折々のうま-当たらぬでもなし

泉下で涙する杉浦 千畝

かくも厳しく険しい東北太平洋沿岸の復興

2011年09月29日 06時06分51秒 | 東日本大震災
 震災から半年を経て遅々として進まない復興であるが、様々な支障で進んで
いない。 象徴的なのは交通機関で、鉄道は三陸沿岸はどこに路線を引くのか
すら決まっていない。
 問題は広範囲に地盤沈下した箇所をどうするのかということが決まらない
以上、何も進まないのだ。
 高台に設置した仮設住宅にも交通機関が全くないとのことで、行政の遅滞
ぶりが糾弾されているが、事態はそれほど簡単ではない。
 宮城県の例を挙げれば、宮城交通がローカルの大動脈だったのが、車社会の
到来でミヤコーバスという子会社を立ち上げたが、どうにもならず、名取以南
の常磐線沿いは路線廃止してしまった。
 やむなく自治体はコミュニティバスで対応していたようだが、そこに今回の
震災である。
 震災直後は自衛隊のトラックに女性が隊員から手を引っ張ってもらって、
引き上げてもらうという戦後さながらの光景が見られたという。
 路線バスがあって、増発や路線変更をするのであれば、こんなに時間も
かからないだろう。バスを調達した上、乗員をどう確保するか、恒久的な路線
として免許申請するのかどうかも経営者としては逡巡するところだ。
 医療機関も同様で、地域医療も既に崩壊しており、震災はその引き金に
過ぎなかった。
 何よりも問題なのは復興では、一部の使命感に燃えた医師や、バス会社の善意
で辛うじて支えられてきた震災前の瓦解寸前の状態に戻るだけで、インフラ整備
や初期投資で人が戻って来るという単純な話ではないのだ。
 
 そもそも、放射能汚染でがれきのもって行き場もないのだ。

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