ズッキーニの味噌煮込みBlog版

コンピュータのこと、食べ物のこと、なんでもないこと、とんでもないこと。

ついにPocketOutlookを駆逐

2007年07月14日 07時16分16秒 | Weblog
■ QMAIL3からHDMobiMailへ

 QMAIL3は大変良くできたメールソフトだと思う。しかし使っているうちに欲が出てくるのはアタシの性格なのでしかたがない。

 一番つらいのは、スタイラスなしではほとんど操作ができないことだ。W-ZERO3専用ではないのでしかたがないのだが、せめてメニューくらい左右のソフトキーに割り付けられたらいいのにと、わがままなことを言ってみる。こないだ電車の中でメールを書いていたらスタイラスを足下に落としてしまい、狭い座席の上に腹がつかえて前屈みになれず(情けない)、拾うのに難儀した。

 しかしそれ以外はまったく不満のない高性能メールソフトなので、いや、なにかほかにないものか…みっけ。(^_^)v

 まだ開発途上のせいかあまり名前が知られていないようなのだが、HDMobiMailというメールソフトがある。「W-ZERO3用」というところに惹かれてインストールしてみた。インストールといってもダウンロードした.CABファイルをタップするだけだ。

■ HDMobiMail なかなかいいぞ

 これがなかなかいい。メールソフトとしての基本機能はまったく不足がなく、PocketOutlookではできない送信サーバのポート指定にもちゃんと対応している。Becky!ですっかりおせわになりっぱなしの「暗黙のCC, BCC指定」も可能だ。しかしなにより、左右のソフトキーにメニューが割り付けられていて、スタイラスなしに片手ですべての操作ができるところがありがたい。メール作成画面でのTO, CCなどの項目移動もカーソルキーが効いていて使いやすい。

 .Net Compact Frameworkが必要ということは、C#で書かれているのだろうか。起動に少々時間がかかるのが難点といえば難点だが、それほど気にならない。必要なら終了させずにメモリ上に置いておけばいいのだから。試しにしばらくメモリ上に置いたままで送受信を繰り返してみたが、メモリリークも起きないようだ。PocketOutlookは「メモリリークはMSのお家芸」と言われているとおり、しばらくメモリに置いていくとだんだんメモリを食いつぶしていく。本体を終了させてもリーク分は開放されないので、結局リセットすることになる。

※ こうやって、ときどきリセットしてほしいのだね?>ゲイツ君。

 なんだかとても気に入って、嬉しくなってしまった。こうなるとPocketOutlookを押しのけて標準メールソフトの位置を与えてあげたくなる。

■ PocketOutlook 駆逐作戦開始

 実はQMAIL3を使っていたときからそうしたいと思っていたのだが、ウィルコムEメールの自動受信をPocketOutlook以外のメールソフトに任せる設定は、OSの機能としては用意されていない。しかし方法はある。tmailというソフトを使えばいいのだ。

 tmailはもともとWindows Mobileに標準で含まれているソフトウェアモジュールで、W-SIMがウィルコムEメールの着信を検出するとこいつがPocketOutlookを起動するらしい。そこで別のメールソフトを起動するようにした同名(つまりtmailという名前)のモジュールを本物に上書きしてやればいいことになる。

 しかしこのソフトのドキュメントを見ると、「tmailが三回呼ばれたら指定されたメールソフトを起動するが、そのカウンタがずれると手動起動もできなくなる。対処方法は云々」などと書かれていて、少々怖い。^^;

 それに標準の、いわばシステムファイルを書き換えてしまうわけで、これもちょっと尻込みする。おまけに設定用の.iniファイルに項目が多くて、面倒ごとが嫌いなアタシには向いていない気がする。

※ (MS製ではない方の)tmailの機能はほかにもたくさんある。単なる外部メールソフト起動モジュールではない。

■ ついに PocketOutlook を駆逐

 ところがおなじ作者の手になる、別の方式のソフトがある。tmailとよく似た名前でttmailという。こちらはシステムファイルを書き換えるのではないので、OSの機能をフックするAPIでも使っているのかも知れない。これならまだしも穏やかな方法(個人的感想)だし、アンインストールも楽そうなので、思い切って試してみることにした。

 これがなんともあっけなく動いてくれた。ttmailのパッケージに含まれるモジュールを適当な場所にフォルダを掘って格納し、.iniファイルの[global]セクションにある起動ファイル名にHDMobiMailの該当ファイルを指定し、ttmail本体を起動してやればいい(起動してもダイアログひとつ出るわけではないので、ちゃんと起動できたのか少々不安になるが)。

 ありがたいことにttmailの.iniファイルにはすでにHDMobiMailを起動するための設定が、コメントの形で記述されている。なんの苦労もいらない。

 さっそくテストメールを押し込むと、ちょっと起動時間がかかって(これはしかたがない)HDMobiMailが起動し、メールを読み込んでくれた。おぉ、すばらしい。\(^o^)/

 W-ZERO3用ということで、着信メールがあると本体の青色LEDもちゃんと点灯している。着信サウンドも鳴る。止めたければどちらも止められる。メモリだだ漏れのPocketOutlookなんか使う理由がどこにあろうか。^^;

 昨日からほぼ24時間使っているが、いまだになんのトラブルもなくメールを自動受信している。受信時起動だけではなく、常駐させたままでの自動受信も問題ない。この間、いまいましいPocketOutlookは一度も起動せず、メモリリークもほとんど起きていないようだ。上にも書いているがいままではメモリ不足が本体の動作に悪影響を及ぼすので、下手をすると2~3日に一度リセットの必要があった。まったくこういう品質のソフトしか作れない会社がCodeCompleteなんて本を出しているというのだからお笑いだ。

■ HDMobiMailは開発途上

 先に書いたがHDMobiMailはバージョンが0.821と開発途上にある。たとえばURLリンクをクリックしてブラウザを起動することができないなど、これからおそらく実装されるであろういくつかの機能が積み残されている。また、アタシがPocketOutlookを嫌う一番の理由であるスクロールのいやらしさ[*1]はないが、スクロールが画面単位にのみ対応していて1~3行程度のスクロールが選べないという不便さもある。

※ この件を作者に質問したところ、「Treoでは一行単位になっているので調査してみる」というお答えをいただいた。機種(WS004SH)固有の問題かも知れない。

 しかしW-ZERO3での使い勝手は大変良好なので、これから成長していくソフトを温かく見守りたい人には、一度お試しになることをお勧めする。

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■ [*1] PocketOutlookスクロールのいやらしさ

 こいつの本文表示画面は基本的には画面単位スクロールなのだが、画面の中にURLリンクがあるとそこにフォーカスが当たって画面単位スクロールをしない。おかげでスクロール操作をしたときに

 ・ 画面単位でスクロールする(画面上にURLリンクがない場合)のか、
 ・ URLの行数分だけスクロールする(画面最下行にURLリンクがある場合)のか、
 ・ スクロールしない(画面上につぎのURLリンクがある場合)のか、

 簡単に予測がつかない。というより、そもそもそんなことを予測しながらメールを読みたくない。これが長文のメールを読むときに大変なストレスになる。おまけにそれがお客からのクレームメールだったりすると、ストレスは百倍にもなる。^^;