くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

銀塩映写会(1)モルディブ Sharks in Lion's Head

2013-01-16 00:27:40 |  水中写真


ふとした思いつきではじめるエア映写会。
文字通り銀塩で撮った水中写真を、ただ貼り付けて映写会と言ってしまうコーナー。

今回は、はじめての一眼で撮った、モルディブはライオンズヘッドのサメたち。
ライオンズ・ヘッドは、北マーレ環礁のポイントで、ひと昔前までは、サメの餌付けショーが行われていたことで有名だった。
オーバーハングになっている地形が、ライオンが口を開けている姿に似ていることにちなんでのポイント名だそうだ。
沖でサメがぐるぐるしているところに入って、そんな全景を見ることはできなかったけれど。
ガセかもしれないが、昔、クラブメッドのGOがふたり、ここで深潜り競争をして行方不明になったままだとか。
そんな話を聞いた直後にオーバーハングに座っていたら、誰もいないはずの水底から、気泡が切れ目なくあがってきて不気味だったことある。
もちろん、エグゾーストバブルのように、ボコボコってのではないけれど…
なんの生物だったんだろう。
行方不明事件への先入観と不敵なサメで、なんとなく、おどろおどろしいイメージがあるポイント。

さて、ガイドブックには、ライオンズヘッドには12匹のメジロザメがいて、ぐるぐる回ると書いてあったが、私がはじめて潜ったときにはすでに6匹、その後、1年ごとに数が減り、この時には3~4匹しか出てこなかったと思う。

エントリーすると、ロックのくぼににみんな腰かけて、サメが回ってくるのを待つ。
でも、ガイドが持っている冷凍イワシ袋からは、絶賛におい放出中状態なので、待つまでもなく、サメはすぐにやってくる。


いつも思うことだけれど、飛行機っぽい。


ぐるぐるまわって、だんだん距離が近くなる。






それじゃなくても、このオーバーハングは座り心地が悪くて、お尻が落ち着かないのに、目の前すれすれに、縦線の目が通過すると、もっと落ち着かない。


サメは、ガイドの差し出すイワシをパクっととってゆくのだが、サメより初一眼にテンパっていたのか、かんじんの餌付けシーンは撮っておらず、サメばかり…、まさに気を見て森を見ず、ってやつだ。

サメは時にアグレッシブなこともある。
黄色に反応するようで、黄色のハウジングや、黄色いマスクに頭突きを入れたりする。
やーな感じになってくると、浅瀬に浮上してドリフトに移るが、それでも執拗についてくることがあった。

ガイドがサメにタッチなんていうのも、古き良き時代のこと。


その後、Lion's Headからサメは消えてしまったと聞いたが、今はどうなのだろう?

ところで、この一眼はNikonのF801で借り物。
きっかけは、私がNikonosVをキンキリーフで水没させたことから。
ヴァドゥ・ダイビング・パラダイスの某日本人イントラは、私の水もしたたるニコノスを見て、「金魚鉢みたいやな!」と大喜び。
ひどい話だ。
さんざん揶揄したあげく、気の毒だと思ったか、いきなり、「あしたはライオンズヘッドにゆくから、一眼貸したげる」的なノリ。
人さまご自慢のネクサスとF801を再度沈させるかもしれないし、サメの海にネクサスを取り落すかもしれないから、もちろん拒否った。
でも、貸してくれると。
一眼で撮るウデもないと固辞するが、「アホでも押せば撮れるんやでー」とオートのすすめ。
熱心にすすめてくれるので、せっかくだからとお借りして、オートでバチバチ。
一眼は、シャッターを押す感触、音が素敵である。
そして、アホでも押しただけで撮れたサメたち。
ポジやレンズのホコリがぶちぶちあるなぁ。

さて、こんなエア映写会をしようと思ったきっかけは、断捨離の失敗から。
たとえば、古い水中写真のポジ。
マウントしてあるもの、スリーブのもの・・・
ちゃんと整理しておかなかったので、カオス!
いちいち電灯にかざさないと、いつどこで撮ったのかわからないものが多くて、捨て写真をピックアップするのも気が遠くなるような。

銀塩だと1ダイブ1ロール。
無制限ダイビングで1日4~5本潜って、1週間の滞在でも相当な出費。
だって、36枚撮りのベルビアは、1本1000円だったと思う。
たしか現像代も1本800円くらいしてたと思う。
この程度の出費はものともしないダイバーが多いが、私には痛い。
だから、たいした写真はないけれど、当時の投資を考えると、捨てるに捨てられない。

今はデジカメで、気安くなんでも撮っては消し、撮っては消し…。
銀塩でのシャッターチャンスは、1ダイブによくて37回、ミラクルで38回。
1ダイブで36枚は、それで十分すぎることがほとんどだが、それでもなかなかシャッターが押せないものだった。
ダイビング界限定での有名人、どこそこの××さんは写真がプロ級なんてイントラと潜ると、「ISO100でなくISO50を入れろ」とか、「フィルムが残っていても、次のダイブが大あたりかもしれないから、入れ替えろ」とか、「安全停止で大物が出るかもしれないから、2~3枚はとっておくもんだ」とか、さまざまなアドバイスに踊らされ…

おまけに現像するまでは、どんなふうに撮れているかもわからないリバーサル。
それも、あとからのお楽しみのひとつだった。
銀塩の時代には、ダイビングにゆくと、後日、映写会(という名の下の飲み会)をやったものだ。
今は、ラップトップやiPadで旅先でも、見せたい人は見せられる世界。
昔は、みんなでポジを持ち寄り、ダイビングショップで、協力的な居酒屋で、友人の家で、映写会で旅の打ち上げだった。
映写会をしない今。
大量にあるポジを、プロジェクタで投影することはないと思う。
見せびらかす写真があるわけじゃないけれど、今後、日の目をみないのかと思うと、なんだか不憫!?
というわけで、ここを訪問してくださる方におつきあいいただこうかと…
すみません、素人写真におつきあいいただき、ありがとうございます!