一句鑑賞

思い出すこと

今年は金木犀に気づかずに来ていた。

今朝ほど用件で近所を歩いて、まだ残っていた強くはない香りに出合って・・・あぁそうだったと思った。

他のことでもこんな思いをすることはありますね。

 

歳時記に、ある場所を想起させる句があった。

 

おのが香にむせび木犀花こぼす   高崎武義

木犀の花は、こぼれてさらさらと自らの葉の上を転がり土の上へと落ちていく。

それを自らの香に咽んで、おもわずこぼれたんだと捉えていますね。

 

二十年ほど前に、大分県の小鹿田(おんた)焼の里を訪ねたときだった。

陶土を細かく砕くのに水力で、大きな杵を天秤仕掛けで上下させて、臼に入れた土を搗く・・・

そんな小屋が流れに面して数か所あった。

水の流れと杵がぎーっと持ち上がって杵がどんっと土を搗く音。

確か水杵と言ったかな?

詳しくはご検索を願います。

 

その杵がどんっ、と音立てるたびに、傍に香を放っていた金木犀の花がぱらぱらとこぼれていた。

それほどの振動があります。

しばらくその様子を見続けていました・・・ちょうど秋の陶器祭りの前だったと思う。

登り窯の焚口には、里人たちが作業してありました。

独りであちこち見て回る私は胡散臭い存在のように見られていたでしょう。

独り吟行で二三回ほど行きました。

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