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屈辱的な退却

2010-09-25 09:31:17 | 日記
中国漁船の船長釈放のニュースは日本の全面降伏だとして世界中で報道されている。

(米)The New York Times: "humiliating retreat" (屈辱的な退却)
(米)The Heritage Foundation: "Do not be coerced by Chinese irascibility" (中国の疳積によって威圧されるな)
(英)The Independent: "a backdown that would encourage Chinese assertiveness" (中国の主張を助長する譲歩)
米英は脅しに屈しないという伝統を誇っているので、今回の日本の行動を奇異に捉えている。

台湾やインドでの報道ではやはり他の領土問題も気になるらしく、アメリカの対応と誤算、将来の展望を中心とした記事が目立った。
ベトナムやフィリピンを当事国として捉え、中国との領土問題を同じ平面上で理解しようとしている。

ロシアの記事では、最近の中国海軍の行動が活発になっている事実を上げ、日米同盟に対してももはや対等に発言できるくらい軍事増強が進んでいると懸念を表明していた。

国によって一つの外交問題の解釈が随分異なるものだと改めて感じた。

いずれにせよ、中国の強硬な態度は多くの示威行動、ネットを通じての発言などで支えられており、愛国心側に偏っている。
それに対して日本人は反中感情を持ったとしても行動することはなく、外から見れば「領土問題に対して無関心」ととられる。
むしろ経済界の方が、資源の確保、社員や生産拠点の安全問題などを抱え、政府に対して妥協するように働きかける。
このような状況では喧嘩に勝てる訳がない。
必然の結末だろう。