くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

Dangan Kinabalu 60hours(3)2014年1月1日 キナバル山2日め だらだら登山、だらだらレポート

2014-01-17 17:04:23 | ボルネオ
標高3353mでの微妙な2014年スタート
まだ2013年?
それとももう2014年?
もうしばらくゴロゴロしてたいから、まだまだ2013年でいて~!
そう願っているうちに、ちょっと距離を感じる下の方からヤローどもの嬌声があがった。
室内のみんなは熟睡中のよう。
眠っていれば気づくことないレベルの、ささやかな騒がしさだけれど、それは間違いなく「Happy New Year!!!」のもりあがり。
今は小屋内静まり返っているので、きっとガイドたちが、ガイド詰所でカウントダウンしてたにちがいない。
遠い歓声には、相部屋のひとたちは誰ひとり反応しないので、一人さびしく2014年の到来を知り…。
キナバル山の標高3353mでの年明けなんて、それだけ聞けば素敵なようであり、現実は、寝心地の悪い、きしむベッド上で沈黙してるだけって、微妙。
どっちみち、人生において特別な、というか、特殊な年越しをしてしまった。


01:30 起床
神さま、あと1時間半、どうか眠らせてください。
新年の願いは、とにかく今、眠りたい。
Lonely Planetには、登りの疲労と薄い空気で自然に眠くなると書いてあったが、まんじりともせず。
今年のダイビングはどうしようだとか、それ以前に、2月はストーンズにクラプトンだ!と享楽的なことばかり考えてたら、ますます頭はさえてくる。
でも今は、ストーンズ、ロックちがい…
キナバル山のストーンズにロックを克服しなくちゃ…
あー、なんでここにいるんだろ?
年越しキナバルという自らのチョイスが、ただただうらめしい年明け。
「笑ってはいけない~」を見ていればよかったものを。

そして無情にも鳴りはじめたアラーム。
午前1時半。
不眠のわりには、元気な気がする。
クライマーの皆さんの寝起きは、やや悪め。
他の人のが鳴るからいいやと、私はセットしなかったが(それに私のアラームは某ハードロックではずいし…)、複数台が鳴動。
われわれ日本人がなんの断りもなく設定したアラーム…。
外人カップルのイギリス人男性はすっきり起きてきたが、北方系顔のアジア女性は引き続き爆睡。
うらやましいこった。
イギリス人のカレシだかダンナが起こして、北方系はやっとむにゃむにゃお目覚め。
ここでやっと皆さんと「あけましておめでとうございます」、外人には「ハッピーニューイヤー」、1時間半遅れで新年のごあいさつ。


02:00 朝食
同室のさわやか男女たちと、変な時間の朝食。
ディナーのときとはちがい、すいている。
他の山小屋の人は来ないのだろう。
たしかこの前は、朝食はついておらず、部屋でキットカット食べて出てきた記憶がある。
さすがにこんな時間だから、あまり食べたくない。
お粥一杯とナシゴレンというよりはピラフをちょろっとだけ食べるが、味がしない。
オートミールをとった人は、やはり味がしてこないと言っており、飲み込むのが大変そう。
食事を終えると、いちばんハードな登山をしているクライマー女子が、「ちょっと外の様子を見てきますね」と出ていった。

部屋に戻り、ニットキャップをかぶりヘッドライト装着し、ボートコートを着たらスタンバイOK。
北方系顔女性が相方の英国人に「だれだれがジャケットを干すためにどこそこにかけておいたら、ジャケットが盗まれた」的なことを一生懸命説明していて、トイレ内にも持ち物注意の貼り紙があるし、ラバンラタって盗難多発地帯!?。
そのうちに、クライマー女子が戻って来て、気温はそんなに低くないこと、風が強いとみんなに教えてくれた。
さすがである。

出発時間にあわせて下に降りると、ガイドのフェリックスに「すだまかん?(食べた?)」と聞かれ「すだー」と答える。
でも、おなかいっぱいじゃないけどね、と言ったら、もう少し食えと言われた。
じゃあ、そうしようかなー、と思って、歯磨きをしたにもかかわらず、バフェを見に行くと、すでにからっぽ。
みんなハイエナ。
かろうじて食パンが1枚残っていただので、残り物には福で、そのままパンをむしゃむしゃ。
噛んでも噛んでも、すべてが無機質な味。
山の上だし、運びあげる労力を思えば、ぜいたくは言えない。


02:45 Summit Trailのはじまり
2:45、ラバンラタ小屋を予定通り出発。
昼の軽装とはちがって、ガイドも防寒ばっちりなので、誰が誰だかよくわからないことになっている。
結局、スローな私には、一番若い気ーつよそーなガイドがつきそってくれることになったらしい。
たぶん、年功序列でめんどうな仕事を押しつけられたのに違いないと思うと、申し訳ない。
ガイドたちに「さあさあ、もう行きなさい」と言われ外に出ると、確かに寒さは感じない。
ただ、風がひゅーひゅー言っている。

