長野行きの新幹線の最終が午後10時04分東京駅発のため、こちらに居られる時間も残りわずかとなる。
長崎屋横の通りは演舞直前まで交通規制はせず、時折事情を知らないタクシーが入ってくる。そのせいか人もまばらであった。ところが最後(私が見られる)の演舞が始まると、またあっという間に人が集り、踊りを取り囲む。
なんとか前に潜り込み、写真を撮り続けながらも踊りを見ていると、後ろの二人連れの上品そうなご夫人の話し声が聞こえる。四季が終わり、旧踊りとなり男女それぞれが1列で踊っている時、大きなため息と「これはキレイだわ」という自問自答のような感嘆の声。西町の亀甲模様入りのピンクの衣装と若いが卓越した踊り子の技量は、その場にいた観客に驚嘆のまなざしで見られていた。空気が止まる瞬間である。
今年もおわら風の盆が終わり、月見のおわらまでに風の盆に関して思ったことをまとめようと考えていた。けれども考えの線はまだ繋がったままである。今年は撮影枚数5000枚を越え、その中で使えるものを毎日数枚ずつブログに載せても来年の風の盆まで優にもつ勢いである。一言で魅力を伝えることは簡単だが、それでは心が伝えられないと思う。
予定ではこの後、午後9時から最後の演舞があるとのことであったが、午後8時39分の特別快速の東京行きに乗るため会場を後にする。最後に西町の方に声を掛けると「お気を付けて」との言葉。足早に駅へ向かった。
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