毎年8月15日頃になると太平洋戦争に関するドキュメンタリーとかドラマが放送される。
私も戦争のことは忘れてはならないという意識があるので、いつも何かは見るようにしている。
この本もT新聞で書評を見て、ぜひ読んでみたいと思った。
図書館へ検索を入れてみると運よく貸し出し可能になっていたので、さっそく借りて読んでみた。
第一部、第二部に分かれていて全部で460頁ある。
第一部は著者の父親で、中国残留孤児だった 城戸幹 氏(中国名 孫玉福)の中国で孤児になったいきさつ、文化革命のとき日本人の意識の芽生え、それによって大学進学も不可になり、一層日本への帰国を熱望するようになった過程。
長い根気のいる帰国への道のり、そして日本に帰ってからの生活が書かれている。
第二部は著者自身が中国にだんだんかかわっていく話になっている。
毎日夜遅くまで読みふけって、胸の詰まるような思いになった。

時々、はぁ~とため息をつきながら城戸幹氏の人生に思いをはせてしまった。
感動の一冊です。
第39回大宅荘一ノンフィクション賞 受賞
2008年度 黒田清JCJ新人賞 受賞
(抄録より)
日中の国交が断絶していた1970年に文化大革命のさなかの中国から命懸けで帰国を果たした28歳の日本人戦争孤児。
それが私の父だった。旧満州に飛び込み、10年がかりの旅の中で、娘がまるごと受け止めた運命の物語とは。