歩き出すとほどなく鉄の階段がはじまる。
木だって鉄だって、階段とみたら即、うんざり。
ヘッドライトが照らし出す長い階段を見ただけで、気持ちが折れる。
先に行くように言われたものの、同じ車で来た本格派クライマーのみなさんが、りっくりっくと歩いているので、早々に「ど~ぞ~」と前に出てもらう。
階段が始まるとすぐにバテバテだった前回に比べれば、きょうはまとわりつくような倦怠感はないけれど、気力がともなわない。
まだ歩き続けられるのに、前の人が止まれば私も止まってみる。
止まっている人たちは、おそろしく呼吸が早いが、私はそれほどでもない。
歩いてゆく道すがら、誰かが休憩していれば、私も休憩してみる。
後から軽い足取りで来る人がいれば、さっさと道を譲り、そのすきに止まる。
おりにふれて止まる。
どうしても、前へ前へというポジティブな気持ちになれない。
そんな牛歩をしていたら、上の方に、突然ライトが見えてきて、どんどんこちらに近づいてくる。
まず、ローカルガイドが足取り軽く、続いて日本人らしきおじさんも、テッテッテッと慣れた足取りで下りてくる。 
せっかく早々高いところまで行っておきながら、高山病で断念なの?
残念無念だろうなぁ。
今回、シェルターで、ダイニングで、アクティブクライマーっぽい人たちが高山病への不安を話しているのを耳にした。
寝て起きたら出るんじゃないか…とか。
超タイトな日程で来て、かつ、眠れてないにもかかわらず、私にはそんな気配が微塵もないのはありがたいこと。
私の場合、牛歩が幸いしているか、深度下での窒素酔いにも強いし、圧変化に強いのかも。
あ、単に鈍いんだったりして…。

月のない夜。
立ち止まって空を仰げば、木々の間からのぞく星空がおそろしくきれい。
たりらりら~ん☆来て良かった…。
でも、そんな思いは一瞬のこと。
また新たな階段を上り始めると、来るんじゃなかったと、情緒不安定か!?
ため息交じりに星を見ていたら、「上は風が強くてばはや(bahayaはdangerous)だから、無理はしなくていい」とガイドくん。
行かないのなら下でおしゃべりということで…。
階段を上るという動作は本当にいやだけれど、この足が、イチ・ニ、イチ・ニと前に進む限り、引き返すというアイデアはない。
だって、ここに来たくて来たんだもの。
でもでも…やっぱり山登りなんて大っきらい!

ようやく連続階段攻撃から逃れると、待っていたのは急な片斜面とロープ。
なんぢゃこりゃー!?
こんなインパクトある場所なのに、まるで記憶にない…。
たしか前回は、ちょっと急だけど、ロープなんかつかまなくてもへーきへーきとのこのこ歩き、「だめだめ、ここはつかんで!」とガイドに慌てられた場所があったから、あのときはきっと足元しか見ておらず、周りを見る余裕がなかったと思われ…。
実際に歩くと、けっこう足場が細いし、腕力はいるし、これを帰りに降りるのかと思うと、まぢにやだ。
風が強いという警告があったのが、わかったよ…。
私の前にいた現役山ガールっぽい日本人女子が、「今は見えてへんからえーけど、明るくなったら泣きはいるで~」と友だちにぼやいている。
ビビるのは私だけじゃないのね…。


3668m サヤッサヤッチェックポイント
恐怖の片斜面をクリアしたら、ようやくサヤッサヤッチェックポイントに到着。
ガイド君が、チェックポイントの窓をこんこんやるが、だれもいない。
他のガイドに、何かを言われて「ふーん」ってな顔をしていた。
前は小屋の中でIDチェックをされたが、きょうはスタッフ不在。
ここに着くのが遅すぎた?
チェックポイントの横に小屋があって、中で休むようにガイドくんにすすめられるが、その数メートル移動と数段の階段を上るのもおっくうで、ちょっと寒いけれど、そのままチェックポイントの階段に座りこんで、しばし放心状態。
小屋から出てきた日本人たちが、「もう4時…」と言っているのが聞こえてくる。
気持ちはあせる。
しばらくすると、チャイニーズが数名、私よりさらに疲れきってあがってきた。
その中の女性が、たぶん、「もうダメ…」的なことをさかんに訴えている様子。


Summit Trail サヤッサヤッ~ローズピーク
サヤッサヤッを出たら、いよいよ待望のグラナイトの一枚岩ワールド。
階段の呪縛から解放され、花崗岩の幅広でフラットなスロープになるので、ずっと歩きやすいはず。
そして、私の記憶は、あたらずといえども遠からず…、ん!?…、遠かったかも。
記憶の中の一枚岩よりずっとごつごつしていて、傾斜もきついという現実…。
うえ~ん。

思えば前回のガイドは、この一枚岩ワールドに突入したとき、私の同行者に「君はひとりで登れるから、ロープを伝って先にいけばいい。」と送り出し、のろい私のことをつきっきりでケアしてくれたんだった。
メタボだった私と手をつないでまで、ずっと引っ張り続けてくれたんだ。
重い私を引っ張り続けたせいで、あのときのガイドは疲れてしまい、ときどきグラナイトで大の字になって休憩したりしてたなぁ。
あのときは悪いことをしたなぁ…。
きょうは、まだそこまで助けを必要としていないだけ進歩した!?
これで!?

