


 妹さんを意識した、セバリオスさんは、

 未来が明るくなったような表情でした。


ためぞう「ホーネルは、いい仕事をする。」


ホーネル「おお、ためさん。


     ためさん、何か困ったことがあったらいつでも言ってね。


     ボクはその間に、ためさんがいずれ座る玉座を、

     より偉大なものにする為に、

     勢力とか、拡大しとくからー。


     青春に、冒険に、無理しないで頑張ってネ。」


ためぞう「試練は特盛りだが、

     自分の未来は、自分で見つけるから、

     そんなに、こだわらないで楽しくやっててくれ。


     オレはささやかな生活の中にも、

     素敵で貴重なたからものがあるって事に、

     気が付けそうな気がするんだ。


     地道にがんばってみるから、

     いつも通りで頼むよ。」


ホーネル「さすが、ためさん!!


     そんな事いわれたら、ますますやる気が出て来ちゃうよ。


     うん、そうだね。

     ためさんが必要になったら、

     その時は、声をかけるくらいな感じで思ってて。


     古蔵さんより、もっと立派な勢力と、

     軍団を揃えられるようこっそり頑張ってみるからっ。」


 ためぞうは、ホーネルが農園で育てた温室フルーツセットと、

 高級チーズセットを受け取って、

 エリスねーさんの家へと、ワープしていきました。


 っと、そこへ見計らったように、

 せりかさんが現れます。


せりかさん「今月分のお小遣いを、頂きに来ました。

      少しといわず、色を付けてくれると嬉しいよ。」


 せりかさんは、

 ホーネルの財布から、三千円を受け取ります。


せりかさん「消費税の分も頂けると、嬉しいです。」


ホーネル「えっと先月、エリスさんに、

     結構な小遣い、もらってたですよね?


     ちゃんと貯金とかしてますか?」


せりかさん「宵越しの銭が、残ったためしはありませんな。


      10ヶ月分ほど、楽しんだ夏でした。」


 そう言って、くれくれポーズをしているせりかさんです。


ホーネル「せりかさん、もう少し眠っていかれませんかー?


     具体的に12000年くらい眠れば、

     とんでもない金額のお小遣いになってると思いますよッ!!」


 ガッツリと、せりかさんの肩を掴んだホーネルです。


 たるんだせりかさんになど、

 今のノッてるホーネルに勝ち目はありません。


 二人の実力は、30ゲーム以上離されて、

 ホーネルにマジックが点灯しています。


 いつでも、上司になれるのです。


せりかさん「・・・。


      ホーネルが立派になって、

      遊んでる甲斐があるってもんだよ。


      約束は守る方だから、エリスおねーさんの所に行って来るー。」


 そう言ったせりかさんは、変わり身の術を使って、

 1/1 等身大フィギュアに入れ替わっていました。



   がしっ!!



 それでも、せりかさんは何故か、

 ガッツリと肩をホールドされています。


 ホーネルの実力を認めざるを得ない、せりかさんです。


せりかさん「そりゃ、セバリオスさん相手にスパーリングやってる、

      ホーネルに、か弱い私が勝てるワケないか。


      見逃してっw」


ホーネル「自分から、ねだっちゃダメですよー。」


 そう言って、ホーネルはせりかさんを野に放ちました。



ホーネル「ためさんの未来の為、

     頑張っていこうと思ってます。」



       友情って、いいですネ。



 ホーネルは、追記あるかも知れません。


 ではー。^^

『サフィリアさん』

2016年08月27日 21時14分25秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『サフィリアさん』



 ・ 聖クラウス学園のもう一人の副会長さんで、

   ためぞうに、初めての出会いをもたらした女の子。

   (対戦格ゲーで、ためぞうをボコボコにしていた相手だった。)


サフィリアさん「ご、誤解ですっ!!」


ためぞう「あの時オレは、

     ・・・学園の天使と、出会った~~ぁ。」


サフィリアさん「!?」


 人物紹介編で、好感度の上下はありませんので、ご心配なく。

 (・・・たぶん。)


サフィリアさん「そ、そうなんですね、

        ふぅ~。」



  ・ サフィリアさんは、これまで名家のお姫様として育ってきたので、
  
    学園の共学生活で、初めて同世代の異性と出会った感じの、
  
    ピュアな女の子です。

    非常に高い、美少女ランクを誇っています。
  
  
    けしからん程にすくすくと育った、
  
    スペシャル小悪魔ボディをお持ちですが、
  
    とても清純で、純情な上に、押しに弱いですネ。


    ちなみにサフィリアさんは、花柄のワンピースを着ています。

    その長く細い白金の束ねられた髪に、幾筋もの銀光がキラめいて、

    姫様オーラっぽいものが出てます。


    ためぞう君を落とすなら、あと一押しですよっ。


サフィリアさん「これって、罰ゲームですかっ!?
  
        ご本人さん、いるんですよッ!!!」
  
  
 ためぞうは、音もなく消えました。

 どうか、ご安心を姫。


サフィリアさん「どれだけ、扱いが適当なんですか、

        ためぞうさんってっ!!


        ・・・ちゃんと、してあげて下さい。」



 ・ この様に、思いやりのある優しく麗しい乙女さんに成長されて、

   上杉の家臣さん達も、ほっこりです。


家臣Aさん「このまま姫に、越後へ留まって頂いて、

      天下に号令でも、かけて欲しいもんですなぁ。」


家臣Bさん「いやいや、

      我ら『越後』だけの姫であって欲しいという願いもありますぞ。


      嫁になど行かず、婿など取らなくとも、

      永遠に我らの癒しのオアシスとして、

      キラキラしていて欲しいでござる。」



 ・ 家臣さんに、愛されていますね。

   皆さん、サフィリアさんの為なら何処までも付いて行く覚悟っぽいです。


   アイドルの親衛隊寄りですか?

   とにかく慕われてるっていいですね。


   なので、一度帰って来ると、

   引き留め感がハンパないですネ。



アリス会長さん「サフィリアさんは、私のダメな妹と共に、

        学園の生徒会を支えてくれる、立派な活躍をされています。


        私は、サフィリアさんという大事なご友人と、

        引き離されてしまうのでしょうか?」



 ・ 家臣さんたちは、みんな → (Φ ω Φ) こんな感じになって、

   うつろな瞳で、「姫様にご友人が出来て、嬉しい事です。」と口々に、

   言っています。


   もう、家臣たちも、しばらくはしつこくしない事でしょう。



ためぞう「すげーぜ、会長さんッ!!」


アリス会長さん「いえいえ、

        家臣のみなさんが心が広いだけですって。


        ああ、私も青春したいものです。


        私にだけ、好感度設定が無いってのは、

        不便なものなのですね・・・。

        告白も出来ないし、・・・あったとしても、

        告白されるか自信はありませんが。


        私は、ちゃんと言いますよ。

        『大嫌いですッ!!』って、ええ!?


        『この、変態ッ!!』、・・・なるほど、

        想った言葉が、逆の感情で出るのですね。」


 すると、アリス会長さんは、ためぞうに意味が反対だといって、

 胸に手をあて、告白します。


アリス会長「『凄く○○ですっ!!』、って、えー。

      伝えられない・・・おろおろ。」


 この絶世の美少女である、アリス会長さんが、

 告白レースに、もし参加でもしたら、

 世の殿方の大半が、ガッポリと持って行かれるでしょう。


 それだけは避けねばと、密かに思ってしまった、

 サフィリアさんです。


サフィリアさん「(自分に自信がないからって、私のバカッ!!

        そんな事、思っては失礼です・・・。)


        あっ、そうです。

        会長は、あずきかき氷とか、あんこ餅はお好きですよねっ?

        よかったら、好きなだけお持ち下さいなっ。」


 サフィリアさんは、

 家臣たちを一瞬で従えたアリス会長さんは、

 やはり最強だと思いましたが、

 友人と呼ばれるのは、嬉しい事でした。


 アリス会長さんの好物は知っているので、

 たくさんのお土産を用意します。


アリス会長さん「まあ、嬉しいですー。

        では、早速、学園に戻りましょうネ。」



   ホワワワワーーーンッ・・・。



 ためぞうも、サフィリアさんも、

 一瞬で、学園へとワープしました。


 夏休みで、部活の生徒さん以外はあまり見かけられませんが、

 いつの間にか、いなくなってしまった会長さんに、

 仕向けられた感じで、

 二人は三年J組の教室に取り残されました。


サフィリアさん「エ、エアコン効いてるんですね。」


ためぞう「普段は、エリナ先生のシアタールームとかに使ってて、

     今は、黒板サイズのスクリーンが置かれてますね。


     おっ、30,1chのスーパー音響システムまで、

     いつの間にか、設置されとるし。」


 日中の眩しい日差しが遮られる様に、

 教室に設置された黒の暗幕が自動で下りてきます。


 そして、スクリーンには、

 美しい花火が映し出されました。



    ドォーーーーンッ!!!



ためぞう「音も本格的だな、

     山に当たって跳ね返るような、反響音まで来るとは。」


 教室は一変して、簡易の花火大会の様相を呈します。

 雰囲気だけですが、


 想いとか、伝えちゃったらどうっすか?


サフィリアさん「人物紹介ですよね?

        どーして、こうなっちゃうんですかっ!?」


ためぞう「誰かが仕込んだんでしょうけど、

     花火、綺麗ですねー。」


 確かにためぞうの言うように、

 高精細スクリーンに映し出された、

 プロジェクターの強力な明かりは、

 本物に迫るかの大迫力です。


 ためぞうが、ふっと辺りを見回すと、

 教室の隅に電球で照らされた、リンゴ飴コーナがあります。


 そこには、エリナ先生の置いた貯金箱があって、

 小は300円、特大は500円入れて取ってね。

 と書かれています。


ためぞう「小を二個、頂こう。

     サフィリアさん、どぞっ。」


サフィリアさん「あ、ありがとうございます。」


 ためぞうとサフィリアさんは、

 花火の映像が綺麗に見上げられる、前の方の席に座ります。


サフィリアさん「なんだか、本当に花火大会にいった気分です。」


 そう言って、美味しそうにリンゴ飴を口に運ぶサフィリアさんの、

 そのやわらかな淡いピンク色の唇は、

 艶やかな赤のルージュのように、艶めいて染まっていきます。


ためぞう「激しくワナを感じるが、


     今、この夏に見たかった光景が、

     目の前で繰り広げられてるゾ・・・。」


サフィリアさん「えっ!?」


 振り返るサフィリアさんの横顔は、

 スクリーンに反射した花火の光で、

 美しくも色っぽく見えます。


 とくにその赤く染まった唇は、魅惑的です。


セバリオスさん「ちょっと待ったーーーッ!!!」


 暗幕をひるがえし、扉からセバリオスさんが入ってきます!!

