jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

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アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス

2008年02月22日 | 読書
知能に障害のある患者がある治療を受けると奇跡的に正常になる。
しかし、月日がたつとやがて元に戻ってしまう。
似ているストーリーをどこかで見た記憶があった。
ロバート・デ・ニーロ主演の映画『レナードの朝』だ。
こちらは昏睡状態から元に戻ったお話だったっけ。
すばらしい作品なので必見。

ちなみにこの『アルジャーノン~』のほうも1968年に映画化されている。
日本ではユースケ・サンタマリア主演で2002年にドラマ化されている。
カナダでもドラマ化されているらしい。

ノンフィクションを読んでいるのかと錯覚するほどのリアリティと心理描写。
知能の状態によって変化していく文体。
知識の増大と反比例して孤独になっていく主人公の葛藤。
舞台がニューヨーク・シティだけに風景がイメージしやすく、
入って行きやすかった。
わしはマンハッタンならば地下鉄とバスを駆使して動き回ったことがあるだけに、土地勘があります!
1959年に中篇として発表され、1966年に長編へリライトされている。
まったく古くなっていないのはお見事であります。

アマゾンには泣けたというレビューがずいぶんと多かったけれども、
自分は読みながらは泣けなかった。
これを書いているときに、ラストの1行を思い出し泣けてきた。
なぜだろう?

アルジャーノンに花束を
Flowers for Algernon
ダニエル・キイス (著)
小尾 芙佐 (翻訳)
出版社: 早川書房 (1999/10)
ISBN-10: 4151101012
ISBN-13: 978-4151101014
発売日: 1999/10