ここまで来ると、見下ろせば下界の灯、見上げれば星空。
ガヤ島のシルエットも見える。
星は近くて大きい。
iPhoneには宝のもちぐされな星座アプリが入れてあるのに、取り出す気力もない。
たぶんオリオン座、きっと北斗七星、もしかしたら南十字星(小ぶりだったのでニセじゃないと思う)といった星座界の大御所たちが、今まで見たことのない近さで輝いているのだ。
今はこの星たちだけが、心のささえ。
新月ならではの、きわだった美しさだろう。
反面、月がこうこうと山肌を照らしだす満月の山も見てみたいと、またも気の迷いを起こしてみる。
いや、二度と山登りなんてするもんかぁ~!

星にひたっていたいが、そうもいかない。
歩いても歩いても頂上は近づかない。
数十歩歩いたら立ち止まる。
もちろん疲れから来るものだろうけど、気持ちがあと1歩でも先に、とつながらない。
歩数を数えてしまうと、さっきより長く歩いたから、じゃ、止まろう、ってな調子。
こんなことを繰り返しているうちにベッドライトの前に、いきなり何かがちらちらしはじめた。
キャー!こんなところに小型羽虫集団?と思いきや、ガイドくんが「ふじゃーん(雨)」
いきなり霧雨で、ついさっきまであんなに大きく美しかった星たちがもうそこにいない。
ああ、ご来光の夢が消えてゆく…。
これでいっきょにモチベーションがさがり、ご来光のチャンスがないなら急ぐこともないと、ますますゆるゆる歩く。
もうこれは、シパダン島に産卵に上がってきたアオウミガメなみのペース
この前頂上まで行ってるし、ご来光ないなら、行けるとこまででもいいかなーなんて、甘えも出てきた。

一歩一歩踏み進めるうちに、前方に、きょーん!とひと山浮かび上がった。
そして、そこにはライトが鈴なり、それも光はかなりの傾斜をもっている。
私、あんな急斜面のぼった覚えない…。
きっとあれはプロフェッショナルな人が登る別のピーク。
そうに違いたい。
そう思いたい。
でも、あんなにプロがいるわけないから、あれがローズピークなのだ。
キナバル山を、KKの街から、フライトから眺めるとき、その頂上は、単なるギザギザ続き。
冷静に考えれば、遠くから見て、あれだけギザギザだから、その一ギザのローズピークが突き出ているのはあたりまえ…。
空はだんだん白み、ライトの主である人びとの姿もよく見えてきた。
なんでここまで、これだけインパクトのある数々の難所を、まるではじめてのように感じるのか不思議…。
前回のキナバル山で感じたことは、多くの人が言うように、とにかく、上りより下りがいやだった、ということ。
なので、実際にはきつかった上りの記憶は、より新しい下りの記憶によって上書きされてしまっているようだ。

ローズピークへ近づくと、ガイドくんはここで待ってるとのことで、いったんさよなら。
前もそうだったが、歩みの遅い人についたガイドは、頂上までの渋滞を避けるためか、だいたいピークの手前で待っている。
KKのサンライズは、だいたい6:20頃。
振り向けば今は雲海で、早い人は、ご来光をあっさり断念して軽い足どりで降りてくる。
元気なおらんぷてぃ(白人)どもだが、その中の女性が尻からどてっ。
それをみていて油断したら、私は前のめりに右膝からどてっ!
大した痛さではない。
それなのに、次の瞬間、暖パンの膝の内側で、何かがだらーと流れる感覚。
まさかの流血?
わざわざ暖パンをまくりあげてチェックしたくない。
気にせず歩き始めると、けっこうしたたかに打ちつけたようで、鈍く痛む。
これでまたスピードダウン。

そうこうするうちに、同じバスで来た山ボーイズ&ガールズの中でも、とりわけコアなクライマーたちが早くも数名降りてきて、さわやかに声をかけてくれた。
振り返ると、私の後から登ってくる人はもういないようだ。
後から来ていたヘッドライトがいくつかあったが、抜かれた覚えもないし、でもいなくなってしまった。
サヤッサヤッでへたっていたチャイニーズはギブ?
でも、私はここまで来たらには、登りきるよ。

