感想

バラとおわら風の盆と釣りなどの雑記

黒船桜 

2010年04月25日 | 桜/あんず/紅葉/つつじ
 季節外れの四月の雪が降った翌日の朝刊に大きく雪と黒船桜の写真が掲載された。
これは凄いと思いましたが、写真も凄かったのですが、雪の早朝、この被写体を写した
カメラマンの気力も凄いと思った。良い風景写真を撮ろうとすると、寒い、眠い、暑いなど
言ってられないのですが、それだけ被写体と写真撮影に対し効し難い魅力があるは、
釣師の世界と同じだと思う。

 昨日、葬儀で長野県の飯田市で行った帰途、遠回りをしてこの黒船桜を見てきました。
清内路村の小学校の近くにあり、道路に案内板もないのですが、昼神温泉から妻籠宿に
向って進むと、左側に堂々たる巨木がたわわに花を付けているのですぐに判りました。
晴渡った昼下がりのやや弱い日差しを浴びて仰ぎ見る黒船桜は、周りの咲き始めた
花桃を従えて君臨しています。

 ペリー来航の年に植えたというのが、名前の由来ですが、度々マスコミに登場します。
他に何人かの先行者がおり、ポイントと思われる小道もすっかり踏みならされた状態でした
のでどこから撮るのかも迷いません。しばらく、そこで過ごし、下を流れる黒川のエメラル
ドグリーンの清流を眺めながら、ふとこの桜は撮られなれていると思いました。
あたかも、モデルがカメラマンに笑顔を振りまくがごとく、この桜もカメラマンの期待
に応えてくれている、そんなことが心に浮かびました。

 宣長は山桜を愛し、自分の墓所にも生前に植えるよう遺言していたのですが、
山桜はいたるところにあり、それらはあまり振り返られることなく散って行きます。
一方こちらの桜のように人々に長年愛される木もあり、人生と同じだと思います。

コメント (6)
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