老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

死ぬまで歩く 97才の婆さん [2]

2023-01-03 12:47:46 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1923 半人前。



(2)
幼児のオムツが外れると、幼児の行動が束縛されず自由になる。
それは、同時に母親もオムツの世話がなくなり、自由な時間が増えてくる。
子どもの成長により身体の世話が解放される。

それに対し老人は様々な理由から歩くなくなると、紙オムツになってしまう。
介護のかかわり方、介護の仕方によって、老人のオムツを外す可能性がある。

老人は「オムツをするくらいなら死んだ方がましだ」、という言葉を耳にする。
なかにはオムツにされたことで、生きる意欲をなくし、いつの間にか眼は虚ろになり
ベッド上で死を待つだけの時間になってしまう。

何故、オムツにされた老人は生きる希望をなくすのか。
それは、オムツをしている赤ん坊(幼児)と同じになった自分、
他人の世話を受けなければ、排泄の処理ができなくなった自分は
「半人前」の大人だと思ってしまうのかもしれない。




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