さすが、変わりやすい山の天気。
突然、霧が晴れた。
下りてきたローカルガイドに「あと1キロだから頑張れ!」と声をかけられた。
1キロ…平地ならなんでもない距離だが、ここでキロと聞いただけで脱力していたら、「いいから行け!」とせかされる。
そのガイドは、私が歩き出すまで、ずっと立ち止まって見ている勢いなので、しぶしぶ歩き始める…。
そこからずいぶん歩いたところで、降りてきたフェリックスに再会、「あと1キロだよ」という。
さっき1キロだったのに、数字が変わってない。
「1キロぉ~!?」と言うと、「あ~、あと800m」という。
次に来たガイドには「Yes you can!」と励まされ。
ローカルガイドや、すれ違う見知らぬ日本人山ボーイズたちに、「がんばりましょう!」「無事に帰りましょう」と、次々に激励を受け、産卵ガメのスピードで、またまた頂上をめざす。
登ってるうちに、また新たな霧がやってきて、またまた真っ白な世界になってしまった。

ローズピークへの岩のぼり。
こんなによじ登った覚えがないけれど、よじ登ったんだろうな。
近くにローカル男子が現れ、生暖かい目で微笑みかけてくる。
こやつは遅い人の安全を見守るために、ここにたたずむガイドかな?とスルー。
私がのろのろと頂上を目指す間に、最後までゆっくりしていた人たちも、もうどんどん降りてくる。
そして私がやっとこローズピークに到達したときには、そこにはもう誰もいなかった。


07:30 4095.2m ローズピーク
ローズピークひとりじめ!
これはひとえに、サンライズより1時間以上も遅刻して頂上についた怪我の功名。
前回は混雑していたうえに、マナーの悪い日本人熟年登山者がいて不愉快だったことを思えば、遅いのも悪くないかも!?


ただ、頂上からの大パノラマのはずが、真っ白白。

数分後、ローカル男子がのろのろ登ってきた。
安全を見守るガイドどころか、私同様、カメの歩みな素人で、頂上に着くやいなやGalaxyを取り出して、写真とってください!だ。
じゃ、私もお願い、とiPhoneを渡す。
話をしてみたら、コタブルから来たサバハンであった。
数秒の間に、霧がかかったり、晴れたりと、どんどんかわるパノラマ。




あ~、また霧が…。


そして、ものの2分で霧は完璧に晴れた。

まさに絶景。
写真じゃ伝えきれない。
いま私は雲上人。
コタブル人と「うちらビリ?」と笑っていたら、まだまだ下の方から、トゥドゥンをかぶったムスリム女性を含むローカル3人家族がはい上がってくるのが見えてきた。
コタブル人はこんどはNikonの一眼で周辺の激写を始めたので、別れを告げ、私は一足先に降りはじめた。
登ってくる3人家族は、いっこうにすすまない。
女性がマレー語でさかんにボヤいている。
そして、Nikon野郎のコタブル人は、下りは超瞬足、あっというまに見えなくなった。


下山前半~ラバンラタまで
ピークから降りると、ガイドくんが寒そうに待っていた。
「お待たせ~」ってな感じで歩き始めると、前後左右、東西南北、180度視界の届く限り、もう誰もいない。
いや、360度、ひと気がない。








キナバルの絶景と奇岩の数々と若者と私だけ。
このシチュエーション、悪くないかもといきなりテンションがあがる。
そうでも思わないと、やってらんない。
広大なグラナイトのバーンに出れば、どこを歩くか、ロープはどこでつかむかを熟知してるガイドくんについていくから、早い早い。
何回もつるりんとすべってタイムロス多かった前回に比べれば、スタスタスタスタとさえ言えよう。
遅れているので、立ち止まって見てはいられないが、岩の切れ目でけなげに咲く高山植物にいやされ、謎ケルンに、積む休憩時間があったのがうらやましいよ、と思いながら、ひたすら下りる。
まあ、何かに気をとられるとツルっときがちなので、常に足元に注意をはらわないと。
ツルっとなると、ガイドくんは鼻で笑いつつも、大丈夫か見ててくれるので気まずい。
雲海の切れ目からは、南シナ海が輝いて見える。
急激に標高が下がるので、あごをんがんが。
おもしろいほど耳がスポスポと抜ける。
両足の親指の先に負担がかかり、ちょっと痛い。
後日、爪がはがれる予感…。
途中、足首がグキグキッとねじれたが、大丈夫だった。
ついでに暖パンもずりおちてくる。
Mサイズがゆるゆる?まさかやせた?
腰パンになるので、ガイドくんが前を見たすきに、だるまさん転んだ的なタイミングで毎回ひっぱりあげる。
日が高くなってきて、日焼けを感じる。
日焼け止めを塗りたくもあるが、今は止まりたくない。

サヤッサヤの屋根が見えてきて、安堵と同時に、まだまだ先の長さに憂うつになる。
スタスタ降りても遠く感じたサヤッサヤッ小屋にたどり着くと、またも無人。
ガイドくんによれば、スタッフはニューイヤーホリデーだそうだ。
チェックポイントなのに、そんなんあり?
とりあえず、黒子増えそうなので、日焼けどめを塗って、スーパーで買ってきたチョコレートをぱくぱく。
大好きなチョコで回復どころか、ちっともおいしく感じられないってことは、そうとう疲れているんだ。
振り向けば、花崗岩の織りなす峰。