 セバリオスさんは、500円を入れて、

 特大リンゴ飴をその手にすると、

 サフィリアさんの隣の席に立ちました。


セバリオスさん「座ってもいいかな?」


 二人に、断わる理由はありませんので、

 セバリオスさんは、フゥっと息を付いて、

 隣の席に付きました。


サフィリアさん「こんにちは、セバリオスさん。」


セバリオスさん「おおぉ、これはまさに夜に咲く赤い花っ。

        サフィリアさん、めちゃ可愛いですよッ!!」


サフィリアさん+ためぞう「!?」


 セバリオスさんは、いつも度胸満点です。

 想う異性にも物怖じしない、スーパーエレガントタフガイです。


 でも、ここでは好感度自体は変わらないので、

 『好き』とかは、本編の方でお願いします。


セバリオスさん「そうなの?

        まあ、私はサフィリアさんの笑顔が見られれば、

        それで満足だよっ!!」


サフィリアさん「ほっ・・・。


        (本編じゃなくて、良かったです。

         でも、セバリオスさんはカッコいいと思います。)」


 レオクスさん、ピンチですよっ!!


レオクスさん「とぅ!!」


 レオクスさんも暗幕潜って、ちゃんと近くに来ていました。


レオクスさん「すごい臨場感ですねっ!!

       私も、シアターちょっと欲しくなっちゃったなぁ。」


 レオクスさんはサフィリアさんの後に立ちましたが、

 紺の作務衣にリンゴ飴の小を持つその立ち姿は、

 何とも風流で、美しいです。


 その清らかさの中に妖艶さを秘める、甘い王子様マスクは、

 サフィリアさんでなくても、

 女子なら誰でもドキドキしちゃいそうです。


 加点はされ.ませんが、レオクスさんもサフィリアさんに、

 かなりの好印象です。


ためぞう(なるほど・・・。


     オレだけがおいしい想いをするハズはないが、

     しかし、ためぞうは変わったのだっ!!


     今は、試練の疲れを癒す、リラックスタイム。


     こういうほのぼのとした中で、いい想い出まで作れて、

     アリス会長さんに感謝!!)


エリナ先生「感謝は、私にではありませんか?

      山本 ためぞう君。」


 そう言って、突然現れたエリナ先生です。

 先生は、絵に描いたように、

 しっかり浴衣で決めています。


 左手にうちわ、右手には特大リンゴ飴、

 ティーンでありながら、大人で魅惑的なその姿に、


 セバリオスさんと、レオクスさんは戸惑っています。


エリナ先生「なんとなく花火でも見ようかと、

      ウルトラHDブルーレイを再生して、着替えにいっていたら、

      みなさんがいらっしゃったので。


      先生は、ちゃんと小箱にお金が入っていたので関心してます。

      遠慮なく、たくさん食べて売り上げに貢献して下さいね。」


 エリナ先生は、自分で作ったリンゴ飴の売り上げで、

 町内会主催の縁日で、もっと稼ぐつもりです。


 ここに初めて訪れたのは、

 ためぞうたちが初めてでは無いようで、

 貯金箱には、しっかり硬貨が集まっています。



 浴衣は、サービスなのでしょう。

 エリナ先生は、その容姿を利用して、

 色々と幅広く、稼いでいるようです。


 学園によくいるのも、自分の部屋の節電という理由もあったりします。


エリナ先生「先生は、ちゃんと忘れていませんよ。


      今回は、サフィリアさんの紹介編なので、

      しっかり、担任の責務を果たしたいと思っています。


      みなさんも、あくまで主役はサフィリアさんと、

      意識して下さい。


      私に、見惚れたりしてはいけませんよ。」


セバリオスさん+レオクスさん「そ、そうですねッ!!」


エリナ先生「はい、では『本日の主役』のこのタスキを、

      付けてください。」


サフィリアさん「うっ!」


 ちょっとした、罰ゲームのようですが、

 エリナ先生は時々不器用なので、

 親切心は、てんこ盛りです。

 これを着けて、外に出るのはかなりの勇気と覚悟が必要です。


エリナ先生「みなさんが、サフィリアさんとツーショットになれるように、

      席に立体視プロジェクターを用意してもらいました。


      席数は20です。


      サフィリアさんは、この3Dスキャナーの中で、

      映像をなるだけ感動的に、見つめてくださいね。」


 エリナ先生の指示によって、席替えが行われます。

 先着のためぞうから順に、特等席が割り振られていきます。


 すると、20席の机には、

 サフィリアさんのLIVE 3D映像が投影されます。


セバリオスさん「おお、まるで二人っきりのような、

        シチュエーションではないかっ!!!



        これ、マジで一個欲しいんですが。」


レオクスさん「クオリティ、めちゃ高いです!!

       まるで、吐息がかかるような感じの距離です。


       さりげなく素敵な香りもして、実に素晴らしいっ!!!」


 ですが、肝心のサフィリアさんは、

 一人称視点で、3Dスキャナーの席にいます。


サフィリアさん(・・・でも、何も言えないし、

        エリナ先生のご期待には、しっかりお応えなくては。)


 エリナ先生の恐ろしさを知る3年J組の生徒たちは、

 ご機嫌を損ねた時の末路を知っています・・・。


 そんなサフィリアさんをよそ目に、

 エリナ先生の流したウワサのおかげで、

 続々と、教室に人が集まってきました。


A氏「それがしもリンゴ飴を頂くでござるよっ!!


   昨日の夜から並んだ甲斐があったナリィ!」


B氏「なんだな、

   特大リンゴ飴を5個頂くんだなっ!!」


 入って来た順番通りに、いい席を選べますが、

 奮発して5個も買ったB氏は、VIP席に通されるのです。


B氏「おお、近いんだなっ!!」


A氏「なんとっ! それがしも買い増すでござるヨォ!!!」


 続く行列に並ぶには、最後尾に行かなければなりません、

 それはA氏の脱落を意味します。


J氏「フハッハッ!!

   早く並べばいいってもんじゃねーぜっ!!


   このイベントの張り紙の片隅に、

   米粒に字を書いたような文字で、書かれた、

   追加購入特典を読まなかったとはなっ!!!


   オレは、リンゴ飴小10個の大人買いだぜぃ!!!」


 J氏は、B氏を上回る特等席のテラスの座ります。

 セバリオスさんも、レオクスさんも、

 人が入って来る度に、席替えで後へとやられて行きます。


セバリオスさん「うおおおおっ!!」


レオクスさん「ええっーーー!!!」


 ためぞうは、サフィリアさんに1個プレゼントしていたので、

 セーフです。


ためぞう(・・・エリナ先生に、いい様に操られとるな。)


 すぐに三年J組は、満席になりました。

 遅れた人は、立ち見です。


 エリナ先生は気合で、100人くらい教室に押し込んでいます。


エリナ先生「完売御礼申し上げます。

      では、夢のひと時をお過ごし下さいなっ。」


 立ち見客は、何故かサフィリアさんが見えませんが、

 観客の中に、浴衣のエリナ先生がいるので、

 それなりに有意義な時間を過ごせています。


 この仕組みを理解したみなさんは、

 次なるイベントに備えなければならない事を、

 思い知るのです。


 部屋は、100人いても問題ないクーラーで、

 快適温度です。


 花火のムービーは、一時間で終わりました。


エリナ先生「では、次の恋愛映画、『あの夏の日の思い出。』を見たい方は、

      一旦、教室から出て、

      準備が整うまで15分間、お待ちください。


      校庭の400mグラウンドを何週したかで、

      席順が変わったりしますから、


      良かったら参加して下さいね。


      教室に残る方は、準備を手伝って頂いた後、

      ご褒美のアメを一個渡しての、退出になります。」


 野郎どもが、一斉に校庭のグラウンドに向かって、

 駆け出して行きました。


 熱いですねっ!


セバリオスさん「走りには、自信あるんだよ。

        ハッハッハッ。」


レオクスさん「わ、私も急ごう・・・。」


 ウワサは花火映像の前から流れていたようで、

 着いた時には、すでにたくさんの野郎たちが、
 周回しています。


 5~8週差くらいは、つけられているようです。


A氏「それがしのスプリント能力を見せる時が来たナリヨォ!!」


B氏「あ、後は託したんだな・・・。」


 B氏は、A氏にムービー機能付きのカメラを手渡し、

 3年J組の手伝いへと戻っていきます。


J氏「こいつぁ、B氏の為にも負けられねぇなぁ!!

   キャンプ仕込みのランニングってもんを、

   見せてやるぜっ!!」


 J氏は、15分の最適な周回速度で、歌いながら、

 素晴らしいペースで、走り出します。


 横腹が痛くなって、リタイア寸前の野郎たちを抜きながら、

 着実に順位を上げていきます。


 そのJ氏に便乗して、他の野郎たちが周回遅れを挽回していきます。

J氏「勝手に付いて来てんじゃねーっ!!」


 これはJ氏でも、どうしようもありません。

 ペースを乱せば、パフォーマンスが落ちで脱落です。


 15分の休憩時間を経て、皆が教室を目指します。

 ランニング大会と間違えたランナーたちも、

 好タイムで、集団に付いて行きました。


J氏「かんけーねぇだろッ!!」


 ワンツーフィニッシュは、やはりセバリオスさんとレオクスさんです。

 二人がスクリーンの待つ教室の入り口の暗幕を抜けると、

 そこには、エリナ先生のポップコーン屋さんがありました。


B氏「ポップコーンは、いかがなんだな?

   Sは300円、Mは500円、Lは700円、

   LLは1000円、スペシャルえりなポップは5千円なんだな。


   ドリンクは全種、250円だな。」


 なんとB氏は、販売員として復活していました。

 彼の技術力のおかげで、エリナ先生は余計にポップコーンを作れたので、

 その功績から、席を一つ頂いたのです。


 残りの席は、その時点で19に減っています。


セバリオスさん「スペシャルに、オレンジドリンクをお願い。」


レオクスさん「私もスペシャルに、放課後の紅茶をお願いします。」


 二人は、限定数5のスペシャルを買ったので、

 VIP席へと向かいます。


セバリオスさん「おお、カード付いてる!?


        ワンピースの水着姿が実いいっ!!

        凄くいいですなっーー。」


 スペシャルは1個限定でしか買えません。

 何個も買えてはレアではないのです。


レオクスさん「おお、(私のは、ビ、ビキニ姿です!!

       ・・・これは当たりなんじゃ。)」


セバリオスさん「ところで、レオクス君のは?」


レオクスさん「・・・。」


 レオクスさんは、交換覚悟でそのカードを見せます。


セバリオスさん「おお! そっちも素晴らしいね。

        気合で100週差付けた甲斐があったね、

        レオクス君っ。」


 セバリオスさんのその懐の広さに、

 レオクスさんは、我が身の未熟さを知るのです。


 そして、二人の友情はより深いものになった瞬間でした。


A氏「スペシャルと、抹茶オレを頼むでござる。

   B氏との再会に、感激したナリヨォ!!!」


 A氏は、B氏のカメラをそう言って手渡すのです。


J氏「オレもスペシャルを頼むぜッ!!

   ドリンクは、コークだっ。」


 その後に、少し送れてためぞうです。


ためぞう「スペシャル5千円か・・・。

     いや、これは、サフィリアさんの為、

     有意義な買い物としよう!!


