「サムの息子」という気弱でありながらアメリカを震撼させた殺人鬼

2013-05-07 19:00:00 | 歴史
 今でこそ、DNA鑑定で、犯人を割り出すことができる。これも何らかの形で(警察職員=犯人のものと混同されないため、類似する職業の人間もデータ―ベースに残っている)

 しかし、70代、まだDNAが常識でも無かった時代は、犯人の判らない事件が多くある。

 今、DNA鑑定をしてみると、実は服役している犯人が、犯していたことが判るという例もある。

 実は復数人殺したていたという殺人鬼が出てきているわけだ。

 その中で「サムの息子」という殺人鬼がいると名を聞き、それは…なんだ?と引っかかって検索してみる。

 本名はデヴィッド・リチャード・バーコウィッツという 1953年6月1日産まれで、まだ生存してる犯人だった。米国の連続殺人鬼としてはかなりの有名人らしい。

 1976年~1977年にかけて、市民を恐怖に陥れた。

 母が夫と別居中に不倫でもうけた子のようで、産まれてすぐに養子に出されている。

 問題児として扱われ、学習意欲もなく、窃盗、放火癖があり、その放火は2000件に上ると言われている。

 母の病死で養父が再婚したことから、どんどん里親とも疎遠となり、1971年にアメリカ陸軍に入隊したが、この時期はベトナム戦争に派遣されることが多かった。
 彼は、これを拒否したようで、アメリカ国内の基地、韓国米軍基地にて勤務をした。
 1974年に名誉除隊をした後も、郵便局員として勤務をしていたようだ。

 しかし、その名誉除隊のあと、彼の犯行は繰り返し行われていた。

 当初、44経口の拳銃やショットガンを使っていたことから、マスコミからは「44キラー」と呼ばれていたが、特徴のある大きな字で、マスコミ、警察に手紙を出すようになってからは、署名にあった「サムの息子」と呼ばれるようになった。

 彼の犯罪は、先に述べた、放火、銃を使っての6人の殺害、8人に重軽傷を負わせたものだ。

 しかし金品を奪うことなく、レイプすることもない。

 社会に何か不満があって行ったのだろうが、何故、それを犯したのかよく判らない。

 サムの息子というのも、憎んでいたと言われる養父から取ったわけでもない。

 近所に住んでいたラブラドール犬の鳴き声がうるさいと飼い主に無記名で警告の手紙を何通も出していたが、その飼い主の名前が、サム・カーという名前だったことから、自ら「サムの息子」と名乗っていたようだ。

 マスコミ、警察に出していた手紙もかなり支離滅裂で、精神異常者を思わせる内容だったし、それを「サムの息子」も狙っていたようだ。

 逮捕されたときも、まるでちょっとした盗みを見つかった子どものようで、それだけの罪を犯した男には見えなかったという。

 弁護側は、彼の出した支離滅裂な手紙から、精神異常による無罪を求めたが、それは芝居といという結論になり…ちゃんと仕事をこなしてますからね…懲役365年を言い渡された。

 これはNY州に死刑制度がないためである。生まれ変わっても3回は死ねるということになりそうです。
 現在も服役中です。しかも模範囚です。

 どうも気弱な人間らしく、他にも自分に意地悪をすると思っていた人にはこの手の手紙を送っていたようだ。変な人として、何度も警察には届けがでていたらしいが、無記名であること、特に手紙だけで害がないことから、ここから捜査が行われることはなかったらしい。
 
 本人が素顔で直接人々に反論をできない、そのうっ屈が、彼を犯罪へと駆り立てたのだろうか?

 ずい分極端な話だし、極端な犯人である。


 ※これを書いた当時の私にはまだシリアル・キラー(連続殺人鬼)への理解が薄く、何故、彼がこの罪を犯したのか、私には理解できるものではありませんでした。

 現時点では、生まれ持った性質、育った環境に左右され、シリアル・キラーができ上ると少し学んだくらいです。

 彼の場合も生まれた時の周囲の状態、その育ち方、それに全てが現れているようです。

 人から愛されることなく育つ、それが人との関わり方をおかしくする。彼の場合も典型的なその例のようで、直接ではなく、手紙などの間接的な手段を使っている。

 そして、何故か、人を殺害するという方向へ興味が移る。

 人との温かい交流を知らないで育ったことが原因であるのか…ここは想像の域をでない。


 現在は米国において様々な研究が進み、同じシリアル・キラーであっても分類分けがされている。


 彼がどこに入っているのかは、私は認識していませんー2015年6月26日追記


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