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『妄想少女 そんなにいっぱい脱げません!?』の感想レビュー(ライトノベル)

2009年08月19日 20時19分34秒 | ライトノベル・小説
角川スニーカー文庫のラノベ、『妄想少女(もうそうが~る) そんなにいっぱい脱げません!?』(東亮太先生原作、ちこたむ先生イラスト)が発売中です。

表紙はヒロインの紗衣。
カリスマ萌えイラストレーターとして活躍する彼女は、自分の描いた二次元のキャラを現実世界に実体化させることが出来るという能力の持ち主!というのが本作品の最大のポイント。

見た目は清楚なお嬢さまである紗衣が、実は自分の描いた絵にキャッキャウフフと妄想しまくりな二次専だということ自体がある意味ギャップ萌えですが、そんな紗衣よりも主人公である光宏の方が妄想パワーが強く、作者である紗衣の元ではなく、光宏の元に二次元キャラ達が飛び出てきてドタバタが…といった展開です。

光宏が好きな絵師さんの正体が紗衣で、また、当の光宏自体は紗衣に冒頭で告白してあっさり玉砕済みと、やや複雑ながらベタな設定は、購買層である読者にとっては受け入れやすいところかと思います。

二次元のみをハァハァ全開で愛する紗衣のダメっぷりと、三次元が嫌いな訳ではなくて、二次元“も”好きなんだ!!と言いつつ妄想は抑えられない光宏のコンビは、基本的に思想がズレつつも、オタ談義では合意や否定を繰り返す…と言った感じでニヤニヤでした。
ちこたむ先生の萌えイラストが、紗衣が描いたという設定の二次元キャラ達をステレオタイプな直球の可愛らしさで描く様子は非常にらぶりぃです。
(*^-^)b

ボクっ娘魔導士見習い、S属性メイド、スク水人魚、ツンデレ姫と、定番らしい萌えキャラ像が描かれているので、特に説明が無くてもシチュエーション自体は想像出来ると思います。

ただ、何故妄想で二次元キャラを呼び出せるのか、呼び出しアイテムのペンタブをどの様な過程で手に入れたのか、紗衣のライバルキャラ月代との因縁の深い部分についての説明、紗衣自身の過去といった、物語に説明が必要な箇所のほとんど全てが簡潔すぎ、もしくは次巻以降へ持ち越しという感じになってしまっているのはかなり残念でした。
( ̄○ ̄;)

キャラデザとオタクネタの雰囲気を楽しめればOKという方なら問題ないですが、キャラや設定の掘り下げと、そこから来る説得力に期待して読むタイプの方には、あまりオススメ出来ない感じだと思います。

というか、肝である二次元キャラ達は紗衣や光宏の妄想というかキャラへの愛が強ければこそ実体化しているらしいという設定なのに、自分の都合の悪いときにはホイホイ退場させようとしてしまうというのは矛盾しているように感じてしまい、イマイチ『○○可愛い萌え~~!!』な気持ちにはなれなかった気がします。
エピソード毎にメインキャラが変わってしまうことに加え、魔法のペンタブを使えば性格も見た目も描き手の思うがままに変えられるという設定もあるので、基本的に光宏と二次元キャラの関係が希薄なのは避けられない結果と言えるかと。

ある意味、自分好みのキャラをとっかえひっかえというのはリアルな部分でもありますが、愛よりも節操のなさが目立つというか、身も蓋もないというか、身につまされる感じでちょっと引いてしまいました。

おバカな事でもまじめに熱く語る雰囲気の路線に期待していたら、ちょい毒舌な自虐ネタ風味のまとめ方になっている箇所が多いのは、よくあるオタクネタとして理解は出来ますが、オタクであることを自認している方ほど、素直に共感は出来ない仕様だと言えるのではないかと。

勝手な期待と思い込みと言えばそれまでなのですが、基本設定やキャッチコピーからはかなりそそられる雰囲気があった分、余計に反動が大きかった気がします。

今後、仮に紗衣とのラブを主軸にするなら、ライバルキャラは彼女自身が描く二次元キャラ達になるわけで、この作品ならではの展開に持ち込むことは十分に可能だと思います。
2巻は既に確定している様ですし、保留していた設定の説明を含め、巻き返しには期待したいところですね。

気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。




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