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24

2010-05-26 13:30:46 | 日記
24シリーズのテレビ放映が終了した。
次は映画(2012年予定)だが、このドラマはある意味重要な問題提起をしている。
登場人物の中で、認容出来る倫理感を持っているのはクローイだけであるが、彼女にしても自分の倫理観からは外れている。
「認容出来る」というのは、「その倫理感を持った人間が存在することを認容出来る」という意味だ。
では、不道徳で受け入れることの出来ない倫理感を持った人物が多数登場する24のどこが重要なのか。

このドラマのテーマはアメリカの閉塞感と苛立ちである。
究極の Utilitarian (結果が全て、手段は問わない)というジャックバウアーを主役として、最大限の利益のためにと言う旗印の下、邪悪の限りを尽くすのだ。
テロリストと何ら変わるところがない。
何故人気があるのか?
それは現実世界では彼のような行動が認められないからである。
架空の話で閉塞感を打破したいのだ。

ジャックに "I give you my word." と言われてすぐ返さなかった人が次々に死ぬ一方で、弾丸がジャックを避ける時、またぼこぼこに殴られた数分後に腫れ一つ無い顔で元気に走り回るジャックを見る時、人はジャックに神を見る。
法律や規則だけでは秩序が守れないという現実をみんな知っている。
その秩序を守る法を超えた存在が彼なのだ。
アメリカは国際社会での無力感に対して、そんな存在を求めている。
或いは自らがジャックになりたいのか。
今回のジャックの言葉から。
"I'm the judge and the juror."


さて、感想はと言うと、8日目は4日目や6日目に比べればまだマシというところだ。
8日間全部観てしまったので、嫌いな訳ではない。
最後の結末は、良かったと思うがそこに至るまでの作りは意外性に乏しく少し物足りない。
安易すぎる展開も作家陣の才能のなさを物語っている。
話の暴露を避けるため具体的な内容には触れないが、 後半の12時間にその傾向が顕著だ。
後は映画に期待である。