『セバリオスさん』
・ DFシリーズの、「セヴァリオス」と、
何となく、関係があったり、無かったりする不思議な人。
一応、前が結構悪人寄りの方だったので、
イメチェンな感じで、
紳士で気さくな、ナイスガイさんにおさまっている所です。
でも、相変わらずの「ラスボス」感は全く抜けず、
実は、前より強くなってんじゃね!?
みたいな事は、思ってても言えないでいる方も多いらしいです。
古蔵さん「ほ、ホントにあの『セヴァリオス』じゃ、ないんだよね?
他の仲間の、戦女神ジラだったエリスねーさんも、
小悪魔的なフェルツちゃんも、
いまだに、平気で従えちゃったりしてるよねッ!!!」
古蔵さんは、疑り深い人のようです。
紹介を先越されたのが、ショックだったのか、
ネコマスクの奥の、薄っすらとしたその眼差しは、
自分より、長身でイケメンなセバリオスさんを、
勝手にライバル視しちゃってるみたいで、
みっともないです。
古蔵さん「してねーYO!!
前のお方だったら、オレがピンチだから、
確認してるだけだって。
ついでに言わせてもらうと、
オレもこの愛着あるマスクさえ取れば、
タッパ(身長)はともかく、顔ではそこそこイケルかも知れないぞ。」
熱くなる古蔵さんは、やっぱり出番が気になっているようです。
順当に行けば、まだエリナ先生や、
レオクスさんがいるというのに・・・。
エリナ先生「まあ、私は『NEW』な感じのティーンですので、
そんな事は些細な事でありますし、
わざわざ、順番待ちの行列に並ぶ事より、
この一度きりの、サマーな2016の季節を、
存分に満喫したいと、願っています。
来年も、ティーンでサマーなシーズンを迎える予定ですが。」
古蔵さん「あはは・・・、
オレも、想い出作らないとなぁー。
(失言には注意をせねば、この町でのオレの生活も終わる・・・。)」
エリナ先生は、セバリオスさんからマンゴープリンを受け取ると、
素敵な夏の微笑みを残して、
何処かへと、エリスねーさんの浮き輪を抱えて、去って行きました。
セバリオスさん「はいコレ、古蔵君。
ためぞう君のトランシーバーあるから、
マナーモードで話してねっ。」
と、手渡されたアナログっぽいレシーバーは、
最新のスマートフォンにすら搭載されていないであろう、
通話中に、自分の声が全く漏れくなるという、
超便利機能が付いた、素敵アイテムでした。
古蔵さん「スゲーッ!!
これ、色んな使い道があるよねッ!?
おおう、風景にスクリーンが表示されて、
タッチ機能まで付いてるじゃんっ!!
ちょー欲しいんですけどッ。」
セバリオスさん「悪さには使えないように、セーフティ機能付いてるから、
古蔵君が想い描いてるような事は出来ないよ。
なるほど、コレ、映像も見えたわけネ。
でも、それは使わない方が風情があるよね。
今は、スマホがあるから大満足です。」
セバリオスさんは、本当に真面目な方なのです。
ですが、おもしろみもあって、
何よりも、その度胸がもの凄いです。
セバリオスさん < 「早速、立ち話でコレを使うのも、
何か変な感じだけど、
古蔵君は今、
銀河の向こうからやって来た、
『エクスカリバーVII』のオペレーターで、
今は、ドラゴン港の事務のバイトをやっている、
高校生の鈴木さんが、ストライクど真ん中なワケだよね?
あの子、すごくいい子で礼儀正しいし、
ネコLOVEなんだから、合うんじゃないかな。
ちなみに私は、エリスとサフィリアさんと、
エリナ先生の笑顔さえ見れれば、
それで満足なわけだが。
お互い、気になるあの子が被ってないんだから、
きっとライバルでも何でもないと思うよ。」
> 古蔵さん「えっ!? 今、銀河の向こうとか言いましたっ?
(うっ!
・・・いかんぞ、未知とかのテクノロジーに惑わされるなッ!!
今のオレには、そんな事、
どうでもいい事だろっ!!
欲深き自分に、猛反省ッ!!!)」
パチーーンッ!!
