最近の出来事

ニュースや新しいテクノロジー、サイエンスについて感じること。

Operation Yellow Ribbon

2010-02-28 10:23:54 | 日記

今日、ガンダーの特集が放映された。
この出来事は出版されており、良く知られている話ではあるが、
何回見ても、心が温まる。

簡単に紹介すると、9.11 の後、アメリカ上空が完全閉鎖された。
つまり、民間機はアメリカ領空に入れない。
大西洋上空をアメリカに向かっていた飛行機は400機以上。
約半数はヨーロッパに引き返すことが可能だったが、残りはカナダに着陸するしか選択肢がなかった。

そこで、選ばれたのがガンダー、人口約1万人の小さな町だ。
ガンダーには第二次世界大戦中に、戦略上の拠点として世界最大級の軍事飛行場が建設された。2万機以上が駐機していたとされる。
戦後は航続距離の長い機材が投入されるまで大西洋路線の給油基地として活用されていた。
飛行機を受け入れるスペースは確かにあった。
問題は、人口1万人足らずの町に前触れもなく7000人近くが着の身着のまま到着したことである。
太平洋路線はバンクーバー(オリンピックを開ける都会)が選ばれたことを考えると、差の大きさが分かる。



もともと厳寒の地。
平均最低気温は11月から4月までずっと氷点下だ。
(年間を通じて最高気温は8℃、最低気温は零下1℃)
みんなで助け合わなければ生きていけない。
どこにも行き場の無い人たちを助けるのは当然だ、とガンダーの人達は言う。

移動にはスクールバスが使用された。
偶然スクールバスの運転手達はスト決行中だったが、全員ストを中止して駆けつけた。
乗客達は着替えすら持っていない。
預けた手荷物は飛行機から降ろせないからだ。
商店は棚を開放して衣類を無料で提供した。
つまり、お店に入っていって好きなものを持ち帰っていいのだ。
処方薬の切れる乗客もいた。
薬局は無料で薬を提供した。
多くの住民が手作りの料理を大量に作って持ち寄った。
みんな必死だった。

全ての飛行機が国際線である。
乗客達の言葉も文化も多様だった。
国籍も何もない。
ただ善意だけが存在していたのだ。

乗客の中には、感謝の気持ちを表すためにガンダーの子供たちに対する奨学金制度を立ち上げた人もいるくらいだ。
住民達が個人的に金銭的な謝礼を受け取らないからだ。
次の世代に対する公的な投資なら受け入れるということだった。

危機が訪れると、人間は助けあい始める。
まるで、Slime Mold (粘菌)のようだ。
普段から、こんなふうに人の良いところがたくさん出てくるといいのだが。

"State emergency" = "To stay at home"

2010-02-27 05:32:31 | 日記


木曜日から降り続いている雪は止む気配が無い。
金曜日の朝までに60cm以上積もった。
写真の中央ドライブウェイの雪の塊は車だ。
隣の家は雪かきを外注しているのだが、車は掘り出してくれないようだ。

なにぶん雪が除雪車のブレードよりも高く積もっているので厄介だ。
いつもの3倍時間がかかる。

ドライブウェイの入口に町の除雪車が道路上の雪を寄せ集めてくる。
1m以上の高さだ。
塩入りりなので固い。
内側から少しずつ削っていくと万里の長城のような壁が出来る。
このまま固まると大変なことになるな、と思いながら必死で雪壁を崩す。

次は車。
1台は車庫の中でぬくぬくと過ごしているが、1台は屋外だ。
やっとのことで車をかき出し路上まで移動させる。
車から落とした雪と、石垣と車の間の吹きだまりの雪を庭に積み上げる。

道路から玄関までの道を作る。
車を戻して、いったん休憩。
約3時間の作業だった。
「休憩」というのは、これから明日の朝までに25cmほど降雪があるという予報だからだ。
明朝、また一からやり直し。(雪の量が少ないので少し楽だが)

こちらの天気予報はなぜか良く当たる。
日本にいた時からは想像も出来ない精度だ。
現在時刻から6時間後までは15分刻みで、天気は勿論のこと、降雪量や風速が表示される。
便利といえば便利だ。

フィギュアスケート

2010-02-26 13:03:53 | 日記
昨夜の女子フィギュアスケートのフリーの演技は圧巻だった。
これまでのオリンピックで最高ではないだろうか。
SPフリーともにほぼ完璧な演技を見せたキム・ヨナは先月、プレッシャーについてこう書いた。
「プレッシャーは自分の周りにいる人々から来るのではない。勝てなかったら韓国の人全員に背を向けられてしまう。勝つ以外に道が無い。それがプレッシャーだ。」
SP後の軽いガッツポーズからは読み取れなかった彼女の心情が、フリーの演技の後で明らかとなる。
涙が止まらない。

