映画「蒲田行進曲」キャスティグ秘話?

2012-05-12 13:00:00 | 日記風
 先日、映画「蒲田行進曲」をBSで放送していたので、懐かしくなりちょっとネットでいろいろ調べてしまいました。

 これがどういう話かというと、知らない方のために簡単に…。

 蒲田と言ってるわりには京都・太秦の撮影所で巻き起こる、映画と男女の愛憎の物語です。


 スタートして上り坂の銀ちゃんと女優として下り坂の小夏。そして銀ちゃん大好きな大部屋俳優のヤス。この3人が繰り広げる物語です。
 「新撰組」を撮影してるのだけど、主役のはずの銀ちゃんが目立たない銀ちゃんが目立つためには階段落ちが必要だとなってくるが、この階段が高い、東京からスタントマンと呼んでも逃げ変えるほどの高さだ。転がり落ちてくれる人なんぞいない。かつてやった役者は半身不随になっている、下手をしたら死ぬ。やらんわな。

 そんな時に小夏が妊娠をする。銀ちゃんの子だが、今売り出し中の銀ちゃんには邪魔な存在だ。それで銀ちゃん大好きのヤスに小夏を押しつけるというめちゃくちゃな話になってくる。

 銀ちゃんのため、生まれてくる子どものため、ヤスは階段落ちを引き受ける。初めは拒んでいた小夏だが、やがてヤスの誠実さに小夏も惹かれ…しかし銀ちゃんは銀ちゃんで殺してしまうかもしれないヤスに後ろめたさを感じながら、小夏にも未練を残しつつ、階段落ちと出産がやってくる。
 
 さて、3人の運命は…。

 

 という話で、80年代だったと思いますが、各映画賞を総なめにし、小説にすれば直木賞を受賞したという つかこうへい原作・脚本の映画だ。

 


 妊娠したから(小夏は30歳くらいの設定)これが最後かもしれないから産みたいと言い、この時代未婚の母になるなんて考えられなかったから、ヤスに押し付けられていくんだけど、今じゃ考えられない部分もある。

 でも「銀ちゃん、格好いい…」

 というヤスの台詞に代表される、そういう話なのよ。


 ということで時代性はおいておいて。


 ネットで調べてたら、当初、主役の銀ちゃんは松田優作さんが演じるという話もあったらしいですね。

 松田さんの銀ちゃんじゃ…バタ臭くなり過ぎな気が…。格好いいと言っても、ださカッコいいのが銀ちゃんですから。

 「大将」とか書かれたネクタイを巻いちゃうのが銀ちゃんですから。もうめっちゃくちゃ、はっちゃ滅茶なキャラクターだ。
 そこへ殴られても蹴られても「銀ちゃん大好き」ヤスがくっついてくのが「蒲田行進曲」の核となっています。


 本当に主役を演じたのは風間杜夫さんですが、風間さん、ヤス役は平田満さん、小夏に多分つか作品初めての松坂慶子さん。


 正直、これでよかったのかもしれない。

 風間さん、平田さんはつかさんの芝居当時も常連で演じていたから、なにを求めているかよく判っていた役者さんだと思う。



 松田さんの銀ちゃんというのもちょっと見てみたかった気もしますけどね…。きっととんでもないことになっていたろうな、と。


 あれだけの大ヒットに結び付いのは、風間さん、平田さん、松坂さんの功績です。


 いつまでたってもつか先生の香りがする、つか作品をよく知っている役者さんたちの往年の作品なのです。(映画の撮影は深作欣二監督がしてます)


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