昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

2018年もあとわずかです

2018-12-28 10:40:01 | うんちく・小ネタ

2018年は皆既月食や火星大接近に加え、久しぶりに日本人による新彗星発見に湧きましたが弊社では地道に天体スペクトル観測のPRにウエイトをおいた年となりました。回折格子とスペクトル解析ソフトをセットにした観測キットはアマチュアだけでなく教育現場からもご用命をいただき、あと特殊ではありますが太陽スペクトル観測装置のほうも各種イベントでデモをしたところ評価をいただきました。これらの製品は多数売れるものではございませんが、こういった観測ツールを提供することで観望や撮影に加えて将来は観測や天文教育普及という活動にも取り組んでいただけるのではないかと考えています。

2019年はマークX赤道儀用ポータブルピラーとハーモニックドライブ(R)赤道儀についてアナウンスができるよう努めますのでご期待いただければ幸いです。

残りわずかではありますが良い年をお迎えください。(kon)

※ハーモニックドライブ(R) は (株)ハーモニックドライブシステムズの登録商標です。


天体スペクトル観測キットの観測事例を提供いただきました

2018-12-18 10:17:46 | 分光観測

弊社で販売している天体スペクトル観測キットをお使いの小澤様から観測作例をいただきました。ご本人から許諾もいただいたので掲載いたします。使っている望遠鏡は25㎝ F4.8のニュートン反射で、ZWO社のカラーCMOSカメラで撮影したとのことです。

最初はカシオペア座γ星です。「M」の配列で真ん中にある星です。この星をスペクトルを観察すると1か所明るいところがあります。これは太陽のプロミネンスや散光星雲でおなじみの水素Hα線(波長6562.8Å)が輝線スペクトルとして見えています。下のスペクトル画像でも明瞭に確認できます。(各画像はサムネイルなのでクリックして拡大してください。)



これを解析ソフトRSpec(日本語版)で解析すると下のようなグラフになります。グラフにするとHα線の部分がはっきりわかります。

更に、話題のウィルタネン彗星のスペクトルにも挑戦したとのこと。彗星は淡いため25枚コンポジット処理をしています。

これもRSpec(日本語版)で解析すると下のようなグラフになります。
太陽光を反射しているため連続スペクトルとして表れています。彗星の状態によってはC2分子等の輝線スペクトルが観測できる場合がありますが、今回の作例は確認できていません。

今回観測データを提供いただいた小澤様にはお礼申し上げます。
天体スペクトル観測キットのユーザー様でスペクトルだけでも結構ですのでこんなのが撮影できたとかございましたらぜひ拝見させてください。またお許しいただければブログで作例を引き続き公開させていただければと思います。(kon)

 


五藤光学研究所のドームなび新連載

2018-12-06 18:32:22 | うんちく・小ネタ

五藤光学研究所のドームなびですが、児玉光義連載「星夜の逸品」の新連載がはじまっています。

タイトルは『落札してから調べよう、~2018年10月にヤフオクに現われた謎の鏡筒と謎の格納庫~』です。

五藤光学研究所創業時に作られた望遠鏡の話ですが、あまり知られていないモデルが登場します。
もう3話まで進んでいるようなので是非ご覧ください。(kon)

ドームなび
http://www.domenavi.com/

星夜の逸品
http://www.domenavi.com/ippin/index.html