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ナイン

2010-05-05 09:41:20 | 日記

邦題は「9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~」
結論を先にしよう ー 映画館で見ることを勧める。
アニメだがどのシーンをとっても額縁に入れて部屋に飾りたくなるほど美しい。
独創的で、細部も丁寧に仕上げられている。
物語の設定も、別方向に発達した社会を前提としたファンタジーで面白い出だしだ。
音楽も巧妙で、大画面、大音響のサラウンドシステムでの視聴が一番。

問題は内容。
子供には難しすぎるし、怖すぎる。
大人にとっては先の見える、型にはまったストーリー展開と言える。
どの世代、どういう人々を対象としてこの映画は作られているのだろう。

よく言えば、期待を裏切らない安心感のある映画だが、逆に言うと意外性に欠ける陳腐な作りということになる。
キャラクターの内面も深みに欠ける。
例えば、利害の衝突や、葛藤、倫理感に対する挑戦といった要素を加えればもっと味わいのある映画になっただろう。
これが初めての長編映画なのだからもっと大胆に観客を挑発しても良かったのではないか。

しかしこの監督の才能には注目したい。
きゃらくたーの外観やストーリーの設定からきらりと光る何かを持っていることが伺われる。
次回作は見逃せない。
この映画はそこそこの出来映えであるし、奇才ティム・バートンをはじめとして支援者も多い。
資金面の問題を考えずに、思い切って次回作を制作できるだろう。
斬新な物語で思い切った挑戦をして欲しい。

☆☆☆