古蔵さんは、勢い良く自分の頬を平手打ちして、
すぐに我に返りました。
でも、セバリオスさんは素直なので、
古蔵さんは、もしかして『M』属性なのかなっと、思ってしまうのです。
周囲でこっそり様子を伺っていた、
エリスねーさんも、鈴木さん、佐藤さんも、
秘められた真実に、ちょっと驚きでヒソヒソ話です。
エリスねーさん「古蔵、そっちに目覚めていたのか・・・、
でも今の私は、ためぞうのねーさんだ。
何もしてやれないが、ちゃんと見守ってるからな。」
女子三人が、衝撃の事実に驚いていると、
古蔵さんは、長崎ドラゴンタウンの中央にマッハで移動して、
こう、魂のシャウトをしたのです!!
古蔵さん「Mは、ミドルのMだからねッ!!
S、M、Lの真ん中ですよ~。
早く誰かさんみたいに、
『S』の付く、スーパーなヤツになりたいですよっ、
セバリオスさんッ!!!」
その青い残響は、この青春真っ只中の、
海の見える街に響き渡り、
なんだ、青春してんのかと、
古蔵さんは、恐ろしいウワサが拡散するのを阻止したのです。
鈴木さん「ホッ・・・。
青春って、いいですネ。」
佐藤さん「だったら、早く受け入れてあげたらいかがですか?
フラグ立ってて、なんだか眩しい鈴木さんっ。」
鈴木さん「な、何言ってるんですか!?
ワナですか、
ウワサ流すぞって脅してるんですか、佐藤さんッ!!」
エリスねーさん「お、恐ろしいな、
佐藤さん、さん・・・。」
佐藤さん「え!?
やだもぅ、冗談ですよ。
だって、仲良くみんなで夏したいじゃないですかっ。」
佐藤さんが煽って、抜け駆けされたら、
何だか寂しいOL23才、そのままいない歴のエリスねーさんは、
ちょっと安心した自分を、
古蔵さん同様、ちょっと反省です。
でも、誤解はイヤなので、頬をパチンはやめました。
エリスねーさん(ふぅ・・・、夏はなんだか、
試練の連続だゾッ。
19才で、涼しい顔してる、
年下のエリナ先生みたく、堂々としてなくちゃな。)
でも、Mがミドルで、Sがスーパーなら、
『L』は何の意味なのか、
何となく気になったエリスねーさんです。
佐藤さん「ああ、あれは口にするのは恥ずかしいので、
ちょっと遠まわしに言いますが、
問題。
『 』,O,V,Eに当てはまる、
◇ その『 』にはいるアルファベットを答えよ。
の、答え=『L』だと思いますよ。
エリスねーさん「おおぅ、
LLとかなると、相当ハンパないヤツなのネ。
さすが、佐藤さんっ! 先、行ってますなぁ~。」
佐藤さん「ひゅるるるるぅ~~~♪
私は、エリナ先生が表紙の雑誌に、
そんなクロスワードが載ってたから、
わかっただけですよ。
鈴木さん+エリスねーさん「そーなんだ、今度探してみよっ。」
佐藤さん「あ、私、間違えちゃってます、てへっ。
そっちじゃなくて、別のに載ってたんですョ!!
(エリスさんに巻末のページ、見られたでもしたら、
エリナ先生にモデルの仕事、横取りされてるのが、
バレてしまう・・・。
ネタの出どころが私だと知れれば、
この町に私の居場所、無くなっちゃうじゃんっ!!!
ぜぇぜぇ、
・・・どうかエリナ先生に、
目を付けられませんようにッ!!)」
佐藤さんは、持ち前の営業テクを駆使して、
見事に、二人の夢見る乙女さんを、
巧みな話術で、別の話へと誘導していきます。
佐藤さんが、その熱きソウルを激しく費やしていると、
宅配の仕事も、まだ残ってるのに、
またこっちに、古蔵さんが戻ってきました。
> 古蔵さん「ウワサには、ならないですよねっ。」
セバリオスさん < 「うん、平気だよ。
もし、変なウワサで困った時は、
相談してくれれば、なんとか出来ると思うよ。」
> 古蔵さん「ありがとう、セバリオスさんッ!!
いやぁー、セバリオスさんは頼りになるなぁー。」
当初の警戒感もすっかり忘れて、
ネコのマスク越しに、いい笑顔の古蔵さんです。
セバリオスさん < 「えっと、ためぞう君にトランシーバー、
返しとかないとだから、よろしくね。」
> 古蔵さん「ホント便利っすね、コレッ!!
