昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

今年もおしまいですね

2016-12-28 15:06:38 | うんちく・小ネタ



2016年もあとわずかになり、弊社も本日が仕事納めです。

さて、2016年は火星中接近をはじめとした天文現象がありましたが、とにかく天候に恵まれなかった年だなと痛感しました。全国でみれば多少違うかも知れませんが、特に7月以降から冬に入るまでまともに夜が晴れたという印象が薄かったです。それだけに筆者もそうですが、みなさまも悶々と過ごされた期間が相当あったかと感じます。2017年はぜひとも晴れる日が増えていくことを期待したいです。

他に印象に残ったことは、天文業界とメディアとのギャップでしょうか。メディアではしきりに「スーパーマーズ」とかおなじみになった「スーパームーン」という言葉が闊歩し、天文学を知った立場とすればキャッチなだけで食傷気味感がありましたが、そのおかげで夜空を見上げたという人は相当数になったと思います。しかし、昨今の時代、どうしても流行りが終わったらそれまでという感じが残念なところですが、もしもそのような潜在層の1%でも光学機器を入手して楽しんでいただければ市場にも活気がでるかと思います。この辺りは根が深いところなのですが業界としてもマニアだけでなく一般層に訴求させることが課題かもしれません。

弊社については12.5㎝屈折 GTL125/1200APO、双眼鏡StarCruise842、単眼鏡GT-M518を提供し、 前者の2製品は年内に完売しました。GTL125/1200APOはサイズ・価格が大幅にアップしたこともあり、前作のGTM100/1000APOのような販売ペースというわけにはいきませんが、星まつりやデモをご覧いただいたみなさまから評価をいただいたこともあり、手堅い売れ方だったかと思います。またStarCruise842は弊社初であり、かつ五藤ブランドを冠した久々の製品でこれまでに多くの方にお求めいただきました。客層は弊社のポジション上では天文愛好家が多いのは当然ですが、野鳥愛好家の方からも指名でオーダーをいただいたことは市場を知るうえで貴重な経験でした。単眼鏡GT-M518は天文用途ではございませんが、小さいながらも五藤光学のエッセンスが濃縮されており、こちらもamazonのレビューでも好評価をいただいていて販売も継続しています。

最後に年末年始は月もめだたないので、天候が良ければ存分に星三昧できるかと思います。ぜひ良い年をお迎えください。
本年もありがとうございました。(kon) 

画像:組立中のマークX用2軸モーター 


マークX赤道儀用2軸モータードライブ製造中

2016-12-20 15:27:27 | 製品情報



期間限定で募集をしたマークX赤道儀用2軸モータードライブですが、パーツが少しづつできてきました。
ギアがずらりと並ぶ姿がなかなか壮観だったのでちょっと撮影をしてみました。

申し込みされたお客様には出荷の用意が整い次第ご連絡をさせていただきますので、お時間をいただければ幸いです。(kon) 


超新星 SN2016isl

2016-12-12 11:12:43 | 天体観測





五藤光学研究所 嶋 邦博さんがおうし座方向の銀河CGCG 466-003で5個目の超新星を発見しました。発見は2016年12月6.671日(世界時)、五藤光学研究所 八ヶ岳観測所の45cmカセグレン式望遠鏡に0.33倍レデューサーを装着、冷却CCDカメラを使って3.1億光年かなたの銀河内での星の大爆発をとらえることに成功しました。


発見後しばらくして、Padova-Asiago Supernova グループによる分光観測の結果、特殊なIa型超新星という報告が上がり、SN2016islという番号がつきました。
 
嶋さんの超新星発見は、2015年11月、うしかい座方向の銀河NGC5772に発見したことに続き通算で5回目となります。新月期中心の限られた時間の中にも関わらず精力的に捜索を続け、2年続けての発見となりました。 

嶋さん、5個目の発見おめでとうございます。 (kon) 

画像上:発見時の画像(嶋邦博氏提供)
画像下:筆者が撮影した画像 12月7日 23時12分撮影