数年かがりでやっと決意して天河神社に行った。
初めての民宿。不安はあったけど、宿となると、洞川温泉まで行かないとないので、お勧めの民宿があったのでそこにした。
気さくな夫婦がおもてなしとあったので、それを信頼したが、私とあわないと言ったら見事あわなかった。
なんか、田舎の親戚の家に来たみたい。
シーズンオフの3月だったので、バスがそこへ向かうものが1日2本くらいしかない。
朝早い方のバスに乗り遅れたので、次のバスまで2,3時間待ち。な――んにもない村で。よほどタクシーを使おうかと思ったんだけど、どうしようか考えて民宿に電話を入れてみる。
民宿にそういう事情だから、夕方近い到着になると電話を入れたら、一言女将が「じゃ、バスで来てください」と大英断をしてくれた。
それで迷ってたけど、バスと決めたが、なーーんにもない場所で近所のおばちゃんらしき人とただ無言で待ってるだけ。
どちらかというと、時間と料金のどっちをとると言われると、時間をとりたいタイプだけど、そういうのんびりしたことろだったからまあ、いいかで待って、やっと到着。
とりあえず温泉に行きたいと言ったら、女将がバスが出てるけど今からだと帰りが遅くなるから今日はうちのお風呂に入りなさいよというので、その通りにした。
ここから田舎のおばちゃんは始まっていた。いや、バスの大英断から。
民宿と言っても、個人の家を保健所入りで宿にしたものなので、本当に個人の家のお風呂に入ってるようなもの。
それに夕食になって、何故、温泉に行くなと言ったのか判った。
ずっとつきっきりで、もう1人のお客さんが一緒だったけど、いちいち食材の説明から始まり、食べ方から指導が入り、落ち着かないことこの上ない。
鹿の肉、なんて珍しいものも食べさせてもらったけど、気疲れはする。
それに一緒に食べさせて説明する必 要があったから、時間に間に合わないかもしれない温泉にわざわざ行ってほしくなかったんだなと納得した。
そしてお風呂。
とりあえず、ドライヤー付きになっていたけど、ホテルなどだと当てにならないし、なんとなく持って行って自分の使ってたら、女将が来てもう自分のものを使って半分は髪が乾いているにもかかわらず、あるんだからこれを使えと、自分とこの備え付けを出して着た。
もう途中だから、なんかこっちも引けなくて「もう使ってますし、自分のが使いやすいから」と突っぱねた。
突然意味の判らない女のバトルがドライヤーを挟んで始まった。
一事が万事この調子だった。
寒かったら半纏(はんてん)があるから着ろ。私は私で防寒具を持ってるし、エアコンもある。お茶を飲みなさい。私は緑茶は飲めない。熱い珈琲も冬場しか飲めない。砂糖、ミルクがないとダメという癖がある。
みんなそうだと思うんだけどな。
という、女将英断の、こうしろああしろはいっぱいあったが、極力自分の思う通りに動いた。
でもその日が、ここの開いてからの10周年の当たる日だそうだ。
私も記念日だったからこの日にした。
何か結ぶもんもあったんだろうな。
そして帰り。下の電車の通ってる所まで送ってもらった。山奥でちょっと雪が降っても交通が止まるような所。
だから、呼ばれないといけない所だそうだ。
一緒に来てた人も本当は12月に友だちと来る予定だったが、お母様が亡くなって中止したそうだ。
呼ばれるという言葉に凄く納得していた。
それに近所に温泉が1件あったんだけど、偶然私が行った日は定休日だった。それで洞川までということになったが、近くにもう1件あったのを帰りに発見した。
「なんであそこを黙ってたんだろう?」
もう1人の旅行者に聞くと
「あの人たちの目にかなわなかったんじゃない?」
と言っていた。伝統的な天川温泉でなく(神社だけ「天河」と書く)
確かに、ハーブ湯みたいな若い子好みで、伝統的じゃないから、お勧めじゃなかったんだろう。
「ここへ来るカップルは結婚率が高い、良縁の民宿ですよ」
とか、夕食の席で言われたが、もう1人の旅行者いわく
「こんななんにもない所へ一緒に来れるなら、結婚するくらい趣味が合うんじゃない」
と一刀両断だった。
こちらもあちこち行きたいと言ったら、今はシーズンじゃないから止めた方がいいとずい分女将から言われて断念させられた口らしい。
しかし、頑固な女将だった。
親戚のおばさんみたいな女将だった。親戚だって今時そこまでいわない。
でも、女将は子どもの頃から民宿がしたくて、1度大阪に嫁に行ったんだけど、旦那さんの退職と共に故郷に帰って夢を叶えた根性の人だ。
旦那さんも偉くてそれまで商社マンとして世界各国飛び回ってたのに、突然、民宿の親父で仕事のほとんどは客の運転手。
凄い180度の人生転換だ。
そういうこともある。
望み続ければ夢は叶う。
頑固だけど。頑固だから?
