昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

GTL125/1200APOレビュー(3惑星を中心に・・・・)

2016-05-24 13:22:15 | 12.5cm屈折望遠鏡



GW中はあまり天候が良くなく、GTL125/1200APOを使うチャンスは限られていました。しかし、ここに来て天候が良い日が続いたので夕方の木星、夜半には接近中の火星、さらに土星を観測・撮影をしてみました。

5月14日(土)・15日(日)
この日は山梨県内でおこなわれた望遠鏡愛好者のイベントにGTL125/1200APOを持ち込みました。筆者はこの仕事に関わる以前から何回か参加していたのですが、天候に恵まれず実際の天体を見る機会はほとんどありませんでした。今回も予報では曇りがちでダメかなと思っていたところ、時折雲が通過しましたが、おおむね晴天で好シーイングにも恵まれたので明け方3時くらいまで月・木星・火星・土星などを見ていました。木星はちょうど大赤斑が見えてきたので、そのオレンジ色の濃さと縞模様のディテールを、火星は模様と周辺に出ている白い雲、土星はカッシーニのすきまの見え方を参加された方にいろいろと評価してもらいました。ちなみに持ち込まれた国内外の一流機との見比べとなったため戦々恐々ではありましたが2枚玉長焦点アポクロマート機としての性能は評価いただけたようで内心ホッとしました。

5月21日(土)
金曜は出かけていたため、木星は間に合わず、夜半の火星と土星を見てみました。この日は18日(水)よりもシーイングが良かったのでXO5mm(240倍)Or6mm(200倍)Or7mm(170倍)で見てみました。火星は気流で常に揺らいではいますが、オーロラ湾・アギダリアの海といった主要な地形はしっかり確認できました。また土星も本体の縞模様とリング内のカッシーニのすきまはしっかり見えるのでずっと見ていたいなという印象です。

5月22日(日)
この日はまず木星からスタートしました。視直径は既に40秒を切っていて、シーズンも終盤かも知れませんが、シーイングは良好なのとちょうど大赤斑が出てくるところから見ることができました。XO5mm(240倍)Or6mm(200倍)Or7mm(170倍)を使ってあらためて見ると大赤斑の色(オレンジ色系)が濃いこと。2つに分かれたSEBよりも濃い印象で、他にもSEBやNEBのディテールとEZも薄暗い斑がチラチラ見えるという感じでした。夜半に入るとうす雲の影響をうけましたので火星のみに絞って見てみると、子午線湾が沈み、オーロラ湾とアギダリアの海が大気に揺さぶられながらも濃く見えています。よくよく思うと最初に見はじめたころよりも視直径はあきらかに大きくなっていることがわかります。

5月23日(月)
天気予報では明日から崩れるというので、一旦見納めになると思い、木星からスタートしました。昨日同様シーイングが良く、表面の様子をしっかり見ることができます。この日は表面を黒い点が横切ったので最初はガリレオ衛星の影と思いましたが、あとで確認するとカリストそのものが表面を通過していました。あと火星は昨日同様なのですが、22時くらいから見はじめたおかげで子午線湾は見やすかったです。ただ低空故に木星のようにはびしっと安定しないのが悩みどころです。最接近まで1週間ほどなので火星は要注目ですね。


惑星を撮影した画像は下記のギャラリーの方をご覧ください。

http://gototelesco.co.jp/gallery3_planet.html


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