     ドリンクは、メロンジュースで。」


 すると、ためぞうのカードは、

 まだ誰にも披露していない、サフィリアさんの白いビキニ姿が写されています。


ためぞう「おー、サフィリアさんカードだ。」


セバリオスさん+レオクスさん「何だってーーーっ!!!」


 後がつかえていたので、順番を守って皆さん席につきます。


サフィリアさん「い、いつのまに、撮られていたんですかっ!!!」


ネコx2さん(エリナ先生に頼まれていたのニャ!!

       メモリーカードは、戻ってこなかったニャ・・・。)

エリナ先生「皆さんが、協力的で先生嬉しいです。

      これは課外授業扱いになりますので、

      カードも想い出を、しっかり本編に持って帰れますよ。


      先生は商売しているのではありません。

      商売の授業をしているのです。


      皆さんの出席率が、

      夏休み明けても、こんなに多いと、

      先生は、名前の点呼が面倒になるので、


      適度に加減して、出席してくださいネッ。」


 席はあっという間に埋まり、立ち見ももう限界の数に達したので、

 エリナ先生は、3D映像のテラス席で映画の再生ボタンを押しました。


 流れてる映画の内容は、夏の青春群像を描いた健全なものでした。
  
 内容はそれなりですが、見てるシチュエーションがとても良いのです。


セバリオスさん「うん、凄くいいよ!

        この練乳がコーティングされた、
        フルーティな味のポップコーンも美味しいよね。


        3Dとはいえ、ちゃんとカップから食べてくれる彼女の姿が、

        とても、初々しく癒されるねぇ~。


        どういう仕組みで、食べてるのかなんて、考えてはいけないねっ!」


 セバリオスさんの言う、ストレートな感想が、

 サフィリアさんを余計に可愛く見せてくれます。


 恥ずかしげもなく、感想を言い続けるセバリオスさんは、

 残りの席の観客から、大いにリスペクトされています。


サフィリアさん「なんだか、恥ずかしいですっ。」


レオクスさん(ありがとう! セバリオスさんっ!!)


 こうして、あっという間に2時間が流れ、

 教室の中が、安らぎと平穏で満たされます。


 エリナ先生はB氏に、バイト代1700円と、

 エリナ先生の、未公開の水着グラビアの生写真を一枚手渡します。


B氏「じ、自分でよければ、

   これからも、使って欲しいんだなっ!!」


A氏「B氏、良かったでござるヨォ!!」


J氏「ハッハッハッ、今回のオレたちのミッションも、

   最高だったぜッ!!」


 この三人組も、友情を深めているみたいですね。


 エリナ先生が、教室の暗幕を上げると、

 外は、いい感じの夕焼け空になっています。


エリナ先生「水平線に沈む太陽は、何処から見てもきっと、

      素敵なんでしょうね。


      教室から見える風景も、時には味のあったりするものです。」


 映画のスクリーンが上がり、その下から黒板が出てくると、

 エリナ先生はチョークを取って、

 サフィリアさんの今のスリーサイズを、大きく書き始めました。


サフィリアさん「!? いつ計ったんですかッ!!!」


エリナ先生「あら、自己紹介は余計でしたか?


      先生は、十分に誇らしい数値だと思いますよ。

      越後で、しっかり弱点のウエストを、

      腹筋で鍛えてたみたいですねっ。」


 野郎たちの多くはエリナ先生を支持しますが、

 サフィリアさんが恥ずかし過ぎるのは、

 ちょっと可愛そうなので、


 その胸の奥で、サフィリアさん、腹筋頑張って、

 と応援しています。


セバリオスさん「いやー、素敵な授業でした。


        これ以上は、ある程度秘めておいた方が、

        妄想力にも影響していいと思いますが。」


 セバリオスさんは、

 ただサフィリアさんルートの楽しみを、

 取っておきたくてそう言ったのですが、


 野郎たちを説き伏せるのに、十分な言葉でした。


 本編だったら、サフィリアさんの好感度も、

 きっと上がっていたでしょうねっ。


セバリオスさん「あ、そうなの?

        ちょっと勿体無かったかな。


        ハハハッ、でも楽しかったよ。」


レオクスさん「ええ、まさか教室で、

       こんな素敵な気分になれるなんて、


       学生からやり直したいとも思える程のクオリティでした。」


 エリナ先生は、黒板消しを取ると、

 スリーサイズを消しにかかります。


 この隙に、どれだけ記憶できるかが勝負です!

 メモ等は反則扱いで、想い出ごと消されてしまうでしょう。


 エリナ先生が、黒板消しをパンパンッっと払って、

 ホームルームに移りました。


エリナ先生「はい、みなさん。

      夏休みの宿題など、どうでもいいので、


      今年の夏休みを来年になっても思い出せるくらい、

      充実した毎日を送って欲しいと思います。


      以上で、課外授業は終わりです。


      気をつけて、帰ってくださいね。」


 生徒もそうでない人も、エリナ先生に一礼して、

 きちんと後片付けして、教室を後にしていきました。


 いい笑顔です。


 エリナ先生も貯金箱を見て、

 いい笑顔になっています。


エリナ先生「サフィリアさん、

      今日はためぞう君のお家に行って、

      エリスお姉さんと一緒に、お泊りして来ていいですよ。


      先生は、保護者の方たちにちゃんと説明してありますので、

      越後の事は、家臣さんと弟さんを信頼して、


      いい思い出を作ってくださいね。」


サフィリアさん「あ、ありがとうございますっ!


        あの、レミーアさんも誘って良いでしょうか?」


エリナ先生「いいんじゃないでしょうか。


      本日の主役は、サフィリアさん、

      貴女なのですから。」


 急にタスキが恥ずかしくなってきた、サフィリアさんです。


セバリオスさん「ためぞう君、今夜も実況よろしくねっ。」


レオクスさん「た、ためぞう君、感謝してます。」


ためぞう「了解っす、テントからバッチリ、

     実況しますので、ご期待くださいっす。」


 こちらの三人組も、友情を深め合っていますね。



サフィリアさん「では、またですーー。 ^-^ 」

『エリスねーさん』

2016年08月22日 18時05分31秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


    ( ↑ 髪の色は、光の加減によって、
  
        春の草原や、ディープな抹茶グリーンまで、
  
        調節が出来る上、
  
        本来の青い瞳を、今はブラウンに変化させています。
  
  
        容姿レベルをほぼ際限なく上げられ、若ささえも調整出来る、
  
        ミラクルおねーさん・お嬢さんな感じです。
  
  
        本人は意図的に、その事実を、
  
        すっかり忘れさせられています。
  
  
        知らないうちに、ねーさんは、
  
        『伝説の女神様』から、


        『OLさん』へとクラスチェンジを果たしたのです。
  
 
 
        多分そうしたのは、
  
        アリス会長さんか、セバリオスさんです。)




   『エリスねーさん』




エリスねーさん「なんで紹介から、『ねーさん』!?


        ・・・だってほら、

        あたしだって、なんと言うか、

        出会いとか期待してるわけよ。


        『ねーさん』って立ち位置、ハードル上がんね?」


 世の中には、包容力のある女性に憧れる殿方も、

 結構、いらっしゃると思いますよ。


 ほら、若い子って、年上のキレイなお姉さんに、

 淡い想いを抱く方、マンガとかでも見た事ありません?


エリスねーさん「・・・ある気はする。


        でも、年下かぁー。

        い、嫌じゃないのよ。世間様が、優しく見守ってくれるなら、

        年月と共に、頼りになってくれたりするでしょ?」


 そうですねー。(まず、セバリオスさんの妨害を超える程の、

         逞しさがあれば可能かとは思いますが・・・。


         エリスさんには、みんなを安心させる、

         そんな清涼剤のような存在で、あってもらいたいのです。


         抜け出してはダメなのです。

         むしろ、抜け駆けさせるくらいの、広いお気持ちでw)


エリスねーさん「・・・沈黙長いんですけど、

        あたしの自己紹介はいいから、


        ためぞうの第二話(2.01話(仮))の方、

        よろしく頼むよぉ。」



 ためぞうが、あらわれた!



 どうする? → 倒す。

         話し合う。



エリスねーさん「登場、安いな・・・。


        おう、どうしたの?」


ためぞう「お、ねーさん。

     オレも何が何だか、いきなり飛ばされて来た。」


 エリスねーさんとためぞうは、

 エリスさん家のこたつのある、居間に座っています。

 こたつ布団は、ふとん圧縮袋で、押入れの中です。


エリスねーさん「お布団はまた、お世話になるので、

        大事にしております。


        ためぞう、元気でやってる?


        ためぞうが毎日、家にいた頃に、

        早く戻るといいな。


        あたしはお泊り会、

       (エリスねーさんをシェアし、敬愛する女子会。)のおかげで、

        いつも、ワイワイはしてるんだけど、


        ためぞうがいない毎日は、

        ちょっと心の何処かにすきま風だぞ。」


ためぞう「ねーさんは面倒見がいいからなぁ、

     すごく有り難いんだけど、


     ほら、オレって試練山盛りだろ?

     戻って来ても、外でテントだよ。


     アリス会長さんのおかげで、

     妹のシオンさん(みんなは女の子だと思い込まされている。

     きっとバレても、その記憶は残らないです。)

     とのテント暮らしって、


     結構、ハードなワケよ。」


エリスねーさん「そもそも、なんで年頃の男女をテント暮らしさせようとする、


        こほん、(会長さん、ためぞうと家族になりたいのかな・・・。)

        会長さんの、感覚が、いまいちわかんないんだよねー。


        しかも、会長さんに匹敵するスーパー美少女じゃん。

        ためぞうのラッキーが、激しくスパークして、

        ためぞうの幸運が、失われている気がしないではない。」


 エリスねーさんとためぞうは、

 実の姉弟のように、気が知れています。


 昔は、このポジションに古蔵さんがいたそうな・・・。


ためぞう「すまない、古蔵さん。

     でも、オレは古蔵さんを信じてるよ。


     マスクマンという初期の逆境を乗り越え、

     すっかり愛されてる、

     古蔵さんのそのネコラブ感は、


     いまは、その変なマスクさえ誇らしい、

     ユニークな町の名物になってるよっ。」


エリスねーさん「そーだよねー。


        古蔵は、関心なほど、

        いいヤツに成長してる。


        てか、このコーナーって、

        あたしの自己紹介なんだよね?


        ためぞうが出てるなら、それで別にいいんだけど。」


 実は、人物紹介編の、

 ためぞうの出現率は、本編の冒険より設定が高いのです!!


エリスねーさん「本編で、出してやってよっ!!


        ・・・まず、自己紹介って何やればいいんだろう。」


 おまかせ下さいっ!

 ちゃんとオートで、表示されちゃうのです。


 本人の意思など、まったくの無視ですが。


エリスねーさん「ちゃ、ちゃんとしてよ、

        あたしの事も、ためぞーの事も!!!」



 ・ 長崎ドラゴンタウンに、ある会社のOLとして、

   働くお姉さんが、エリスさんです。


   23才、そのままいない歴ですが、

   男女問わず、好意を持たれていて、

   そのハードルを、とある上司さん(セバリオスさん)が、

   密かに上げて、出会いを阻止しています。


エリスねーさん「えっ?

