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薔薇のマリア16巻の感想レビュー(ライトノベル)

2011年07月31日 20時56分35秒 | ライトノベル・小説
角川スニーカー文庫のラノベ、『薔薇のマリア16.さよならはいわない 』(十文字青先生原作、BUNBUN先生イラスト)が発売中です。
表紙はマリアローズとトマトクン。
マリアの憂いのある表情が色気あり過ぎてグッと来ますね。
これはアジアンが嫉妬せざるを得ないかもw

お話的には前巻ラストの襲撃のその後は?というところからスタート。
ラフレシアの軍勢が刻々と迫り来る中、ZOOのメンバー達にも決断の時が迫って…という展開です。

本シリーズが、サンランド無統治王国の首都、エルデンを舞台とした物語だということはファンの方には言わずもがなですが、今まで巻を重ねてきた中で描かれたキャラクター達の数も相当数に上っているわけで。
予想はしていましたが、懐かしい顔ぶれが数多く登場する展開にテンションが上がりました。

それぞれがそれぞれの事情を抱えつつ、街の中で生活を営んで来たということが窺い知れるエピソードの数々は、彼ら、彼女らの個別の掘り下げであると同時に、エルデンという街の設定そのものを掘り下げる効果が高かったと思います。
はるかな過去から暗躍していた上層の当事者達による思惑や対立構造といった部分の説明ももちろんあるわけですが、まさに今、この瞬間を生きることでエルデンの血肉の一部となっているキャラクターたちの生き様が語られることには大きな意味があったと思います。

シリーズ初期は、エルデンに複数存在するダンジョンに挑む侵入者達の物語としての側面が大きかった本作ですが、その深奥に潜むボス敵を倒す!という王道の展開自体は1巻で達成済みとも言えるわけで。
単純にダンジョン探索を繰り返して侵入者としてのレベルを上げていくのではなく、エルデンの中で生きていく間に、時には辛い目に遭いながらももがき続け、様々な人々と出会いながら技術よりもむしろ精神的な成長を遂げていくキャラ達を描き続けてきた本作だからこそ、今巻のような大量キャラ出演&街そのものに最大の危難が訪れる展開に圧倒的な質的、量的なスケール感を感じられたのではないかと思います。

また、日常生活の象徴として、マリアやサフィニア、ユリカ達の恋模様が描かれているのも微笑ましかったですね。
状況としては、トマトクン邸があんなことになってしまったり、けが人も出たりとまだまだ予断を許さないところでしたが、今までも数々の困難を協力して乗り越えてきた彼女達ですし、ヤバい事がいきなり起こる過激さも、ある意味エルデンのエルデンたる所以なわけでw
そんな危険と隣り合わせになりながらもしたたかに生き抜いてきた彼女達だからこそ、想い人(マリアはなかなか素直になれないにしてもw)との時間を大切にしたいという気持ちは切実であり、自然と強くふくれあがっていく…というのも頷けますね。

というか、サフィニアさん、マジ、恋にバトルに無双感パネェっすw
世界レベルでの凶運設定の持ち主である彼女ですが、遂にそこから一歩踏み出すことが出来た!?と思える展開が目白押し&まだまだ底が見えない潜在能力がひしひしと伝わってきてファン感涙でした。
なんというか、愛ゆえに人はどこまでも強くなれる!的なオーラ感が(・∀・)ニヤニヤ
カラー口絵&某イベントのイラストを見ながら、愛娘を嫁がせるお父さんのような心境になったのは自分だけではないはずw

イラストと言えば、サフィニアの可愛らしさはもちろんのこと、アジアンに対する想いを持て余して悩むマリアの切なそうな表情にもキュンキュンさせて頂きましたが、ここはハニーメリーのイラストをプッシュしてみる試み。
劇中でも驚愕のカミングアウトに「おお~!!」というところでしたが、あえてあの状態の彼女をアップで描いたところが印象的でしたね。
本来のイメージとは程遠い、なんとも痛々しい姿ではありましたが、それが却って生命の美しさというか、常に後悔なく前向きに生きようとする彼女の気高い意志を描き出しているようで、とても綺麗だなと感じました。
下の人はポカーン状態でしたが、今後が楽しみだなとw

あと個人的に、ベアトリーチェの成長っぷりには、目からウロコが落ちるほどの衝撃がありましたね。
どこをどう書いても一番良い部分のネタバレになってしまうのでもどかしいですが、あの3人があんな事になってしまうとか、これは確かに盛り上がるッ!
…いや、未読の人には何が何だかわからない書き方になってしまっていますが、読み終わった方にはあの場面だとすぐに理解して頂けるかと。
秩序の番人時代よりも更に磨き抜かれた彼女の義の精神が眩しかったです。

色々と新事実が明かされましたが、やはりトマトクン絡みの諸々の展開が気になりますね。
ZOOの園長としてクラン全体の精神的支柱となっている彼ですが、フラグも含めて読めば読むほど不安になる要素&伏線がてんこ盛りで心臓に悪いですw
余談ながら、彼視点で自身の胸中が描かれる場面で、(本筋とそこまで絡むというわけではなかったですし、文章的にも短かったですが、)マリアに対する率直な評価がチラッと描かれるくだりがあったのが印象的でした。
マリアの自己評価以上にきちんと評価し、メンバーの一員として認めている様子に胸が熱くなりました。

ページ数が多い今巻は、「本編」と「キャラのSS」と今巻初出情報満載の「設定資料集」がごちゃまぜになったかのような、文字通り密度の濃い内容となっている分、理解するまでに少し時間がかかる部分もありました。
イメージ的には、たくさんの種類の果物が満載の巨大なデコレーションケーキを、頂上の飾り部分からケーキ生地の中に埋まっている具材までひたすらフォークで掘り返しつつ食べ尽くしていくような感じかなとw
それを煩わしい作業だと感じるか、新鮮で面白いイベントだと感じるかは、本来は人によって若干好みが分かれる部分だと思います。

しかし、ここまでマリア達の物語を読み続けてきたファンの方なら、久しぶりに登場したキャラ達に懐かしさを感じつつ、遂に明かされた事実に生唾を飲み込んだり、ラフレシア軍の脅威にハラハラしたり、ラブコメイベント&イラストにキャッキャウフフ萌え~!したり、バトルで手に汗握ったり、ラストの引きを見て((((;゜Д゜))))ガクガクブルブルしたりすることが出来るのは間違いないかと。

というわけで、未見のファンの方はお早めに、ゲットを。
シリーズ自体未チェックだったという方は、一気買いで是非♪

あと、ザ・スニーカーWEBで短編の『薔薇のマリア "私の名前はキューベルアドラス My name is Q'bell-adrus."』が公開されているので、今巻と併せてお読みになるのもオススメ。

気になった方は、是非、チェックなさってみてくださいませ。


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