ここを出れば、またまたロープたよりの、私にとっては歩行困難な難所のはじまり。

まずは、恐怖の片斜面ふたたび。
こうやってロープをつかめだとか、ここは後ろ向きに降りろとか、ガイドくんの手厚い看護つき。
ロープをつかむと、かなりの腕力を必要とするので、ワークアウトをしておいてよかったと思える。
下りてきたところを振り返り、この短い区間でのロープでもいやなのに、ヴィラフェラータはあり得ないと再認識。


ズームすると…iPhoneの写真では、オソロシサは伝わりませんね…


この急斜ピンチを乗り切ると、一難去ってまた一難。

ゴロタ石、階段、ゴロタ石、階段の、無限ループ第一弾のはじまりー。
と思ったら、突然、「ここを降りてブレックファストに行け」と言われた。
その言葉にちょっと反応にぶくなっていると、ガイドくんはクールに、「君はブレックファストへ行け。俺はちょっと見てこないといけないものがあるから。」とか言い放って、道のない方へ向かっていった。
いちばんむずいトラバースポイントも通過した今、ここからは道なりに下ってゆけば、もれなくラバンラタに行き着く。
だから私は勝手に歩いて帰ればよくて、ブレックファスト、ブレックファストって、もしかしてYouは空腹のあまり、獣道でも通ってショートカット?それともまさかのタンダス(TANDASはトイレ)?
まあいいや。
まずはゴロタと格闘しはじめてものの数分で、ガイドくんが追いついてきたので、タンダスだったのねー、手は洗ってないよねー、と内心思う。
ところがいきなり、クールに「スティックだ」と、青々とした細いバンブーを差し出された。
ここからまた私が苦手とするステップ続きになるから、適当な灌木をへし折ってきてくれたのだ。
「とぅりまかしーばにゃー。ありがとう。」
握り方までアドバイス。
タンダスとか、人放置して朝食とか、言わなかったけど、心の中で思って、ごめんなさいっ!
「本当に助かるよ。でも、高山植物を折るのは違反だよねー???」と言ったら笑ってた。
それにしても、Cooooool!行動がかっこよすぎ。
私が若かったら、こりゃ、惚れたね。
この生木というか生枝あるとないでは、歩きやすさが格段にちがう。
超使える!とほめ殺す。
足元が悪いところは、この石にしろ、とていねいにアドバイスしてもらいながら下りてゆく。

バンブーのおかげで、ラバンラタまであと500mのKM6.5に到達。
あーあ、チェックアウトの時間になってしまった。

ラバンラタの屋根が見え、あと少しという階段を降りていると、上の方から「Alamak! Ada dua orang!(あらまー!あだどぅあおらん!→Oh my goodness!二人いるわ!)」という女性の声。
私より遅れて頂上にむかったローカルファミリーだ。
彼らは、グンティンラガダンという、ラバンラタよりちょっと上にある小屋に入っていく様子が背後からわかった。
頂上に向かう時のぼやっきぷりとはうってかわって、鼻歌まじりに「着いたわ~♪」って感じで…。
下界からはにわかに雲が湧いてきた。
これじゃ、下山はまた雨でドロドロになるのね…。


11:20 ラバンラタ着
ようやくラバンラタの入り口にたどりつくと、フェリックスともう一人のガイドさんがいた。
どうやら同じ車で来たクライマーたちを先に下山させ、ガイドくんの戻りを待っていたようだ。
フェリックスが、部屋に置いてあった私の荷物を持って、これだけ?と聞いてきた。
遅れて着いたものだから、ベッドにお店を広げてあったグッズは、小屋のスタッフに勝手にパッキングされていたのだ。
ラバンラタ小屋のスタンダードチェックアウトタイムは10:30。
まだKM6.5にいた時間だ。
遅いのが悪いのだけれど、ややとっちらかしていたので、なんかやーな感じ。
そしてボックスランチを受け取ると、ガイドくんに出発は12時と告げられた。
2度めのブレックファストのはずだったが、もうランチタイム。

中に入ると、壁の時計は11:20。
小屋内がらがらで、同室のイギリス人と北方系顔カップルが残っているだけ。
みんなもう下山したのだ。
平らな床にひさびさに直立すると、大腿がぷるぷる。
でも、いちばんおそれていたひざは笑わない。
このあとも笑うなよ、ヒザ。

汗をかいて体が冷えているし、これからは標高が下がり軽装でよいので、ランチ前に、暖パンからラッシュレギンスに履き替え、フリースから半袖Tに着替えようと荷物を開けると、干し物はまるでかわいておらず、乾いたもの、濡れもの、おかまいなしに全部バッグに詰め込まれたので、着替えもすべて濡れものになってしまっていた。
ラバンラタやキナバルパークを牛耳るステラ・サンクチュアリーの融通の利かなさに、腹たつー。
着替えはあきらめて、ナシゴレンにソーセージが無造作に乗ったボックスランチ。
味が単調すぎて、残してしまった。ごめんなさい


