飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

二刀流見参! 白い登山すとっく?

2021-07-15 23:47:31 | エッセイの部屋

なんてたいとるでは、昔の武士の話なのか、それとも何の話なのか分からない。
昔の話でなく、現在の話で、しかも白杖の話である。
先日、山の中の水路脇の散歩道を歩いていて、誤って水路へ背から落ちた事を述べた。
幸い怪我もなく自力で帰宅できたがかなりしょっくだった。
その後は、水路側でなく、反対側のロープの手すりのある方を歩く事にした。
そちら側も落ちると危険なので、ろーぷを白杖で触れながら歩いている。
これは、まるで電車のぱんたぐらふのようだ。
白杖をろーぷの上に乗せて滑らすようにして歩いている。
この歩き方は、けっこう疲れる。
それに、時々は、念のために白杖を手前の道に降ろして確認する必要も出てくる。
(白杖を、もう一本ほしいくらいだ!)
なんて冗談を想いながら歩いていた時に、フとらじおの「山カフェ」を思い出した。
今は高齢者の登山が増えている。
なので、その人達が登山をする時には、すきーのすとっくのように両手に杖を持つと言う話だった。
両手のすとっくは、スキーと同様に転倒防止や疲れ軽減にもかなりの効果があるようだった。
「あっ、これだ!」
と思いついた。
早速、帰宅して古びて使わなくなった白杖を探し出した。
そして、がたがたしている箇所をてーぷで固定した。
翌日、早速、両手に白杖を持って玄関を出ていつもの散歩に出かけた。
村の人達に、何か大袈裟な格好をしているな!なんて見られると想うと、少し恥ずかしかった。
しかし、使い心地は悪くなかった。
舗装道路を歩いていても、左右の白杖で手前の広い範囲の安全性が確認できるので、より安心して進む事ができた。
なのでいつもより早く歩く事ができた。
(おお、これはなかなか調子いいぞ!)
と大喜びだったが、私の杖はかなり丈夫な方だったので、ちょっと重いな!と感じた。
ねっとで調べてみると、登山すとっくは握る箇所にとらっぷがあり、t字型の握り部なので疲れにくいようだった。
(これも、慣れてくれば大丈夫だろう)
一本使用の場合、前方に障害物などがあると、一本の杖を左右に動かして確かめなければならない。
二本杖ならば、一本で進行方向を確かめつつ同時に他方で障害物の大きさも確かめる事ができる。
なので、行動範囲も二倍以上に広がるように想えた。
実際、いつもの山の中の水路脇の道も、歩きやすかった。
一本の杖で手すりろーぷを滑らせ、もう一本の杖で前を確かめ、宮本武蔵のように二刀流なので素早く歩けた。
「これなら、猪や猿が出ても、右手の杖を振り回せば追い払う事もできるな」
等と頼もしく想えた。
そんな訳で、いつもの倍の早さで歩いて帰宅した。
我が家の玄関に入ろうとしていたら、通りがかった近所の女性が、
「湧水君、熊が出るようだから気を付けてね」
と注意された。
「えっ?」と驚いた。
そう言えば、水路の散歩道から下る時に、珍しく近所の人が軽トラを止めて、
「気を付けて、無理をしないように!」
と声をかけられた。
私は、てっきり、白杖を二本も振り回していたので、多分、目に止まって久々に声をかけたのだろうと思っていた。
そうではなかったようだ。
田舎の人は、寡黙と言うか、無口である。
特に男性がそうだ。
なので、もう私が知ってる事だろうと思って、「熊が出るから」と言う言葉を省いたのかも知れなかった。
もし、そうだとしたら、今回の私の二本すとっくの思いつきは、実にたいむりーな決断だったと言う事ができる。
それは、私の場合、十分有り得る話だ。
と言うのは、先日のへるぱーさんの蜂射されの時も、そうだった。
あの日は前日からの料理が余っていて、私も体調も痛風気味で悪く、スーパーの買い物も断りたかった。
しかし、当日の予定変更は無理な話なので仕方なく買い物を頼むつもりだった。
それが、買い物の直前にヘルパーさんが蜂に射されて、急遽帰ってもらう事になった。
なので、心の中で、・・・・などと思っても絶対に口にも顔にも出せなかった。
他にも、私には今までに同じような事があった。
昔のブラジルにいた時の話になるが、 日本から来たばかりの私に意地悪をする現地の男性がいた。
私は逆らわずに耐え、めげずに仕事を続けた。
すると、まもなく彼が預かっていたお金が盗まれたり、息子が交通事故で顔面を大手術をすると言う不幸に遭遇した。
以来、彼の私への意地悪は無くなった。
また、日本へ帰ってきた時でも、私を上司に告げて私を追い出した老夫婦がいた。
が、後になって、その息子が大事故に会った事を聞いた。
これ等は私の勝手な思い過ごしかも知れないが、どうやら私の周囲には私に意地悪する人達を私に代わって懲らしめる守護神達が付いているのかも?なんて思っている。
そう言えば、今まで長年自然農法を行っていて、雨が欲しい時に天の竜神に願うと、実際に雨が降ってくれて感謝した事が何度もあった。
いやいや、失礼、これは、話が外れてしまった。
さて話を元のトレッキングポウル、いや、登山ストックにもどして、
市販の価格をねっとで調べてみると、3000円台からありそうだ。
早速、白杖を買った近くの福祉の店に取り寄せができるか問い合わせしてみようと想う。
よく視覚障碍者が駅のホームから誤って落ちて亡くなったにゅーすを聞く。
私が落ちた水路も、駅のホームや流れの速い深い排水路だったら大きな事故になっていた事だろうと想う。
いつもの慣れている道でも、長年の内には勘ちがいで不慮の事故が起こる事もあるだろう。
そんな時でも、もし一本の白杖でなく二本の白杖だったら、多分落ちないで済んだだろうと想う。
なので、二本杖を実際に自分で使ってみて、良さそうならば皆に紹介しようと想う。
いや、もしかしたら、熊に出会うかも・・・?

(おしまい)