はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

スパイ映画はこれで決まり!~『007 カジノ・ロワイヤル』

2006年11月28日 | 映画(2005-06年公開)
英国諜報員はこうでなくっちゃ…
あのジェームズ・ボンドが帰って来た!
このところ、シリーズ物は原点回帰というか、
”事始め”物語が多い。
本作『007 カジノ・ロワイヤル』も、
新しいボンド俳優、ダニエル・クレイグを迎えて、
ジェームズ・ボンドが”007”になるところから始まる
まさに『007 ジェームズ・ボンド ビギンズ』と言った趣。


「俺のボンド役に文句は言わせないぜ」
 そんな声が聞こえてきそう…ハマッてます。


新ボンド役に起用が決まった時にはブーイングも出た
ダニエル・クレイグが、マッチョな身体を惜しげもなく晒し、
怒濤のアクションを繰り広げ、上司や敵とも堂々と渡り合い、
そうかと思えば、ある意味、無防備で無垢な一面も見せ、
若々しいボンド像を作り上げてくれた。
必ずしも超人的ではない、そのスパイ像にはリアリティを感じる。
その点、トム演じるイーサン・ハントより魅力的かも。

新装なったシリーズ作品としては、
最高のスタートを切れたのではないだろうか?


とにかく楽しい。冒頭から心臓バクバクもののスリリングな展開。
その息もつかせぬ追跡劇では、逃走者役に「バルクール」と
呼ばれる、あらゆる障害物を超人的な身体能力で乗り越え、
走りまくるという新種のスポーツの第一人者を起用したのだとか。
仏『ヤマカシ』で見られたあの超人技を想像すると分かり易い。
それに互して奮闘するダニエル・クレイグにいきなり心臓を
鷲掴みされた感じ。こんな登場の仕方ある?格好良すぎる!

テロ組織の資金源を断つべく、モンテネグロのカジノで
巨額の(と言っても桁が大き過ぎて実感なし)国家予算を投じて
大勝負を繰り広げるシーンは、ポーカー・ゲームを知っていれば
何倍も楽しかろうに。残念なるかな。私はそのゲームを知らない。
ここでの新ボンドのタキシード姿のダンディぶりも、
英国諜報員の面目躍如と言った体(てい)で惚れ惚れする。

そんな彼に血の通った人間としての魅力を与えてくれるのが、
ボンド・ガール、エヴァ・グリーン演じるヴェスパーとの恋。
ボンド・ガール像にも時代の変遷を感じる。かつての肉感的な
女性は今いずこ。現代ボンド・ガールは知的なスレンダー美人。

クール・ビューティなエヴァ・グリーン

今や現実世界でも、ロンドンではロシアからの亡命元スパイが
毒殺されるなど、スパイ小説を地で行くような展開。
ロシアでは、反体制者の封じ込めに暗殺事件が相次いでいる、
との報道もある。
冷戦時代の終焉によってスパイの活躍の場はなくなったと思いきや
テロの頻発、核開発問題と、国際情勢は再び緊張を孕んだものへ。
そんな時代の空気に呼応してのジェームズ・ボンド再登板なのか?

本作はとにかくスパイ映画ならではのスリル感、けれん味
たっぷりで、娯楽映画としては一級品と言える。
よく見たら、脚本担当にポール・ハギスの名前があった。
なるほど!道理で、抜群に面白いわけだ。
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