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福島第一原発事故の報道

2011-03-19 09:18:42 | 日記

福島第一原発から目が離せない。
アメリカでも福島第一原発から飛散してきたと思われるキセノン−133が検出された。
無視できる放射線量なのが幸いだ。

ただ放射線の測定値が正直に報道されてないのが不気味だ。
例えば、今回の事故は多くの放射性物質を気体の形で大気中に放出している。
上空に吹き上げる量が地上に向けて放射される量よりも多いはずだ。
にもかかわらず、公表されるのは地上の測定値のみ。

実際、4号炉上空の放射線量はやや離れた地点でも毎時300ミリシーベルトに達するいう情報が一旦発表された。
ただ、正確な地点が不明でその後の観測値も公表されていない。
アメリカの被曝基準は日本より厳しく、放射線取り扱い従事者の年間許容線量は50ミリシーベルトまでだ。
日本は100ミリシーベルトだったものを250ミリシーベルトまで基準をゆるめた。
これらの数字と比べるとかなり大量の放射線量が放出されているのが分かる。
少なくとも、敷地内では冷却装置の復旧作業にとって足かせとなる放射線レベルだろう。

上空に放出される放射性物質の弊害のひとつは汚染範囲が広いことだ。
実際、農作物や牛乳から放射性物質が検出されている。
チェルノブイリでは生物学的濃縮によって放射性物質を多く含む牛乳を摂取することによって健康被害が大きくなったことが知られている。
さらに風評被害も心配だ。

今回の対処には多くの疑問がある。

  1. 1週間経って初めて各国からの技術援助を受け入れるというのは遅すぎる。
    事故直後のアメリカからの援助申し出を断っておきながら、「そのような事実を把握していません」と平然と答える政府は信用できない。
  2. 現在現場で戦っている人の健康被害は必至だ。
    彼らに健康被害に対する正確な情報が伝えられていないとすると、人道的観点から問題がある。
    少なくとも彼らには知る権利がある。
  3. 第一原発は第二原発と違い安全性に問題のある原発だ。
    冷却装置がストップした段階で廃炉を当然視野に入れるて対処を進めるべきだった。
    アメリカからの技術・物資援助は廃炉を前提としているので受け入れられないとした政府の立場は間違っている。
    Mark 1 原子炉について無知なのは、明らかな勉強不足による。
  4. 情報管理はパニックを防ぐためという大義名分かもしれないが、情報はきちんと開示するべきだ。
    「観測点の一つで線量の増加が認められたが...」は何も伝えていない。
    どの地点でどういう数字が出たか地図と表で示して欲しい。
  5. マスメディア側の勉強不足も否めない。
    的外れな質問をやめて、本質に切り込める人材はいないのだろうか。
    正確な情報収集をすすめて、国民の知る権利を守るのがマスメディアの使命ではないのか。

今回の問題の一つに、寿命が来た40年前の原子炉を無理して使用しているという事情もある。
科学技術はこの40年間に大きく進歩した。
例えば、大阪万博の目玉の一つIBM館には日本語のタイプが出来ますというコンピューターがあった。
そのための設備はビルのサイズだった。
今ならタブレットの iPad でも日本語文書をカラーで印刷出来る。
70年代の車と最新モデルの車をを比べてもその違いがよく分かる
もっと積極的に新規原発を推進して古い原子炉を早期に停止させるべきではないか。

原子力発電は資源小国の資本では生命線にもかかわらず「原子炉は悪だ」、という建前が存在する日本社会の歪みが露出した。
福島第一原発と第二原発は微妙に立地条件が違うので正確な比較ではないが、片や大事故でもう一方は無事という現実を前にすると原子炉の型の違いも要因の一つかと思わざるを得ない。
今後、原子力発電政策を転換するなら、ますます状況は厳しくなる。
古い原子炉の退役が遅れるからだ。
かといって20世紀以前の生活様式に戻るというのは現実的でない。

現在首都圏では電力不足からくる不便を余儀なくされている。
日本の製造業に対する信用も揺らいだ。
例えば、部品調達が出来なくなったGMは工場の一時閉鎖に追い込まれた。
安全のために取引先の多様化(日本以外からの調達)を進めてくる可能性がある。
これを機会に日本のエネルギー事情を真剣にそして本音で議論するべきだ。
心臓移植の二の舞になって割を食らうのは国民だからだ。

最後に Fukushina 50 に深く感謝すると共に、彼らの無事を願う。


iPad 2 レビュー 続き (印刷)

