老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

生かされた生命(いのち)

2022-08-18 14:04:47 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1902 生かされた生命(いのち)


               自治医科大学付属病院(栃木県下野市)

 NPO法人「難病患者支援の会」は、海外
での生体腎移植で臓器売買が行われた疑いが
あると報道され、憤りを覚える。
 腎臓の機能が働かなくなり、死ぬまで人工
透析をしなければならない躰。多くの透析患
者は腎臓移植を望むも、なかなか難しい状況
にある。藁をもすがる思いで、腎臓提供の話
があれば海外であっても命の危険と隣り合わ
せにあっても多額の腎臓移植の金を支払い、
手術を受ける。術後順調にいっても、体調が
良くなく腎臓外科に受診しても、治療は難し
く再び人工透析に戻る人もいる。最悪の場合
は、死亡したり重症になった人もいる。
 東南アジアでは、子供たちが携帯電話欲し
さに腎臓を売ることが横行し、そこには貧困
と人権の問題が根深く関わっています。

 わが国の透析患者数は年々増加し,2020年
末の施設調査結果による透析患者数は 347,671
人になる。

 自分も14年前、2008年8月26日まで人工透
析患者であった。54歳になったばかりの8月27
日に腎臓移植の手術を受け、成功し人工透析
に戻ることなく今日まで生きてきた。健康管
理や免疫抑制剤などの服用を怠ったりすると
再び透析に戻ることになる、と主治医からも
話された。

 自分は、宝くじに当たったような幸運に巡
りあい生体腎臓移植を受けた。腎臓を快く提
供してくれた妹を始め、医師を始め医療スタ
ッフの多大なる協力、支援により自分の生命
(いのち)は生かされ、こうして「いま」も
生きていることに、本当に心底感謝の気持ち
であり、「いのち」の大切さを感じています。