12:00ラバンラタ~18:50ティムポホンゲート
正午に出発。
30分ぽっちのRESTじゃ何の足しにもならないよ~、と思ったが、立ち上がってみると、けっこう足の疲労は軽くなっていた。
ラバンラタの玄関にたてかけておいた、ナチュラルバンブースティックが消えていて、一瞬テンパる。
「すてぃっくひらーん!(スティックが消えたー!)」と叫んだら、ガイドくん、ちゃんとした木製スティックを持ってきてくれていた。
ここからガイドくんはポーター兼務なので、「これから雨が降るけど、てれふぉんびんび(ケータイ)は入ってないね?」と聞いてきた。
雨具を着ずに、傘をさして歩くつもりのよう。
てれふぉんびんびは自分が背負うリュックに入っている。
「追いつくから、とりあえず先に歩き始めて」と言われ、ゆるゆる下山。
小雨なので、最初は雨具なしでやりすごそうと思ったが、雨でiPhone水没してもおもしろくないので、雨具着用。

スティックがあるとやっぱり楽だ。
うれしいことに、歩き出したら、すぐに晴れてきた。
ダイソーのビニール雨具が暑いので、雨具はしまって、また歩き出す。
500mいかないうちに、きょうスタートの登山者で早い人たちがパラパラと上がってきた。
やはり、すれちがう日本人の山ガール、山ボーイは皆、感じがよい。
山オールドボーイ、山オールドガールのご夫婦も。

まわりに誰も見えなくなったら、バタバタと音がして、鳥が目の前を飛びかう。
サカナ同様、こちらがおひとり様になるとなめてかかるよう。
好奇心の眼差しでこちらをガン見。
近づいても逃げもしない。

羽くさそうで、あんまり好みの鳥でないので、こちらから別れを告げる。
まあ、こんな場所にいる鳥さんは、清潔なんだろうな…。
きょうはきょろきょろ、来た景色を振り返る気持ちの余裕はある。




最初の500mで、さまざまな国の人とすれちがい、HAPPY NEW YEARを言いながらおりてゆく。
アルバニア人という男性二人組の一人に、「日本語でhappy new yearはなんて言うんだい?」ときかれ、「あけましておめでとう」というと、すぐに覚えてくれた。
へらへら談笑していると、ガイドくんが、軽やかに下りてきた。
本降りを予測して、しっかり雨具着てきたガイドくんは、「雨やんじゃったね」と苦笑い。

さてさて、岩がちなところを過ぎると、赤土の地層に変わる。
その境界線は突然。
下りてきた方向を見上げればゴロタ…

見下ろせば赤土。

また、無限ループ第二弾、長い長い階段地獄のはじまり…。
前回は膝が大爆笑で、足のコントロールがきかなかったが、今回はヒザは不思議と笑わない。
これはやはり、P90X→T25→レスミルズと頑張ってきたおかげだと思う。
花をみる心のゆとりも…



ラヤンラヤン小屋まで着くと、また雨。
リスがごみをひっくり返して悪さをしている。
しばらく休んで、また地道に下山開始。
雨が降ったと思えば晴れ、の繰り返しで、天気は目まぐるしく変わる。
そして、よくこんだけ登ってきたよな、と思うほど階段は続く。
とはいえ、まだまだ先は長い。

500mごとにあるシェルター。
下りでは、各シェルターごとに休憩しなくても歩けるが、スピードが出ない。
そして、0.5Kずつ数字は小さくなる標識だけれど、なかなかその数は減ってくれない。
もう、金輪際、山には来ないと、心に誓う。

あと3.5キロ。
さっきから、ガイドくんのケータイにはときどき電話が入る。
あるコールのあとでは、「きみの友だちはもう、ゲートから1キロのところにいるそうだ。」と聞かされた。
同じ車で来た、さわやかな人たちのことだ。
彼らは極端に早いし、私は極端に遅い。
電話では、KKへの帰りの車の手配とかもすすめてくれているのがわかる。
なんとなく親しげな電話のあと、「親もガイドやってるんだけど、何時に帰ってくるのかって聞いてきた」とクールに笑うので、「元日を台無しにして、本当にごめんよ…」と陳謝。
またまたクールに「ノープロブレム」と言ってくれた。
電話やガイド同士の会話が聞こえてくると、話しているのはマレー語で、ドゥスン語ではないんだなと思う。
ガイドどうしはすれ違うと「ばっ!」、ケータイに出れば「ばっ!」と第一声で、この界隈のHi thereみたいなもんかな?
サバハンは語尾にバーバーいうけれど。
それにしても、必要最低限のコミュニケーションがとれるマレー語ができてよかったとしみじみ思う。
同じことを伝えるにしても、英語で話すよりも、みんな急にフレンドリーになる。

変わり映えのしない、赤土と階段の山道の無限ループを延々歩き続け、最後のシェルターにやっと着いたときには、金色のサンセットがKK沖に浮かんでいた。
ガイドくんがシェルター前で、「もう見たかもしれないけど…」とピッチャープラントを教えてくれた。

