![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/c5/c6580f13e39d748c656cb11a0328c978.jpg)
実はアン・ハサウェイがあまり好きではなかった。
ジュリア・ロバーツの後釜を狙っているのかな?
という印象が拭えないからだ。
面長の輪郭につぶらな瞳と大きな口。
ハリウッドでスター女優として成功する条件なのだろうか?
ジュリア・ロバーツが『プリティ・ウーマン』でブレイクした時にも
オードリー・ヘップバーンを真似ているのか、と憤慨した私。
とは言え、その後の彼女の堅実な仕事ぶりを見て、
今では好きな女優のひとりに数えている。
さらにアン・ハサウェイのハリウッド・デビュー作
『プリティ・プリンセス』でのプリンセス・ミア役も、
オードリー・ヘップバーンの二番煎じではないかと思っていた。
これはスター女優の王道を歩んでいるということなのか?
彼女は次作の『ブロークバックマウンテン』では裸身を晒して
体当たりの演技を見せていたけど、今ひとつの印象だった。
貫禄のメリル・ストリープ
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本作は元々、悪魔的な(日本流で言えば、鬼?)編集長役の
メリル・ストリープの演技が楽しみで見たようなもの。
でも、今回のアン・ハサウェイはなかなか良かったな。
予告編でのダサ娘から大ヘンシーンのカットが
どうにも気に入らなかったのだけど
(また『プリ・プリ』路線なのか?と思った)、
本編を見たら、これが大女優メリルに互して健闘している。
美貌と気立てで幸せを掴んだ『プリティ・ウーマン』の
シンデレラなヒロイン像とは異なり、
努力と才能で自らの人生を切開いて行く
現代女性を小気味よく演じて、
本作のアン・ハサウェイは好印象だった。
今後の課題としては、”役の幅をどう広げて行くか”だろう。
いつまでも”若さ”や”可愛らしさ”を売り物にはできないから。
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もちろん大女優メリル・ストリープはさすがの貫禄ある演技で、
無理難題な仕事を部下に言いつける”悪魔”ぶりを発揮。
まさに立て板に水の如く言いたいことだけを言って、
最後は"Taht's all!"(以上!)の一言で、
部下の一切の発言をシャットアウト。
これが慣れてくると、一種快感ですらあった(笑)。
メリル・ストリープだからこそ”悪魔”を気高く演じきり、
本作の”品格”さえ上げていると言って良いのではないか。
果たして、伝説のファッション誌『RUNWAY』編集長
ミランダ・プリーストリーは本当の悪魔なのか?
本作はファッションも見どころのひとつ…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/18/8ea4617db3ad33eeec172a992f92374b.jpg)
私はファッションにもブランドにも疎いので、
本作に登場するファッションについて
詳しく言及するのは無理だけど、
「華麗で」「美しい」ことは、門外漢の私でもわかる。
新米社員であるヒロイン、アンディが、一着数十万円もする服や
バッグを身に付けるのにはリアリティが感じられなかったけど、
あくまでも夢を売る映画だから、これはご愛敬か?
(それとも、パーティで着るドレスなどは会社の経費で
落とせるものなのだろうか?いわば戦闘服のようなものだし)
編集長の右腕とも言えるファッション・ディレクター
ナイジェルが「ファッションは美術作品を超えている」と
言い切ったのには、正直驚いたけど。
それだけ自分の仕事に誇りを持っているということなんだろう。
それにしても時代をリードする業界の、常に張りつめた空気感、
そこで働く人々のアグレッシブな生き方は、
およそ自分とはかけ離れたものだなあと思う。
常に戦闘モードというのは、心身共にタフでなければ無理!
私生活もあるのかないのか…スイッチオフすることはあるのか…
まさに水面下で必死に水かきをしている美しい白鳥のよう。
彼女達はそうした生き方を自ら選択しているわけだけど…
インテリア
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とまれ、美しいものを見るのは楽しい。
編集長ミランダの研ぎ澄まされた美意識の象徴である
ファッション、そしてオフィスのインテリアも必見だ。
冒頭からアップテンポな展開で、BGMもセンス良く、
一気に1時間50分を駆け抜けた感じで、
見終わった後は清々しい気持ちで映画館を出た。
「恋に仕事にがんばるあなたの物語」と
宣伝戦略では若い女性をターゲットにしている本作だけど、
ひとりの人間の成長物語として、またヴィジュアル的にも
誰もが楽しめる作品だと思う。