        中盤から、聞こえなかったんですけど。」



 ・ 不動産会社の社長さんと仲いいので、

   その若さで、ガレージ付きの立派な一軒家を持っています。


   いろんな社長さん、会長さんと仲が良く、

   OLのわりに、オフィスより営業に出てしまう、

   その性格から、


   会社への貢献度(いろんな会社とのコネを作りまくる)がバツグンで、

   同じ社員の男性達が憧れても、声をかける勇気が持てないほど、

   その存在は、社内で輝いています。


   趣味がバイクという事で、

   バイク仲間から、雑誌記者へとウワサが伝わると、

   あっという間に、モデルデビューを果たし、


   今では様々なファッション誌や季刊誌、グラビア方面などでも、

   大活躍中です。


   容姿端麗で、ナイスバディーなお姉さんは、

   世の男子たちを惑わし、

   実は、かなり多くの方から、憧れられたりしています。


   そこが、逆に声を掛けづらいポイントで、

   ちょっとした、高い所に咲く花のようになっていますネ。


   今は、みんなの「エリスねーさん」でいいネっ。っと、

   周りの女子たちも、率先して、

   近寄る男たちをブロックしています。


   気さくで、ふつーに話しかけて来てくれる、

   かなり近い存在ではあるので、


   逆に、自分への好意が近すぎて見えないのか、

   そういう色恋沙汰に、かなり鈍感になっています。


   進行形で、ラッキーいっぱい取りこぼしてますネッ!!



エリスねーさん「何か紹介されてるの?


        聞こえにくくて、仕方ないんだけど。」


ためぞう「ちゃんと紹介されてるから、安心していいと思う。」


エリスねーさん「そーなの?

        うん、わかった。」


 エリスねーさんは、今日はお仕事お休みなので、

 清涼感漂う、白のワンピースです。

 腰の水色のリボンが、そのウエストの細さと、

 スタイルの良さをアピールする、ワンポイントになって似合っています。


 ためぞうが、テーブルの水を軽くひっこぼしてやれば、

 たわわに実った、その素敵なバストラインが、

 浮き出てくることでしょう。


ためぞう(するかーっ!!!


     ・・・何なんだ、この微妙な試練の匂いは。

     せめで、この居間くらい、安全地帯にしてくれよ。)


 たまたま、新名所のネクサスビルで、

 設置された展望台の、高感度の望遠鏡を仲良く見ていた、

 セバリオスさんとレオクスさんは、

 胸の奥で、おしいっ! っと思いながらも、


 ねーさんのくつろぐ姿が丸見えな、この望遠鏡が、


 誰でも活用出来るという事に、問題点を見付けました。


セバリオスさん「どんなメガネを使っても、見る事が出来なかった、

        あの謎のこたつエリアが、


        何故、これで見えてしまうのだっ!!!


        見る気、満々だったが、

        100円入れれば、誰でも10分見れるのは、

        私には受け入れがたい事だよ。


        安すぎでしょ?」


レオクスさん「つっ込むとこ、そこですか・・・。


       (すでに試していたんだ・・・、

        相変わらず行動力は凄いなぁ。)」


 ドラゴンタウンは、わりと健全な町なので、

 あちこち、覗き防止フィルターがかけられています。


 仕掛け人は、アリサ副会長さんですが、


 これは、人の進化を加速させる『妄想力』の活性化の為に、

 重要なブロックなのですっ!!


 ちなみにアリサ副会長さんには、しっかり見えています。

 綺麗ごとを並べ立て、自分だけは恩恵を受けているアリサ副会長さんですが、


 セバリオスさん、レオクスさんクラスになると、

 彼女の科学のフィルターも、道具次第で突破されてしまうようです。


 そんなアリサ副会長さんは、アニメフェスIN有明リゾートに、

 まるで別人となって、コスプレ参加中です。


 ためぞうの親友、ホーネルもコスってます。


 見た目、ネコ耳金髪セクシーキャラのアリサ会長さんは、思います。


アリサさん「うふふ、エンジョイしちゃってますねー、

      私たちも、楽しまなくっちゃニャー!!」


 違和感ゼロで、

 麗しの女剣士している、ホーネル王子。


ホーネル「だよねーっ、

     期待と妄想と迷走のマジカルワールドで、

     今年も夏の祭典だネッ!!」


 声まで、声優さんそっくりなホーネルの周りには、

 たくさんの人だかりが出来、シャッターぱちぱち眩しいです。


A氏「さすがホーネル氏、

   素性を知らねば、甘い夏の誘惑に、

   心を奪われていたでござるヨッ!!」


B氏「隣のネコ耳美少女は、誰なんだなっ?

   と、とにかく連写しとくんだなっ!!」


J氏「ハッハッハッ、

   流石に、あの激しいコスプレ修行をコンプリートしただけの完成度だぜ。


   輝いてるぜっ、副会長さんッ!!」


 そして、話はIN有明から、

 ドラゴンタウンのネクサスビルの方に戻ります。


 そこには、目のふちに型が付くくらい、

 望遠鏡を覗き込んでるセバリオスさんと、

 周りをチラチラ気にしているレオクスさんがいます。


セバリオスさん「いやーっ、個人的に一つ欲しいが、

        いざ見えてしまうと、想像力という夢が失われるな。


        見えそうでみえない、その絶妙なチラリズムが、

        私の渇望にも似た願いを、

        豊かに満たしてくれる、素敵な想いの力なわけだが。」


 セバリオスさんは、場所を気にせず、

 普通に大声で話しているので、周囲の殿方に丸聞こえです。


レオクスさん「マナーモードで、トランシーバー使いませんか?」


 レオクスさんは、たまたま見えただけで、

 見えるのは良くないと本気で思っています。


 でも、セバリオスさんにも、

 共に健全でいて欲しいと願う、

 いい人、レオクスさんです。


レオクスさん(セバリオスさんは、もちろん心の友ですっ。


       実際、セバリオスさんは、

       エリスさんと付き合い長いですし、

       セバリオスさんに、引け目を感じないとはいいません。


       でも、想う気持ちの純度は、同じですよね?)


 ここから、二人の会話はマナーモードになって、

 誰にも聞こえなくなってしまいます。


 展望台には、セバリオスさんの一言で、

 居合わせた殿方たちの行列が形成されつつありますが、


 何故か、100円玉いっぱい持っているセバリオスさんが、

 二つしかない高感度望遠鏡を占拠して譲りません。


セバリオスさん「亀吉さんに断わり無く、

        このレアな望遠鏡にフィルターをかけるのは、

        気が引けるが、


        ここは、より良きな街づくりの為、

        心を鬼にして、細工させてもらおう。」


レオクスさん「おおぅ!? セバリオスさん、

       行列に亀吉さんの姿がっ!!」


セバリオスさん「ほほう・・・。」


 ウワサを聞いて、並んでみた、

 ビルのオーナーの亀吉老人です。


 セバリオスさんは、瞬きモールス信号で、

 亀吉さんとコンタクトします。


セバリオスさん < 「えー、ビルの完成おめでとうございます。

           エリスのチチが見たいんですか?」


> 亀吉さん「若いものには、負けんけんねっ!!

       グラビアは、毎回買っちょる方じゃよ。」

       (亀吉さんは、ちょっと方言があります。)


セバリオスさん < 「見て思い知ったのです。


           やはり、妄想の方が有意義だと。


           ためぞう君に水こぼす勇気あれば、

           間違いなく、心は揺れていましたが。」


> 亀吉さん「・・・確かに、

       昔、まだDVDやグラビアなどなく、

       世の中がまだ、レッツゴー! ヤングを目指していた頃は、


       文学やチラシから得る、

       妄想力だけが、唯一の憩いであった。


       見えてしまっては、その醍醐味も色褪せてしまうんかいのー。


       じゃが今は、便利過ぎるが故の不便さというものを、

       感じる新世紀ではあるのも、否定出来んではないのー。」


セバリオスさん < 「ここは、保留にしときませんか?


           妄想力が枯渇した時の、ピンチに頼るくらいの、

           秘密兵器として。」


> 亀吉さん「・・・極めるに難しき道なればこその、

       到達した時に見える世界の美しさは、わからんではないのじゃが。


       さすがじゃ、セバリオスさんッ!!


       上手くフィルターを、かけちょって下されっ。」


 オーナーの許可がおりました。


 > 亀吉さん「それでも一応、気合で見て見るけんねーっ!!」


セバリオスさん「さて、許可が出たが、

        どうしようレオクス君。


        ハンパ無い眼力とパワーを誇る、

        東方の偉大なる達人の、亀吉さんにも、

        見えないフィルターって、どうやってつければいいかなぁ?」


レオクスさん「今度は、覗いても見えない方のロマンですか!?


       ・・・ためぞう君に聞いてみるしかないのでは?」


セバリオスさん「だねっ!」


 わりと便利に使われてるためぞうです。


 そのこたつエリアにいる、ためぞうに、

 マナーモードでトランシーバーに、連絡が入ります。

 
ためぞう(・・・エリスねーさんが見えてて、ロマンがないからって、

     フィルター付けるとか、


     ねーさんには、絶対言えん・・・。


     たぶん、マイオストの部屋にあるだろうから、

     せりかさん、いや、ホーネルに頼もう。)


ためぞう「ねーさん、ちょっと電話借りるねっ。」


エリスねーさん「おう、

        あ、ついでにおせんべいか何か、

        取ってきてー。」


 いくらマナーモードでも、

 目の前でそんな話をするわけにはいきません。


 この便利道具を取り上げられたら、

 セバリオスさんと、レオクスさんのロマンが一つ、

 失われてしまうのです。


 ためぞうは、昔なつかしのアナログ風の電話から、

 ダイヤルを回して、ホーネルのスマホに連絡を入れます。


ホーネル < 「やぁ!

        もしかして、フェスに参加したいの?」


ためぞう > 「すんません、間違えましたっ!!」


 っと、ためぞうは一度電話を切ってしまいます。


ためぞう「知らない女性の声が聞こえたぞ・・・。

     いや、何処かで聞き覚えがある気が。」


 すると、ジリリリリンッ! っと、

 電話が鳴り始めます。


ためぞう < 「はい! エリスねーさんの家の、

        ためぞうですっ!!」


> ホーネル「なんで途中で切っちゃうの?

       コスプレしてるって察してよ、ためさん。


       撮影会の最中だからねっ。」


 ためぞうは、完全にコピーされたその声優さんの美しい声に、

 やはり、ホーネルは出来るヤツだと、改めて思い知ります。


ためぞう < 「イベント終わってからでいいから、

        ネクサスビルの望遠鏡の特に高感度のヤツに、

        細工しといてもらえないかな?


        で、出来たらでいいんだけど。」


> ホーネル「うん、わかったー。


       PTAモードにしとけばいいんだよね?

