白黒一家

ネコ暮らし

「ノルウェーの森」 映画化

2009-05-14 20:34:32 | 徒然てヒグラシ
小学生5年の時から中学3年までずっと同じ塾に通っていた。
また弟も少しの期間ではあるが、同じ塾に通っていて
弟なんかは、ノートをクラスに拡大コピーで貼り付けられた。(笑)
田舎にしては結構大きな塾で、全国学力テストみたいなのがあり
生まれて初めて16点という点を叩き出したのもこの塾での算数だった。
最初の4問の計算しか出来なかった。(涙)
学校よりも塾の方に重心を置く事が多く、この塾での生活がなかったら
また自分も違っていたかも知れないと思うほど影響を与えた場です。
調べてみたら現代も、しっかり営業されていて講師の欄を見ると、
お世話になった先生が2人もいらっしゃる。
特に、小学6年の時の算数担当で担任の先生でもあるKチャン(メンズ)は、
学生時代を通しても一番の先生で有り、この先生のスパルタと優しさには
涙が出るほど感謝してもしきれないのです。
きっといつか小学校の先生になる事と勝手に夢見ていましたが、
当時、大学生だった先生は色々悩まれたと思うが、一塾講師の道を選ばれた。
昔と違い、役職なども着いているがある意味私には金八で有り
大人の努力家を始めて実感することの出来た先生でもある。

中学時代の担当の先生は、Kちゃんと同じ数学担当でメガネのかけた当時大学卒業後の
気持ち悪い先生だった。(Kマン)それでも、なぜか気持ち悪いとは思っていても
遠ざけることもせずに、逆にとても近い存在だった気がする。
Kちゃんが正統派の先生ならばこの中学時代の担任は正統派ではなく維新軍である。
ただ、そこまでの力を発揮する事なく、私の中学卒業後、情緒不安定に陥り・・・
ちょっとした病にかかられた。
高校生になっても、Kマンとの付き合いはあったが次々と年下の女を
食い物にしてぶら下がっていく姿に嫌気がさし、いつの間にか疎遠に。
Kマンが、信念を基に女を食い物にしていたならまだ付き合いも続いていたと
思うが、どうしてもそんな風に観る事が出来なかった。
まだ若かった自分と、周りの新しい環境が魅力的だった自分・・・

Kマンが、好きだったのが「ノルウェーの森」。
(相変わらず、前置きが長い。)
言わずと知れた村上春樹のノルウェーの森は、中学時代の私に衝撃を与え
知らず知らずに惹かれていた。その後、変わらず村上作品を読み続けた。
独自の文体も大好きだがそれより興味深いのは人物像だ。
繊細な男性を描くことが多く、抽象的な男性像が魅力的だった。
私は、そんな男性がいる事をを村上春樹に教わった。
今となっても、時々古本屋で村上作品を購入し読んでいるが、
この世界観は、自分には中学・高校の頃の思い出として捉えてしまう事が多く
懐かしく・またひとときその世界にトリップするが
それ以上、後を引くように引きずり込まれることはなくなった。
されど、村上春樹という作家は凄いと尊敬する気持ちに変わりはない。

Kマンは今頃どうしているのだろうか・・・。
ノルウェーの森が映画化されることをニュースで知り、Kマンの顔が浮かんだ。
Kマンは、ノルウェーの森から抜けきれずにその世界観で生きている。
その世界の中だけで生きていた。
自分が主人公で、いつでもか弱き直子を探している。
そして直子が見つからず、結局は自分で直子までも補おうとしていた。
彼は松山ケンイチだけでなく、菊池凛子にもなれない。
今、思い出してみるとなんだかぬかるみに足を囚われていたような
そんな青春時代の一幕もあったのかなと懐かしく、ちょっと怖くもある。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090514-OYT1T00194.htm?from=main6