自分も一台、欲しいくらいですよッ。」
セバリオスさん < 「古蔵さんの元相棒君が作ったものらしいよ、それ。
でも、お星様になっちゃってるからねー。
あれは見えてても、何故か辿り着けないんだよネ。」
古蔵さんは、便利アイテムをセバリオスさんに戻すと、
こう本音を漏らしたのです。
古蔵さん「オレ、
・・・前向きに生きると決めたんです。
振り返らず、これからを頑張ろうと思いますっ!
いい話が出来ました、
ありがとう、セバリオスさんっ!!」
そう残して古蔵さんは、
いい笑顔でバイトに戻っていきました。
その、生まれ変わった古蔵さんの背中に、
エリスねーさん、思わずホロリと涙が出ます。
エリスねーさん「偉いぞ、古蔵。
もうマスクなんて、しなくてもいいんだぞ。」
佐藤さん「爽やかですよねーっ、
頑張ってる人って、なんだかカッコいいです。」
鈴木さん「・・・。
(古蔵さん、頑張ってくださいネっ。)」
セバリオスさんは、三人の気配など、
とっくの昔に気が付いていましたが、
エリスねーさんさえ、楽しそうであればそれでいい人なので、
さりげなく一枚のカードを落とします。
そこに記載されていたのは、こんな内容でした。
『秋の新作、試食会のご案内です。
本券をお持ちの上、最寄の店舗に、
お越し頂ける事を、心よりお待ち申し上げております。
8月 某日。
「グラン・ロイヤル」 スタッフ一同。』
一枚で、何名様でも利用可能なようです。
エリスねーさん「んっ、何これ?
おおおっ!!」
鈴木さん「こ、これって、
あの超高級で有名な、お菓子屋さんの、
プレミアム特別会員様宛ての、
激レアなチケットですよっ!!
現物、初めて見ました・・・。
セ、セレブさんのパワー、ハンパなく凄いですね。」
ちゃんと、セバリオスさんの筆跡で、
「エリスに渡すの忘れないように。」っと、裏書されています。
佐藤さん(・・・居たの、バレてましたか。)
エリスねーさん「え、これどうしよう!!
一応、私宛てだけど、
セバリオスに、届けるべきなのかなっ!?
なんか、見透かされてるみたいだぞっ。」
佐藤さん(・・・見透かされてますね。
これって、使ってという、メッセージですよね。)
鈴木さん「ど、どうしましょう!?
すごく行きたいですが、
セバリオスさんに、届けないと・・・。
あ、私がダッシュで届けてきましょうか?
それなら、不自然にならないと思いますっ。」
二人が夢のような誘惑に、あたふたしていると、
そこにアリス生徒会長さんと、
学園の事務さんで、たまに教鞭も執っているセリスさんの、
二人組がやって来ます。
アリス会長さん「まあっ、
これは世界に、わずか5枚しか送られないと云う、
素晴らしいご招待券ではありませんかっ。」
あの、何事にも動じないはずのアリス会長さんが、
羨望の眼差しで、キラキラと瞳を輝かせ、
エリスねーさんの握るプラチナチケットを前に、
次の言葉を失っています。
これは、中々お目にかかれない光景です。
セリスさん「みなさん、こんにちはー。
あ、それって、エリス様宛ての招待券ですよね。
私、執務室でサフィリアさん宛てに、
もう一枚、セントラル越後に送ったので~。」
二枚も、そんなレアチケットを持っている、
セバリオスさんに、
秘書のセリスさん以外は、
セバリオスさんを皆、心からリスペクトしているようです。
そこに、エリナ先生が戻ってきます。
エリナ先生「セリスさん、メールありがとう♪
高まる気持ちを抑えられずに、
駆け足でやって参りましたっ。」
アリス会長さんも、エリナ先生も、
こういう物には、目がありません。
それは、その至福の喜びを、
すでに経験したことがあるからこそでしょう。
セリスさん「一枚は、亀吉さんに頂いたんですよっ。
ためぞうさん繋がりで、
セバリオス様と亀吉さんは今、
様々な分野で、業務提携している仲なので。
ささ、食べに行っちゃいましょうよ。
ドラゴンタウン店に入ると、本店のVIPルームに、
ワープしちゃいますから。」
とんでもない事を、さらっと口にしているセリスさんですが、
エリスねーさん以外は、ワープ技術くらいで驚いたりするような方たちでは、
ありませんでした。
アリス会長さん「今日の日のエリスお姉さんは、
まるで、この猛暑に舞い降りた、
サマーな女神様のように映りますっ。」
エリナ先生「ええ、
きっと、エリスお姉さんは、わたくし達、
共有のお姉さんなのですネッ。」
このドラゴンタウンに、スウィーツの女神が舞い降りたようです。
かなりセバリオスさんの七光りが、眩しいですが、
みんなで笑えるって、素敵なことですねっ。
その後、結構な人数で行ったみたいですが、
セバリオスさんは、事前にそれを本店に伝えていて、
ひと夏の甘い経験が、皆さんの心に響くように残ったようです。
セバリオスさん「うん、
事前に、セリスからそう言う助言を受けていたからネ。
セリスの知力って、98+(?)って聞いたけど、
限りなくあの伝説の天才軍師、
『天下三分の策』とか、いっぱい考えた軍師さんに近いんだよね?