       ああ、そういえばアレ、

       今は無き、マスオストさんが亀吉さんに挨拶した時の、

       お土産だったね。


       裏側に切り替えスイッチあるよ。

       切り替えは楽だけど、戻すのにパスワードがいるから、

       そこひねればOKだよ~。


       ボクもそれ、持ってるからパスは知ってるよー。」


ためぞう < 「ありがとう、ホーネル。

        イベント頑張ってねっ!!」


 ためぞうは、ホーネルのその声が、

 ドキッっと胸に響いて、仕方ないので、

 用件だけ聞いて、切り上げました。


 好きな声って、聞き続けていると、

 変な気分になっちゃいそうですネ。


ためぞう「・・・オレが、油断出来んのは、

     何処でもかわらんのか。


     そもそもコレ、

     ねーさんの自己紹介なのに、

     趣旨、間違ってるよね?」


 ためぞうは、マナーモードで、

 丁寧にセバリオスさんに、その望遠鏡の操作法を伝えます。


 再度、ネクサスビルへと舞台は戻ります。


 そこには、望遠鏡に型が水中眼鏡の後っぽくなっても、

 見続けるセバリオスさんと、


 レオクスさんに代わってもらった、オーナー亀吉さんが、

 エリスねーさんを見守り続けています。


セバリオスさん「・・・、そんな仕組みだったんだね。


        ここは、迷うよね~、

        今、操作しちゃうか、


        せめてためぞう君が、勇気を持って、

        水鉄砲で遊んでくれるのを待って、


        すっきり気分で、フィルターかけるかだよね。」


 レオクスさんは、トランシーバーを亀吉さんに渡しているので、

 話が聞こえていません。


亀吉さん「こりゃ、古蔵君に頼んで、

     水遊びセットば、届けてもらわんといかんねっ!!」


 そして、エリスねーさん家に、

 ネコのマークの宅配便の、古蔵さんがやってきます。



   ピンポーーンッ!



エリスねーさん「はーいッ。」



   ガラガラガラ~~ッ。



古蔵さん「ねーさん、ちわっす。


     亀吉さんとセバリオスさんから、

     メロンとパワーシュート水鉄砲が入ったおもちゃの、

     お届けです。


     サインかハンコ、お願いしますー!」


 玄関へとやって来たエリスねーさんは、

 受け取りにサインすると、メロンの箱の方を古蔵さんに渡します。


エリスねーさん「古蔵、エライな!


        メロンは、古蔵が貰っちゃえよ。

        この箱で、この重さなら、

        高級メロンが二つは入ってるぞっ。」


古蔵さん「いい風が、自分にも吹き始めましたネ。


     仕事、はやく終わらせて、

     ドラゴン港の事務所に持って行って、

     みなさんで頂きたいものです。」


エリスねーさん「おお、

        ちゃんと有効に使えてるじゃん!


        ノルン姐さんも、鈴木さんも、佐藤さんも、

        いれば、エストさんも喜びそうだな。」


 古蔵さんの進歩に、ねーさん嬉しそうです。


 古蔵さんが、迅速に次の配達先に向かうと、

 まるで子供が宝物を見るように、

 カッコいい水鉄砲を、手にとって見つめるエリスねーさんです。


ためぞう「・・・威力凄そうだな。」


エリスねーさん「なあ、庭でためし撃ちしないかっ!!


        面白ければ、もっと買って、

        みんなで遊ぶぞっ!!」


 ワナにまるで気付いていない、ねーさんに、

 ためぞうは、ささやかな助言をするのです。


ためぞう「とにかく、下に水着くらいつけときなよ。


     そのまま、スケスケ見せられるのは、どうかと思うぞ。」


エリスねーさん「はっ!?

        さすが、ためぞう。


        いざって時に、水着忘れない為の、

        心がけってヤツだな。


        パッパと着替えてくる~。」


 エリスねーさんは、

 バタバタとクローゼットのある部屋へと駆けて行きました。


 家にためぞうだけだと、

 とんでもなく気が緩んでしまう、エリスねーさんです。



    ピンポーーン!



ためぞう「はーいっ。」



    ガラガラガラーッ。



エリナ先生「ごきげんよう、ためぞう君。」


 っとそこに、自前の水鉄砲を持った、

 エリナ先生がやって来ました。


 その後に、同じように水鉄砲を持った、

 銀髪の美少女、サフィリアさんも何故かいました。


ためぞう「おおっ、

     もう、セントラル越後から帰って来たんですか?」


サフィリアさん「えっと・・・。


        (エリナ先生が、ローゼさんのお父様の、

         プライベートジェットで迎えに来たのは、

         口止めされていますので・・・。)」


エリナ先生「ためぞう君は、細かいことは気にしません。


      ですね、ためぞう君?」


 ためぞうは、この町で生き残る為に、

 この幸運を素直に喜ぶのでした。


ためぞう「ささ、上がってくださいっ。」


 こうして、着替え終わったエリスねーさんと、

 準備万端のエリナ先生とサフィリアさんは、


 夏の戦場となる、

 ガレージ付きの広い庭に出たのです。


エリナ先生「ためぞう君、貴方も参加するのですよ。

      先生は、この勝負の為に、

      わざわざ、サフィリアさんに来てもらってるのですから。」


サフィリアさん「え、私ですか!?」


 サフィリアさんは、エリナ先生が用意した、

 白のワンピースを着ています。


 清純なイメージのサフィリアさんは、

 その爽やかさキープしつつ、


 服の上からでも分かる、

 ナイスなボディを控えめに見せる為、

 ゆるい感じで、腰のリボンを結んでいます。


 その服がエリスねーさんとお揃いなのに気付いた、

 サフィリアさんは、

 何だか感激で、こう発したのです。


サフィリアさん「エ、エリスさんとお揃いだったなんて、

        すごく嬉しいですっ。


        もちろんこれって、

        エリナ先生にお返ししなければならない、ですよね?」


エリスねーさん「おお、ホントだーっ。」


エリナ先生「いえ、それはサフィリアさんに差し上げたものです。


      きっと、似合うと思って、

      エリスおねーさんの後に、同じ物をレジに持っていったのです。


      あの広いデパートで、

      偶然、エリスさんを見付けるなんて、

      先生は、運命を感じたのです。」


 そう語るエリナ先生は、メロンのプリントがしてあるシャツと、

 スイカのワンポイントの入ったスカートの、デザートコーデです。


 これはもう、サフィリアさんの家から、

 いいメロンとスイカが送られて来そうな予感です。


サフィリアさん「もちろん、送らせていただきますっ!!」


 そんな乙女達のやり取りを見つめているのは、

 ネクサスビルのセバリオスさんと、亀吉さんだけではありませんでした。


 ふつーに、とんでもなく目のいい、

 視力100.0以上の実力を持つ、


 ベレー帽をかぶった、カジュアルTシャツに、

 ホットパンツ姿のレミーアさんです。


 レミーアさん、庭先でその光景を立ち止まって見つめています。


エリスさん「おっ、レミーアさんじゃん!

      こっちおいでよっ。」


 その言葉をねーさんが発した瞬間、

 エリナ先生の持つ、強烈な威圧感の見えない壁が開かれました。


エリナ先生「ささ、今はサマーですから。

      先生の服、可愛いと思いませんか?」


レミーアさん「思うっす・・・。」


 これで、レミーアさんからのフルーツも期待出来そうです。


レミーアさん「も、もちろん送りますよっ!!」


 その返事にご満悦のエリナ先生は、

 「えりな」と書かれた手さげ袋から、

 ねーさんとお揃いのワンピースを取り出すのです。


エリナ先生「さあ、これに着替えてらっしゃいな。

      差し上げますので、下はちゃんと水着を付けるのですよ。


      水着持ってないなら、見学になりますネ。」


レミーアさん「ワンピースありがとうございますっ!!


       実は水着は、持ってますよ。

       いかなる突発イベントも、取りこぼさないようにと。


       フルーツ、期待して下さいねっ!!」


 エリスねーさんとエリナ先生に、ペコッと一礼して、

 レミーアさんは、家の中に着替えに入っていきます。


エリスねーさん「エリナ先生、慕われてるのなぁー。


        今後も、ためぞうをよろしくお願いします。」


エリナ先生「いえいえ、それは褒め過ぎです。

      煽てられても、手加減はしませんからねっ。」


 ニコニコと微笑むエリナ先生が、

 逆に恐ろしく思えた、ためぞうです。


エリナ先生「ルールは、特に知りませんが、

      水鉄砲が足らないのでは、ためぞう君が審判ですね。


      ためぞう君が、ビシビシ水をかけまくる勇者さんなら、

      先生が審判でも、構いませんが。」


ためぞう「喜んで、主審を勤めさせていただいますっ!!」


 こうして、エリスねーさん+エリナ先生チームと、

 サフィリアさん+レミーアさんチームの戦いが幕を開けました。


 一方、ネクサスビル展望台エリアには、

 とんでもなく長い行列が出来ています。


 望遠鏡はたくさんあるのですが、

 特別な二つの望遠鏡以外は、通常営業といった感じで、


 その二つだけに、たくさんの殿方が、

 涼を求めて列を成しています。


セバリオスさん「おおぅ!

        ナイスアタックッ、エリナ先生っ。」


亀吉さん「サフィリアさんは、何とも凹凸のハッキリした、

     ナイスなバディじゃわいっ。


     あれは、学園のスクール水着ですかな?」


 服に水が当たって、水着が透けて見えるようです。

 レオクスさんは、右に左にと、

 二人の興奮する姿を見ていますが、


 セバリオスさんも、亀吉さんも、

 100円玉を高々と積み上げており、譲る気配は全くありません。


 あのセバリオスさんと、亀吉さんが、

 ヒャッホウする光景が繰り広げられている、

 そんな中、


 レオクスさんは、席を譲ったことをちょっぴり後悔しながらも、

 二人のその歓喜の様を見ても、


 良かったですねと本気で思ってしまう、

 その人の良さを醸し出していました。


亀吉さん「ビーチで見る水着も良いが、


     このチラ見せ感たっぷりの、水着勝負も、

     水しぶきが虹色に跳ねて、

     なんとも赴きのある、美しさじゃのう・・・。」


セバリオスさん「エリナ先生、凄く上手いけど、

        肝心のそのエリナ先生に、まったく当たってないよっ!


        レミーアさん射的得意なんだから、頑張ってネッ。

        応援してるよっ!!」


亀吉さん「レミーアさんのあの美しくしなやかなビキニ姿も、

     かなりの高得点じゃー。  


     じゃが、エリナ先生の動きが、

     神業過ぎて凄すぎじゃわいっ!!」


 そう言ってご満悦な亀吉さんは、

 会議の時間が来たので、レオクスさんに席を戻すと、


 ゴツイSPたちに囲まれながら、

 笑顔で去って行きました。


 ついに、レオクスさんの番が回って来ました。


レオクスさん「こほん・・・、

       では、失礼しますねっ。」


 そのワクワクを胸に秘めたレオクスさんが、

 そのレンズを覗き込んだ時ですっ!!


レオクスさん「えっ!?」


 待ち望んだ光景が一度ブラックアウトして、元に戻ると、

 ありふれた風景に変わっていたのですっ!!


セバリオスさん「どうかしたの、レオクス君?」


レオクスさん「セバリオスさん、下、気をつけてっ!!」



  パチンッ!!



 望遠鏡の下にある切り替えスイッチを、サフィリアさんのネコさんx2が、

 さらっと、ノーマルモードに変更しちゃったのです。


ネコさん I (エリナ先生に、教えてもらったのニャ!!!)


ネコさん マーク II (われ等が姫様は、この越後のネコが守るのニャー!!!)


