３０年振りの快挙

話は、半年ほど前に遡ります。

ある日、製造本部から、

　「今年、３０年振りに技能検定にチャレンジします」

と話がありました。
以前は（と言っても、３０年前のことですが）多くの社員が受検して、
合格者もたくさんいました。しかしどういう理由か、ある時からそういう
風習がなくなっていました。私が我が社に入社する以前のことなので、
その理由もわかりません。

以来、受検する６名は、自分の仕事を終えてから、夜、実技の練習をしたり、
時間がないので出張先まで学科の問題集を持って行き、出張先の夜にホテルで
勉強したりして、本当に一生懸命取り組んできました。

これこそ、『オレがやる』でしょ。

学科は指定された会場で行うのですが、実技は受験者の工場に他社の検定員が
訪問し、行うのですが、３０年振りの受験となるので、昔のことを正確に憶えて
いる人もなく、どういう段取りで、準備で、体制で、我が社での実技検定に
臨むのかわかりません。

そこで受検する人以上の人数のメンバーが、近隣の会社を訪問し、受け入れ
体制を勉強させてもらい、準備に当たりました。

これは、『協力する』ですよね。

そういうみんなの努力する姿を見ていれば、

　「調子どう？　準備バッチリ？」

などと、受検者に工場内で顔を合わす度に、声を掛けてきました。

そしていよいよ９月２日（土）検定当日。

　　　　　　

検定員をお迎えして、厳かに開会式。

　　　　　　

受検する６名、そして当日のお手伝いをする我が社のスタッフも参加して、
立派な開会でした。

私はその足で、九州のお客様の創業６０周年式典に参加するため飛行機に
飛び乗りました。

　「結果はどうだったかな～？」

と九州の地で心配していたんですが、翌週月曜出社すると、

　「『結果は上々』という検定員のコメントでした」

と聞き、安心すると共に、発表を心待ちにしていました。

そして１１月上旬、待ちに待った結果が届きました。

果敢に１級にチャレンジした石川君、そして２級に挑戦した竹川君、纐纈君、
伊藤君の４名が見事合格。
残念ながら合格とはならなかった山口君、神戸君も、実技か学科のいずれかは
しっかり合格、次の機会にもう一方の試験に再チャレンジすることができる
ようになりました。

みんな、よくやった　　あっぱれ　

そしてその認定書を手渡す、月例の全社朝礼を翌日に控えた昨日、製造本部の
リーダーである玉置君が私のところにやって来て、

　「社長、明日の朝礼ではよろしくお願いします。
　　ぜひ社長からひと言話して下さい」

と言うんです。でも何だかモゾモゾしているので、

　「どうしたの？」

って聞くと、

　「社長に受検したメンバーの頑張りと、受け入れ体制を作ったスタッフの
　　協力を褒めてやって欲しいのです」

いや～、これには感動しました。

そういう気配りができる玉置君も立派だし、こうして努力したメンバーに
スポットライトを当てようとする姿勢もこれまた立派　

これぞ、『明るくする』。

こうして無事、合格した４名に認定書を渡すことができました。


何だか、今回の技能検定受検は、我が社の行動指針の一部である、

　オレがやる　協力する　明るくする

を地でいくような出来事で、朝礼でこの話をみんなにしながら、感激のあまり、
思わず涙ぐんでしまいました。

もっと、もっとこういう輪が広がっていくことを期待しています。
それが、『世界一社風のいい会社』へのステップだからです。