「やっとこの日が来た。」
インタビューに答えて彼女はそう言った。
この言葉に全てが凝縮されている。

まだ20歳にもならない彼女が重圧に耐えて成し遂げた偉業はきっと語り継がれる。

SPでは浅田真央がSPは苦手だという考えを捨てたほうが良いと思われるほど素晴らしい演技をして高得点をたたき出した。
スケートリンクがざわめいていた。
キム・ヨナはそこに登場して観客を演技開始前に自分の世界に引き戻した。
曲がかかる前にすでに勝負が始まっているのだ。

だが、このフリーでの演技順のあやはSPの比ではない。
キム・ヨナの演舞の余韻でまだどよめきが残っている中に登場した浅田真央。
さらに史上最高得点を大幅に更新したという事実も重い。
全てが完璧だったとしても5点差はひっくり返らないかも知れない。

浅田真央はキム・ヨナと同じく国民の期待を背負っている。
こういった重圧の中でトリプルアクセルに2回挑戦した彼女の気持ちに拍手を送りたい。
勿論、成功することにも意義はあるが、まずはチャレンジ精神だ。

そして彼女は見事に着氷を決める。
これで彼女は歴史に名を残した。
胸を張って銀メダルを受け取って欲しい。

この二人のハイレベルでの戦いはこれから語り継がれるだろう。

銅メダルのロシェットは観ていて痛々しかった。
アメリカの解説者は涙声だった。
母親を亡くした彼女をサポートするために過去のオリンピック出場者が駆けつけた。
オリンピック直前に婚約者が自殺するという事件を乗り越えた選手も含まれていた。
とはいえ、心理的に乱れた状態であの演技を見せた彼女には脱帽する。
ダン・ジャンセンも1988年のオリンピックを振り返り、情緒的に不安定になるといかに体が言うことを聞かないかを説明していた。
ベストを尽くして滑りきった彼女。
フリーの演技後、天に向かってキスを投げていた彼女の姿が忘れられない。

ロシェットの演技後、会場はいつもとは違う雰囲気に包まれていた。
そこにトリとして登場したのが長洲未来。
いまだに、身長の急激な増加によって回転不足となったジャンプを必死で修正している最中だ。
もともとスピンとスピードには定評があった。
その彼女が自己最高の演技を見せた。
それもオリンピックでロシェットの直後に登場して、である。
心からスケートを楽しんでいるように見えた。
彼女のオリンピックがそこにあった。

彼女はこれから世界に出てくるスケーターだと思う。
インタビューでの彼女はいつ見てもハキハキとしていて気持ちが良い。
このまま成長して欲しい。

もう一人のアメリカ代表レイチェル・フラットはフリップの回転不足を指摘されて憮然としていた。
「録画を見直しても回転不足とは思えない」
「世界は基準が違うのだろう」
負け惜しみに聞こえてしまう。
本来、明るくて機転の利いたインタビューで知られている高校生なのだが、余程悔しかったのだろう。

この秋にはスタンフォードに進学する才媛で Honor student だ。
父は医学関係、母は分子生物学者でいわゆる学業を重んじる家庭だそうだ。
このオリンピックは彼女の人生で一つの通過点に過ぎない。
国を肩にしょっているスケーターからみると存分にスケートを楽しめる彼女の環境は羨ましいかも。

一つ気付いたことがある。
NBCが最終組の演技をCM抜きで通して放映したことだ。

一人の演技が終わって次のスケーターが登場する。
ウォームアップの間に点数が公表される。
次の演技に向けて選手が観客を引き込む努力をする。

そういうつなぎの時間の雰囲気を損なわずに伝えようとしていた努力を買いたい。
解説者も、演技中は極力邪魔をしないように気をつけていたようにも感じられた。
コメントは必要最低限に、それも短い言葉で。
ありがとう、NBC。

バンクーバー・オリンピックでの女子フィギュアスケートは最高だっだ。
最終組のスケーター全員に拍手を送りたい。

今日もまた雪

2010-02-25 19:56:55 | 日記
今年はやたらと降雪量が多い。
今日も学校閉鎖だったし、明日も休校だという連絡が入った。
延々と降り続いている雪は明日の午後まで上がらないそうだ。
今日は雪かきを諦めて明日の朝、1回目の除雪を始めよう。