いい勉強になったわ。
そして翌東北震災が起きた。
…うーん、大変だよね。
初めての民宿。不安はあったけど、宿となると、洞川温泉まで行かないとないので、お勧めの民宿があったのでそこにした。
気さくな夫婦がおもてなしとあったので、それを信頼したが、私とあわないと言ったら見事あわなかった。
なんか、田舎の親戚の家に来たみたい。
シーズンオフの3月だったので、バスがそこへ向かうものが1日2本くらいしかない。
朝早い方のバスに乗り遅れたので、次のバスまで2,3時間待ち。な――んにもない村で。よほどタクシーを使おうかと思ったんだけど、どうしようか考えて民宿に電話を入れてみる。
民宿にそういう事情だから、夕方近い到着になると電話を入れたら、一言女将が「じゃ、バスで来てください」と大英断をしてくれた。
それで迷ってたけど、バスと決めたが、なーーんにもない場所で近所のおばちゃんらしき人とただ無言で待ってるだけ。
どちらかというと、時間と料金のどっちをとると言われると、時間をとりたいタイプだけど、そういうのんびりしたことろだったからまあ、いいかで待って、やっと到着。
とりあえず温泉に行きたいと言ったら、女将がバスが出てるけど今からだと帰りが遅くなるから今日はうちのお風呂に入りなさいよというので、その通りにした。
ここから田舎のおばちゃんは始まっていた。いや、バスの大英断から。
民宿と言っても、個人の家を保健所入りで宿にしたものなので、本当に個人の家のお風呂に入ってるようなもの。
それに夕食になって、何故、温泉に行くなと言ったのか判った。
ずっとつきっきりで、もう1人のお客さんが一緒だったけど、いちいち食材の説明から始まり、食べ方から指導が入り、落ち着かないことこの上ない。
鹿の肉、なんて珍しいものも食べさせてもらったけど、気疲れはする。
それに一緒に食べさせて説明する必 要があったから、時間に間に合わないかもしれない温泉にわざわざ行ってほしくなかったんだなと納得した。
そしてお風呂。
とりあえず、ドライヤー付きになっていたけど、ホテルなどだと当てにならないし、なんとなく持って行って自分の使ってたら、女将が来てもう自分のものを使って半分は髪が乾いているにもかかわらず、あるんだからこれを使えと、自分とこの備え付けを出して着た。
もう途中だから、なんかこっちも引けなくて「もう使ってますし、自分のが使いやすいから」と突っぱねた。
突然意味の判らない女のバトルがドライヤーを挟んで始まった。
一事が万事この調子だった。
寒かったら半纏(はんてん)があるから着ろ。私は私で防寒具を持ってるし、エアコンもある。お茶を飲みなさい。私は緑茶は飲めない。熱い珈琲も冬場しか飲めない。砂糖、ミルクがないとダメという癖がある。
みんなそうだと思うんだけどな。
という、女将英断の、こうしろああしろはいっぱいあったが、極力自分の思う通りに動いた。
でもその日が、ここの開いてからの10周年の当たる日だそうだ。
私も記念日だったからこの日にした。
何か結ぶもんもあったんだろうな。
そして帰り。下の電車の通ってる所まで送ってもらった。山奥でちょっと雪が降っても交通が止まるような所。
だから、呼ばれないといけない所だそうだ。
一緒に来てた人も本当は12月に友だちと来る予定だったが、お母様が亡くなって中止したそうだ。
呼ばれるという言葉に凄く納得していた。
それに近所に温泉が1件あったんだけど、偶然私が行った日は定休日だった。それで洞川までということになったが、近くにもう1件あったのを帰りに発見した。
「なんであそこを黙ってたんだろう?」
もう1人の旅行者に聞くと
「あの人たちの目にかなわなかったんじゃない?」
と言っていた。伝統的な天川温泉でなく(神社だけ「天河」と書く)
確かに、ハーブ湯みたいな若い子好みで、伝統的じゃないから、お勧めじゃなかったんだろう。
「ここへ来るカップルは結婚率が高い、良縁の民宿ですよ」
とか、夕食の席で言われたが、もう1人の旅行者いわく
「こんななんにもない所へ一緒に来れるなら、結婚するくらい趣味が合うんじゃない」
と一刀両断だった。
こちらもあちこち行きたいと言ったら、今はシーズンじゃないから止めた方がいいとずい分女将から言われて断念させられた口らしい。
しかし、頑固な女将だった。
親戚のおばさんみたいな女将だった。親戚だって今時そこまでいわない。
でも、女将は子どもの頃から民宿がしたくて、1度大阪に嫁に行ったんだけど、旦那さんの退職と共に故郷に帰って夢を叶えた根性の人だ。
旦那さんも偉くてそれまで商社マンとして世界各国飛び回ってたのに、突然、民宿の親父で仕事のほとんどは客の運転手。
凄い180度の人生転換だ。
そういうこともある。
望み続ければ夢は叶う。
頑固だけど。頑固だから?
いい勉強になったわ。
そして翌東北震災が起きた。
…うーん、大変だよね。