 ネコさんたちは、大きな無線機を取り出しました。



ネコx2さん < 「こちら、ブラボーIII

          軌道ネコジャラクシー、応答願う。」


> オペレーター「こちら、軌道ネコジャラクシー。

         どうやら、無事ミッションを遂行したようだな。


         後は、貴殿らの無事な生還を祈るとしよう。」


ネコx2さん < 「救出のエージェントとか送ってくれないのかニャ?」


> オペレーター「無理だ、ブラボーIII

         かの御二方を相手にするには、こちらの戦力は不足している。


         幸運を祈る・・・、投げやりなのはわかっている。


         君たちの栄光は、我々が責任を持って語り継ぐ。


         グットラック!!」



 通信が終了したようです。


 青ざめたネコさんたちを、

 セバリオスさんとレオクスさんが、じっと見つめています。


セバリオスさん「サフィリアさんの、ネコちゃんたちだからねー。

        いずれ、家族同様になるかもだし、


        仲良くしないとねーっ。」


レオクスさん「ですよねー。


       サフィリアさんがこっちに帰って来てるってだけで、

       より夏らしく感じたとこですよー。」


 その二人の微笑む姿に、

 ネコx2さんは、ビビっています。


 そんなネコさんたちは、学園に入学する前に、

 上杉の本家で撮った、サフィリアさん15才の、

 レアな写真を、そっと差し出すのです。


セバリオスさん「おーー、

        でも、さすがにこれは受け取れないかな。


        ネコちゃんたちが悲しむと、

        きっと、サフィリアさんも悲しむから。」


レオクスさん「ほ、ほし・・・、


       そ、そうですよ、コホンッ。


       これはネコさんたちの大事なメモリーです。

       そんな素敵なものを貰うわけにはいきませんよ。」


ネコx2さん「カラーコピーなら、受け取ってもらえるかニャ?」


 セバリオスさんとレオクスさんの瞳が輝いています。

 ネコさんたちは、すばやく写真屋さんのあるコーナーに向かって、

 ダッシュしていきました。


 これは、エリスねーさんの紹介編ですが、

 それで、お二人はOKなのでしょうか?


セバリオスさん「サフィリアさん編で、

        あんなレア物が手に入るとは、限らないからネッ!!


        むしろ、そっちでエリスのレアなヤツとか手に入ると、

        嬉しいなぁー。」


レオクスさん「・・・ここだけは、見逃してもらえませんでしょうか。


       まったく見れなかった無念さも、

       きっと晴れわたる青空のような笑顔で、

       笑えるような気がするんです。」


 ・・・そ、そうですね。


セバリオスさん「でも、一番青春してるのは、

        審判やって、LIVEで見てる、

        ためぞう君じゃないかな?」


レオクスさん「さすが、セバリオスさん。


       ですよねー、

       比較にならないくらい、青春ですよねーっ!!」


 実は、そのためぞう君はですね、

 開幕からゴーグルに、エリナ先生からペイント弾当てられちゃって、


 見えないまま放置なんですよね・・・。


セバリオスさん「え、そうなの!?


        ためぞう君、報われないねー。」


レオクスさん「私たちで、ためぞう君を支えましょう!!


       私たちがいい想いが出来るのは、

       ためぞう君の功績なんですからっ。」



 ウォーターガールたちは、

 その白熱した戦いで、ためぞうの事を気付けないでいます。


 誰かの視線に、ためぞうのゴーグルが入ると、

 そこからエリナ先生が、スプラッシュを浴びせて来るのです。


 まだ、メロンのシャツに一粒の水滴すら寄せ付けずに、

 アクロバティックな動きで、あらゆる水分をかわし続けるエリナ先生。


 もう、達人とかそんなレベルではありません。

 インチキです。


 三人をずぶ濡れにしておいて、

 しぶきの一つすら寄せ付けない、エリナ先生に対し、

 皆の想いは一つになります。


エリスねーさん「一人だけ無事なんて、違うと思うよー。

        みんな、楽しく涼もうよっ。」


 エリスねーさんが、

 サフィリアさんと、レミーアさん側に付きました。


エリナ先生「ウフフッ、良いでしょう。


      では、そろそろ私も本気を出してもいいでしょうね。」


エリスねーさん「えー!?

        あれで、手抜きだったの!!!」


レミーアさん+サフィリアさん「マ、マジですか・・・。」


 エリナ先生は、

 隠されしもう一つの、

 ハイパージェット・ウォーターシューターを取り出し、


 両手持ちするその姿は、まさに水辺のエンプレスです。


レミーアさん「・・・それあるんなら、

       ためぞうさん、参加出来たのでは?」


 エリナ先生は、そんな事では動じません。


エリナ先生「ためぞう君にこれを渡すと、

      見たい相手がバレてしまうのですが、


      心の準備は、お出来かしら?」


 これには、サフィリアさんもレミーアさんも、

 固まっています。


 急ピッチで、心の準備を進めているようです。


 ちなみにレミーアさんと、エリスねーさんは、

 どちらもビキニで、もう丸見えです。


エリスねーさん「ビーチなら、最初から見えてるんだから、

        いいんじゃね?」


 淡い恋心を抱く男のロマンを、

 エリスねーさんでは理解出来ません。


 グラビア出過ぎて、水着姿には、自信満々なのかもしれませんね。


エリスねーさん「ちげーよっ!!


        そりゃ、相手によっては緊張するだろうけど、

        ためぞうだよ?


        なあ、ためぞー、

        お前も、なんか言ってやれって、・・・ええっ!?」


 この時、三人の乙女さんは、

 始めてためぞうの置かれた状況に気付きます。


 なんとためぞうは、見えないゴーグルどころか、

 空気椅子でプルプル震えながら、

 汗だくで、放置プレイに耐えていたのですッ!!


エリスねーさん「なんで、ためぞーだけ、

        ゴーグルで目隠しされて、


        筋トレやらされてんのッ!?」


 この時、レオクスさんを乗せたセバリオスさんのリムジンが、

 到着していましたが、外側から庭の様子を伺う事は出来ませんでした。


レオクスさん「バ、バリアー!?」


セバリオスさん「エリナ先生凄いなぁ、

        あの望遠鏡なしでは、ここまで来ても見えないのか。」


セリスさん「ああ、これって男子には見えないんですねっ。

      結構、楽しい事になってるみたいですよ。」


セバリオスさん「セリス、実況お願い。」


セリスさん「はーい。」


 見えないバリアのおかげで、

 近付くことも出来ませんが、セバリオスさんとレオクスさんは、

 サフィリアさんの可憐な成長記録の一枚の想い出と共に、

 実況+妄想力で、十分に楽しんでいます。


 拘束を解かれたためぞうは、

 エリナ先生にこう問われるのです。


 エリナ先生「貴方が欲しいのは、

       このノーマルのパワーシューターですか?


       それとも、水着ごと服を吹き飛ばしかねない、

       このハイパージェット・ウォーターシューターですか?


       まあ、どちらを選んでも、

       かなり鮮明に、スケスケに出来ますが。」


 ためぞう「難易度、上げないで下さい。


      簡単なヤツでいいんで、なんかもう一個ないですか?」


 ためぞうは、エリナ先生の太もものガンホルダーで温められていた、

 ちっちゃい水鉄砲を受け取りました。


ためぞう「・・・。(早く水を入れて、何とかせんと、

     あらぬ誤解を招きそうな場所から出てきたな。)」


観戦中のセバリオスさん「うらやましいよ、ためぞう君っ!!」


レオクスさん「セバリオスさん、落ち着いてっ。」


 早くエリナ先生をずぶ濡れにしたい、エリスねーさんが、

 ガレージの蛇口で、ためぞうの水鉄砲をチャージしてくれました。


エリスねーさん「ためぞう、作戦とかある?

        まともにやっても、きっと勝てないから。」


 エリスねーさんを中心に円陣が組まれていますが、

 すでにサフィリアさんも、レミーアさんも、

 かなりくっきり水着見えてます。


ためぞう「(お、落ち着けオレ。

      夏っぽいイベントだが、流されるな!!


      たぶん、これもエリナ先生のワナだ。

      うかつに見惚れていると、

      最期までオモチャにされて終わってしまうぞっ。


      でも、・・・この光景に感謝です、エリナ先生。)」


絶叫のセバリオスさん「ためぞう君ッ、私も混ざりたいぞォ!!!」


レオクスさん「お、落ち着いてください、

       ご近所さんにご迷惑ですからっ。」


 白熱するセバリオスさんに引き寄せられるように、

 観衆が集まってきます。


 殿方は見えませんが、お絵かきおねーさんとなった、

 セリスさんが、

 クリアボードにイラスト付きで実況してくれるので、

 そのLIVE感は、ハンパありません。


 まるでパラパラマンガに迫る速度で描きながら、

 完璧に実況をこなしています。


 円陣の中、ためぞうは、

 三人の乙女さんに、作戦を伝えます。

 その名は、『メロン作戦』です。


ためぞう「エリナ先生の動きを見て撃っても、

     当たらないので、

     シャツのメロンを的にします。


     先生は、何気にメロンをアピールしているので、

     メロンのプリントだけは見えるはずです。


     他を狙っても、バケツで水をかけまくっても、

     メロンのプリントと、スイカのワンポイント以外は、

     絶対、濡れないでしょう。



     スイカマークは的が小さすぎるので、

     スイカより、メロンの方でっ。」


 この作戦が功を奏し、エリナ先生のトリッキーな動きの中、

 メロンだけは、目視出来る事が確認できました。


 ねーさんも、サフィリアさんもレミーアさんも、

 もうべっちゃべちゃに濡らされていますが、

 その闘志に、胸を弾ませています!


観客のセバリオスさん「は、弾んでるのっ!?

           すごく弾んでるのーーー?」


 セリスさんは、その弾み具合をクリアボードに描きながら言います。


セリスさん「エリス様と、サフィリアさんは、

      まさにビックウェーブですー。


      レミーアさんも、少しは波立ってますよー。」


 メロン作戦から、すでに3時間が経過しても、

 その激しい戦いは続いています。


 テントまで設置され、

 熱中症対策に、かき氷を販売しているレオクスさんの所に、

 有明フェスから帰って来た、A氏、B氏、J氏までやって来ました。


J氏「メロン味を頼むッ!


   さすがは、不沈の対艦巨砲のエリナ先生さんだぜっ!!


   ヴァーチャルでも、リアルでも、

   そのスペックに変わりがねえとはなっ。」


A氏「スイカ味で、お願い致す。


   こんな所で、二次会遭遇とは、

   夏はまだまだこれからでござるヨォ!!」


B氏「ブルーハワイまであるんだなっ。


   熱いんで、もっと頼むんだなっ!!」



 そんな中、

 ためぞうのチョロイ一発が、

 エリナ先生のメロンのプリントにヒットしますっ!!


ためぞう「は、撥水加工だとっ!?」


エリスねーさん「でも、良くやったためぞう!!」


 エリナ先生が、フフッっと微笑むと、

 補充用にいっぱいに水の満たされたポリバケツを、

 頭から、一気にバシャーッっとかかりました!!


 その姿は、まさに夏の日に現れた、

 渚のマーメイドプリンセスですっ!!


