jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

ルービン回顧録/ロバート・ルービン 、 ジェイコブ・ワイズバーグ

2009年05月06日 | 読書
ゴールドマン・サックスのシニアパートナー、クリントン政権時の国家経済会議委員長、財務長官、シティグループの経営執行委員会会長など、華々しいキャリアをもつロバート・ルービンの回顧録。

わしの胸に響いたのは下記のくだり。

「仕事一途の度が過ぎると仕事の虜となり、ひいては自分の上で権力を持つ者の言いなりになる。一方、仕事がすべてではない人間は、身の引き方を知っており、精神的にも独立している」

「ゴールドマン・サックスに入った当時は、もちろん政権入りした頃のような経済的な余裕もなかったが、それでも、いざとなったらここを辞めてまったく違う人生を歩めばよいのだと気軽に考えていた」

「こうした割り切りのおかげで、独立心を保ち自由な考えを述べることができ、数々の重圧を切り抜けられた」

「どこに身をおこうと自分自身は変わらないのだから、己の本質を見極めることが肝心なのだ」

これらは、第11章『ワシントンを去る』の終盤に出てくる記述。
これらの文章に出会えただけでも、この本を読んだ甲斐があった。

「確実なものは何もない」という彼の蓋然的哲学とか、彼の功績とか、アメリカ経済・政治の難しさとかは本書を読むなり、アマゾンのカスタマーレビューを参考するなりしてくださいです。



ルービン回顧録
著:ロバート・ルービン
著:ジェイコブ・ワイズバーグ
翻訳:古賀林 幸
翻訳:鈴木 淑美

出版社: 日本経済新聞社 (2005/7/26)
ISBN-10: 4532165156
ISBN-13: 978-4532165154
発売日: 2005/7/26

In An Uncertain World:
Tough Choices From Wall Street To Washington
by Robert Edward Rubin
with Jacob Weisberg