くらしのなかにアタマのカタマリ

真鶴と札幌と甲府のどこで老後を過ごそうか悩みながらブログを書くのである。

伊坂幸太郎 『死神の精度』と、映画「Sweet Rain 死神の精度」

2008年04月03日 21時50分28秒 | 本を読んだり。

今、若者に最も人気のある作家のひとりであろう、伊坂幸太郎。
ちょっと前に出た文庫が面白かったのですよ。

死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
伊坂 幸太郎
文芸春秋

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死神は、人が死ぬ1週間前にその人の元に派遣され、その死を「可」とするか「見送り」とするの判定をする。
と言っても、見送る理由なんてほとんど無いから、死神たちの下す判定は大抵「可」。
人間に興味の無い死神たちは「仕事」をビジネスライクにこなしつつ、合間に愛すべきミュージックを聴いている。
本作の主人公は、そんな死神たちの一人である「千葉」。仕事には生真面目、ミュージックを愛し、そして何故か青い空を一度も見たことのない雨男。
死神・千葉の視点で綴られた連作短篇集です。

人間の常識が通じない死神視点ならではのユーモア、さらりとしたクセのない描写、「そうだったのか!」という驚き、心がホッとする温かさ・・・いろいろな味わいが楽しめます。
多くを語るのは野暮ってもん。是非、読んでみてください。


そしてこの短篇集を原作とした映画「Sweet Rain 死神の精度」を、先週観て来ました。
原作つきの映画はこないだの「チーム・バチスタの栄光」で懲りたはずなのですが、主演・金城武の誘惑には勝てません。ぷ。

で、とにかく金城武がカッコよかった!!
もう、カッコイイのは知っているはずなのに、改めて「こんなにカッコよかったけ?(*ノωノ)」と照れるほどカッコイイ。あの澄んだ瞳は反則です!

しかも、金城武のカッコよさを差し引いても面白い映画でした。
原作から三篇を抜き出し、設定を少し変えつつも、うまいこと原作の世界観を損なわずにストーリーを作り上げていました。
死という題材を扱っているにも関わらず、重たくなく軽すぎず、これは原作がそうだからと言うこともありますが、金城武や富司純子の演技力に負うところも大きい。
シンプルにすとんと胸に落ちてくる、素直に楽しめる映画です。


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コメント (3)
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