 メロンのプリントは太陽光線で虹色に輝き、

 白く清純なワンピースの水着姿が、


 その美しいボディラインと共に、

 露わとなった瞬間ですっ。


 セリスさんはその光景を、

 クリアなキャンパスに、三色のマジックでリアルに描き出しますっ!!!


セバリオスさん「エ、エクセレントッ!!!」


レオクスさん「・・・セリスさん、凄すぎです。」


J氏「まじかー!! 一枚パチらせてくれいっ!!!」


A氏「すでに、シャッターを構えていたナリィ!!!」


B氏「お、遅れたんだなっ!!


   後で、分けて欲しいんだなっ!!!」


 エリスねーさんの紹介編で、

 ねーさんより輝いてる、エリナ先生です。



 エリナ先生は、エリスさんにこう言いました。


エリナ先生「先生は、今日はエリスさんの家にお泊りしたいと思います。

      寝る時は、ためぞう君の横が希望です。」


ためぞう「む、無理っ!!

     オレは野営するから、ねーさん、後はまかすっ。」


サフィリアさん+レミーアさん「お、お泊りセット取って来てもいいですかっ!?」


エリスねーさん「うん、ちゃんと中で着替えて、

        とっておいでー。」


 セバリオスさんとレオクスさんは、

 これから、延長戦に備えます。


セバリオスさん「さあ、今夜もがんばるぞーっ!!」


レオクスさん「セ、セバリオスさん、声大きい・・・。」


 セリスさんは、クリアボードをしまうと、

 そそくさとエリスねーさん家に入っていきました。



 その日の夜、

 サフィリアさんとレミーアさんが、お気に入りのアニメを見ていると、


 縁側で涼んでいたエリスねーさんの横に、

 エリナ先生が、スイカアイスを二本持ってやって来ました。


エリスねーさん「えっ、くれるの?」


エリナ先生「ええ、家庭訪問兼お泊りなので、

      ささやかな気持ちです。」


 二人はそれから、ためぞうの事について、

 少し話している様子です。


 まだ設置したキャンプにいる時間ではないので、

 ためぞう本人は、家の中で、

 サフィリアさんのネコちゃんたちと、

 テレビゲームをやっています。


 先ほどまで、さんざん水遊びした庭先の縁側は、

 風鈴がチリリンっとなって、

 涼しい風が、心地よく肌を抜けていきます。


エリスねーさん「夏にこうやって涼むのも、いいもんすねー。」


 エリスねーさんから借りた浴衣に着替えた、エリナ先生は、

 ねーさんとお揃いの格好で、ほてる湯上りの身体を冷ましながら、

 こう言いました。


エリナ先生「こうした、ゆっくりとした時間は、

      いいものですね。


      ためぞう君には強く成長して欲しいですが、

      この雰囲気のままで、そうなれればいいなと思います。」


エリスねーさん「あ、ありがとうございます。


        ためぞうも、いい先生に出会えてよかったですよ。

        あたしもエリナ先生とはもっと仲良しになりたいなぁ。」


エリナ先生「まぁ、それは夜這いして下さいと、

      お願いされているみたいですっ。」


エリスねーさん「い、いや、

        そっちの方ではなくてですね、


        まあ、もっと気さくに話せるようになればなぁーっと。」


エリナ先生「そうですねっ。


      エリスおねーさんに気に入られるのは、

      まだまだティーンな私には、

      とても嬉しいことです、うふふっ。」


エリスねーさん「ティ、ティーンじゃないけど、

        よろしくねっ!!」


エリナ先生「こちらこそ、よろしくお願いしますっ。」


 そう言って、二人は星が綺麗な夜空を見上げたのです。


エリナ先生「マスオストさんの事って、覚えてらっしゃいます?」


エリスねーさん「そ、そこは、スルーしてw


        覚えてるけどハインねーさんの、

        機嫌次第なんだからっ。」



 こうして、夏の日の一日は、

 楽しく過ぎ去っていきました。




エリスねーさん「では、またですーー。 ^-^ 」

『せりかさん』

2016年08月16日 21時48分17秒 | ためぞうの冒険+DFセカンド 登場人物編


   『せりかさん@ (仮)』



せりかさん「な、なにこれ?

      変なマークと(仮)が付いてるんですけどっ。」



 ・ セカンドからの登場で、

   まず、何より中途半端。


   特に、いなくとも問題なく、お話は進んでいくので、

   仮入部あたりで、

   別にレギュラーでも何でもない、ただの通りすがりの方です。


   よっ、美しき眠り姫ッ!(ここは、褒めてますョ)。



せりかさん「こらー、持ち上げるのそこだけかいっ!!


      お前なんか、おとなしく、

      「グガーッ!!」っと、イビキかいて寝とけって、

      言いたいんでしょーか。

      名前がまず、カタカナでもないしっ。」


 『ギャラクティカ・スーパー・レジェンダリー、

  アルティメット・プリンセス・エンジェル、
  
  ・ハリケーン・トルネード・・・』さんとかですか?


ためぞう「ここは、耐えるんだ、せりかさん。


     それで、ちょっかい出して転落していったヤツらを、

     オレは、救う事が出来なかったんだ・・・。」


せりかさん「エライいよ! ためさんっ。

      ヨッ! わたしの味方ッ!!


      ためさんを、採用したわたしは、

      もっとエライね。」


 ためぞうは、

 一応、上司のセリカさんを、

 ヘルプに駆け付けた所ですが、

 ためぞうは一瞬で、エリナ先生に強制送還されてします。


エリナ先生「夏の特別講座ですよっ。

      ささ、素直にワープしてくださいネっ!」


ためぞう「せりかさん、生き残れーーーーっ!!!」



   ブオォォォォーーーン・・・。



 ためぞうは、いなくなってしまった・・・。

 だが、そこには一枚のメモが残されているーゥ!!


せりかさん「やるね、ためさんっ。」


 ですが、そのメモの極意の部分だけ、

 エリナ先生によって、中学レベルの問題に上書きされています。



  くしゃ、くしゃ、くしゃ・・・。 ポーンッ!



せりかさん「ぜぇぜぇ・・・、

      こんな紙クズに、用は無いぜよッ!


      謎とか分からんし、無駄に疲れたくはないのだっ!!」



 他力本願で、自分では何もやらない、

 『働いたら、負けかな。』を、モットーにしている、

 せりかさんは、


 助かるチャンスをわざわざ握り捨てて、

 試練の道を選ぶのですっ!!



せりかさん「あれ、チョイス間違っちゃった?

      てへへ・・・、

      でも、わたしは持ち前の『運』があるから。」



 ・ せりかさん(・ ω ・)の紹介は、

   他の方が間に合わなかったというだけの、

   例外扱いの穴埋めです。

   人物紹介・番外編ということで。


   まず、動いているのは(身体は)、


   『マべルさん』という方です。

  (コードネームで、

   まだ本当の名前が無い方です。


   まるで純粋無垢の天使のような方で、上司のせりかさんに、

   いいように操られています。


   せりかさんは、マベルお嬢さんに取り付いた物の怪の類です。)



せりかさん「天使ですから、

      謎の陛下に頼まれて『魔王』やってますが、

      いちおう、大天使ですからネッ!!!」



 ・ そうでした。

   せりかさんは、『全国魔王派遣協会』の会員さんでした。


   会議にまったく出ないので、ほぼ忘れ去られていますが、

   勇者や英雄が強すぎるこの美しき世界では、

   魔王職は全然足りていないですので。


   (( 『悪い(イメージです。)・キツい(年中無休・24時間勤務。)・

      報われない(結局、ほぼほぼ倒される。)。』の激務さから、


      希望者が毎年少なく、しかもそれなりの実力か、

      協会に影響のある方の推薦なしでは、務まらないという、

      大変なお仕事なので、


      せりかさんでも、人手不足で破門されないという、

      懐の広い、有志たちの集まりの会です。



     ◇ ちなみにせりかさんの魔王軍は、

       まず、東方の賢者と謳われたライエンさんが、

       呆れて出て行き、


       さらに、四天王の筆頭のマイオストさんが、

       お星様になったりして、

       ごたごたしていましたが、


       現在は、四天王でイケメン王子のホーネル王子が、

       野心溢れる、精強な軍団を率いて、


       どんな敵も蹴散らす大活躍をしていますので、

       運営はとても安定しています。


       さらに、ホーネル王子とセバリオスさんが、

       ためぞうを通して、意気投合し、

       共闘態勢を取っているので、


       せりかさんの存在は、名前だけの、

       薄っすらとしたものになりましたネ。



せりかさん「エリスねーさん、

      このクレーマーさんから、助けてくださーい!!」


 すると、まだ自分の紹介も終わっていないのに、

 穴埋めのせりかさんの為に、


 エリスねーさんが、この説教部屋へとワープしてきます。


エリスねーさん「おーーーーっ!!!

        え、ここ何処? 何起こったの!?」


せりかさん「説教部屋だったんかいっ!」


 西の窓から夕陽が差し込んでくる、

 テーブルにスタンドライトが一つ置かれただけの一室には、

 鍵のかかった扉の前に、定食屋さんのおかもちに入った、

 一つのカツ丼が置かれています。


せりかさん「おー、カツ丼いいなぁー。」


エリスねーさん「せりかさん、食べなよ。

       おなか空いてるんでしょ?」


せりかさん「かたじけないぜ、ねーさんっ!」


 せりかさんは、早速テーブルにカツ丼を置くと、

 ヘルプに呼んだエリスねーさんに目もくれる事なく、

 ガツガツと、カツ丼を頬張りますっ。


せりかさん「うめーっ!!

      こりゃ、何でも白状したくなる気持ち、わかるねっ。」


エリスねーさん「定食屋さんリスペクトはいいんだけど、

        白状するって、一体何したの?」


せりかさん「もぐもぐ・・・。

      さて、記憶にございませんなっ。」


 エリスねーさんは、ふと思いました。

 ああ、せりかさんは、エストさん(荒行させられてる方)に、

 似てるんだな~っと。


 でも、スラっと綺麗に伸びた美しい手足に、

 線の細い身体付きで、

 常識を超える立派な胸のお持ちの、

 可愛らしい人だなーと、


 せりかさんの姿に、

 あらためて感心するエリスねーさんでした。


エリスねーさん「食べ過ぎとか、気にしないほう?」


せりかさん「あ、全然気にしないっす。

      寝たら、いつの間にか元の体型に戻るので。」


 それは、マベルさんの見えない努力のおかげですっ!

 っと、事情を良く知らないエリスねーさんは、

 突っ込めませんでした。


 せりかさん、本当に不届き物です。

 さすが、三国一のうかつ者と称されるだけの事はありました。


せりかさん「? 何処の三国の事ですかー。」


 細かい所にツッコまずにいられないのが、

 うかつ者たる所以でしょう。

 これは、現実を突きつける必要がありそうです。


謎の天の声さん「まー、具体的に物の例えの事だね。


        我輩の支配する『義の国(仮)』と、

        SONさん(仮名)率いる『碁の国(仮)』と、

        KAMEさんの(仮名)『食の国(仮)』かな。


        ちなみに、守秘義務あるから、

        名前、適当だけどね。


        せりかさん、今のままじゃ、

        どの国からも拾ってもらえないよ?


