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火の国、風の国物語6巻~哀鴻遍夜~の感想レビュー(ライトノベル)

2009年04月22日 13時35分29秒 | ライトノベル・小説
富士見ファンタジア文庫のラノベ、『火の国、風の国物語6~哀鴻遍夜~』(師走トオル先生原作、光崎瑠衣先生イラスト)が発売中です。

表紙はゴスロリファッションがデフォルトの精霊パンドラ。
契約者であるアレスの側で助言を与えつつも、それは単純な善意からではなく、より大きな戦乱が起こるようにと画策する上位存在、『黄昏の主』の意向に従ってのものであるという彼女の設定は、本シリーズの特徴でもありますね。
可愛い見た目とは裏腹に、一筋縄ではいかないイメージがするパンドラですが、今回もアレスにどんな助言を与えるのかワクワクしながら読み進める事が出来ました。
アレスには知り得ない『パンドラの内心を描く間章』が差し挟まれている事により、より彼女の行動に興味をそそられた感じがします。
嘘は言わない反面、自分達に不都合な事実は教えないという黄昏の主とパンドラの助言に、アレスはどの様な決断を下すのか?
人の生死がかかってくる分、選択の重みは増す一方ですが、その重みを背負っていく事こそが、英雄として課せられた使命と言えるかもしれませんね。
既に『ただ一人からなる無敵の軍勢』として、その武勇については疑う余地のないアレスですが、パンドラとのやりとりとそこからもたらされた結果が、彼の精神面を鍛え、成長させているという側面もあるのではないかと思います。

今回のエピソードでは、解放軍に所属するもう1人の英雄、ミーアとのまさかの共同戦線が描かれる事もあり、事態の推移にはハラハラさせられっぱなしでした。
個人的には『赤の悪魔憑き』と『風の戦乙女』のコンビ実現は、あったとしてもまだまだ先の事だろうと予測していたので、嬉しい誤算という感じでした。
\(^_^)/

5巻までお読みになっていた方にすれば、一見急展開に思えるところですが、そうなるまでの経緯をバッチリと描ききっているのが本巻のスゴいところです。
というか、アレスを連れてとはいえ、単身解放軍の中に飛び込んだだけでもハンパないクラウディアでしたが、彼女のヴィジョンはそこでとどまらず、更に先を見据えていて驚かされました。

精霊に選ばれ、人間以上の力を持つに至ったアレス達も凄まじいですが、王族とはいえ人の身でありながら人間離れした外交手腕を見せつけたクラウディアもまた、ある意味規格外の存在と言えるかもしれませんね。

神算鬼謀の策略家であるジェレイドと、国務の要衝を担うカルレーンを相手にしても退かず、あまつさえ場を支配してしまう彼女の弁舌の冴えは必見です。
(*^-^)b
こんな人が自分の先輩なり上司だったとしたら、大変ながらも物凄く充実した日々を過ごせそうな気がしますね。

そんな慧眼の持ち主であるクラウディアですが、こと恋愛の事となるとまだまだ年相応の乙女っぷりが初々しかったり。
これは良いギャップ萌え。
(//▽//)
主従関係である手前、口には出さないもののどう見ても相思相愛なアレスとクラウディアですが、そこに割って入るのはあのベアトリス!
文字通り恋の刺客となれるのかどうか、今後の展開に目が離せません。
クラウディア、ベアトリス、エレナにシオーネと美少女、美女キャラが揃い踏む中、自身はミーアと連れ立って…という展開はニヤニヤながらちょっと勿体なくもあったりww
お色気担当はカラー扉絵のエレナ…と見せかけてむしろ名もない少女だったりなのは賛否両論ありそうですが、ラストに更に伏兵がいるので、次巻に超期待かも。

一方、華やかな戦いの舞台裏で、一般の村人達の戦いにも焦点が当たっているのが後半の見所。
家族を守るために身を犠牲にする男達の生き様は、王道ファンタジーにしては生々しいですが、その分リアリティがあって、思わず目頭が熱くなってしまいました。
(T_T)

この時点で戦争の悲惨さと農民達の渇望を描いた事は、今後の大戦や、ジェレイドの思惑にも少なからず影響や説得力を与えることになりそうなので、見せ方が巧みだと思いました。

内乱から他国との戦争へと、描かれる世界のスケールも大きくなり、ますます面白くなってきた火の国、風の国物語。
気になった方は是非、チェックしてみて下さいませ。



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