《 終の棲家探し ① からのつづき 》
オットーに丸投げしておきながらも、しびれを切らして自分で積極的に行動するようになったオットー父。
それは良かったんですが、不動産屋にうまく乗せられて、7月末には自分たちが今住んでいる家を売りに出してしまいました。
今住んでいる家より小さい家=安い家に引越すことになるので、オットー父によると 「預金と有価証券を処分したお金で購入できる」。
つまり今住んでいる家を売って入るお金を待たずとも、次の家を購入できる。 ということだったんです。
だったら次の家を買って、今の家に詰まっている大量のモノや家具を整理・処分して、
必要なものだけを次の家に移してからカラになった今の家を売りに出せばいいと思っていたんですが。
オットー両親が今住んでいる家は村はずれの狭い道路沿いにあり、
向かって右隣にしか家がないというせいせいした田舎にある、3寝室の平屋です。
私の撮った写真で見ると、こんな 感じ。
下の画像は以前の記事 (間違いだらけの夫選び / Second Class Citizen の義母) からの使いまわしゆえ、
サイズが異なることをご了承ください。 10年くらい前に増築したサンルームが、奥行きの浅い裏庭にどっかり居座っています。
屋根から出っ張っている窓は、屋根裏部屋のもの。
サンルームの向こうにある、オットー父の巨大なサボテンの温室。 以前はぎっちりサボテンが詰まっていましたが、
去年精神的にブレークダウンしたとき大半を処分。 この夏残りを処分したので、今は空っぽです。
裏庭の向こうは、畑。
オットー父が安く上げようとテキトーに修理したためちぐはぐなことこの上ない、キッチン戸棚 の扉。
かれこれもう10年以上この状態です。 一番上の引き出しだって、下の画像を使って記事にしてから
5年後の今も、相変わらず前面パネルがないまま。
もちろんオットーだって、ときどき両親宅に泊まりに来る独身の義弟②だって、代わりに修理してあげたい気は満々。
だけどオットー母に止められるんです。 「そんなことしたらお父さんがつむじを曲げて私と口をきいてくれなくなる。
二人きりで暮らしながら、そんな状態は耐えられないからやめて」 って・・・
ここからは、不動産屋がオンライン広告に載せた画像を拝借。 (下右は白っぽすぎだけど、プロが撮ったんじゃあないのぉっ?!)
居間とキッチン。 キッチン戸棚の扉は、やっぱりヘン。 不動産屋、引き出しのある側は、あえて写真を載せなかったにちがいない。
1階にある2寝室と、
独身の義弟②が来たときに泊まる、屋根裏にある3番目の寝室(下左)。 (ね、屋根に出っ張っている窓があるでしょ?)
自分のためには散財を惜しまないオットー父の温室と、庭仕事道具用の物置小屋・・・と呼ぶには立派すぎる物置小屋。
もともとはここには木造の鶏小屋があったけれど、オットー父が建て直したそうです。 (あ、もちろん人に頼んでね。)
その名残りでオットーの家族はこの物置小屋のことを、今でも “Chicken Shed” (鶏小屋)と呼びます。
庭は広く、その向こうは畑です。 ほんとのどか。 でもそれゆえ、車が運転できなくなったら途端に生活に困ります。
最寄のスーパーまで5km近くあるし、村に一軒しかない干からびたようなちっぽけな商店だって、2kmは離れています。
なのにオットー父は、ネットでの食料品の買物はしたがりません。 「実物を見なければ買いたくない」 と。
ネット注文すれば、廃棄処分寸前のしなびた野菜を配達されるのがオチ・・・ と思い込んでいるようです。
以前オットー両親が買ったという航空写真 で見ると、ほんと敷地が広い。 不動産広告によると0.33エーカーあるとのこと。
エーカーではピンとこないので、調べてみました。 0.33エーカーは1335平方メートルで、403坪!
(日本なら6軒は建てられますよね?)
この家は、不動産屋の見積りに従い7月末に、42万5千ポンド(5865万円)で売りに出されました。
「自分たちが次に住む家の目処が全然立っていないんだから、売りに出すのはまだ先でいいんじゃない?」 と
オットーがオットー父に言ってみたけれど、そこは我が道を行くオットー父。
「なぁに、そうなったらこの家を買いたいという相手を待たせればいいだけのことさ」 と。
でもそのうちに浮き足立ってきたらしく、「41万ポンド(5658千万円)のオッファーが来たら売ってもいいな」。
そして3日前、何気なくネットで売家広告をチェックしてみたら、オットー両親の家はすでに 『売買契約成立済』 !
オットーがオットー父に聞いてみたところ、土地開発業者と売買契約を結んだそうです。
でも相手が土地開発業者である以上、今ある家をそのままにしておくはずがない。
大幅に増改築するか、取り壊して新たに建て直すつもりでは。
さらに言えば、敷地を二分してもう一軒建てて、二軒を売りに出してボロ儲けするつもりでは。
でも家を新築する場合は、地元自治体に建築許可を申請して許可が下りるのを待たなければなりません。
この開発業者、建築許可を待たずにちゃんと購入代金を払ってくれるんだろうか。
まさか許可が下りるまで待たせるつもりじゃないでしょうね!?
建築許可が下りなかったら購入をやめるとか、言わないでしょうね!?
許可がなかなか下りなかったら、冬どころか春まで待たされるかも・・・・・
庭には家に加え、すでに物置小屋と温室という 『実績』 があるから、許可は早目に下りるかもしれませんが・・・・・
同じ41万ポンドで、普通の人からも別々に2件のオッファーが来ていたそうです。
なぜに土地開発業者を選んだ、オットー父・・・・・
あ、でも売却がスムーズに進んでしまったら、オットー両親はどこに引越すんだ?
家に大量にあるモノの整理・処分はどうするんだ?
(2人、始めはしたものの集中力がなく疲れやすく、遅々としてなかなか進まない。)
次に住む家が見つかって引越せる前にこの家の引き渡し日が来たりしないの?
この家を買うことになった開発業者は、オットー両親が家を見つけるまでご親切にも待ってくれられるの?
家探しは振り出しに戻ってしまったのに・・・・・
(最悪の場合は一時期賃貸住宅に入ることになったりして。)
もう どうにもとまらない~
90歳の暴走。
こうしてスリリングな状況は、まだまだ続くのでありました。
《 終の棲家探し ③ につづく 》