        新世紀覇者伝説の端くれからでも脱落すると、

        出番無くして、

        元の眠り姫に戻って、寝っぱなしになるからね。


        だって、マベルさんはどっかの国が、

        間違いなく登用するから。


        少なくとも、我輩は狙ってるよ。


        だって可愛いし、純粋だし、

        気が付いて、やさしいし、

        その上、めちゃ強いでしょ?

        まさに、女傑か姫だよ。


        ・・・まあ、せりかさんには、関係ないけどネ。」


 この声は、せりかさんにしか聞こえていません。

 その謎の声の主に、セリカさんは聞き覚えがあるのです。


せりかさん(へ、陛下でしたか・・・。

      ま、まずいなぁ、呆れられてっぞ!!


      何か保険かけとかないと、

      マジ、脱落すっぞッ!!!)


 せりかさんは、確実に世に出る女傑のエリスねーさんを、

 じろじろ見つめ始めます。


エリスねーさん「えっ、

        あたしに何か付いてるの!?」


せりかさん「付いてますな~、

      見えない糸で数々の大物たちと、

      人脈という財産が、いっぱいついてますぜ。」


 せりかさんの、その欲しがり者の眼差しは、

 エリスねーさんの数々のプラスステータスを見抜いていきます。


 真面目に働けば、

 せりかさんは、能力だけはあるのです。


 でも、ポリシーがそれを許さない阿呆なのでぇす。


せりかさん「これからずっと、

      姐さんと呼んでいいっすかっ!


      ねーさんに見捨てられなければ、

      私は楽しく生きていけるのですっ。」


エリスねーさん「えっ!?

        せりかさん、なんかピンチなの!?


        ためぞうの上司さんだから、

        姐さんって、言わせるのは気が引けちゃうなぁー。」


 せりかさんは、カバディの構え II !!!


 エリスねーさんを、逃がす気はなさそうだ・・・。


エリスねーさん「(エ、エストさんだっ!!)

        う、うん、いいよ。


        心の中で呼んでくれれば、いいんじゃないかな?」


せりかさん「学園の屋上で、町中に響きまくるくらい、

      シャウトしますよっ!!!」


エリスねーさん「そ、それはやだなぁー。


        せりかさんが、それで納得なら、

        呼んでいいんで、普通に呼んで。」


せりかさん(人脈ゲッツ!!


      ねーさんの名を使えば、

      助けてくれる人は、たくさん思い当たるからねっ。)


 こうして、せりかさんは、

 エリスねーさんにあやかり、

 無事、説教部屋を脱すると、


 長崎ドラゴンタウン方向へと、

 ワープしていくのでした。


エリスねーさん「おおぅ!

        また、飛ばされるのかーっ!!」



   ブオォォォォーーーンッ!!



           ボトーンッ!!!



エリスねーさん「いたた、お尻うっちゃったよ。」


 見慣れた商店街の、ファルさんのお花屋さんの、

 倉庫の中に、ワープしたようです。


せりかさん「お花がいっぱいあるって事は、

      ためさんが、バイトやってるお店だよね。」


 っと、その時です!!


 ためぞうの真の姿(未来予想的な)が映っている、

 ファックス用紙に、にやけていたファルさんは、


 慌てて、マッハで別のチラシを上に重ねてごまかし、

 突然現れた二人に、取り繕ってみせます。


ファルさん「これは、エリスさんにせりかさん。

      何か、お探しですか?」


エリスねーさん「さっすが、ファルさんっ!

        細かい事には、驚かないのなー。」


 その足元はプルプル震えているファルさんの、

 そこに注目している、せりかさんです。


ファルさん「せ、せりかさん、

      お花とか、好きな方ですか?」



せりかさん「お花より、お餅とかアイスの方かなー。」


 せりかさんは、ファルさんがお仕事のご褒美に取っておいた、

 デパートで買った、とっておきのアイスを頂きました。


ファルさん「エリスさんの分がなくて、すいませんっ。」


エリスねーさん「あ、そんなに気を使わないでよ。

        そのアイス、デパートで田中さんに勧められて、

        この前買ったら、旨かったんだよねー。


        ファルさんは、やっぱセンスがいいね~。」


ファルさん「私も、配達に行って、

      田中さんに勧められた派ですw」


 美味そうに二人の前で、アイスに夢中なセリカさんが、

 口に入れすぎて、頭がキーンっとなっています。


せりかさん「アタタ・・・、

      でもこれは、幸せの感覚なので、ノー問題。」


 味わおうとすることなく、一気に食べたせりかさんです。


せりかさん「ところで、エリス姐さんは、

      今後の予定、どーなってるんですか?」


ファルさん(!! 今、せりかさんに、私は先を越されてるのっ!?


      お、恐ろしい子・・・。)


エリスねーさん「やっぱ、ふつーに呼んでw

        ちょっと恥ずかしいです。


        せりかさんの想いは伝わってるから。」


せりかさん「はーい。」


 突然、整理中の倉庫に現れた二人に、

 困惑気味のファルさんをよそに、


 せりかさんは、デパートや歓楽街に繋がる、

 裏口の扉が気になって仕方ないようです。


エリスねーさん「んっ、

        遊びに行きたいのっ?」


せりかさん「読心術っすかッ!!」


 せりかさんのお小遣いは、月に三千円です。

 あるだけ使う人なので、ホーネルにお小遣いは制限されています。


 ホーネルは、ちゃんとせりかさんの通帳に、

 コツコツ積み立ててあげているのですが、

 知られると使うので、そこは秘密です。


 このサマーなシーズンも、中盤から後半へと移行している、

 この時期に、せりかさんの財布の中には、

 9円しか入っていないのです。


エリスねーさん「そ、それじゃ、

        うまいあの棒も買えないよな・・・。」


 せりかさんの見せる、開かれた可愛いカバのがま口に、

 大人な社会人のねーさんも、ファルさんも、

 ちょっと同情を隠し切れません。


 縁日とか、ビーチイベントとか、

 花火大会とか、もしあったら、どーするの!? って、

 二人の想いは、同じになります。


 そんなせりかさんに、

 エリスねーさんは、紙のお金を三枚取り出すのです。


せりかさん「おおぉ・・・、私、騙されてるんでしょうか?」


 口ではそう言いながらも、受け取ってがま口の中に入れようとする、

 せりかさんです。


ファルさん「エ、エリスさん、

      あげてるお札の種類が間違ってますよっ!」


エリスさん「あ、そうなの?


      やっぱ、若い子に三万じゃ、

      夏は足りねーよなぁ。」


ファルさん「・・・。


      ちがーーうっ!

      多すぎます、一枚でも多すぎですっ!!」


 そんなツッコミをファルさんが入れている隙に、

 せりかさんは、静かにそのがま口を閉じたのです・・・。


ファルさん(やっぱり、この子、恐ろしいワッ!!!)


 エリスねーさん「まぁ、

         古蔵にも、このくらいやってるからなー。


         ためぞうが世話になってるせりかさんには、

         むしろ少ないかと思ってしまった。」


ファルさん(バ、バブル世代ですか、エリスさんっ!?


      ・・・この紙のお金の事、

      「万金」とか言わない世代のお方なのッ?


      ダメよ私っ、

      これは、エリスさんの有り余る愛ゆえの行いよ。

      余計な詮索は、エリスさんに申し訳ないんだからっ!!


      そもそもエリスさんに、浪費癖には見えないし、

      一年分の先渡しと思えば、

      何となく納得出来なくはないものっ。)


   お給料制になってから、
  
   お金には、ますます堅実になったファルさんには、
  
  
   ポッと渡される額としては、
  
   ドキっとするような、驚きの金額だったのです。
  
  
   ファルさんは、とってもティーンに近い、
  
   純真なハタチの乙女さんなのですっ。
  
  
せりかさん(私はダメだって、

      声が届いたような気もしたけど、


      きにしない、きにしないの教えに従う、素直な私。)


 せりかさんは、エリスねーさんに、

 三回くらい深くお辞儀をして、


 そのまま、お花屋さんの裏口を出て、

 真夏のサンセットに染められた公園の先にある、

 歓楽街へと、姿を消していきました。


ファルさん「ほんとに、よかったんでしょうか・・・。


      あ、いえ、何でもありませんっ!!」


エリスさん「ファルさん、ハタチだから、

      お酒飲めるよね?


      別に飲まなくてもいいんだけど、

      ノルン姐さんがビアホールで待ってるから、

      終わったら、一緒に行く?」


ファルさん「お、終わりましたーーーっ!!

      ぜひ、おねがいしますーっ♪」


 ファルさんは、いつもより早くお店を閉めると、

 きちんと、オーナーのおじさんに連絡を入れ、


 ちょっと大人な飲み会で、ノンアルのビールを頼んで、

 笑顔で盛り上がって、二次会にカラオケに行くような、

 そんな流れにノッたのですっ。


ジェネシスおじさん「ファル君も、いい笑顔を出せるようになったね。

          うーん、ジェネシス!!


          いつも頑張ってるから、

          三人分のお代は、経費で落としていいからねーっ。


          エリスさんと飲めるのが、羨ましいが、

          後は、任せて楽しんじゃってネ。」


ファルさん「ありがとーございますーっ!!」


エリスねーさん「おじさん、いい人だなー。


        おごりじゃなくて、

        おじさんと割り勘でいいから、


        呼んであげなよ、ファルさん。」


ノルンさん「うん、いい人なんだな、


      ・・・うぃっくッ。」


 すでに出来上がってるノルンさんと、

 人前では、基本ノンアルコールのエリスねーさんがいる、

 ネクサスビルの展望デッキのビアガーデンに、


 おじさんも、やって来ました。


ジェネシスおじさん「いやー、実に素晴らしい光景だねぇ。

          美人のお姉さんたちに囲まれて飲むだなんて、


          おじさん、端から見ても勝ってるよねっ。

          ハッハッハッ!!」


 シーサイドから見える夜景を楽しみながら、

 おじさんが饒舌に三人の美女たちに語るその姿は、

 何処かのモデル事務所の打ち上げのようにも見え、


 おじさんは貴重な想い出を、その胸の奥に刻んでゆくのでした。


ファルさん「もちろん、私も想い出作ってますっ。」


せりかさん「これ、私の回だよね、

      ジュースでいいから、混ざっていい?」


ノルンさん「おー、これは、

      ためぞうの上司さんじゃねーか。

      アハハハハッ・・・。


      おんなじ、女経営者仲間っつーことで、

      共に語りましょうぜっ!!


      う、うぃっくっ・・・。」


 こうして、せりかさんは、

 しばらくノルンさんのオモチャになりつつ、


 夏の日の一日は、過ぎ行くのでした。


せりかさん「まだまだ、


      第二ラウンドのカラオケがありますので、

      頑張りますよーっ。」


ファルさん(せりかさんは、せりかさんで、

      上手く付き合うと、いろんな役得があるのかしらっ。


      ううん、そんなの考えちゃダメ。

      折角なんだから、楽しまなくっちゃねっ。


      エリスさん、素敵ですー。)



せりかさん「では、またです!!!」