シャッター・アイランド

2010-02-24 11:32:20 | 日記
マーティン・スコセッシ監督の作品
彼は自分の好みに合った映画を撮ってくれる。
古くはタクシードライバーからレイジング・ブル、キング・オブ・コメディー、カジノ、グッドフェローズ、ケープ・フィアーにいたるデ・ニーロ主演の映画。
最近ではデ・カプリオ主演のギャング・オブ・ニューヨーク、アビエイター、ディパーテッド等々、いずれも楽しませてもらった。

この映画のストーリーは単純で、結末というかカラクリがすぐに見えてくる。
この映画の真骨頂は、精神病院内での人物描写とストーリーの語り方にある。
特に一番最後のデ・カプリオの台詞が粋だ。

タクシー・ドライバーやケープ・フィアーを好きな人には是非観に行くように奨めたい。
劇場で観る価値のある作品だ。

アイスダンス

2010-02-23 17:44:33 | 日記

最近のアイスダンスはとても魅力がある。
Jane Torville と Christopher Dean がサラエボでボレロを踊ってからアイスダンスが豹変した。技術の裏付けが必要なのは当然として、表現力やオリジナリティーが重要視されるようになったからだと思う。

今年のカナダ・ペア(Scott Moir と Tessa Virtue)の演技はオリジナル、フリーとも素晴らしかった。
ステップの複雑さは少しの間違いも許されず、豊富な練習量を要求したはずだ。
意表を突く振り付けは見るものの目を釘付けにする。
二人の目に見えない絆が強烈な印象として伝わってくる。
金メダルにふさわしいペアだと思う。
ショーンホワイトとともに歴史的な演舞を見せた選手達として記憶に残るはずだ。

Pancho Villa’s

2010-02-22 17:28:47 | グルメ
昨秋紅葉狩りの際熊と遭遇したダイナーからされに1マイルほど奥にいったところにあるメキシコ料理店

こんな山奥にと思うようなところに、楽しめるメキシコ料理があるとは驚きだ。
Mountain View Lodge の女将の一番ののおすすめだった。

まず、付け出しのサルサとチップスは自家製で風味がある。
スープやチリは $3.50 という信じがたい値段。
$5.95 の Nachos Supreme は2-3人分はあろうかという量にたっぷりと肉とチーズがのっている。上に乗っているハラペーニョも缶詰ではない。
Chicken Quesadilla と Lomo De Cervo a La Riojana を注文した。
Quesadilla はニューヨークというよりカリフォルニアで食べたものに似ている。
Rioja スタイルはスキーの出来るような寒いところにはぴったりだ。
メキシコ料理という印象を受けない。
シェリー酒やハーブを使ったソースは寒い北スペイン(La Rioja 地方)の冬を乗り切るための知恵か。
不思議なのはのはそれにメキシコ料理と名前をつけているところである。

Catskill に来た際には是非立ち寄ることを勧めたい。

中山典之先生

2010-02-21 21:40:41 | 日記
中山先生の訃報を知った。
2004年8月にロチェスターで一局指導していただいた。
ヨセで見落としがあり1目負けだった。
食事を一緒させていただきお話を伺った。
独特の囲碁歴史観をもっておられた。
何時間お話を伺っても飽きることはなかっただろう。
もっと先生の書かれたものを読みたかった。
巨星落つ。合掌

The Reef

2010-02-20 11:28:20 | グルメ
インディアンポイントとキャンプ・スミスの間にあるレストラン。
飛び込みだったのだが、これが思いの外、価値のあるレストランだった。

まず、店内は程よく照明が効いているなかに、種々のソファーとテーブルが配置されていた。とてもリラックスできる雰囲気である。店名に合わせたのか、立派な熱帯魚の水槽が目を引く。

料理は、シーフードが充実しているうえに一般的なメニューもしっかりカバーしている感じだ。

サラダバーが嬉しい。
例えば、豆はヒヨコ豆がハマス風、見たことのない白くてかなり細長い豆(白花豆を引き伸ばした感じ)が塩味、インゲン豆が酸味の利いたさっぱり味とそれぞれ変化を持たせてある。コールスローも良い味付けだ。その他の野菜類も新鮮で、久しぶりに大当たりのサラダバーだった。

