イギリスのある夫婦は、夫が作る半熟卵を妻は大好きでした。
夫は自分が亡くなった後でも私の半熟卵を作れるようにと
死後自ら砂時計になって卵の茹で加減を教えようと決意しました。
1999年、男性の死後、妻は遺言通り遺灰入りの砂時計を特注しました。
墓地不足は、多くの国で深刻のようで
墓地を用意する費用も高騰している影響なのか
今やイギリスの埋葬は、70%が火葬のようです。
またイギリスの火葬は、火葬後に「遺骨」となるのではなく
全く形が残らない「遺灰」となるので
散骨が多く行われているのだそうです。
日本でも死後に自分の遺骨を海や山や川に
散骨して欲しいと願う人もいるようです。
散骨することで地球を自分の墓とするのも壮大な感覚ですが、
古い感覚の私の場合は、この地球に自分が存在した証となる
お墓に埋葬されたいと思っています。
死後、遺灰時計になった男性のアイデアは、
いつも夫の自分が傍にいることを妻に感じてもらうことで
妻が寂しくないように、また自分の存在を忘れて欲しくないために、
そして、自分が妻を深く愛していたことを伝えるために、
半熟卵の適切な時間を知らせる砂時計と遺灰を合体させたのは
何て素晴らしいんでしょうと思ったりもするのですが、
遺灰の砂時計を作製した肝心の妻の気持ちは、
どうなのか知りたいなあ。