2011-03-19 00:14:24 | レビュー
先週の金曜日に iPad 2 を購入して丸一週間が経った。
ここまで気付いた点をいくつか。

初代の iPad との比較から始めたい。
まず、カメラとGPS,ジャイロが装備されたことによって、つけるようになったソフトがいくつかある。
代表的なものが フェースタイム, iMovie, スパイグラス だ。

フェースタイムは言わずとしれたアップル社の看板商品の一つだ。
WiFi のあるところからコンピューターや iOS 機器 (iPhone, iPod Touch 4G, iPad 2 など)にテレビ電話がかけられると理解しておけばよい。
アメリカの場合は、モールや喫茶店、本屋などに無料 WiFi が設置されていることが多く、フェースタイムの利用価値が高い。
海外通信も無料なので、電話会社にとっては目の上のたんこぶかもしれない。
iPad 2 の画面は iPhone, iPod Touch に比べて格段に大きく最初は相手の顔の大きさにぎょっとした。
通常の接続で、iChat と同じくらい快適に通信が出来る。
iPad 2 にして良かったと思わせる根拠の一つだ。

iMovie は慣れるのに少し時間がかかったが、動画の投稿には最適であることが見えてきた。
ファイナルカットのように多機能でない分すっきりしている。
例えば、出力面で言うと、簡単な操作(基本的にはボタンタッチ一つ)で主要動画サイトに投稿できる。
Camera Roll, YouTube, Vimeo, CNN, フェースブックらがワンタッチメニューになっている。
さらに、 iTunes に送ることも可能なのでアップルTVを介して大画面で見ることも容易だ。

スパイグラスは、コンパス、太陽や月、星のトラッキング、距離や角度の測定、GPSの座標が高度と共に表示されるなど、ただのコンパスの域を超えたアプリだ。
大変優れものだというのは分かるが、1週間では全ての機能を評価し尽くせていない。
まだ未発掘の機能があるに違いない。
ただ、これまで試しただけでも、是非使いたいと思える、有益なソフトだ。
(milspecコンパス、GPSトラッカー、六分儀、レンジファインダーカメラ、角度計算等の機能を組み合わせた拡張現実ナビゲーションツール)

これらのソフトが使えるだけでも iPad 2 に買い換える理由の一つとなる。

次に軽さについては数字以上に初代 iPad との差を感じる。
長い時間手に持って本を読む際に、特にありがたみを感じる。
この点に関しては薄くて持ちやすいというのも貢献しているだろう。
iPad 2 の動作の速さ、画像処理の速さは初代とは比較にならない。

カメラについては以前のブログに書いた通り,
写真を撮るという目的としては使い物にならないと言いたくなる。
今時 0.7 メガピクセルはないだろう。
必要な記録を残すために写真を撮るくらいなら許せる、という感じだ。
むしろ、ビデオ撮影に意義がある。
HD (720p) での撮影が可能だ。
前述のように編集して即、動画サイトに投稿できるのが魅力だ。

音声録音について一つ気になった点がある。
3G(GSM)モデルは WiFi モデルに比べて録音の音質がはっきり劣るという点だ。
マイクの位置の問題かもしれないが、3Gモデルは音が少しこもって聞こえる。
実際に比較したのはGSMと WiFi モデルだが、CDMAモデルはGSMモデルよりさらに音質が劣悪だと聞いた。
日本ではソフトバンクがGSMなのでCDMAは無関係だが。
上記のスパイグラスを使うためには3Gモデルでなければならないので録音の音質は一つの取引となる。

印刷についてHPの ENVY100 を使ってエアプリントを試してみた。
特に問題もなく快適な印刷が可能だ。
ただ、エアプリントに対応しているプリンターはまだ数が少ないのが難点だ。
アップルがリストを公表している。

機能とは関係ないが、白の iPad もすっきりしていて美しいと思う。
色は個人の好みの問題だが、白も魅力的だったとだけ付け加えたい。

Xoom や Galaxy もハードウェアとしては優れているが、いかんせん使いたいアプリが対応していないのでタブレット購入時に選択の対象とならなかった。
もちろん値段的にこれらの方が安いわけでもない。
タブレット市場で iPad /iPad 2 が独走しているのも理解できる。
今後も iPad の模造品は競争力に乏しいと考えられる。

以上を総合すると、iPad 2 は初代 iPad を持っていたとしてもアップグレードを考慮したい。
初代 iPad をパスした人も、せめてアップルストアで iPad 2 の実物に触れてみたらどうだろうか。
購入意欲をそそられるかもしれない。