徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

【実り・食欲の秋】二十世紀梨

2005年08月26日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
松戸生まれ鳥取育ちのこの梨には思い入れがある。近所のスーパーで見かけて,早速購入。関西ではメジャーな二十世紀梨,関東ではあまりお目にかからない…。それもそのはず,出荷の5割までが京阪神地方,関東を含む東日本への出荷は1割に満たない。

食べてみると分かるが,幸水や豊水に比べると酸味があって甘さも控えめ,このあたりが関東ではあまりうけない理由らしい。ただ甘いだけではなく,酸味や瑞々しさとのバランスを楽しむ梨というのが,勝手な思い入れを持つ関西人の主張です(笑)

二十世紀梨があるなら,「二十一世紀梨」はないの?というのは誰もが思うことかと思います。もちろん,梨の品種改良の分野では,「二十一世紀梨」を開発すべく研究が行われています。鳥取にいた頃,園芸学の講義で,品種改良の結果生まれた新品種が「二十一世紀梨」と名乗る上での3つの条件を聞く機会がありました。

3つの条件とは…

一つ目は,自家結実性を持つこと。二十世紀梨は,自家受粉では結実せず,受粉(人工交配)の作業に多大な労力がかかることが難点でした。

二つ目は,黒斑病という病気に強いこと。二十世紀梨は,黒斑病という病気に極めて弱く,各地に広がった産地の多くが栽培を断念した理由も,黒斑病と黒斑病の対策のためにかかる労力でした。

三つ目は,青ナシであること。幸水や豊水などの果皮にコルク層が形成され、外観がさびがかったような色になる品種を赤ナシと呼びます。これに対して,二十世紀梨などのコルク層が形成されず,果皮が黄緑色の品種を青ナシと呼びます。

これら3つの条件を満たす品種こそ,二十世紀梨の欠点を補った新しい世紀の梨,「二十一世紀梨」だと熱っぽく語られていたことを今でも覚えています。

先日,以下のような記事を見つけました。

この先100年より甘く…「二十一世紀梨」商標登録(読売新聞)

上記の目標のもとで,開発された品種「瑞秋(ずいしゅう)」が品種名としては認められなかったものの,商標登録において「二十一世紀梨」を名乗ることを認められたようです。近い将来,店頭で「二十一世紀梨」にお目にかかることもあるかも知れません。

美味しく頂きました
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