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ガラスの仮面  夢の一夜

2013-04-30 12:30:00 | ドラマ/映画/ドキュメンタリー
 大地からハッスル礼気 それが購買の木 ここを離れると枯れる
 それがこの神社の始まりだ。2人は天女像の絵の描かれた巻物をじっと見た。

 今、紅天女の聖地にいる。
 それが2人を素直にさせるのだろうか。

 マヤは速水さんに喜んでもらえる紅天女を演じたいと言った。

 マヤは今まで自分が嫌われていると思っていた。
 真澄もまた、マヤに嫌われていると思っていた。
 しかし嫌ったことなどない。舞台の上の君が好きだった。

 マヤは言ってほしかった。今まで励ましてくれた唯一のファン、会いたいと願っていた人、それが真澄なのだから一言言ってくれれば、その胸に飛び込もうとしていた。

 雨の中でびっしょり濡れたマヤは震えるように寒い。
 よければ、こっちへ来ないか。真澄が言う。

 マヤは躊躇することなく、真澄に温めてください。私は金の卵かもしれないんでしょ。だったらそれくらいの我儘聞いてください。
 虚勢を張りながら、でも本当の気持ちを伝えたい、ここでだからできることだろう。

 2人はそれぞれ温め合って眠った。

 紅梅の中を通り、2人はそれぞれの場所へ帰る。その道すがらマヤが梅の木を1本折った。

 昨日はありがとうございました。これ、私の気持ちです。

 マヤはそれだけ言って梅の木を渡すと走り去った。


 速水は、里を降りた。そして気付く。
 枯れている。梅の花が枯れていた。あそこでしか咲けない花なのだろうか。

 そして、水の演技テストが始まった。この頃になると報道陣も2人の様子を取材しに来ていた。

 亜弓は人魚姫の恋心を演じる。
 マヤは龍神…水の心を演じた。

 滝の中から現れたマヤは、一瞬で竜神の登場にはあれが相応しいと思ったという。

 それを聞くと、亜弓はやはり心穏やかではない。


 月影は源三にどっちが良かったと聞いた。

 源造三と月影の意見は変わらない。

 亜弓の演技力、表現力、美貌、そして女優として必要な華をもっている。今のところ全ての点で亜弓が勝っている。

 しかし、マヤは演じることを本能で知っている。
 「面白い子ね」
 あの子の芝居は劇場を出ても人の心に残る演技だ。

 最後の土のテスト、それですべてが決まるのだろうか。


 その頃、自動車事故で行方不明になっていた、速水英介があるこ屋で目を覚ました。
 君が助けてくれたのか?
 誰かに知らせてほしいと、英介は自分の名前が入った懐中時計を託す。それを買い物帰りの源造が見つけ、月影と共に小屋を訪れた。

 
 しかし会社では、真澄は養子だということで、後継者争いが始まろうとしていた。
 婚約している紫織にも考え直すいいチャンスかもしれませんよ、と真澄は言った。英介がいなければ真澄の後ろ盾はない。
 しかし紫織はついていくという。

 土の演技…。
 土は育む。大地の母…。マヤはそのことに気づいていた。

 亜弓は、土は塊石になる。それが更に固まると岩になる。姿を代え、感触も全て違う。そこから何かを得ようとしていた。そして縄文式土器を見た。

 マヤは発芽した芽が母から旅立って行く様子を表現した。
、縄で土器を作り、それが割れ、大地に帰る姿を演じた。

 そして全ての紅天女のためのエチュードは終わった。

 2人は台本を渡された。そして紅天女の衣装と表を見せられる。
 千草は、あの頃の劇場の匂いさえ思い出しそうだと考え深げに言った。

 2人はもう紅天女が判っている。1週間後にあの梅の谷で、演じてもらうという。

 桜小路優も仏師と呼ばれる男の所にその様子を見ていた。
 役場に勤める青山という男は、普通の男だった。家に帰れば普通の父親。しかし、一点、仏像に向かう様子が一変した。
 人とかかわっていたいから、仕事はしているのだという。

 優も見学をを得、1度東京に帰ることにしたようだ。

 その頃、月影や源造を見張らせていた真澄が父の居所を掴んだ。
 そして病院に行こうというが、嫌だと言う。助けてくれたのは月影だ。あの月影千草だ…。

 しかし、紅天女の衣装と表を前についに月影が倒れた―――。


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