メインは Stuffed shrimp を注文した。
メリーランドクラブケーキのような詰め物で、蟹足まで入っている。
それをグラタン皿にのせて焼いてある。

今回は時間に余裕がなかったので、日を改めてもう一度訪ねたいと思う。

思いたってスキー

2010-02-18 16:13:17 | 日記
ここ2日ばかり雪が降っている。
オリンピックに刺激されたわけではないがスキー旅行に行こうと思い立った。
まず、近場のスキー場(2時間半以内を条件としてみた)で降雪情報を調べると、どこのスキー場にも新雪あり。

続いて宿を探す。
数打ちゃ当たる作戦でまず一件目。
「満室だ」とあっさり言われた。

2件目で早くも「何人で何泊するのか」と聞かれた。
脈あり、しかも安い。
一室7千円くらいだ。
早速3晩予約して旅行の準備を始める。
3泊くらいのスキー旅行の準備なら数時間で出来る。

突然、盛り上がってきた。
オリンピックは予約録画として、旅行後、早送りで見ることにしよう。

第18王朝

2010-02-17 11:59:08 | 日記


JAMAで面白い論文を見つけた。これまでの色々な論争にケリをつけ新しい知見を提供している。整理しておこう。Supreme Council of Antiquities (SCA) もよようやく論文を発表したという感じである。

ツタンカーメン (Tutankhamun) に関する過去の仮説。

(1)種々の病気を持っていた。マルファン症候群、女性化乳房、頭蓋骨縫合早期癒合症、Fröhlich 症候群、Wilson-Turner 症候群、Klinefelter (XXY) 症候群、等々。
これらの仮説は否定された。確定診断はケーラー病( Köhler II )だけである。更にはマラリア原虫 (Plasmodium falciparum) に特異的なDNA (STEVOR, AMA1, MSP1) が検出されている。王族全員で熱帯性マラリアに苦しんでいたらしい。

(2)死因は暗殺
これはテレビ番組にもなっており一般の人からかなり支持されている。話としては面白い。
SCA は熱帯性マラリアが死因であると推定している。こちらの方は半分本当ですかという気持ちで読んだ。というのも、棺の副葬品の杖、大腿骨骨折という事実、記述から推定された狩での受傷、を併せて考えると、大腿骨骨折の後遺症でなくなったと考えてもおかしくないからだ。

(3)父親はアメンヘテプ3世 (Amunhotep III) かアクエナテン王 (Akhenaten) か
この論争には決着がついた。
まず、これまでアメンヘテプ3世だとされていたミイラは彼で間違いないだろうと断定された。さらに、ツタンカーメンの父親はKV55の頭蓋骨と判定された。KV55は保存状態が悪いもののアクエナテン王の墓だと考えられている。今回の鑑定結果はアクエナテン王が父親の可能性が非常に高いと示している。

(4)母親はキヤ (Kiya) アクエナテン王の第2妃だ!
この仮説は否定された。 KV35YL(KV35の Younger Lady という意味)が母親だという。ではKV35YLは誰なのか?
彼女はKV55とともにアメンヘテプ王と正妻ティ (Tiye) の子供と断定された。つまりこの時点で可能性は Sitamen, Isis, Nebetah, Baketaten である。Nefertiti に関しては full sibling ではないとする説がある。ちなみに、キヤはKV35ELであると判明した。

(5)ツタンカーメンの家族はどこに埋蔵されたか?
まず王妃 Ankesenamun はKV21の女性ミイラで間違いないだろう。KV62から発見された2体の胎児(死産と考えられる)がツタンカーメンの子供でKV21の女性が母親だと鑑定されたからだ。

これらの知見は多くの論争にピリオドを打ち、歴史の記述を書き換える重大なものである。

それにしても、古代エジプトでは一般人の近親結婚(いとこ同士)を禁止しておきながら王族間ではいとこ同士や兄弟姉妹間の結婚が稀ではなかった。交配による動植物の品種改良も行っており、遺伝という概念を持っていた考えられる。王族は神と考えられており、その血を濃くしたかったのか?

フィギュアスケート・ペア

2010-02-14 23:59:25 | 日記
中国の申雪・趙宏博組の演技を見た。
今年は初めてロシアの牙城を崩しそうだ。
個人的には川口悠子・スミルノフ組に頑張ってもらいたいと思っている。

アイスダンスやペアでは川口悠子選手に限らず、国籍を代えて出場する人が少なくない。
パートナーの国籍が一致しなければならないという規定のためだ。
上を目指すためにはより良いパートナーを探すのが当然で、規定を満たすための書類上の定義は意味を持たない。
演技は国籍より人間関係だ。
スポーツには国境は関係ないということだろう。