いろいろ上手く行って、結構、助かってます。」
セリスさん「そんな、持ち上げないで下さいよーっ。
たまたま、当たってるだけのラッキーなんですから。
でも、エリス様の幸せが、
セバリオス様にお仕えする事で叶うのなら、
とっても嬉しいですー。」
ほぼ最強に近い位置にいるセバリオスさんに、
冴えた軍師女子が加わって、
セバリオスさんは、ますます以前よりも輝いています。
ただ、普通にいい人なので、
幸運が、みなさんと分ちあえたその時が、
セバリオスさんは、最も嬉しそうな表情になるのです。
困った所もそこそこありますが、
それを愛嬌と見えない努力で、十分にカバーしています。
セバリオスさん「ホントは、
エリスの新作水着をビーチで見たかったけど、
最近、サフィリアさんと、エリナ先生の方も、
気になるようになりましたネ。
心の友のレオクス君と、ためぞう君と一緒に、
語り合っている時が、最高に楽しいです。」
白銀の髪の貴公子といった感じの、
爽やかさ漂う、好青年さんです。
セリスさん「セバリオス様、変わられましたよねー。
前は、もっと強引な感じがワイルドで、
カッコ良かったです~~~。
オレは世界! 世界はオレの物~みたいな?」
セバリオスさん「ハッハッハッ、
だいぶヤングな頃の話だねぇー。
私は、今のポジションに満足してるよ。
セリスも、そうなんじゃないの?」
セリスさん「はいっ! それは、もうっ!!
愛するエリス様と、ずっとべったり出来るなんて、
最高だと思いますっ!!!」
セバリオスさん「そーだねぇ。
この穏やかな日々が、ずっと続くことを願っているよ。
あ、でもどうして、
過去編に巻き込まれてる最中の私が、
この貴重な夏の季節に帰って来れたのだろうね?
自己紹介だから、いないとマズかったからかな。」
セリスさん「それは、夏の魔法ですっ!」
セバリオス「セリスがそう言うのなら、
そうなんだろうねぇー。
この夏のサフィリアさんに会う為に、
レオクス君を連れて、
セントラル越後にでも行こうかな。
行けるといいなー。」
トランシーバーの向こう側で、
レオクスさんが、うんうんと頷いています。
友情って、いいですねー。
レオクスさん「ええ、
セバリオスさんと一緒に、
ためぞう君を支えて行こうかと思いますッ!!」
セバリオスさん「ああ、
生まれた日は違えども、
同じような道を志す同士だからねっ!
私の目には、浮かぶよ、
皆の先頭に立って、凛々しく輝く、
ためぞう君の姿がネ。」
古蔵さん「やっぱり、セバリオスさんは、
オレにとって、ヤバいフラグなの!?
オレ、この先も転落しちゃうのォ!!」
セバリオスさん「ハッハッハッ、
古蔵君が、微妙になると、
エリスはきっと悲しむだろうからねっ!!
そんな無用の心配よりも、
頑張ってる今の姿を、意中の女性に見せ続ける事が、
大事なんじゃないの?」
古蔵さん「セバリオス先輩、押忍ッ!!
自分、誇れる一芸はありませんが、
ドラゴンタウン中心に、
一生懸命、バイト頑張りますッ!!!
では、またですーー。 (Φ ω Φ)< ピキーン ! ! ! 」