折々のうま-当たらぬでもなし

泉下で涙する杉浦 千畝

1番人気は当てになるのか

2008年12月20日 16時38分34秒 | 競馬
競馬王新書から「1番人気鉄板の条件・消しの条件」奥野 憲一 著
が発売された。

買って損はない本です。で終わってしまっては紹介にならないので、
普遍のテーマ「1番人気は当てになるのか」について結論を言うと、
岡田彰布氏ではないが「そら、そうよ」である。

オッズ理論の最大の欠点は他人に振り回されてしまうということである。
他人の予想に乗っかっている時点で、それは宿命的なものであるが、
2008JCのウオッカ、ディープスカイの目まぐるしいオッズ順位の
入れ替わりは極端としても、この理論の弱点はいつの時点のオッズで
判断するのかが問題になってくる。

まあ、締め切りに近くなればなるほど、ある程度、収斂した予想になるのは
当然で、私などは「思ったより配当がつかない現象」で実感している。

この本では締め切り30分前、単勝オッズ3倍未満を目安にしているところ
だが、大幅な馬体重増減があった場合などは、私には間に合う自信がない。

巻末の袋綴じで騎手の過剰・過小人気の修正パラメーターもあり、
かなり重宝しそうな本である。
逆に言えば毎年修正パラメーターが必要になるが、無意識にやっている、
「武で5倍の1番人気か、当てにならんな」ということを数値化したものだ。

チェックリストの見所も満載で、視野を広げるにはいい本だ。

本著では「朝一オッズ」は使うなとあるが、
これに関しては異論続出、百家争鳴だろう。
朝一オッズは、その筋の人が買うという都市伝説みたいなものではあるが、
朝一で買う人は独自理論か専門紙の予想の影響が強い。
これが、レースが近くなると一般紙の影響を受けたり、
オッズ自体を見て買う共鳴現象もあり、魔物になってくる。
パドック、馬体重を見て買う人もいるので、
精度が下がっているとは一概に言えない。

近刊の紹介ついでに
「2009年中央競馬全重賞DATAFILE」(笠倉出版社)が発売された。
これが出て有馬記念が近くなると、年の瀬感が否応なしに迫ってくる。
この本にも、レースによっては1番人気の成績欄がある。

これは繰り返し言っていることではあるが、
データというものは前提が崩れると全てが崩れるものである。

この欄は「1番人気が堅いレース」といった捉え方ではなく、
「紛れが少なく、今までは予想どおりの決着が多かったレース」
と考えるべきである。
この手のレースはメンバー構成次第で、がらり一変、ガチガチか、
大波乱の両極端、障害重賞レースみたいになっているものだ。

2008年のG1に限っても意外に1番人気は安定感がある。
抜けた人気はある程度、考慮に入れる必要があるにしても、
怪しい1番人気や負けても負けても人気になる妖しい1番人気を、
いかに炙り出すかがポイントだろう。
コメント
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