老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

当たり前に歩ける

2022-05-28 07:13:56 | 老いの光影 第9章 捨石拾遺残日録


大雨で阿武隈川は大河の様相



川はうなり、押し流すかと思えば、濁流となり人をも飲み込む
悩みや不安をも飲み込んでくれると気が楽になる

1886 当たり前にできている

歩ける
口から食べる
トイレで用足しする

日常生活のなかで当たり前にできている
そのことに対し何不自由ない人は、何も思わない

呼吸(いき)していることも同様である

電気や水道にしても然り

停電や断水に遭遇したとき、人は初めて電気や水の有り難さに気づく
熱さ喉元を過ぎれば忘れてしまう人もいる

当たり前に歩けることが
いかに自由であるか
老い病い、不自由な躰になったとき
登山(やま)に行きたい、と叶わぬ夢を抱く

それでも諦めずに不自由な躰で頂上に立つ障害者もいる

杖をついても
手すりにしがみつき
渾身の力を絞り
小幅な歩きでトイレに行く
93歳の婆さんがいる

歩く
それは行きたいところへ行く
自分の足で立ち、第一歩を踏み出す93歳の婆さん
それは人類が月で第一歩を踏み出したことと同じく偉大な一歩

歩く
当たり前にできていることに「感謝」

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