グリーンコープのせっけんメーカーのひとつである『太陽油脂』の方を招いて、せっけん学習会を行いました。
まず、界面活性剤とは何か?を教えていただきました。
せっけんと合成界面活性剤の違いについては、
歴史、原料、作る環境、タンパク変成作用、生分解性の面から
丁寧に教えていただきました。
印象的だったのは、
「もしもせっけんを飲んでしまったら、
体の中でどういうことが起こるのか?」の実験です。
胃の中にせっけんが入って胃酸と混ざったら…?
コップの中で「せっけん+酢(酸)」で試しました。
すると、白いプニプニの物体が出てきました。
それは、せっけんの原料である油が分離して出てきたものでした。
つまり、飲んでしまっても体にとって害はないのです。
もし、合成界面活性剤を飲んでしまったら…?
合成洗剤は、タンパク質と結合するので、
体内で結合してしまい、危険なんだそうです。
次に、
「もしもせっけんが海に流れてしまったらどうなるか?」の実験です。
海水とせっけんを混ぜると、白いふわふわしたものが出てきました。これは、海水中のカルシウムと結合してできた、カルシウムせっけんで、別名「食用せっけん」といい、魚や微生物の餌となります。
せっけんは、環境にとって安全だということが分かりました。
そして、実際に使うときのコツも教わりました。
<食器洗い>
食器に残った酢(酸)とせっけんが合わさると、元々の原料(油とアルカリ)のうち、アルカリは酸で中和されるので、「油」が出てくる。(もしも飲んでしまったら…の実験をご参照ください)
⇒事前に汚れを拭き取ってから洗う。
<洗濯>
汗(Ca、Mg、乳酸)とせっけんが反応して
Ca+せっけん → 白いもの(カルシウムせっけん)が付く。
乳酸+せっけん → 油が出てくる(脇の汗じみ)
⇒予洗いをしてから、せっけんで洗濯する。
アルカリウォッシュを溶かした水に、汗の付いたものを浸しておく。
《参加者の感想》
・使用感などだけで選んでしまっていましたが、体や環境への影響を聞き、怖いと思いました。せっけんの性質を知り、上手に使っていきたいと思いました。
・実際にせっけんの仕組み(反応)を見ることで、環境、人体にどのくらい安全で自然な洗剤であるかが、実感できました。
・もっとたくさんの人に合成洗剤とせっけんの違いを聞いていただき、知ってもらいたいと思いました。
家庭から流される汚水は、下水処理場で処理されています。しかし、下水処理場の容量にもよりますが、東京都湾岸部では時間雨量3mmの雨でも「雨天時越流」が起こる処理区があり、未処理の下水が川や海に流れているそうです。そして雨の後、数日間は影響を受けるので、年間で100日くらい、処理していない下水が川や海を汚します。
環境への負荷の少ないせっけんを、ぜひ一人でも多くの方に伝えていきたいと強く思いました。