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バラとおわら風の盆と釣りなどの雑記

おわら風の盆

2006年05月26日 | おわら風の盆

      初めて八尾に行ったのは2000年の風の盆でした。それ以前から北アルプスに源を発する透明で清冽な流れに育まれた宝石のような渓流魚を追いかけ、富山県の河川には何年も足繁く通っていました。八尾に行ったきっかけはTV番組で風の盆のドキュメンタリーを見たからです。八尾の付近にも奥深い渓流が何本もあることから、どちらかというと釣りのついでに行ってみるかという、極めて軽い気持ちのものでした。その時点で、まさか以降ほぼ毎年通うことになるとは、夢にも思っていませんでした。 今年も8月になると前夜祭、9月の本番と風の盆の季節がやってきます。新しい写真が増える前に、去年まで撮りためた写真をもとに私なりの風の盆の魅力をご紹介できればと考えています。 2006-05-18 22:20:18

 

一旅行者の見た「おわら風の盆」の魅力

 残暑が厳しい9月1日からの3日間、富山県八尾町では 他に類を見ない優雅で幻想的な祭りが繰り広げられます。いつしか風の盆と呼ばれるようになったその行事を見るために、毎年全国から沢山の方々が八尾を訪れ、感動を味わって行きます。そして一度おわらの魅力に獲り憑かれると、以降毎年八尾に通うようになります。深夜3時頃、古い町屋造りの家並みを徘徊すると、運がよければ町流しに遭遇します。そこには見る側からすると、この世のものとは思えない、不思議な世界が存在します。まだ日の高い、1日の午後3時 町々には三味線と胡弓の調弦の音が鳴り響き始めます。揃いの衣装に編み笠をかぶった若者と揃いの浴衣を身にまとった三味線、太鼓、胡弓、囃し手、歌い手の方々も次々と集まってきます。いよいよ風の盆の始まりです。      「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」 世阿弥の風姿花伝の中の有名な1節ですが、ここでいう花とは人を感動させる力を指すそうです。おわらでは、編み笠を被りながら踊ります。能楽の世界の言葉はそのままおわらにも当てはまります。また小さい頃より、修練を積み重ね「まことの花」になりつつある踊り手はなんと「時分の花」の時期に引退します。おわらが高度な質を保っているのは、この不文律が守られているからで、この1点だけみても、大変な観賞価値の高い踊りです。「ひとつ 花を知ること」その前段にはこのように書かれています。花は自らその場所を動くことなく咲き誇ります。人はそれを目にしたとき無条件に心魅かれ、穏やかな気持ちになります。また花は花でそういった自分の役割をわきまえて自己主張せず、ひっそりと散っていきます。「時分の花」の時に退くことこそ、本当の美学ではないでしょうか。      行事としておわらは、極めて優美そのものですが、夜中の1時を過ぎた頃から、それぞれ仲間を伴い、町流しが行なわれます。その中には町の揃いの浴衣を着た踊り子もいれば、自前の着物で踊る方もいます。笠は被りません。若い踊り子でさえ、かなりの名手がいるのですが、それ以上の経験を積んだ方の踊りはまさに「まことの花」で地方の演奏に耳を傾けながら静かに鑑賞します。薄暗い雪洞の明かりも届かぬ闇は昼の編み笠の役割を果たしています。鑑賞するものは、表に現れた踊り手が見せたいものを見れば良く、弾き手が紡ぎだす音、歌い手の唄に聴力を研ぎ澄まして聞き入ることが肝要です。      文化は文字が化けると書きますが、これは明治以降の新造語で、本来の意味は英語のカルチャーで元々ラテン語の「耕す、手入れをする」という意味を表す言葉です。また転じて、訓練・修練という意味でも使われています。そういったことからも、「おわら風の盆」は単なる数百年前に起源を発する伝統行事に留まることなく、現在も日々進化する「八尾文化」であると言えるのではないでしょうか。私のような一旅行者は、この文化を守る人々の努力に敬意を払い、類まれな非日常性を持つ行事を鑑賞できることに感謝しなくてはならないと思います。 2006-05-24                          

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4 コメント

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ひゃー!!! (あきの)
2006-05-19 19:39:11
ビックリしてしまいました

開いたらイキナリだったもんで。

青チューさんのブログ、ブックマークさせてくださいね

写真の件ですが、問題ないと思いますよ~。人に見られちゃまずいシーンなんて、おわら&曳山じゃまずあり得ないだろうしあ、でも会社さぼって祭に参加してるのばれると困る人はいるかも?

わたしは大丈夫だと思います。あくまでも日記だしね。

更新、楽しみに覗かせてもらいますね~!
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ありがとう (ガイ)
2006-05-20 06:37:27
ご覧くださりありがとうございます~。

この写真おわらの雰囲気が出ていて、とても気に入ってます。

というかあの場の雰囲気&ねえさんの踊り凄かった

です。



そうそうMorgenさんという方のHPですが、

おととしのおわらのページには沢山あきのさん写ってます。↓

http://morgen100.kt.fc2.com/04owara/04owara01.htm

この方の写真結構いいです。
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↑の方のHP (あきの)
2006-05-20 21:31:19
行ってみました、いやはや何というか・・・間違ってもアクビしたりしてちゃヤバイなぁー!!!と思いました今年は気を引き締めて頑張ります。

去年の着物、あれは牛首紬っていう私史上最高級の着物なんですよ。写真に残ってるっていうのは嬉しい小説にも出てくる、あの紬です。

話は変わりますが、ブックマークにあるアクセ屋さんのHPも覗いてみました。実は去年からシルバーアクセを自作してるんです(クレイではなくワックスなんですけど)。薔薇モチーフも素敵ですねぇ一回挑戦してみよっかな。
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あはは  (ガイ)
2006-05-21 23:42:48
アクビはできないかもね。

お忍びの町流しでも、カメラマン+ギャラリー結構多いので沢山写真に収められていらっしゃいますよね~。

このMorgenさんの写真、構図も被写体の選び方も私と似ている気がします。

今年も、私もこちらのモデルさんの町流しに遭遇できたらと思ってます。



牛首紬って貴重品&高級品なんですね~

ねえさん普段着と清楚な着物姿とのギャップがかなりあるんで同一人物?と判断するまでに私も少し時間がかかったのは言うまでもなかったです。



有名な小説ですが、実は私読んだことないんです。

読むとおわらに対して、それまでと違うイメージを持ったりしたら嫌だなと思い、あえて読んでません。

翔さんのページ見られたんですね。

たどると店主の写真が出てきますが、決して怖い人ではないので(爆)

最近クレイでテレビ出演づいてるみたいです。

今日は少年草野球チームのコーチやったんですが、あちこち体痛いです。







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