写真はあまり撮れなかったが、じつはこの木、とてもたくさん花をつけていた。
まだ色の淡いもの、赤々したもの、黒ずんだもの…。
やはりガイドの力量はすごい。
そして、「ドライバーがもう君を待っている。19時に出て、KKまで2時間かな。ぼくのクルマならもっと早いけどね。」とかっこつけてる。
下にゆけば人目があるので、これだけよくしてもらったんだし、チップをもう渡すことにした。
このガイドくんには、前回のガイドほど肉体を酷使させなかったものの、新年早々、超長時間拘束してしまった。
そういえばこの子、最初に見たときには、髪の毛つんつんおったてて、本人的にはキメキメだったっけ?
頂上までニットキャップかぶったりしてたから、今は髪の毛もぺったんこだね。
さすがに、まる1日、マンツーでお世話してもらうと、情もうつる。
私が若かったら、きっと好きになってしまっただろうな、なんて思いながら、あらためてお礼を言い、握手してラストスパート。

右手にサンセットを感じながら歩く山道。
こんな場所からサンセットなんて、遅かったケガの巧妙。
薄暗くなると、2種類のセミが鳴きはじめた。
「見える?」と聞かれ、まだまだ大丈夫、と答えていたが、日はあっという間に落ちるもの。
日が暮れれば山の中、生い茂る木々に、もう真っ暗。
周囲の音も、セミの鳴き声からカエルの大合唱に変わった。
ヘッドライトを出すのが単純に面倒臭くて、悪いけど、ガイドくんのランプを頼りに歩く。
この中を平気で歩く彼は、まさに職人である。
暗くなると、あんなとこに椅子があるとか、あんなとこで佇んでいる人がいるとか、植物がいろんなものに見えてくる。
滝の音がしているので、もう少しだとは思うけれど、これでもか、これでもかと階段が現れる。
でも、キナバル山で、こんな時間にこんなとこ、暗闇の下山なんて、これもなかなかできない体験、と楽しくもなってきた。
だんだんおかしくなってきた!?
暗闇で何も見えないのに音だけする滝ってこわい。
それでもまだある階段を、とにかく地道に消化。
そして、最後のとどめ、ティムポホンゲートへの上りの階段があらわれた。
ほんっとに、この昇り、ムカつく!
こんなノーマル階段で立ち止まるのもくやしいので、最後のみえでテケテケ上がって、さらに吸い取られた感じに。


18:52 ティムポホンゲート
ガイドくんが「menangis(泣く)」と泣きまねをしてふざけている。
泣かないよん。
いま心にあるのは、彼とキナバル山への感謝だけ。
苦労したわりには、だらだらやってたので、がんばった気はあまりしない。
私が経験してきたスポーツの中で、肉体的にも精神的にもいちばんハードな登山なのに、はじめてサーフボードにたてたときのような達成感とかがわいてこないのはなぜ?
もう何も考えられない状態?
体重減っても、毎日ワークアウトしてても、怪我なくても、生理でなくても、山歩き力がない現実に意気消沈。
やはり私は南の海にいるべきだ…。
でもでも、ひざは笑わないし、きょうできたことが、またできないわけはないと、なんかおかしな考えが…。
キナバル山での32時間23分で、肉体的にも精神的にも何かが浄化され、疲れているのに、得体の知れない活力がわいてきた。
キナバル山って、ものすごいパワースポットだ…。

ゲートには私より遅れて頂上に向かったローカル3人家族が待っていた。
いつの間にか抜かれていたらしい。
ゲート小屋のおじさんが、そそくさと鍵をかけ、みんなワンボックスでキナバルパークのレセプションへ戻る。

レセプション前に着くと、車が待っていて、秒殺で乗りかえさせられた。
登頂証明書も乗せてあると。
ガイドくんも途中まで乗ってきて、ちょっとした集落が現れると「GOOD BYE」と降りて行った。
キナバル山のガイドは、デキる子たちは基本放置プレイだが、私のようなダメな子には、とてつもない忍耐力とプロ意識を発揮して、エスコートしてくれるので、ただただ感謝である。
君のような、若くてクールで職人なダイブマスターが現れないかなあ。
それと、同じ車で来た、さわやかな山ボーイズ・山ガールズたちにあいさつできなかったのが心のこり。
ダイバーにはないさわやかさと礼儀正しさがあって、新鮮だった。
まあ、登山ワールドも、現実は、山小屋のおっさんとかがキャラ濃いようだが…

ドライバーは走りやさんで、前をゆく車はもれなくあおる。
おかげさまで(?)KKには1.5時間で到着。
しかも、空港タクシーとはちがってホテルエデンにも迷うことなく。


