はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

被災者に思いを馳せる、痛みを分かち合う

2011年03月18日 | はなこ的考察―良いこと探し
福島原発の事故を受けて、この何日間か、東京電力管内の東京23区(一部除外)を除く地域を5グループに分割し、1回4時間弱、1日1~2回、計画停電が実施されて来た。

23区内には官公庁の中枢や企業の本社が集中していると言う理由(行政及び経済活動のマヒや、過密都市での<特に交通>事故の多発や治安の悪化を危惧)で、23区内(一部除外)は今回の計画停電対象地域からは除外されているが、不便をかこつ対象地域の人々からは、「不公平だ」との不満の声も上がっている。

我が家も対象地域で、何度か停電を経験した。最初がいきなり夜間(18:20-22:00)だったのだが、早めに夕飯を済ませ、ろうそく1本を灯してリビング中央のこたつの上に置き、NHKのラジオ放送を聴きながら、布団の中でまんじりとやり過ごした。地震以来、布団の中でもなかなか寝付けない夜が続き、その疲れも手伝ってか、8時頃にはウトウトと居眠りしてしまった (尤も昔の人は、この時間には眠りについていたのだろう)

我が家はマンションなので、停電になると同時に水道水を貯水槽から汲み上げるポンプが作動しなくなるので、即断水になる。ダブルでライフラインが断たれるのは結構辛い(とは言え、予め告知された停電なので、飲料用の水を汲み置く、トイレ用の水をバスタブに貯め置く、などの準備はできる。家事や用事を前倒しで行ったり、後回しにしたりの調整も、自身で可能だ)

しかし、ものは考えようで、東北で被災した人々の艱難辛苦に思いを馳せる貴重な機会となった。被災地の避難所で過ごされている方々はかけがえのない家族を失い、住む家を失い、職場を失い、寒さに震え、十分な食事もなく、医療サービスも受けられず、入浴で身体の清潔を保つこともできず、安全な場所への移動もままならず、不安の中で辛い日々を過ごしている。

そんな被災者に比べたら、私達の停電など多少の不便はあるとは言え、1日の限定した時間のことだし、それ以外の時間はほぼ普段通りの生活を送ることができる。物資も豊富にある。午前中に洗濯できないと文句を言う人もいるようだが、フルタイムの仕事を持っている友人の中には、普段から夕方帰宅後に洗濯し、干している人もいる。洗濯うんぬんは、凄く贅沢な悩みに思える。

対象外地域の個人住宅でも、試しに自主停電を試みてはどうだろう?特に夜間は殆ど何もできないから、布団の中で被災地について思いを巡らすにはもってこいだ。ほんの少しでも被災地と痛みを分かち合うことで、被災地の人々にとって、どんなサポートが今必要なのか、考えることもできるだろう。

不便、不足の経験を通して、普段の自分がいかに恵まれているのかを自覚し、感謝することは、際限なく利便性を追求して来た現代の都会人にとって、自分の足下を見つめ直すチャンス(好機)のような気がする。

そもそも自らの脆い足下に目をやることもせず、電力使用量を増大させた結果が、今回の原発事故なのだから。もちろん、危機管理能力もないのに(←今回、そのことが最悪な形で露呈した!)、電力供給源として原発利用を促した政府や企業が最も罪深いのだろうけれど(新たな原発建設も難しく、建設から40年も経った老朽化した原発を使い続けなければならなかった事情は理解するけれども、2007年に国会で、原子力の専門知識を持つ野党議員から、福島第一原発の防災体制の不備を指摘された時点で、政府<当時は自民党政権>は何らかの対策を施すべきではなかったのか?)

化石燃料を用いた火力発電によるCO2排出で、地球温暖化の加速を危惧するにしても、電力供給源の選択肢は他に水力、風力、波力、太陽光と、いろいろあっただろうに。単独で無理なら複数組み合わせるとか、できなかったのか?なぜ唯一の被爆国で、あえて原子力だったのか?等々~素人には、国のエネルギー政策について疑問が尽きない。現状の原発事故の対応を見る限り、その制御の難しさばかりが際立ち、原子力発電は人間の手に負える電力源とは到底思えない。

今回、首都圏の人間は、「東日本の震災」と「原発事故」のダブルで衝撃を受けたわけだが、日本国民のひとりとして、被災地の方々を支える気持ちをけっして忘れることなく、徒にパニックに陥ることなく(そう!できるだけ平常心で!)、今、自分ができることをしっかりやる。これに尽きると思う。
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