ふたたびホテルエデン
車を降りると、まずはエデンの階段…。
山登り後は、エレベーターのあるホテルにするべきだった…。
レセプションへチェックインにゆくと、初日にいたすっきりしたチャイニーズ女子から、「あしたのフライトは何時?」と聞かれた。
「7時25分だけど、オンラインチェックイン済み」と言ったら、「じゃあ5時45分でいいわね」とタクシーを手配してくれる。
「5時半がいいかな?」と言ったら、「朝は15分で空港に着くから、5時45分で余裕よ!」との話。
少しでも細い方が楽なので、アドバイスどおり5時45分にしてもらった。
部屋は、初日の部屋より、少しだけ高額だったので、広さは少しましになった
勝手知ったるKKの町並みなので、カーテンを開けちゃいけないことはわかっていたけれど、人情として開けてみたいもの。
で、目の前はゴミ集積所ビュー。
大きなゴミ袋を抱えた人が、いっせいのせ、ポーンと投げ入れているところだった…。
このホテルの大部分はこんな感じだろう。

とにかく、買い物もしなくちゃならないし、時間がない。
スパに行きたかったけれど、あきらめるしかない。
予約しなくてよかった…。
部屋へ急いで入り、シャワーをちゃっちゃと浴び、スーパーとディナーへ行かなきゃ。
2日ぶりのシャワー。
ぬるくて湯量もしょぼいので、生き返れない。
髪も生乾きだけれど、スーパーの閉店も近いので、とっとと出かける。

エデンの隣の店をチェックすると、きょうはココナッツウォーターがないかわりに、たらみサイズの紫いもプリンとココナッツプリンとマンゴプリンが。
きょうは元日。
なんでもあり。
これ、あとで3種類とも買って、3つとも食べよーっと。
でも、スーパーが先。
KKプラザ下のServey行こうともくろんでいたが、入り口に階段があったよなあ。
全身サキサキッ(あいたた)で、なるべく動きたくないから、隣のスーパーですませっか。
それなら、まずは腹ごしらえ。


元日だってバクテ
今、体が欲するものは肉骨茶。
体が弱ったときには、バクテがいちばん。
それも佑記!
今夜はすいている。
いつもは通りの席にかけるが、きょうは半がわきだし、店内の冷風扇の下にすわってみた。
この店ではじめて見かけるメガネの兄さんがオーダーをとりにきた。
さっそく「さとぅばくて(バクテ一人前)」と頼んだら、中国語でほわほわなにか言ってる。
英語で聞き返すと、「え~、肉の部位にもいろいろありまして…」とかめんどうなことを言い始めた。
いつもは問答無用で正肉・内臓ミックスで来るので、普通でいいよと答えると、「え~、あちらのメニュー表のように、骨付き、内臓…」みたいなことを言っている。
面倒臭いな…
大陸から来た中国系っぽい人たちは、メニューの下まで歩いていって真剣に見ている。
兄さんは印刷物のオーダー表を握りしめているので、「チョトミセテクダサ~イ」ってな感じでオーダー票を奪う。
オーダー票には骨付きとか、内臓の部位とか、そんな分類。
漢字で書かれているので、イメージはわくが、結局のところよくわからないので、「ちゃんぷるーで」と言ったら、やっと退散してくれた。

元日からバクテなんて、こいつぁー春からいい感じ。
骨つき肉をぱくぱく。
おかわりしたいくらい…
バクテスープのハーブがたまらない。


スーパーとコンビニ…残念なKKラストナイト
バクテがすんだらスーパーだ。
エデンへ帰りがてら、おとなりのTong Hingへ寄る。
初日は、Tiger Beerと、山に持ってゆくミネラルウォーターとチョコ目的だったので、品揃えについてはよくチェックしていなかった。
ある程度大きいので、使えるだろうと思ったら、中途半端な輸入品(ティムタム級でたいしたことはない)が多くて、マレーシアらしさがない。
WALKERのショートブレッド、LOACKERのウェハース、Cadburyのチョコなどなど、好物は多いが、日本よりさして安くもない。
私が欲しいのは、Buatan Malaysia、メードインマレーシアなのに、取扱いが極端に少ない。
しかもブルボンのお菓子なんかが日本のスーパーの3倍値。
マチオカやダイコクドラッグだったら5倍かも??
買うもんない!とサバティーと今宵飲むタイガーだけ買って店を出る。
そのわりに、スーパーに長居してしまい、反対どなりの甘いものやさんは閉まっていて、プリン三種の夢はかなわぬものに。
プリンがダメならアイスだー!
と、全身筋肉痛もなんのその、またまた来た方向を戻りコンビニへ。
どうしても選べなかったので、迷わずマグナムとウベ両方買う。

疲労回復には糖分も必要なのよ、という言い訳つき。

アイスたべてもいちどシャワー浴びてタイガー飲んでいたら、リネンにぽつぽつ血痕がある。
なんぢゃこりゃー!?
あ…グラナイトで打ち付けたひざは、しっかり流血していたのだった…。
ホテルさん、ごめんなさい。
まあ、鼻血よりも小さい点だから、許して…
すると、ひざがなんだか痛んできた…。
でも、こんなかすり傷にかまってられないほど、眠くなってきた。
枕が4つあるので、2つ重ねて、脚を高くして横たわったら、ダウン

こうして長い長い1月1日が終わった。
本当に長かった。